その学園にご用心

マグロ

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第三章

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次の日、れい先輩と約束をした時間に今度は迷うことなく生徒会室に来ていた。

いわずもがな龍君が俺も行くって言って聞かなかったけどまた煌が止めてくれて1人で来た。

生徒会室のドアをノックすれば中からバンッとすごい勢いで開けられた。

「待ってたよー!桜李君!僕ずっとずーっと君と話がしたかったのー!なのに、僕より先に会長も副会長も会計ももう会って話をしたって言うんだから悔しいったらなくて!!だから今日、来るって聞いて朝から待ってたんだよ!!」

物凄いマシンガントークをする人だ。
朝から待ってたって誰も僕が午後から来る事を言わなかったんだろうか?

その前に何故僕を知ってて待ってたんだろう?
てか、どちら様かな?

きょとんとしているとその人がまた喋り出した。

「あぁ!ごめんね!僕は生徒会書記の松前 深栗-まつまえ みくり-だよ!名前で呼んでいいからね」

ニコッと笑って深栗先輩は握手して来た。

深栗先輩はかなり可愛い顔をしていた。
笑った顔が余計に可愛い。

「神笠桜李です。僕も桜李でいいです」

ペコリとお辞儀をすると、可愛いー!と言って握手した手をブンブン振って来た。

「深栗、まず中に入れてやれ」

奥の方かられい先輩が深栗先輩に言った。

「そうだった!ごめんごめん!どうぞ」

そう言って中に入ると生徒会メンバー全員がいた。
れい先輩と五十嵐先輩と創先輩と深栗先輩。

みんなに挨拶をして中に入った。
お茶用意するから座ってて。と言われたので昨日座ってた場所に座る。

深栗先輩がお茶を出してくれてから僕の隣に座った。
ニコニコと可愛らしい笑みを浮かべながら何も言わず、ずっとこっちを見ている。

流石に気まずくなって来たので声を掛けてみることにした。

「あの‥深栗先輩何か…?」

「あぁ!ごめんね。あまりにも綺麗な顔だからずっと見ていたくて喋るの忘れちゃったよ」

「いやいやいや」

と手を振ると深栗先輩からガッと手を掴まれた。

「桜李君!お願いがあります」

すごく真面目な顔でそう言われた。

「はい。なんでしょう?」

「僕ね、美容科なんだけど今度の交流イベントで代表で出ないといけないの!それにプチファッションショーをしようってことになってちょうどモデルを探してたんだ!」

つまり深栗先輩の説明はこうだ。

プチファッションショーをするには3人モデルが必要らしく芸能科から人を借りるべく探していたらしい。
でも、深栗先輩のピンと来る人がどうしてもいなくて困ってた所に食堂事件があった。
ちょうどその場にいた時に見たのが僕だったみたいだ。
僕を見た瞬間、この子だ!と思ったらしくて周りの騒ぎようで遅れて来た新入生だという事が分かったらしい。

生徒会室に戻り、食堂がすごい!めちゃくちゃ綺麗な子がいた!あの子と関わりたい!何組の名前はなんだ!ファッションショーお願いしよう!と騒いでいたそうだ。

そして今日、来ることが分かって待ち構えていたらしい。

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