その学園にご用心

マグロ

文字の大きさ
上 下
59 / 135
第三章

18

しおりを挟む
次の日、れい先輩と約束をした時間に今度は迷うことなく生徒会室に来ていた。

いわずもがな龍君が俺も行くって言って聞かなかったけどまた煌が止めてくれて1人で来た。

生徒会室のドアをノックすれば中からバンッとすごい勢いで開けられた。

「待ってたよー!桜李君!僕ずっとずーっと君と話がしたかったのー!なのに、僕より先に会長も副会長も会計ももう会って話をしたって言うんだから悔しいったらなくて!!だから今日、来るって聞いて朝から待ってたんだよ!!」

物凄いマシンガントークをする人だ。
朝から待ってたって誰も僕が午後から来る事を言わなかったんだろうか?

その前に何故僕を知ってて待ってたんだろう?
てか、どちら様かな?

きょとんとしているとその人がまた喋り出した。

「あぁ!ごめんね!僕は生徒会書記の松前 深栗-まつまえ みくり-だよ!名前で呼んでいいからね」

ニコッと笑って深栗先輩は握手して来た。

深栗先輩はかなり可愛い顔をしていた。
笑った顔が余計に可愛い。

「神笠桜李です。僕も桜李でいいです」

ペコリとお辞儀をすると、可愛いー!と言って握手した手をブンブン振って来た。

「深栗、まず中に入れてやれ」

奥の方かられい先輩が深栗先輩に言った。

「そうだった!ごめんごめん!どうぞ」

そう言って中に入ると生徒会メンバー全員がいた。
れい先輩と五十嵐先輩と創先輩と深栗先輩。

みんなに挨拶をして中に入った。
お茶用意するから座ってて。と言われたので昨日座ってた場所に座る。

深栗先輩がお茶を出してくれてから僕の隣に座った。
ニコニコと可愛らしい笑みを浮かべながら何も言わず、ずっとこっちを見ている。

流石に気まずくなって来たので声を掛けてみることにした。

「あの‥深栗先輩何か…?」

「あぁ!ごめんね。あまりにも綺麗な顔だからずっと見ていたくて喋るの忘れちゃったよ」

「いやいやいや」

と手を振ると深栗先輩からガッと手を掴まれた。

「桜李君!お願いがあります」

すごく真面目な顔でそう言われた。

「はい。なんでしょう?」

「僕ね、美容科なんだけど今度の交流イベントで代表で出ないといけないの!それにプチファッションショーをしようってことになってちょうどモデルを探してたんだ!」

つまり深栗先輩の説明はこうだ。

プチファッションショーをするには3人モデルが必要らしく芸能科から人を借りるべく探していたらしい。
でも、深栗先輩のピンと来る人がどうしてもいなくて困ってた所に食堂事件があった。
ちょうどその場にいた時に見たのが僕だったみたいだ。
僕を見た瞬間、この子だ!と思ったらしくて周りの騒ぎようで遅れて来た新入生だという事が分かったらしい。

生徒会室に戻り、食堂がすごい!めちゃくちゃ綺麗な子がいた!あの子と関わりたい!何組の名前はなんだ!ファッションショーお願いしよう!と騒いでいたそうだ。

そして今日、来ることが分かって待ち構えていたらしい。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

病んでる愛はゲームの世界で充分です!

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。 幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。 席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。 田山の明日はどっちだ!! ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。 BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。 11/21 本編一旦完結になります。小話ができ次第追加していきます。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

気まぐれ先生の学園生活

海下
BL
これは主人公 成瀬 澪が愛おしまれ可愛がられる。 そんな、物語である。 澪の帝紀生時代もいつか書きたいと思ってます、なんて。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

推しを擁護したくて何が悪い!

人生1919回血迷った人
BL
所謂王道学園と呼ばれる東雲学園で風紀委員副委員長として活動している彩凪知晴には学園内に推しがいる。 その推しである鈴谷凛は我儘でぶりっ子な性格の悪いお坊ちゃんだという噂が流れており、実際の性格はともかく学園中の嫌われ者だ。 理不尽な悪意を受ける凛を知晴は陰ながら支えたいと思っており、バレないように後をつけたり知らない所で凛への悪意を排除していたりしてした。 そんな中、学園の人気者たちに何故か好かれる転校生が転入してきて学園は荒れに荒れる。ある日、転校生に嫉妬した生徒会長親衛隊員である生徒が転校生を呼び出して──────────。 「凛に危害を加えるやつは許さない。」 ※王道学園モノですがBLかと言われるとL要素が少なすぎます。BLよりも王道学園の設定が好きなだけの腐った奴による小説です。 ※簡潔にこの話を書くと嫌われからの総愛され系親衛隊隊長のことが推しとして大好きなクールビューティで寡黙な主人公が制裁現場を上手く推しを擁護して解決する話です。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

処理中です...