その学園にご用心

マグロ

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第二章

23 雷サイド

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帰国してからも毎日、神笠桜李のことを考えていた。
次はいつあの場に行けるだろう。
大人になったら俺があの会社との商談を引き継いで、運良くあの子と会えれば話し掛けよう。
会えなくてもあそこの社長に何かと理由をつけて会わせてもらおう。

そう思って3年になった時だった。

この日もいつも通り元風紀副委員長こと小田 遊星-おだ ゆうせい-と食堂に来ていた。
(こいつも俺が継がないと言った時、一緒に風紀委員を降りた)

「なんだ?いつもより騒がしくないか?」

「ん~…、あ!噂の新入生ちゃんだ!遅れて昨日来たらしいよ!それから新入生ちゃんの周りに煌達がいる!」

伸びをして入口を見ていた遊星がそう言った。

興味もないので、あっそ。と返事をして昼飯を食べ出した。

「相変わらず興味なしだね~。愛しの桜李ちゃん以外はジャガイモってか!アハハ」

好き勝手言ってるが無視をする。

「噂の新入生ちゃんね、ものすっっごく綺麗な子なんだよ。たった1日で新入生ちゃんのファンがすごくて親衛隊の話がもう出てるらしい。あ!そー言えば新入生ちゃんもオーストラリアから来たらしいよー」

聞いてもないのにベラベラと喋り出した遊星の話を聞き流してたら引っかかる事を言った。

は?オーストラリアから?

バッ!と立ち上がる。
うお!ビビったー!いきなり何?て文句を言っている遊星は無視をする。

入口を見た時、神宮寺と話をしているのは間違いなくあの子だ…。
あの頃より少しだけ成長してて更に綺麗になっていた。

ずっと見ていたら神宮寺が桜李を連れていなくなった。

クソ!こんな事になるなら風紀委員長の座を譲らなければよかった!

どうする?どうすれば桜李と話せる?

そう考えていた時、近くから声が聞こえた。

「やっぱ綺麗だったねー!」

「親衛隊作るって話しがあるらしいよ!出来たら絶対入りたい!」

「僕も絶対入る!」

親衛隊…?

そうか…。

そうか!
親衛隊を作って俺が隊長をすればいいのか!

こうしちゃいられない。

「遊星、俺用事出来た。後、片付けといて」

「ちょっ!ちょっと待って!何なの!もーう!!」

そう聞こえたが今は構っている暇はない。
桜李の親衛隊が出来れば俺が隊長を出来なくなる。
そうすればまた桜李と話す機会がなくなる。

すぐさま親衛隊の申請の紙を書く。
後は桜李から許可を貰えば風紀委員が親衛隊リストを管理してるのでそこに提出すれば完璧だ。
急がないと誰かに先を越されかねない。


そして、桜李と別れて今にいたる。

風紀委員室には神宮寺しかいなかった。
いきなり来た俺に驚いた顔をした神宮寺に親衛隊の申請書を渡した。

「え?時任先輩。これ…」

「そうゆう事だから。処理しといてくれ」

「は!?ちょっと!時任先輩!!」

申請書を見てさらに驚いた声を出す神宮寺を無視して部屋を出た。

すると出た瞬間、ドアのすぐ横に白峰が立っていた。

「なんだ」

「時任、お前どうゆうつもりだ?」

「何が」

「桜李の親衛隊。周りの生徒達がすっげーことになってるぞ」

「関係ない。俺がしたくてやっている」

「てか、何で入学したての桜李の親衛隊やろうとしてんだ?お前、常に人に興味持つような奴じゃなかったよな?」

「俺はここに来る前から桜李を知ってる。用事があるんだ。もう行っていいか?」

「は?何で知ってんだよ」

「お前に関係ない。じゃあな」

そう言って白峰の横を通った。

「渡さねぇから」

そう聞こえたが聞かなかったふりをした。
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