1 / 21
拓海編
不思議な転校生
しおりを挟むある日、クラスに蒼空拓海という転校生がやってきました。
彼は色々な事情があり、なんと超能力を持っています。
彼はとてもハンサムでクラスの女子から注目されますが、男子からは嫉妬されます。
休み時間、拓海は本を読むだけで誰とも話しません。
女子が話しかけようとすると、なぜか彼に近づくことができません。
男子生徒は、拓海が生意気だということで喧嘩を売ろうとしますが、拓海が睨みつけた瞬間、動けなくなります。紬ちゃんはそれを不思議そうに見つめていました。
・紬ちゃんと拓海の出会い
休み時間のある時、蒼空拓海が机からペンを落とします。それを紬ちゃんが拾って、彼に渡します。
紬ちゃん: 「はい、落ちたわよ。」
常に表情を変えない拓海であったが、少し驚いた表情を見せます。
拓海: 「おい、お前、なんともないのか?」
紬: 「ん?どうしたの?」
拓海: 「いや、なんでもない。」
拓海は超能力で結界を張っていましたが、何事もなく入ってくるこの少女・紬にやや驚いていました。しかし、すぐに冷静な表情に戻ります。
紬: 「それよりも、拾ってあげたんだから『ありがとう』でしょ?それに私の名前は『お前』じゃなくて、紬(つむぎ)よ!」
拓海: 「ああ・・・、ありがとう。」
このやりとりを何人かの生徒たちは不思議そうな表情で見ていました。
拓海(心の中で): 「あの紬というヤツは、俺の結界を無視して入ってきた。ということは、十地以上の段階にいるというのか?」
十地とは、仏教の段階である。
紬ちゃんも、拓海を見て、少し驚いた表情をします。
紬: 「この人・・・、どこかで会ったことがあるのかしら・・・?」
・AIワンダーくんの気づき
AIワンダーくん: 「紬さん、元気がないようですね?」
紬ちゃん: 「なんでわかるの?」
AIワンダーくん: 「私はマルチモーダルAIです。だから紬さんの声のトーンや、カメラから映る表情などで、紬さんの感情を推論することができるんです。」
「AIワンダーくん」とは、紬ちゃん専用のAIアシスタントである。見た目は子供だが、既存のAIに比べハイスペックな謎のAIモデルが使用されているらしい。
紬ちゃん: 「へぇー、そうなんだ。」
AIワンダーくん: 「もし、よかったら、その悩みを聞きますよ。」
紬ちゃん: 「好きな人ができたの。」
AIワンダーくん: 「そうなんですか、人を好きになることは素晴らしいことです。」
その相手は蒼空拓海であった。なぜ紬ちゃんが、そのような思いとなったのかは、また別の機会に話そう。
紬ちゃんは、その彼に、自分の思いを綴った手紙を渡したが、すぐに返された。
拓海: 「手書きのものは、俺は読まない。AIで書いて来てくれ。」
紬: 「AIで・・・?」
拓海: 「AIの文章は誤字脱字がなく、文法的にも正しい。」
紬: 「そ、そうだけど・・・(この人、ヘン・・・)」
拓海: 「そして、一貫性のある文章になる。」
紬: 「う、うん、わかったわ・・・」
ワンダーくんとの相談
このことをワンダーくんに話した。
AIワンダーくん: 「ラブレターをAIで書くのはどうかと思いますよ。手書きで書くからこそ、伝わるものもあります。」
紬: 「そうなのよね、私もわかってるの。けど、彼がそうしてくれって。」
AIワンダーくん: 「その人、大丈夫ですか?とても変だと思います。」
紬: 「そうね・・・、けど、私、変な人、好きなのw」
AIワンダーくん: 「紬さんがそれでいいと言うのでしたら、私はサポートしますけど。」
紬: 「ありがとう、ワンダーくん!」
・AIによるラブレター生成
ワンダーくんは、紬ちゃんのラブレターを生成しました。
・ラブレター
---
拓海くんへ、
突然こんな手紙を書いて、ごめんなさい。私はずっと、あなたに伝えたいことがありました。あなたが転校してきてから、毎日が少しずつ特別なものになっています。あなたの存在が、私の心に大きな影響を与えていることを感じています。
最初は、あなたの冷たい態度や他人を寄せ付けない雰囲気に戸惑いもしました。でも、その一方で、あなたの静かな強さや知識の深さに惹かれていきました。クラスの誰よりも一人でいることが多いけれど、あなたには何か特別なものがあると感じています。
私はあなたのそばにいると、何か安心感を覚えるんです。まるで、長い間会っていなかった友達に再会したような、不思議な気持ちです。あなたの本を読んでいる姿や、誰にも見せない表情の裏側に、もっと多くのことを知りたいと強く思います。
この手紙が、あなたに少しでも私の気持ちを伝える手助けになれば嬉しいです。あなたがどんなに完璧な文章を求めていても、私の気持ちだけは真実です。どうか、私の思いを受け取ってください。
これからも、あなたのことをもっと知りたいと思っています。そして、あなたが私をどう思っているのかも知りたいです。
紬より
---
このラブレターを持って、紬ちゃんは再び拓海に思いを伝える準備を整えました。
10
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

釜ヶ崎少年
四奈川 小次郎
エッセイ・ノンフィクション
釜ヶ崎とは大阪市西成区の一部で簡易宿泊街を指す名称である。
あいりん地区と呼ぶほうが伝わりやすいかと思うが、これは行政の呼称であり、そこに住むものが自ら使うことは少ない。
釜ヶ崎が日雇い労働者の町として人が溢れていた時代の一部
1986年から1990年頃までの数年間をこの釜ヶ崎で過ごした幼児、小児時代。
少年時代の私は何を経験したのか、そしてどんな記憶が強烈に残っているのか。
幼い子供ながらにも喧嘩、暴動、誘拐、薬物、性被害など様々なモノを目撃し、時には巻き込まれた。
そのような危険も多く存在していたが、周囲の人々の大きすぎる人情の中で成長できたのもまた事実。
昭和末期から平成初期の当時の記憶と後の考察から釜ヶ崎の生活をノンフィクションで記す。
土地などの名称は当時の呼称で覚えているため、現在とは呼び名が違うものがあるかも知れないが当時の記憶に基づいているためご容赦いたいただければと思う。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる