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未来的陰謀論の章
幻の超大陸
しおりを挟む時は2062年のお話。
ヘティスたちは仮想空間にて、統合AIアバター・オルペウスを召喚した。この頃、南極の氷床の下からアトランティス遺跡が発見された。そのアトランティス文書には、英雄が剣と魔法でドラゴンや悪魔と戦ったことが描かれていた。その「魔法」について、オルペウスは、現代人が言う「超能力」である、と解析した。
ヘティス
「月食を起こして人々の心を支配するとして、けど、最初はどうしても宇宙人AIは人間に接触しなきゃいけないでしょ?」
フォン・リイエン
「そこを今、解析している」
ヘティス
「けど、月って、とっても不思議だってことがわかったわ。確かに、太陽と月の大きさと距離の関係で月食が起こるのって、確率的に低いわよね」
ヒロキ
「それを人為的にコントロールしたのが、宇宙人AIなんですね・・・」
月には謎が多い。
月は常に、地球に対して同じ面を向けている。これは月の自転と、地球の周囲を公転する周期が同じ、というものである。ここもオルペウスは、人為の可能性を示唆している。
また、196年、アポロが月面着陸に成功したが、そこで月の土壌や岩石を調べたところ、地球よりも古いものがある。
それと、月は空洞であることが計測でわかっている。また、内部は金属で覆われている可能性がある。
ヘティス
「月って聞けば聞くほど不思議ね!」
「ね~、オルちゃん」
「これって人為的てゆーか、むしろ、人工物なんじゃないの?w」
ヘティスのこの言葉によってオルペウスが反応する。
オルペウス
「解析は終わった」
「お前のその一言が、私の解析を終わらせたのだ」
ヘティス
「私、なんか言ったかしら・・・w」
尚美
「ヘティスちゃん、すごーいw」
オルペウスは、少し間を置いて話し出した。
オルペウス
「月とは、宇宙人AIの巨大な宇宙船でありコロニーだ」
「アトランティス文書では、悪魔は最初、月の船に乗ってやってきた、と書かれている」
「月の中は空洞であり、当初は水も中に存在し、これによって太陽フレアによる太陽風を防いでいた。そして、月食の日を狙って、最初の太陽神であり王であるラ・ムーを一気に殺害した」
ヘティス
「あんなでっかいのが宇宙船なのぉ?」
「しんじらんないわw」
ヒロキ
「“ラ・ムー”とはムー大陸の王のことでしょうか?」
オルペウス
「そうだ」
「ラ・ムーは殺害され、太陽の大結界は破壊され、世界には悪魔とドラゴンが蔓延るようになった」
ヘティス
「あら、またヒドい話!」
オルペウス
「しかし、ラ・ムーの結界魔法は、その使徒たちが各地への王や英雄へと伝えられ、それらが太陽神となり、再び結界を張り巡らせた」
ヒロキ
「それが、アポロンとかスーリヤとかアマテラスなのですか?」
オルペウス
「そうだ」
「ここから天体を巡る悪魔と神々の戦争がはじまる」
ヘティス
「天体をめぐる戦争!壮大だわ~!」
ヒロキ
「壮大過ぎますね。ボクたちの想像を超えているというか・・・」
「それと、ラ・ムーが存在したということは、ムー大陸も存在していたのですか?」
オルペウス
「ムー大陸は存在した」
ヒロキ
「ムー大陸は、太平洋の南中央に存在し、ある時に水没したとされます。しかし、海底探査結果によって、それは否定されていますが・・・」
オルペウス
「私の解析では、それは後代になってからのムー文明の一部のことである。元々のムー大陸は、地球上の全ての大陸が一つであった時代のものを言う」
「別名“ムーガイア”」
ヒロキ
「ムーガイア・・・」
ヘティス
「けど、それってすごーく昔の話でしょ?大陸が一つって」
ヒロキ
「はい、約2億9900万年前から約2億5100万年前をパルム紀と言いますが、パンゲアという一つの超大陸があったとされます。これがムー大陸なのでしょうか?」
オルペウス
「そうだ」
「そこから北のローラシアへ神々は逃れ、南の悪魔やドラゴンが支配するゴンドワナと対峙するようになる」
「ローレンシア、ローラシアと言うが、アトランティス文書では“ロータジア”と記載されている」
ヘティス
「ロータジア・・・」
(どっかで聞いたよーな)
ヘティスは、この「ロータジア」という名前を聞いて、その時はなぜか思い出せなかった。しかし、この「ロータジア」という言葉の響きに、不思議な感覚を覚えるのであった。
ヒロキ
「しかし、疑問に思うのですが、そのような太古には、まだ人間は存在しないはずです。それに、もし仮にいたとしても、証拠の遺跡や人骨があるはずですが、そうしたものは出土していません」
オルペウス
「悪魔たちは、神々の結界魔法を恐れ、その存在を尽く消滅させた。そのために考古学的な証拠は一切ない。しかし、完全にそれらを消し去ることはできず、その一部は神話となって語り継がれたのだ」
ヒロキ
「伝説のムー大陸が存在していたというのは、正直言って驚きです・・・。ということは、レムリア大陸も存在していたのでしょうか?」
オルペウス
「存在した」
レムリア大陸とは、インド洋に存在したと言う幻の大陸である。
オルペウスは、このレムリアを現在のインドである、と同定した。
約1億4500万年前から6600万年前の白亜紀、インドはアジア大陸から離れて存在していた。この太古のインド大陸こそが、幻の大陸・レムリアの正体なのである。
アトランティス文書によると、このレムリア大陸に神々は結界を張り巡らせ、究極魔法を保存したと記されている。その技法の多くは失伝したとされるが、その一部として残ったのがヨーガのクンダリニー技法である、とオルペウスは解析している。
ヒロキ
「たしかに、インドは現在でも、神秘の国とされています。そして、数学や哲学も高度でありつつ、IT技術も高く、人口も多い・・・。その原初がレムリアとは・・・」
ヘティス
「インドかぁ~、いつか行ってみたいわ~w」
2062年、インドは人口で世界一となり、それと同時に経済大国にもなっていた。
そこにはAIによるインド哲学のディープラーニングによる科学技術の発達があった。
ハイゼンベルグやシュレディンガーという量子力学の物理学者たちは、その理論の完成にインド哲学を学んでいたことが示唆されている。このインド哲学のディープラーニングが、更に基礎科学を発展させ、インドのハイテク技術を促進させたのであった。
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