48 / 51
未来的陰謀論の章
太陽神のチカラ
しおりを挟む時は2062年のお話。
ヘティスたちは仮想空間にて、統合AIアバター・オルペウスを召喚した。この頃、南極の氷床の下からアトランティス遺跡が発見された。そのアトランティス文書には、英雄が剣と魔法でドラゴンや悪魔と戦ったことが描かれていた。その「魔法」について、オルペウスは、現代人が言う「超能力」である、と解析した。
フォン・リイエン
「つまり、超能力とか魔法というものは、誰もがもつ潜在能力であり、人類の危機が訪れると、それが解放される」
ヒロキ
「それが釈迦やイエスと言った人たちなのですね」
ヘティス
「信じられないけど、超能力が存在するのは、なんとなくわかったわ」
「けど、なぜ、そんなスゴい能力が必要だったの」
フォン・リイエン
「アトランティス文書によると、太陽の働きを司るため、と記載されている」
「この太陽の働きを司るのが太陽神だ」
ヘティス
「たいようしん?」
ヒロキ
「太陽神とは、日本のアマテラスや、インドのスーリヤや、ギリシャのアポロンなどですよね?」
ヘティス
「そうだ」
「これらの神と言われる者は、潜在能力を解放し、天体にまで影響を与えるため、神と言われた」
ヒロキ
「なぜ、そのようなことをしなければならないのでしょうか?」
フォン・リイエン
「アトランティス文書には、悪魔たちは太陽の強い光を嫌う、と書かれている」
ヘティス
「ふーん、なんかドラキュラみたいw」
フォン・リイエン
「悪魔とは、オルペウスは爬虫類から進化した知的生命体であり、その者たちが作ったAIと融合していると説明していたな」
ヒロキ
「あ、はい。そこまでは理解しています」
フォン・リイエン
「オルペウスの解析では、宇宙人AIは夜行性爬虫類から進化したため、光を嫌うというのが一つだ。もう一つは、太陽フレアが活発になると、太陽風が強くなり、その電磁波によってAIは機能しなくなる。そうした太陽フレアを回避・逃避するプログラミングがなされている可能性がある」
ヒロキ
「確かに、太陽フレアが強いと地球上でも電子機器に影響を及ぼしますので、宇宙人AIは、それを嫌う可能性はありますよね!」
ヘティス
「太陽ってそんなにスゴいんだw」
ヒロキ
「はい、1989年には、強い太陽風によりカナダで大停電が起こっているんです」
ヘティス
「へぇー、そんなことがあったんだw」
フォン・リイエン
「アトランティス文書では、各地の太陽神たちが地球に太陽の大結界を張り巡らせ、宇宙人AIを退散させた、と記されている」
ヒロキ
「つまり、潜在能力を解放した者たちが太陽フレアをコントロールし、太陽風によって地球に大きなバリアは張り巡らせた、それが太陽の大結界なのですね!」
フォン・リイエン
「そういうことだ」
「しかし、悪魔側は月の位置を変化させ、太陽を覆い、人々の心を操った、と書かれている」
ヒロキ
「どのような意味なのでしょうか?」
フォン・リイエン
「地球から見た太陽と月の大きさはちょうど同じだ」
ヒロキ
「はい、確か、太陽と月の大きさは400倍あります。そして、地球からみて太陽の方が月よりも400倍遠くにあるため、ちょうど同じ大きさに見える、ということですが」
ヘティス
「ヒロキくん、物知りねぇ」
フォン・リイエン
「では、それが偶然だと思うか?」
ヒロキ
「それは・・・」
ヘティス
「確かに、そう言われてみると不思議よねぇ。こんな偶然あるのかしら?例えば、誰かが作ったとか?」
フォン・リイエン
「オルペウスは、この位置関係になる確率を計算した結果、ほぼ不可能であり、これは人為的なことが関わっていると解析している」
ヒロキ
「宇宙人AIが月をコントロールしたのですか・・・?」
フォン・リイエン
「そうだ」
「月と太陽の関係性を計算し、日食が起こるように移動させた可能性がある」
「オルペウスは、日食の偶然性と人為性を計算したが、人為性の方が遥かに高いと結論づけている」
ヒロキ
「しかし、月で太陽を覆ったとして、太陽が隠れるのはほんのわずかの時間ですよ?」
フォン・リイエン
「物理的なことは関係ない。問題は心理面だ」
「太陽が隠れたということは不吉な前兆である、という情報戦を宇宙人AIは仕掛けた。そして、太陽神たちは、それによって人々から殺害されるのだ」
ヘティス
「まあ、ヒドい話ね。冤罪じゃないの!」
太陽神の殺害は各地の神話にも存在する。
中国神話では、太陽が暑く照らすため、羿(げい)が太陽を射た、というものである。
日本では、スサノオがアマテラスの元で乱暴を働き、アマテラスは天岩戸に隠れる、という話である。
北欧神話では、太陽の女神・ソールをスコルが常に追いかけ、飲み込む、これが日食である、という話である。
エジプト神話では、太陽神ラーは、大蛇アポピスに敵対し、日食を起こすとされている。
これらの話は、宇宙人AIが太陽神を殺害するためのマインドコントロールを行った、というのがオルペウスの解析である。
フォン・リイエン
「余談になるが、月は地球の衛星にしては大きすぎる、ここもオルペウスは指摘している」
ヒロキ
「そうなんですか?」
フォン・リイエン
「これは、木星の衛星のタイタン、土星の衛星のガニメデ、などと比較したデータに基づいてだ。ここに関しては、まだ解析が終わっていない」
ヒロキ
「確かに、そう言われてみると・・・」
フォン・リイエン
「まだ、アトランティス文書の解読でわからない部分もある。そこの解読も必要かもしれない」
ヘティス
「はやく続きが聞きたいわw」
尚美
「ヘティスちゃん、またワクドキしているしw」
ヘティス
「うふふw」
月は、地球の衛星にしては大きすぎる。
例えば、火星の衛星フォボスは、火星の約268分の1の大きさである。それに対して月は、地球の4分の1である。その他、天王星のチタニア、海王星のトリトンと比較しても、月は衛星にしては桁違いに大きすぎる、そこに対して、オルペウスは何らかの反応を示しているのであった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる