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成長の章
ゼイソンの魔法教室・攻撃魔法
しおりを挟む孤児から王子になった蓮也は、城でウィザードナイト(魔法剣士)の老将・ゼイソンの教育を受けていた。
蓮也は、剣に魔法を付加させるエンチャントを少し覚えた。通常のファイター型はここまでが限界である。しかし、蓮也のベルーフ(天職)であるインテグリスト(統合者)は、更に上位の魔法を習得できる。
ゼイソンは今日も蓮也を城外に連れ出し、魔法実習を行う。
ゼイソン
「エンチャントが少しできるようになれば、次は攻撃魔法ですぞ」
蓮也
「爺、早く教えてくれ」
ゼイソン
「まずは座学からですじゃ」
蓮也
「めんどくさいなぁ」
ゼイソン
「私のようなウィザードナイトや若のインテグリストは魔法と剣を両方使えるのが強みです。そこで右手は剣、左手は魔法となります。左手で魔法攻撃で牽制し、右手の剣でアタックもしくはフィニッシュします」
「氷結波!」
ゼイソンは左手から氷結魔法で木を凍結させ、間髪入れずに剣で凍った木を水平に切る。
木は一瞬で倒れ、地面に落ちると粉々に崩れ去る。
蓮也
「おぉ、それがやりたい。はやく教えろ、爺!」
ゼイソン
「若は火炎魔法がメインなので、射程が少し小さくなります」
「火炎波!」
ゼイソンは左手から火炎を出し岩を焼き、その上から正面斬りを行うと、岩が左右真っ二つに割れる。蓮也は目を輝かせて見ている。
ゼイソン
「このように火炎魔法を最初に入れれば、強烈なダメージを与えることもできまする。相手の鎧を熱で溶解させ、鎧の上からの斬撃も可能となりますじゃ」
蓮也
「よし、俺もやる!」
しかし、蓮也が真似をしても、手に着火はするものの、手から魔法がリリースされない。
ゼイソン
「魔法のリリースは丹田の圧力があるレベルを超えないといけません。また、チャクラの回転エネルギーも必要になります。そのエネルギーを一つにまとめる集中力も必要となりますじゃ」
「そして、慣れないうちはスペルを唱え、エネルギー充填してからリリースするのです」
ゼイソンは火炎魔法のスペルを唱える。
「オーム ファイヤー スヴァーハー!」
ゼイソンの手に灼熱の炎が灯る。
ゼイソン
「この真言、スペルは宇宙の火の要素に対して敬意を払う意味がありますじゃ」
「宇宙に満ちるプラクリティに敬意を払うことで、宇宙から偉大な力が付与されるのです」
蓮也
「おぉ、宇宙って凄いんだな!」
そしてエネルギー充填すると、その炎は更に熱く、大きくなる。
「火炎爆裂波!」
今度は岩が爆発し、粉々に砕けちる。その爆風で地面には穴がぽっかりと空いている。
ゼイソン
「このようにスペルと充填を使うと強力な魔法がリリースできますが、時間がかかります。ですから実戦の場合、スペルと充填なしでもリリースできるまでに魔法を練らないといけませぬ」
実戦では、前方にディフェンダーがいるため、魔法充填は可能になる。しかし、臨機応変に戦う場合、短いスパンで連続的に魔法をリリースする場合もある。そのため、クイックリリースができなければならない。特に、ウィザードナイトやインテグリストのように、魔法を牽制で使う場合は、クイックリリースが必須になる。
蓮也
「オーム ファイヤー スヴァーハー!」
「火炎波!」
「・・・やっぱり前に魔法が飛ばないや」
ゼイソン
「そうですのぅ、前に飛ばすには、もう少し胸のチャクラが開いて、回転せねばいけませぬのう。若は胸のチャクラが閉じておられる故、もう少し時間が必要ですじゃ」
蓮也
「どうすればいい。早くやりたい」
ゼイソン
「焦ってはいけませぬぞ。焦るとエネルギーバランスを崩し、偏差が起こり、それに苦しみます。それを開くには、一つは瞑想をして丹田を鍛え、チャクラを開くこと、もう一つは実戦練習です。まあ、大人でも難しいので、今はできなくても問題ありませぬ」
と言ってゼイソンは去って行ったが、蓮也は満足できなかったので、それから休憩なしで練習に励んだ。
蓮也
(大人、大人って言いやがって・・・)
子供の頃から気位の高い蓮也は子供に見られることが嫌いなようである。そうしたことが彼の成長につながったのかもしれない。
【解説】
本作品の魔法の設定は以下である。
遠距離
雷>風>氷>火>土
威力
火>風>土>雷>氷
範囲
雷>風>氷>土>火
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