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本編
戦士のトーナメント
しおりを挟む城下町を歩いている一行。アウルムは黄金の重厚なギターを鳴らしながら、詩を吟じ、時には歌っています。
セリーズが要求します。「私にも、それ、鳴らさせてよ!」
アウルムは困惑します。「う・・・、歌が乱れる・・・。」
セリーズは不満を漏らします。「私はもっとテンポのいいのが好きなの!」
ジェフリーが仲裁しようとします。「これこれ、お嬢様・・・。」
そうしているうちに、彼らは城下町に到着します。街は賑わい、武闘トーナメントの開催が発表されています。
アウルムが指摘します。「セリーズ、君の歌には攻撃性がある…戦いの風に乗ってしまったようだ」
セリーズは反論します。「何それ、そんなの知らないわよ」
トーナメントは三人一組の団体戦で、セリーズは興奮します。「あ、私たち、ちょうど三人じゃん!トーナメントに出ましょう!これね、戦いの風って!面白いじゃん!」
アウルムは躊躇します。「私は無駄な戦いはしたくない…。」
ジェフリーも心配します。「そうですとも、お嬢様。お怪我をなされては大変ですじゃ。」
しかし、セリーズは意気込みます。「私が怪我なんてするわけないじゃん。だって、私、最強だし!・・・ところで、賞金が出るらしいわ!」
アウルムが考えを変えます。「賞金…、旅するにも先立つものがなければなりません…。」
セリーズは決断します。「はい、決まり!トーナメントに出るのよ!」
ジェフリーは提案します。「それでは、私が先鋒をつとめますので、お嬢様は大将で…。」
セリーズは強気に出ます。「ダメ、私が先鋒で全部、やっつけるの!」
アウルムが譲ります。「女性に戦わせたとあっては、私の面目が立たない。私が先鋒に行こう。」
セリーズはアウルムをからかいます。「あら、アウルム、あなた、珍しく積極的じゃないの。」
ジェフリーがくじ引きを提案します。「それでは、こうしましょう。くじ引きです。」
ジェフリーは魔法で自分が先鋒を引くようにクジを作りますが、セリーズが素早く奪い取ります。
「爺のやることはお見通しよ!魔法使うんだろうな~って!はい、私が先鋒!」とセリーズは宣言します。
結局、セリーズが先鋒、次鋒はアウルム、大将がジェフリーとなり、彼らはトーナメントに参加することになります。
セリーズのチームはトーナメントを進み、決勝まで辿り着きました。彼女の全勝であり、圧倒的な勝利を収めていました。観客は彼女の強さに驚いていました。
決勝戦の相手は一人の大男で、重厚な鎧と鉄仮面をつけていました。
セリーズは疑問を呈します。「あれ?敵って一人?このトーナメントって一人でも出れるの?」
ジェフリーが答えます。「はい、そのようなルールのようです。三人まで、一人でも参加可能のようですじゃ。」
アウルムは警告します。「セリーズ、気を付けろ。あいつは只者ではない。凄まじいエナジーを感じる。」
セリーズは自信満々に答えます。「私が負けるわけないでしょ!大丈夫よ!」
ジェフリーが心配しますが、「アウルム殿のおっしゃられる通りです。ここは、この爺めが…」
セリーズは割り込みます。「うるさい!だまってて!楽勝よ!」
試合が開始し、鉄仮面の大男は巨大な剣を振り回します。セリーズは素早く避け、連続攻撃をヒットさせますが、全く効かない様子。彼女は必殺技を発動します。
(必殺技:ホイップ・サイクロン)
相手は倒れるが、再び起き上がり、鉄仮面は本気で戦うことを宣言します。彼は背中からもう一つ大剣を取り出し、二本の大剣でセリーズを攻撃します。
セリーズは間一髪かわしますが、転倒してしまいます。その瞬間、アウルムがギターで二本の剣を止め、凄まじい音が鳴り響きます。
鉄仮面は驚愕し、「俺の攻撃を顔色変えずに受け止めるとは、お主らは何者だ」と問います。
しかし、ルールによりセリーズとアウルムは失格となります。アウルムはギターが勝手に動いたことをセリーズに説明しようとしますが、セリーズは怒り、「もう、いいわよ!話にならないわ!」と言って場を去ります。
観客の間から不安の声が上がります。「おい、女の子の次は、あんな老人だぜ。大丈夫かい、あのチームは?」「そうだな、誰か、止めた方がいいのでは?」との声が聞こえます。
試合が開始され、鉄仮面の大男が再び二本の大剣を振りかざします。しかし、ジェフリーは見事な体捌きでそれを避け、魔法力を溜めて氷魔法を剣にエンチャントし、大男の肩にヒットさせます。
「魔法剣士だと。何者なのだ、この老人は」と鉄仮面は驚きます。
ジェフリーは自信満々に答えます。「まだ若いもんには負けんぞい!」
その様子を見た観客は大声援を送ります。
アウルムが感心します。「君の執事さん、やるじゃないか。」
セリーズは不満を漏らします。「何よ!ぜんぜん面白くない!」
アウルムは提案します。「まあ、そういわず、応援しよう。」
セリーズは渋々応じます。「…ふん、だ。」
鉄仮面の大男は肩が凍っており、片手が麻痺しています。彼はスタンの必殺技「アイアン・テンペスト」を繰り出します。
ジェフリーはこれをかわすのが困難だと判断し、剣で止めますが、凄まじい剣の音が響き、彼の手が痺れてしまいます。
「しまった!」とジェフリーは口にします。
鉄仮面は挑発します。「これでお互い、片手だな。」
ジェフリーは冷静に応戦します。「そのようじゃわい。」
トーナメントは激しい戦いへと突入し、ジェフリーは老練な執事としての真の力を見せつけます。観客は次第にジェフリーの側に心を寄せ、彼の戦いに熱い声援を送るのでした。
ジェフリーは風魔法のエンチャントを剣に付与し、鉄仮面の攻撃が迫ります。彼は攻撃を巧みに交わし、剣を振ると、カマイタチが鉄仮面の頭部に命中し、仮面が割れます。しかし、鉄仮面の攻撃はフェイントであり、本当の攻撃がジェフリーに迫ります。
アウルムは危機を感じて叫びます。「や、やばい!」セリーズも心配して叫びます。「爺ー!!」
突然、「そこまで!」との声が響きます。王と商人が現れ、王は言います。「買い手がついたので、本トーナメントはこれで終了とする。」
商人は感謝の言葉を述べ、「王様、ありがとうございます。賞金はしっかりと払わせてもらいますので。」と言います。
このトーナメントは、王国が主宰し、優れた戦士を集め、キャラバンの選出のためだったのです。
セリーズが驚いて言います。「え?キャラバン?」アウルムは静かに答えます。「…そうみたいだ。」セリーズは興奮して言います。「ん~…面白そう!」
アウルムはため息をつきながら言います。「…はあ、またか。」
割れた鉄仮面の下、その男はセリーズたちの知らない間にカオスデストロイヤーからアリアナを守り、行方知らずになっていたガイウスでした。
ジェフリーが笑顔で言います。「いやー、まいりましたわい!」ガイウスは謙虚に答えます。「いえ、鉄仮面をつけていなければ、私が先にやられておりました…。」
セリーズは元気よく言います。「てことは、引き分けってことね!これからキャラバンよ!私はセリーズ、よろしくね!」ガイウスは自己紹介します。「…ああ、私はガイウスと申します。」
アウルムが驚いて尋ねます。「ガイウス…!もしや、ガイウス・レッドジェム・ブレイ殿でございますか!」ガイウスは肯定します。「いかにも。」
セリーズは驚きつつ尋ねます。「え、アウルム、知り合いなの?」アウルムは説明します。「いえ、この方はアリアナ姫を守って行方知らずになっていると風の噂で聞いたガイウス殿だ。どうしてこんなところに?」ガイウスはその理由を明かします。「ここで戦いに勝てば周辺に名が聞こえ、姫様の耳にも入るかと思い。」
アウルムは納得しますが、セリーズは楽しげに言います。「まあ、よくわかんないけど、キャラバンを楽しみましょう!」アウルムは心の中で疑問を持ちつつも、セリーズの元気さに感心します。(キャラバンって楽しむものなのだろうか…)
この出来事は、ガイウスとの再会とキャラバンへの参加という、新たな冒険の始まりを告げるものとなりました。
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