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6話 写真
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次の日。私は放課後のチャイムがなると真っ先に教室を出る。両隣の人が驚いているが知るか。私だって早く帰りたい時はある。
一番に出たと思ったが、玄関に行くと既に何人かが靴を履き替えている。上には上がいる。急いで靴を履き替えていると邪魔が入った。
「日下部?珍しいなこんなに早く行こうとするなんて」
私はその声の方を振り向く。今回も愛想のいい顔するどころか眉を顰めていたのが自分でもわかった。いけないと分かっていても、止めようと思っても簡単に出来るものではない。振り返った位置にいたのは真島だ。というよりも彼以外に私に話しかける人間などこの学校には居ない。彼はいつものユニフォームではなく制服なのが珍しい。そんな事を思うが真島は私の虫の居所が悪いのを理解したらしい。ちょっと後ずさっていた。
「く、日下部?」
「何?」
自分からでた言葉とは思えないくらい低かった。真島はそれでも怯むことなく向かってきたのは素直に尊敬できる。
「いや、もし今日暇なら・・・」
「無理、それじゃ」
「え?あ、おい!?」
私は彼の言葉を背にサッサと校庭に飛び出る。そして早足で駅に向かう。
コンコン
「どうぞー」
「失礼します」
部屋の病室の中に入るとそこにはいつも通りの祖父と母がいた。
「おじいちゃんはどう?」
「3日も連続で来るなんてやっぱりおじいちゃん子だったのね。大丈夫よ、今は寝てる。貴方も居る?」
どうしようか祖母に預かった写真を見せに来たんだけど寝ているとは。それでもおじいちゃんが見て喜んでいるところを私は見たいと思った。ならここで待つべきなんだろう。
「私もいるよ。っていうか母さんは大丈夫?もう2日もここにいるんでしょ?」
私はそう言って母と祖父を挟みこむようにして椅子に座る。ベッドの向こうにいる母はやはり疲れからか少しやつれているような気がする。
「・・・大丈夫よ。貴方本当に悠里よね?」
「どうしてよ。昨日からそうだって言ってるじゃない」
「だって。貴方の口から大丈夫?なんて小学校以来な気がするわ」
「そうだっけ?でも前に言った時の事は思い出せない」
「あれは・・・何の時だったかしら?確か町内会のボーリングで足を吊った時に聞いた気がする」
「よくそんなこと思い出せるね」
「私は記憶力がいいのよ。だから貴方や和也、勿論父さんとの事も大抵思い出せるわ。だけどあの人毎回毎回約束を忘れてホントに・・・・」
母がなぜか父に怒っている。それでもこうやって会話したのは久しぶりな気がする。ゆっくり話しているとなぜだか落ち着く。
「あの人のことはまぁいいわ、それで何か見つかったの?嬉しそうだけど」
「それがね。昨日おじいちゃん家に行ったじゃない?そこでおじいちゃんとおばあちゃんの昔話を聞いたの。出会った時とか幼馴染だった時とかの話」
「あら、貴方もそういった話が楽しめるようになったのね」
「まぁね。それで色んな話聞いて物置?みたいな部屋に連れてって貰って、写真を借りてきたの」
「へぇ、どんな奴?」
「これ!」
私は鞄から紙袋を取り出す。そしてその中に入っているプラスチックの袋を取り出し母に渡す。
「貴方、何枚持ってきたの?」
「おばあちゃんに勧められるだけ・・・」
そう言うと母は苦笑いをしてプラスチックの袋の中から写真を取り出す。そしてそれを一枚一枚眺め始める。
「懐かしいわ~。私この写真の頃は貴方よりも若かったのよ?それにこれ、家が改装される前のだわ・・・。よくこんなのが残ってたわね」
母は独り言を呟きながらそれらを見ている。その目は懐かしさで過去に行っているようだ。あの家の記憶は私よりも母の方が当然多い。母が写真を見て楽しんでいるのを私は見ていた。
「ぅぅ・・・。ん?3日連続でお前たちの顔が見れるとはな・・・」
そうやっていると祖父が目を覚ました。目覚めたばかりだというのに意識がしっかりしている。
「おじいちゃん!大丈夫?痛むところとかない?」
「ははは・・・、大丈夫だよ。まさか・・・こうやって、心配される日が来るとはね・・・」
「当然じゃない。私は・・・」
そう言って私は二の句が継げなくなった。今更心配しているなんてそんなこと本当に言えるのだろうか。小学校のある時から、何があったか思い出せないけど、とっても悲しかった事があった。あった気がする。それから私は母の実家に、祖父母の家には寄り付かなくなった。何でかは思い出せないけど、それでも今まで少なくとも5年はいかなかったのだ。それがなんでよりにもよってこんな時になって。ただの病人に憐れんでいるだけの自分がいるのではないかと、そんな思いが一度頭を過るとその思いに支配される。
「・・・どうした?悠里」
おじいちゃんに聞かれても何も言えなくなる。だって自分では違うと思っていても他の人はそうは思ってくれない。そう思ってしまう。
「悠里?どうしたの?」
「何でもない。それより母さん。おじいちゃんに見せてあげて」
私は話をここに来た目的のために話す。今の話を続けない為に。
祖父は私の方に向けていた顔を少しだけ動かし、母の方を見る。
「なんだい?」
「これよ。悠里ったら父さんが寝言で言った景色の写真を探してわざわざ家まで取りに行ってくれたのよ?」
「なんと・・・ありがとうな悠里」
祖父が再び私を見る。
「いいの。それよりもほら。折角持ってきたんだから見て」
「はいはい。父さん。この距離なら見える?」
「ああ、見える。・・・懐かしいなぁ」
「よく見たくなったら言ってね、止めるから」
「ああ」
母が私の援護をしてくれて立ち上がって祖父に近づく。そして膨大な数の写真があるはずなのに母は丁寧に一枚に5,6秒くらいかけて祖父に見せていく。祖父もどれも懐かしそうに見て微笑んでいる。その様子はとても幸せそうで、楽しそうだ。
私は満足そうにそれを黙って見ていた。
そうしてどれくらい時間が経ったのか、時間は測ってなかったから覚えてないけど、外から茜が指すくらいには時間が経っていた。祖父は最後の一枚を見て私に笑いかける。そして私は足元から崩れるかと思った。
祖父は乾いた笑顔を浮かべていた。さっきまで見ていた写真は大事ではない。祖父は言外にそう言った様な気がしたのだ。私の勘違いかもしれない。そう思いたかったが、祖父は今、何かを諦めていた。祖父は諦めていた。
「悠里・・・ありがとうね。元気が出たよ・・・」
「・・・」
祖父はそれだけ言うとゆっくりと目を閉じた。母はそんな祖父を見て腰に手を当てていつつと言いながら椅子に座り直した。
「寝ちゃった・・・。でもありがとうね悠里。おじいちゃんも喜んでるわ」
「・・・ない」
「どうしたの?」
「喜んでなんかない」
「どうしたのよ。おじいちゃんは喜んでいたじゃない」
「喜んでないよ!」
私は声を荒げて立ち上がっていた。椅子がガタンと勢いよく後ろに倒れる。後から考えると祖父も直ぐ傍で寝ているのになんてことをしたんだと思う。
母もそれを咎めるように目を吊り上げて私を睨む。
「静かになさい。おじいちゃんが寝ているのよ?隣の部屋にも外にも他の患者さんもいることは分からない年じゃないでしょう?」
私もそう言われてハッとした。椅子を元に戻して大人しく座り直す。
「ごめん・・・」
「全く何があったの?」
「何て言うか・・・おじいちゃんが喜んでないって思っちゃった」
「何で?」
「分からない。でもおじいちゃんの笑顔を見たら、絶対に違うって思ったの」
「そう・・・貴方、昔はそうやって相手の気持ちを読み取るの上手かったものね。今回もそれが分かったのかな・・・」
「そうだっけ?」
「ええ、小さい頃から笑顔で隠した嘘を言い当てるんだからドキリとしたものよ。しかもその感情が貴方に影響を与えるみたいでね。嘘をついた時は何で嘘つくの!って凄い泣いたのよ?」
「そんなことあっったっけ、覚えてない」
「まぁ、小さかったから・・・仕方ないわよ」
「そうなんだ・・・」
私は恥ずかしくなり下を向いた。
「仕方ないわ。どうしようもないじゃない。それでこれからどうするの?」
私は顔を上げて母を見る。
「どうするって?」
「これからよ。それ以外にないでしょう?」
「?」
「なんで分かんなくなってるのよ・・・おじいちゃんが納得してないって思ったんでしょ?なら、ちゃんとした。父さんが求める写真を見つけるんじゃないの?」
「・・・」
そうだ、そうだった。あれで納得していないならなんでそれに怒っていたんだ。そんなことをするなら次の写真を持ってくるか、おばあちゃんに何かないか聞きに行かなくちゃ!
「おばあちゃんちに行ってくる」
「今から?かなり遅いわよ?」
「うぅ・・・でも・・・」
「父さんも母さんも何処にもいかないから明日になさい。いい?」
「はい・・・」
「いい子ね。それじゃあ家の事はお願いね?洗濯物とか私じゃ出来ないからお願い」
「分かった。やっておく」
「頼んだわ」
「うん。またね」
「またね」
私は母に別れを告げると家に帰って家族の洗濯をしたり掃除をした。夕飯を作る時間がなかったので、外に食べに行くことになった。
次の日。私は放課後のチャイムがなると真っ先に教室を出る。両隣の人が驚いているが知るか。私だって早く帰りたい時はある。
一番に出たと思ったが、玄関に行くと既に何人かが靴を履き替えている。上には上がいる。急いで靴を履き替えていると邪魔が入った。
「日下部?珍しいなこんなに早く行こうとするなんて」
私はその声の方を振り向く。今回も愛想のいい顔するどころか眉を顰めていたのが自分でもわかった。いけないと分かっていても、止めようと思っても簡単に出来るものではない。振り返った位置にいたのは真島だ。というよりも彼以外に私に話しかける人間などこの学校には居ない。彼はいつものユニフォームではなく制服なのが珍しい。そんな事を思うが真島は私の虫の居所が悪いのを理解したらしい。ちょっと後ずさっていた。
「く、日下部?」
「何?」
自分からでた言葉とは思えないくらい低かった。真島はそれでも怯むことなく向かってきたのは素直に尊敬できる。
「いや、もし今日暇なら・・・」
「無理、それじゃ」
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「どうぞー」
「失礼します」
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「おじいちゃんはどう?」
「3日も連続で来るなんてやっぱりおじいちゃん子だったのね。大丈夫よ、今は寝てる。貴方も居る?」
どうしようか祖母に預かった写真を見せに来たんだけど寝ているとは。それでもおじいちゃんが見て喜んでいるところを私は見たいと思った。ならここで待つべきなんだろう。
「私もいるよ。っていうか母さんは大丈夫?もう2日もここにいるんでしょ?」
私はそう言って母と祖父を挟みこむようにして椅子に座る。ベッドの向こうにいる母はやはり疲れからか少しやつれているような気がする。
「・・・大丈夫よ。貴方本当に悠里よね?」
「どうしてよ。昨日からそうだって言ってるじゃない」
「だって。貴方の口から大丈夫?なんて小学校以来な気がするわ」
「そうだっけ?でも前に言った時の事は思い出せない」
「あれは・・・何の時だったかしら?確か町内会のボーリングで足を吊った時に聞いた気がする」
「よくそんなこと思い出せるね」
「私は記憶力がいいのよ。だから貴方や和也、勿論父さんとの事も大抵思い出せるわ。だけどあの人毎回毎回約束を忘れてホントに・・・・」
母がなぜか父に怒っている。それでもこうやって会話したのは久しぶりな気がする。ゆっくり話しているとなぜだか落ち着く。
「あの人のことはまぁいいわ、それで何か見つかったの?嬉しそうだけど」
「それがね。昨日おじいちゃん家に行ったじゃない?そこでおじいちゃんとおばあちゃんの昔話を聞いたの。出会った時とか幼馴染だった時とかの話」
「あら、貴方もそういった話が楽しめるようになったのね」
「まぁね。それで色んな話聞いて物置?みたいな部屋に連れてって貰って、写真を借りてきたの」
「へぇ、どんな奴?」
「これ!」
私は鞄から紙袋を取り出す。そしてその中に入っているプラスチックの袋を取り出し母に渡す。
「貴方、何枚持ってきたの?」
「おばあちゃんに勧められるだけ・・・」
そう言うと母は苦笑いをしてプラスチックの袋の中から写真を取り出す。そしてそれを一枚一枚眺め始める。
「懐かしいわ~。私この写真の頃は貴方よりも若かったのよ?それにこれ、家が改装される前のだわ・・・。よくこんなのが残ってたわね」
母は独り言を呟きながらそれらを見ている。その目は懐かしさで過去に行っているようだ。あの家の記憶は私よりも母の方が当然多い。母が写真を見て楽しんでいるのを私は見ていた。
「ぅぅ・・・。ん?3日連続でお前たちの顔が見れるとはな・・・」
そうやっていると祖父が目を覚ました。目覚めたばかりだというのに意識がしっかりしている。
「おじいちゃん!大丈夫?痛むところとかない?」
「ははは・・・、大丈夫だよ。まさか・・・こうやって、心配される日が来るとはね・・・」
「当然じゃない。私は・・・」
そう言って私は二の句が継げなくなった。今更心配しているなんてそんなこと本当に言えるのだろうか。小学校のある時から、何があったか思い出せないけど、とっても悲しかった事があった。あった気がする。それから私は母の実家に、祖父母の家には寄り付かなくなった。何でかは思い出せないけど、それでも今まで少なくとも5年はいかなかったのだ。それがなんでよりにもよってこんな時になって。ただの病人に憐れんでいるだけの自分がいるのではないかと、そんな思いが一度頭を過るとその思いに支配される。
「・・・どうした?悠里」
おじいちゃんに聞かれても何も言えなくなる。だって自分では違うと思っていても他の人はそうは思ってくれない。そう思ってしまう。
「悠里?どうしたの?」
「何でもない。それより母さん。おじいちゃんに見せてあげて」
私は話をここに来た目的のために話す。今の話を続けない為に。
祖父は私の方に向けていた顔を少しだけ動かし、母の方を見る。
「なんだい?」
「これよ。悠里ったら父さんが寝言で言った景色の写真を探してわざわざ家まで取りに行ってくれたのよ?」
「なんと・・・ありがとうな悠里」
祖父が再び私を見る。
「いいの。それよりもほら。折角持ってきたんだから見て」
「はいはい。父さん。この距離なら見える?」
「ああ、見える。・・・懐かしいなぁ」
「よく見たくなったら言ってね、止めるから」
「ああ」
母が私の援護をしてくれて立ち上がって祖父に近づく。そして膨大な数の写真があるはずなのに母は丁寧に一枚に5,6秒くらいかけて祖父に見せていく。祖父もどれも懐かしそうに見て微笑んでいる。その様子はとても幸せそうで、楽しそうだ。
私は満足そうにそれを黙って見ていた。
そうしてどれくらい時間が経ったのか、時間は測ってなかったから覚えてないけど、外から茜が指すくらいには時間が経っていた。祖父は最後の一枚を見て私に笑いかける。そして私は足元から崩れるかと思った。
祖父は乾いた笑顔を浮かべていた。さっきまで見ていた写真は大事ではない。祖父は言外にそう言った様な気がしたのだ。私の勘違いかもしれない。そう思いたかったが、祖父は今、何かを諦めていた。祖父は諦めていた。
「悠里・・・ありがとうね。元気が出たよ・・・」
「・・・」
祖父はそれだけ言うとゆっくりと目を閉じた。母はそんな祖父を見て腰に手を当てていつつと言いながら椅子に座り直した。
「寝ちゃった・・・。でもありがとうね悠里。おじいちゃんも喜んでるわ」
「・・・ない」
「どうしたの?」
「喜んでなんかない」
「どうしたのよ。おじいちゃんは喜んでいたじゃない」
「喜んでないよ!」
私は声を荒げて立ち上がっていた。椅子がガタンと勢いよく後ろに倒れる。後から考えると祖父も直ぐ傍で寝ているのになんてことをしたんだと思う。
母もそれを咎めるように目を吊り上げて私を睨む。
「静かになさい。おじいちゃんが寝ているのよ?隣の部屋にも外にも他の患者さんもいることは分からない年じゃないでしょう?」
私もそう言われてハッとした。椅子を元に戻して大人しく座り直す。
「ごめん・・・」
「全く何があったの?」
「何て言うか・・・おじいちゃんが喜んでないって思っちゃった」
「何で?」
「分からない。でもおじいちゃんの笑顔を見たら、絶対に違うって思ったの」
「そう・・・貴方、昔はそうやって相手の気持ちを読み取るの上手かったものね。今回もそれが分かったのかな・・・」
「そうだっけ?」
「ええ、小さい頃から笑顔で隠した嘘を言い当てるんだからドキリとしたものよ。しかもその感情が貴方に影響を与えるみたいでね。嘘をついた時は何で嘘つくの!って凄い泣いたのよ?」
「そんなことあっったっけ、覚えてない」
「まぁ、小さかったから・・・仕方ないわよ」
「そうなんだ・・・」
私は恥ずかしくなり下を向いた。
「仕方ないわ。どうしようもないじゃない。それでこれからどうするの?」
私は顔を上げて母を見る。
「どうするって?」
「これからよ。それ以外にないでしょう?」
「?」
「なんで分かんなくなってるのよ・・・おじいちゃんが納得してないって思ったんでしょ?なら、ちゃんとした。父さんが求める写真を見つけるんじゃないの?」
「・・・」
そうだ、そうだった。あれで納得していないならなんでそれに怒っていたんだ。そんなことをするなら次の写真を持ってくるか、おばあちゃんに何かないか聞きに行かなくちゃ!
「おばあちゃんちに行ってくる」
「今から?かなり遅いわよ?」
「うぅ・・・でも・・・」
「父さんも母さんも何処にもいかないから明日になさい。いい?」
「はい・・・」
「いい子ね。それじゃあ家の事はお願いね?洗濯物とか私じゃ出来ないからお願い」
「分かった。やっておく」
「頼んだわ」
「うん。またね」
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