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3章
89話 壊れろ
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「貴様! これは!?」
僕はスキルで奴を捕らえ、動けなくしてしまう。
時の神だろうがなんだろうが、このスキルは効果があるようだった。
「動かないで。そのまま潰されたくはないでしょう?」
「っく!」
レイラの体を使われている手前、そんな事はしないけれど、奴がどうとるかは別の話だ。
この隙に説得をして……。
しかし、奴は僕の事を鼻で笑った。
「なんて、貴様の要求に引くと思ったか? 神である我を拘束する等出来ぬと知れ。【時のささやき】」
奴はスキルと使って茨を粉々にさせてしまう。
奴は自由になった手足を降り、動きに不便な箇所がないか確認していた。
「ふむ。どうやら貴様にとってこの体が大事という事は本当らしいな? 先ほどの拘束……。力の加減を変えれば手足の1本や2本折れていたであろう?」
「だから何さ」
「それが出来ぬとあれば、我の邪魔をする事は無意味とわかろう? 我がこ奴の中にいる限り、貴様らの目的は達成出来ぬ」
「だからってレイラを差し出す事が出来る訳ないだろう!?」
こいつは本当に僕の心を逆撫でするのが好きな様だ。
どうしてこう……地位が高い奴らは基本的に人を見下す傾向があるのだろうか。
「では抵抗してみろ。【時空の爪】」
「危なっ!」
僕は横に再び飛んで相手のスキルを躱す。
間一髪で、その攻撃は僕を掠めていった。
奴はそれを見て、レイラの顔をいらだたし気に歪ませる。
「ああ、いい加減にしろ。この人形風情が……。我の力をこれほどにバカにするとは……使うか」
奴はそう言って、ゆっくりと詠唱を開始した。
「時の狭間で揺れる水面。永久に縛られぬその根は……」
「詠唱……」
奴は大技を出すつもりの様だ。
でなければ詠唱なんてしないはず。
だから、今この瞬間に何が出来るかを考えなければならない。
「奴をどうやって追い出すか……」
肉体はレイラを使っているので攻撃出来ない。
であればどうする?
そこまで考えた所で、それほど自分の選択肢が多くない事を思いだす。
「そうだよ……。僕には、肉体じゃなくって、精神を攻撃するスキルがあるじゃないか」
ただ、それをどこで決めるか……。
という問題も出てくる。
今すぐに近付いて当てると言うことが出来るかは分からない。
なら、先ほどの様に、動けない様にしてからなら問題はないんじゃいのか?
奴の動きを拘束した時に、僕がレイラの体を大事にしているのは奴は知っているはず。
振りほどかないかもしれない。
そうと決まれば、僕は奴に近付いていく。
「虚空より出でて深淵に帰る……」
奴は僕が近付いていること等気にしていないようだ。
丁度いい。
甘く見たつけは払ってもらう。
「【闇の拘束】!」
「葬祭の調べは……」
よし。奴はチラリと僕の方をみたけれど、体を傷つける程に攻撃していない事を感じて詠唱を続けている。
僕はレイラの真正面まで来て、スキルを使う。
「【精神崩壊】!」
「!!!???」
僕は持てる限りの全ての力をスキルに注ぎ込む。
正直、これは賭けと言ってもいい。
時の神の精神で無く、レイラの精神のままだったなら、このスキルは意味がない。
でも、レイラの体を直接攻撃するよりは確実に効果があるはずなのだ。
「あ……がっ……貴様……何を……」
「壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ!!!」
僕は奴の精神をこれでもかとひっかきまわす。
少しの躊躇いもない。
レイラの体に入っている精神はレイラの物ではない事はスキルを使って直ぐに分かったからだ。
レイラの体に勝手に入り込んでいるこの時の神を名乗る奴を追い出す。
それが僕が今やるべきことだからだ。
奴の記憶を読むなんてことに時間は費やさない。
力をいつ取り戻すか分からないし、少しでも手加減したらもう2度とチャンスはないだろう。
だから出来る限りの力を注ぐ。
「やめろ……やめろ! 止めるのだ!」
「レイラから出ていったら止めてやる!」
「ならぬ! これは!」
奴は僕から逃げるように後ろに行こうとするけれど、縛っておいたスキルのお陰で下がることは出来ない。
「レイラから出ていけぇぇぇぇぇ!!!」
「ならぬ! ならぬならぬならぬならぬ!」
「壊れるまでやるだけだ!」
「ぬぐあああああああああああ!!!」
僕は奴の精神が焼き切れるまでスキルを使い続けた。
奴の気配がなくなるまで、全力でやり続ける。
「あ……が……」
「………………」
奴は……いや、レイラからは先ほどまで放たれていた気配が消え、そのまま崩れ落ちるように地面に落ちて来た。
「レイラ!」
僕はスキルと消し、レイラを抱きとめる。
「う……うぅ……」
「レイラ! レイラ!? 返事して!?」
「何……よ……。クトー……」
「レイラ……」
彼女の精神は元に戻った様だ。
スキルを全力で使った事が功を奏したのかもしれない。
いや、そんな事はどうでもいい。
レイラが無事に帰って来てくれて本当に良かった。
「どうしたの……。そんな悲しそうな顔をして……」
「悲しくなんてないよ。嬉しいんだ。レイラ……」
僕の為にこんな危険な所まで来てくれたレイラが危うく大変なことになる所だったのだ。
こうして助かってくれて本当に良かった。
「レイラ様!」
「……」
僕達がそうしていると、動きを止められていたアルセラとジェレが近付いて来る。
「レイラ様! 無事ですか!」
「何があった?」
アルセラとジェレがそう聞いて来るけれど、詳しく話している暇はない。
だからかいつまんで話した。
「レイラが時の神に精神を乗っ取られていたみたいなんだ。だけど、精神だけだったからたった今追い出した所」
「そんな……時の……神?」
「信じられない」
「そんな事は後でいいよ。今はサナを助けないといけないんだから! あの壁を何とか出来ない!? 僕の力でもあちらには行けないんだ!」
ギーシュとサナがいる所に向かって僕は叫ぶ。
アルセラとジェレもそちらを向く。
しかし、アルセラは何とか出来なかったので苦い顔をしている。
代わりに、ジェレが前に進み出た。
「やってみる」
彼女はどこからともなく投げナイフを取り出すと、それを放った。
狙いは僕たちに背を向けているギーシュに向かってだ。
「【完全な投擲】」
ジェレの放った投げナイフはそのまま壁を通り抜けるかに見えた。
しかし、音もなく弾かれてしまった。
「……ダメ。私のスキルでは突破出来ない」
「そんな……」
僕は絶望しそうになるけれど、サナを助けるんだ。
そんなことをしている暇なんてない。
「アルセラ。レイラをお願い」
「頼まれた」
僕は立ち上がり、もう一度壊すために何か出来ないかとギーシュの方に向かう。
「待って……」
その時、後ろでか細いレイラの声が聞こえた。
「レイラ?」
「あたしが……やるわ。時の神……。信じられないけど、そいつがあたしの中に入っていた記憶がある……。そして、それを使えば、あれを突破出来るかもしれない」
「……本当?」
「ええ……任せなさい」
レイラは苦しそうな表情だったけれど、そう言い切ってくれた。
僕はスキルで奴を捕らえ、動けなくしてしまう。
時の神だろうがなんだろうが、このスキルは効果があるようだった。
「動かないで。そのまま潰されたくはないでしょう?」
「っく!」
レイラの体を使われている手前、そんな事はしないけれど、奴がどうとるかは別の話だ。
この隙に説得をして……。
しかし、奴は僕の事を鼻で笑った。
「なんて、貴様の要求に引くと思ったか? 神である我を拘束する等出来ぬと知れ。【時のささやき】」
奴はスキルと使って茨を粉々にさせてしまう。
奴は自由になった手足を降り、動きに不便な箇所がないか確認していた。
「ふむ。どうやら貴様にとってこの体が大事という事は本当らしいな? 先ほどの拘束……。力の加減を変えれば手足の1本や2本折れていたであろう?」
「だから何さ」
「それが出来ぬとあれば、我の邪魔をする事は無意味とわかろう? 我がこ奴の中にいる限り、貴様らの目的は達成出来ぬ」
「だからってレイラを差し出す事が出来る訳ないだろう!?」
こいつは本当に僕の心を逆撫でするのが好きな様だ。
どうしてこう……地位が高い奴らは基本的に人を見下す傾向があるのだろうか。
「では抵抗してみろ。【時空の爪】」
「危なっ!」
僕は横に再び飛んで相手のスキルを躱す。
間一髪で、その攻撃は僕を掠めていった。
奴はそれを見て、レイラの顔をいらだたし気に歪ませる。
「ああ、いい加減にしろ。この人形風情が……。我の力をこれほどにバカにするとは……使うか」
奴はそう言って、ゆっくりと詠唱を開始した。
「時の狭間で揺れる水面。永久に縛られぬその根は……」
「詠唱……」
奴は大技を出すつもりの様だ。
でなければ詠唱なんてしないはず。
だから、今この瞬間に何が出来るかを考えなければならない。
「奴をどうやって追い出すか……」
肉体はレイラを使っているので攻撃出来ない。
であればどうする?
そこまで考えた所で、それほど自分の選択肢が多くない事を思いだす。
「そうだよ……。僕には、肉体じゃなくって、精神を攻撃するスキルがあるじゃないか」
ただ、それをどこで決めるか……。
という問題も出てくる。
今すぐに近付いて当てると言うことが出来るかは分からない。
なら、先ほどの様に、動けない様にしてからなら問題はないんじゃいのか?
奴の動きを拘束した時に、僕がレイラの体を大事にしているのは奴は知っているはず。
振りほどかないかもしれない。
そうと決まれば、僕は奴に近付いていく。
「虚空より出でて深淵に帰る……」
奴は僕が近付いていること等気にしていないようだ。
丁度いい。
甘く見たつけは払ってもらう。
「【闇の拘束】!」
「葬祭の調べは……」
よし。奴はチラリと僕の方をみたけれど、体を傷つける程に攻撃していない事を感じて詠唱を続けている。
僕はレイラの真正面まで来て、スキルを使う。
「【精神崩壊】!」
「!!!???」
僕は持てる限りの全ての力をスキルに注ぎ込む。
正直、これは賭けと言ってもいい。
時の神の精神で無く、レイラの精神のままだったなら、このスキルは意味がない。
でも、レイラの体を直接攻撃するよりは確実に効果があるはずなのだ。
「あ……がっ……貴様……何を……」
「壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ!!!」
僕は奴の精神をこれでもかとひっかきまわす。
少しの躊躇いもない。
レイラの体に入っている精神はレイラの物ではない事はスキルを使って直ぐに分かったからだ。
レイラの体に勝手に入り込んでいるこの時の神を名乗る奴を追い出す。
それが僕が今やるべきことだからだ。
奴の記憶を読むなんてことに時間は費やさない。
力をいつ取り戻すか分からないし、少しでも手加減したらもう2度とチャンスはないだろう。
だから出来る限りの力を注ぐ。
「やめろ……やめろ! 止めるのだ!」
「レイラから出ていったら止めてやる!」
「ならぬ! これは!」
奴は僕から逃げるように後ろに行こうとするけれど、縛っておいたスキルのお陰で下がることは出来ない。
「レイラから出ていけぇぇぇぇぇ!!!」
「ならぬ! ならぬならぬならぬならぬ!」
「壊れるまでやるだけだ!」
「ぬぐあああああああああああ!!!」
僕は奴の精神が焼き切れるまでスキルを使い続けた。
奴の気配がなくなるまで、全力でやり続ける。
「あ……が……」
「………………」
奴は……いや、レイラからは先ほどまで放たれていた気配が消え、そのまま崩れ落ちるように地面に落ちて来た。
「レイラ!」
僕はスキルと消し、レイラを抱きとめる。
「う……うぅ……」
「レイラ! レイラ!? 返事して!?」
「何……よ……。クトー……」
「レイラ……」
彼女の精神は元に戻った様だ。
スキルを全力で使った事が功を奏したのかもしれない。
いや、そんな事はどうでもいい。
レイラが無事に帰って来てくれて本当に良かった。
「どうしたの……。そんな悲しそうな顔をして……」
「悲しくなんてないよ。嬉しいんだ。レイラ……」
僕の為にこんな危険な所まで来てくれたレイラが危うく大変なことになる所だったのだ。
こうして助かってくれて本当に良かった。
「レイラ様!」
「……」
僕達がそうしていると、動きを止められていたアルセラとジェレが近付いて来る。
「レイラ様! 無事ですか!」
「何があった?」
アルセラとジェレがそう聞いて来るけれど、詳しく話している暇はない。
だからかいつまんで話した。
「レイラが時の神に精神を乗っ取られていたみたいなんだ。だけど、精神だけだったからたった今追い出した所」
「そんな……時の……神?」
「信じられない」
「そんな事は後でいいよ。今はサナを助けないといけないんだから! あの壁を何とか出来ない!? 僕の力でもあちらには行けないんだ!」
ギーシュとサナがいる所に向かって僕は叫ぶ。
アルセラとジェレもそちらを向く。
しかし、アルセラは何とか出来なかったので苦い顔をしている。
代わりに、ジェレが前に進み出た。
「やってみる」
彼女はどこからともなく投げナイフを取り出すと、それを放った。
狙いは僕たちに背を向けているギーシュに向かってだ。
「【完全な投擲】」
ジェレの放った投げナイフはそのまま壁を通り抜けるかに見えた。
しかし、音もなく弾かれてしまった。
「……ダメ。私のスキルでは突破出来ない」
「そんな……」
僕は絶望しそうになるけれど、サナを助けるんだ。
そんなことをしている暇なんてない。
「アルセラ。レイラをお願い」
「頼まれた」
僕は立ち上がり、もう一度壊すために何か出来ないかとギーシュの方に向かう。
「待って……」
その時、後ろでか細いレイラの声が聞こえた。
「レイラ?」
「あたしが……やるわ。時の神……。信じられないけど、そいつがあたしの中に入っていた記憶がある……。そして、それを使えば、あれを突破出来るかもしれない」
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