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3章
68話 別れ
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「それで、一体何のお話をしていたんですか?」
フェリスが不思議そうに僕とレイラに聞いて来る。
レイラと顔を見合わせて、秘密には出来ないと……いや、しない方がいいと思って話す。
「ちょっと中に来てもらえる?」
「え? もしかして……そういう事ですか?」
「……何を想像しているか分からないけれど、かなり危険な事だから気を付けてね」
「わ、分かりました」
フェリスはそう言って中に入ってくる。
レイラは、アルセラに話しかけていた。
「アルセラ。貴方も来なさい」
「よろしいのですか?」
「ええ、いいでしょ? クトー」
「うん。アルセラだったら信用出来るから」
「? わかった」
僕たち4人は扉を閉め、中央に集まる。
「因みに、この中に『静寂よ』使える人いる?」
もしかしてフェリスが使えるんじゃないのか。
そう思って彼女の方を見たけれど、首を振った。
残念だ。
「私は使えるぞ」
「え? 嘘?」
「なぜ嘘をつく必要がある。『静寂よ』」
アルセラが唱えると僕たちの空間を半透明なまくが覆う。
「本当に使えたんだ……」
「教会では魔法を教えてくれる人もいるからな」
「そんな人がいるんだ」
「ああ、メア様と言ってな。とてもお優しい方で私がレイラ様の次に尊敬する方だ」
「凄い人なんだね。僕も会ってみたいよ」
「うむ。そうするといい。紹介しよう」
アルセラの言葉を聞き、後はこれからの事を話す。
「それで、さっきレイラにも話したんだけど……」
僕は彼女たちに先ほどレイラに話したことと同じことを語った。
「クトー様。それは本当ですか?」
フェリスがいつもの……というか、以前から使っていた喋り方に戻る。
「信じられん……教会の本部が……?」
アルセラも受け入れられないのか、頭の中で整理している様だった。
「誓って本当だよ。リャーチェと話している時に聞うたからね」
「……」
「……」
2人が沈黙しているのを、僕とレイラは黙って待つ。
先に口を開いたのはフェリスだった。
「畏まりました。わたくしは信じますわ」
「私もレイラ様を信じている。であれば、レイラ様が信じた事が、私の信じる事だ」
「ありがとう。2人とも」
良かった。
正直、信じてもらえないかもしれないと思っていたから。
「当然ですわ。それで、わたくしに何かして欲しいことでもあるんですか? わざわざお話してくださったのには理由があるのではなくて?」
「うん。実はお願いがあるんだ。これから……リャーチェよりも強い人と戦わないといけないかもしれない。だから、出来るだけ強い人を紹介して欲しい」
僕は2人に向かって頭を下げる。
「わたくしは……」
「私は先ほど話したメア様に話を通してみよう。信心深い方だ、きっと手を貸してくれる」
フェリスは少し悩み、アルセラは自信を持って言ってくれた。
彼女のこの思い切りの良さは頼りになる。
「ありがとう。アルセラ。フェリスも無理しないで。ただいるか聞いてみただけだから。それに、直ぐに行くっていう訳じゃないからね」
「そうなのですか?」
「うん。一応嘘はついていないと思ったけど、本当だっていう確証もないからね。それに、サナを置いて行くことは出来ないけど、かと言って、サナを連れて行くことも出来ないからさ」
「なるほど……わかりました。わたくし、明日一度王都に帰ることにいたしますわ」
「え?」
フェリスの言葉に、僕たち3人は耳を疑った。
******
次の日。
「本当に行くんだ……」
僕、サナ、レイラ、アルセラはフェリスの見送りに来ていた。
フェリスは旅支度を終えた格好で校門の所に佇んでいる。
彼女の後ろでは、護衛の為の女騎士が10名以上が積み荷を乗り下ろしていた。
昨日言った後に、準備があると言って部屋から出て行ったけれど、本当に王都に帰るとは思わなかった。
「クトー様。申し訳ありません。それにサナも。でも、わたくしはちゃんと……今度こそ、皆さまのお力になれるようにやってみせます。ですので、どうかお許しください」
フェリスはそう言ってゆっくりと頭を下げる。
「フェリス様!?」
彼女の護衛である騎士団の人達が驚いてフェリスを止めた。
「いいのです。わたくしは彼らに助けられました。助けられたのであれば頭を下げるのは当然の事ですわ」
「ですが……御身は王女であらせられます」
「感謝を示すのに位は関係ありません。では、クトー様、わたくしはこれで」
「うん、気を付けてね。フェリス」
僕はそれだけ言い、残りはサナに任せる。
「フェリス……」
サナの声は震えていて、今にも泣きそうだ。
その様子を見たフェリスは、申し訳なさそうにサナと視線を合わせる。
「サナ。申し訳ございません。でも、わたくしは……わたくしは戻らなければならないのです」
「そう……だよね。フェリスは……王女様だもんね」
「いえ、そうですが……それだけではなく……」
フェリスは何度か口を開きかけ、首を振った。
「いえ、ここで言うのは止めておきましょう。でも、約束します。必ず帰って来ると。サナ。わたくしの言葉、信じてもらえますか?」
「うん……信じるよ。フェリスは私ととっても仲良しだもん。だから、帰って来てくれるって信じてるから」
「はい。必ず戻ります。それでは失礼します。レイラ様、アルセラ様。クトー様をよろしくお願いします」
「……遅くなったらどうなってても知らないから」
「レイラ様はこんな風に言っているがフェリス様の事を心配しぐふっ!」
アルセラの腹にレイラの肘が入った気がした。
けれど、フェリスは気にせずに話を続ける。
「お2人とも、ありがとうございます。それでは、本当に失礼致します」
フェリスはそう言って馬車に乗り、王都に向けて出発する。
僕たちは、彼女の背中を見続けることしか出来なかった。
「うぅ……フェリス……」
「サナ……」
僕は堪えきれずに泣き出したサナを抱き締める。
出来ることはそれくらいしかなかった。
フェリスが王都に帰らなければならない理由も分かる。
彼女がこの学園に来たのは両手が呪われていたからだ。
それが解けたのであれば、王都に帰って生活することが出来るに違いない。
学園で授業を受けたりせずに、自分にあった家庭教師が付くだろうし、他の貴族とのコネを作るのも王都の方がいいに決まっている。
それに、彼女を僕たちと〈黒神の祝福〉の戦いに巻き込む訳にはいかない。
彼女は王女様だから。
その相応しい場所にいなければならないと思う。
「兄さん……」
サナは僕を抱き締め返して来る。
僕たちは暫く抱き締め合った。
暫くそうしていると、レイラから声がかかる。
「クトー。いつまでそんなことしているの。フェリスが行動してくれたんだから、あたし達も行動しないとダメよ」
「レイラ……」
「スキルの練習をしないといけないんでしょう? 行きましょう」
「いいの?」
「ええ、もう……後戻りは出来ないの。アルセラも鍛えてあげて」
「僕が出来るだけの事はする」
「ええ」
こうして、僕たちは授業は最小限だけにして、出来るだけスキルや戦闘の訓練に時間を注ぎ続けた。
フェリスが不思議そうに僕とレイラに聞いて来る。
レイラと顔を見合わせて、秘密には出来ないと……いや、しない方がいいと思って話す。
「ちょっと中に来てもらえる?」
「え? もしかして……そういう事ですか?」
「……何を想像しているか分からないけれど、かなり危険な事だから気を付けてね」
「わ、分かりました」
フェリスはそう言って中に入ってくる。
レイラは、アルセラに話しかけていた。
「アルセラ。貴方も来なさい」
「よろしいのですか?」
「ええ、いいでしょ? クトー」
「うん。アルセラだったら信用出来るから」
「? わかった」
僕たち4人は扉を閉め、中央に集まる。
「因みに、この中に『静寂よ』使える人いる?」
もしかしてフェリスが使えるんじゃないのか。
そう思って彼女の方を見たけれど、首を振った。
残念だ。
「私は使えるぞ」
「え? 嘘?」
「なぜ嘘をつく必要がある。『静寂よ』」
アルセラが唱えると僕たちの空間を半透明なまくが覆う。
「本当に使えたんだ……」
「教会では魔法を教えてくれる人もいるからな」
「そんな人がいるんだ」
「ああ、メア様と言ってな。とてもお優しい方で私がレイラ様の次に尊敬する方だ」
「凄い人なんだね。僕も会ってみたいよ」
「うむ。そうするといい。紹介しよう」
アルセラの言葉を聞き、後はこれからの事を話す。
「それで、さっきレイラにも話したんだけど……」
僕は彼女たちに先ほどレイラに話したことと同じことを語った。
「クトー様。それは本当ですか?」
フェリスがいつもの……というか、以前から使っていた喋り方に戻る。
「信じられん……教会の本部が……?」
アルセラも受け入れられないのか、頭の中で整理している様だった。
「誓って本当だよ。リャーチェと話している時に聞うたからね」
「……」
「……」
2人が沈黙しているのを、僕とレイラは黙って待つ。
先に口を開いたのはフェリスだった。
「畏まりました。わたくしは信じますわ」
「私もレイラ様を信じている。であれば、レイラ様が信じた事が、私の信じる事だ」
「ありがとう。2人とも」
良かった。
正直、信じてもらえないかもしれないと思っていたから。
「当然ですわ。それで、わたくしに何かして欲しいことでもあるんですか? わざわざお話してくださったのには理由があるのではなくて?」
「うん。実はお願いがあるんだ。これから……リャーチェよりも強い人と戦わないといけないかもしれない。だから、出来るだけ強い人を紹介して欲しい」
僕は2人に向かって頭を下げる。
「わたくしは……」
「私は先ほど話したメア様に話を通してみよう。信心深い方だ、きっと手を貸してくれる」
フェリスは少し悩み、アルセラは自信を持って言ってくれた。
彼女のこの思い切りの良さは頼りになる。
「ありがとう。アルセラ。フェリスも無理しないで。ただいるか聞いてみただけだから。それに、直ぐに行くっていう訳じゃないからね」
「そうなのですか?」
「うん。一応嘘はついていないと思ったけど、本当だっていう確証もないからね。それに、サナを置いて行くことは出来ないけど、かと言って、サナを連れて行くことも出来ないからさ」
「なるほど……わかりました。わたくし、明日一度王都に帰ることにいたしますわ」
「え?」
フェリスの言葉に、僕たち3人は耳を疑った。
******
次の日。
「本当に行くんだ……」
僕、サナ、レイラ、アルセラはフェリスの見送りに来ていた。
フェリスは旅支度を終えた格好で校門の所に佇んでいる。
彼女の後ろでは、護衛の為の女騎士が10名以上が積み荷を乗り下ろしていた。
昨日言った後に、準備があると言って部屋から出て行ったけれど、本当に王都に帰るとは思わなかった。
「クトー様。申し訳ありません。それにサナも。でも、わたくしはちゃんと……今度こそ、皆さまのお力になれるようにやってみせます。ですので、どうかお許しください」
フェリスはそう言ってゆっくりと頭を下げる。
「フェリス様!?」
彼女の護衛である騎士団の人達が驚いてフェリスを止めた。
「いいのです。わたくしは彼らに助けられました。助けられたのであれば頭を下げるのは当然の事ですわ」
「ですが……御身は王女であらせられます」
「感謝を示すのに位は関係ありません。では、クトー様、わたくしはこれで」
「うん、気を付けてね。フェリス」
僕はそれだけ言い、残りはサナに任せる。
「フェリス……」
サナの声は震えていて、今にも泣きそうだ。
その様子を見たフェリスは、申し訳なさそうにサナと視線を合わせる。
「サナ。申し訳ございません。でも、わたくしは……わたくしは戻らなければならないのです」
「そう……だよね。フェリスは……王女様だもんね」
「いえ、そうですが……それだけではなく……」
フェリスは何度か口を開きかけ、首を振った。
「いえ、ここで言うのは止めておきましょう。でも、約束します。必ず帰って来ると。サナ。わたくしの言葉、信じてもらえますか?」
「うん……信じるよ。フェリスは私ととっても仲良しだもん。だから、帰って来てくれるって信じてるから」
「はい。必ず戻ります。それでは失礼します。レイラ様、アルセラ様。クトー様をよろしくお願いします」
「……遅くなったらどうなってても知らないから」
「レイラ様はこんな風に言っているがフェリス様の事を心配しぐふっ!」
アルセラの腹にレイラの肘が入った気がした。
けれど、フェリスは気にせずに話を続ける。
「お2人とも、ありがとうございます。それでは、本当に失礼致します」
フェリスはそう言って馬車に乗り、王都に向けて出発する。
僕たちは、彼女の背中を見続けることしか出来なかった。
「うぅ……フェリス……」
「サナ……」
僕は堪えきれずに泣き出したサナを抱き締める。
出来ることはそれくらいしかなかった。
フェリスが王都に帰らなければならない理由も分かる。
彼女がこの学園に来たのは両手が呪われていたからだ。
それが解けたのであれば、王都に帰って生活することが出来るに違いない。
学園で授業を受けたりせずに、自分にあった家庭教師が付くだろうし、他の貴族とのコネを作るのも王都の方がいいに決まっている。
それに、彼女を僕たちと〈黒神の祝福〉の戦いに巻き込む訳にはいかない。
彼女は王女様だから。
その相応しい場所にいなければならないと思う。
「兄さん……」
サナは僕を抱き締め返して来る。
僕たちは暫く抱き締め合った。
暫くそうしていると、レイラから声がかかる。
「クトー。いつまでそんなことしているの。フェリスが行動してくれたんだから、あたし達も行動しないとダメよ」
「レイラ……」
「スキルの練習をしないといけないんでしょう? 行きましょう」
「いいの?」
「ええ、もう……後戻りは出来ないの。アルセラも鍛えてあげて」
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こうして、僕たちは授業は最小限だけにして、出来るだけスキルや戦闘の訓練に時間を注ぎ続けた。
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