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第3章 聖女は依頼をこなす
194話 エキシビションマッチ
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「うっせえ! 関係ねえ!」
「最後に勝った奴が3勝利して勝つんだよ!」
「そうだよ! 料理の講評に関しては文句はないよ……。アタシたちが足りなかっただけだ。でも、勝負はしてもらうよ!」
ドン!
すぐ隣から机を叩く音が聞えた。
私はびくりとして隣を見ると、フリッツさんが下を向いて机の上に拳を叩きつけている。きっと彼が叩いたのだろう。
流石のフリッツさんでも怒っているに違いない。
「良く言った! いや、その言葉を待っていた! すぐに行こう!」
「えええええええええ!!!???」
私は思わず叫んでしまっていた。
何で? 勝ったじゃん! 3回勝負で2-0で勝ったでしょうよ!
「フリッツさん!? 勝ったのに何でそうなるんですか!?」
「エキシビジョンマッチだ!」
「エキシビジョンマッチ……?」
何だろう。聞くだけ無駄な気がしなくもない。
「ああ、戦い足りない者達が余った時間を使って戦う勝負のことだ。どうせ、今回の勝負を受けてしまった以上今日はここ泊まらなければならない。だからその余った時間を使おうという訳なんだ」
「そんな……」
私はどちらにしろ泊る予定じゃなかったっけ? と思っている暇もなく、『狂気の刃』の人達が近づいてくる。
「話が分かるじゃねえか」
「ああ、俺達の仲間になるか?」
「最高の料理を食わせてやるよ?」
「……断る」
「今一瞬迷いませんでした?」
「そんなことはない」
私はじーっとフリッツさんを見つめるが、彼は私に目を向けることはなかった。
「ただし、エキシビジョンマッチは1対1の一回だけにしてくれ。他の2人は戦いたい訳ではないからな」
「丁度3人いるんだから3対3で良いだろうが」
「そうだぜ、誰かが戦えないとか可哀そうじゃないか」
「みんな仲良く殺し合うのがいいんじゃないかい?」
皆仲良く殺し合うってどう考えてもおかしいと思う。
「ダメだ。ここまで2勝したんだ。それくらいの話は聞いてもらう」
フリッツさんは絶対に認めないと言ったように彼らの言葉に首を縦に振らなかった。
それを見た彼らは、仕方なく仲間内で話し合う。
「仕方ねぇな。誰が行く? 今回は譲ってもいいって奴は?」
「いないだろそんな奴」
「そうだよ。あの兄ちゃんと殺し合うのはアタシだよ」
魔法使いと神官もタイマンで戦う気なの? 正気? と思うけど、彼らはどうやら正気らしい。
「仕方ねぇ。こうやって話してても決まらねえからな」
「なら、いつもの勝負か」
「今日は負けないからね」
彼らの間で殺気のような物が飛び交う。流石Aランク。黒橡(くろつるばみ)の車輪の人達は味方だったから頼もしかったけど、敵に回すとこんなにも恐ろしいなんて……。
そして、彼らなりの合図があるのか、目線で決まったのかは分からないが、同時に掛け声を出す。
「「「じゃーんけーん! ポン!」」」
勝負はたった一回で決まる。
「よっしゃー!」
「畜生……。今回は勝てると思ったのに……」
「仕方ないねぇ」
「その決め方でいいんですね……」
なんだか肩の力が抜ける。彼らもだけど、その下のジャンとかに対しても警戒を強めてもすぐ無意味になってしまうような気がするのだ。
「ギルマス! いつもの場所借りるぞ!」
「貴方達、いいのね?」
ギルドマスターは私たちを見つめながらそう言ってくる。
「勿論構わない」
「はい……。なんだか警戒するだけ無駄なような気がしてきました……」
「問題ない」
「そう。じゃあやりましょうか」
そうして皆で一緒に『狂気の刃』について行く。
キリルさんが話しかけてくる。
「クロエ、心配はしなくてもいい。危険になりそうだったら俺が止める」
「ありがとうございます。でも、何だか大丈夫な気がしてきたので問題ないと思います」
相手はAランク。普通に考えれば危険な相手かもしれないけど、今までの感じからするとそんなに悪い人ではないような気がする。
「最後に勝った奴が3勝利して勝つんだよ!」
「そうだよ! 料理の講評に関しては文句はないよ……。アタシたちが足りなかっただけだ。でも、勝負はしてもらうよ!」
ドン!
すぐ隣から机を叩く音が聞えた。
私はびくりとして隣を見ると、フリッツさんが下を向いて机の上に拳を叩きつけている。きっと彼が叩いたのだろう。
流石のフリッツさんでも怒っているに違いない。
「良く言った! いや、その言葉を待っていた! すぐに行こう!」
「えええええええええ!!!???」
私は思わず叫んでしまっていた。
何で? 勝ったじゃん! 3回勝負で2-0で勝ったでしょうよ!
「フリッツさん!? 勝ったのに何でそうなるんですか!?」
「エキシビジョンマッチだ!」
「エキシビジョンマッチ……?」
何だろう。聞くだけ無駄な気がしなくもない。
「ああ、戦い足りない者達が余った時間を使って戦う勝負のことだ。どうせ、今回の勝負を受けてしまった以上今日はここ泊まらなければならない。だからその余った時間を使おうという訳なんだ」
「そんな……」
私はどちらにしろ泊る予定じゃなかったっけ? と思っている暇もなく、『狂気の刃』の人達が近づいてくる。
「話が分かるじゃねえか」
「ああ、俺達の仲間になるか?」
「最高の料理を食わせてやるよ?」
「……断る」
「今一瞬迷いませんでした?」
「そんなことはない」
私はじーっとフリッツさんを見つめるが、彼は私に目を向けることはなかった。
「ただし、エキシビジョンマッチは1対1の一回だけにしてくれ。他の2人は戦いたい訳ではないからな」
「丁度3人いるんだから3対3で良いだろうが」
「そうだぜ、誰かが戦えないとか可哀そうじゃないか」
「みんな仲良く殺し合うのがいいんじゃないかい?」
皆仲良く殺し合うってどう考えてもおかしいと思う。
「ダメだ。ここまで2勝したんだ。それくらいの話は聞いてもらう」
フリッツさんは絶対に認めないと言ったように彼らの言葉に首を縦に振らなかった。
それを見た彼らは、仕方なく仲間内で話し合う。
「仕方ねぇな。誰が行く? 今回は譲ってもいいって奴は?」
「いないだろそんな奴」
「そうだよ。あの兄ちゃんと殺し合うのはアタシだよ」
魔法使いと神官もタイマンで戦う気なの? 正気? と思うけど、彼らはどうやら正気らしい。
「仕方ねぇ。こうやって話してても決まらねえからな」
「なら、いつもの勝負か」
「今日は負けないからね」
彼らの間で殺気のような物が飛び交う。流石Aランク。黒橡(くろつるばみ)の車輪の人達は味方だったから頼もしかったけど、敵に回すとこんなにも恐ろしいなんて……。
そして、彼らなりの合図があるのか、目線で決まったのかは分からないが、同時に掛け声を出す。
「「「じゃーんけーん! ポン!」」」
勝負はたった一回で決まる。
「よっしゃー!」
「畜生……。今回は勝てると思ったのに……」
「仕方ないねぇ」
「その決め方でいいんですね……」
なんだか肩の力が抜ける。彼らもだけど、その下のジャンとかに対しても警戒を強めてもすぐ無意味になってしまうような気がするのだ。
「ギルマス! いつもの場所借りるぞ!」
「貴方達、いいのね?」
ギルドマスターは私たちを見つめながらそう言ってくる。
「勿論構わない」
「はい……。なんだか警戒するだけ無駄なような気がしてきました……」
「問題ない」
「そう。じゃあやりましょうか」
そうして皆で一緒に『狂気の刃』について行く。
キリルさんが話しかけてくる。
「クロエ、心配はしなくてもいい。危険になりそうだったら俺が止める」
「ありがとうございます。でも、何だか大丈夫な気がしてきたので問題ないと思います」
相手はAランク。普通に考えれば危険な相手かもしれないけど、今までの感じからするとそんなに悪い人ではないような気がする。
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