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第3章 聖女は依頼をこなす
178話 野営
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私たちと蒼穹の息吹のパーティーで火を囲み、一人立つカルロさんを見る。
「よし、これからのことを話すが、まぁ、そこまでないからな。フリッツ。お前達が先に見張りをしてくれ。いいか?」
「構わない」
「よし、じゃあ後は食事の準備だな。昼は俺達が作ったし、夜は任せてもいいか?」
「任せてください!」
私は任せてくれとドンと胸を張る。気合を入れて色々と食材を選んだので任せて欲しい。
「じゃあ他には……。何かあるか?」
誰も声をあげないので、問題はないのだろう。カルロさんも皆を一瞥した後に一つ頷いた。
「よし、では各々やりたいことを任せた」
そうして、私たちは夕飯を作ることになった。
まずはフリッツさんが言う。
「クロエ、かまどはどれくらいの大きさがいい?」
「いつもよりは大きめにしてください」
「分かった」
今度はキリルさんが。
「水はどのくらいいる?」
「いつもの4倍くらいで。結構使う予定ですので、もし足りなかったら追加をお願いしてもいいですか?」
「ああ。ウォーターボール」
キリルさんが水をうか出てくれている間に、私は鞄の中から食材を選別する。
今日は7人もいるからいいお肉を使おう。この時の為にさっき買ったから当然と言えば当然なんだけど。それからこれとこれとこれと……。うーん。蒼穹の人達もいるから、あんまり実験的な料理は作りたくない。でも、これはきっと美味しい気がするんだよね……。よし、やろう。失敗してもきっと許してくれると思う。
私は食材を選び終わると出す場所を探す。あ、キリルさんにお願いしないと。
「キリルさん。いつもの高い台を作ってもらってもいいですか?」
「任せろ。アースウォール」
キリルさんがそう呪文を唱えると、下から高さ1ⅿと少し、縦横2ⅿくらいの台が出来上がる。最初は調理台として、調理が終わったら食卓として使えるのだ。
「ありがとうございます」
私は食材を台の上に並べていく。
この時、私は料理に集中していて気付くことはできなかったけど、ファルさんが。
「今のは魔掌握で台を作った? それもウォーターボールを維持したまま? 台の高さもクロエさんの高さを考えて使いやすい高さにしっかりと作ってあるとは……一体どれだけの技術が……」
と言っていたらしいが私は気付かずに料理を続ける。
食材を並べ終えたらそれらを切る必要があるけど、その前に私はグリー魔道具店の鍋を取り出し、いつもより大きめに展開する。
「クロエ、かまどは出来たぞ」
「ありがとうございます」
流石フリッツさん。彼に礼をいいつつそれをかまどに置く。
「火起こしもお願いしていいですか?」
「任せろ」
「キリルさん。鍋の半分に水を入れて頂いても?」
「ああ」
私はそう言って食材を切り始める。
あ、肝心なことを聞くのを忘れていた。
「あの、ミーナさん」
「……え? な、何かしら?」
蒼穹のメンバー全員が私たちの料理を作るのを見ている。遠くに行っていなくて丁度良かった。
「蒼穹の息吹の皆さんって食べれないものってありますか?」
「あ、大丈夫。気にしないで」
「分かりました」
私は食材を丁度いい大きさに切っていき、鍋に放り込んでいく。
「あ、そうだ。もうやってもいいかな。キリルさん。窯を作ってもらってもいいですか?」
「ああ、クリエイトストーン」
「そんな、そんなすごい技術をたかが窯を作るために使うなんて」
ファルさんの呟きは私の耳には入らなかった。
私は鞄からパンの元を取り出し、それを窯の中に入れる。何時でも食べられるよう準備しておいてよかった。
「これを焼けば出来立てのパンが食べられます」
私は窯の中に火をおこす。火が起きたのを確認して、フリッツさんにお願いをする。
「フリッツさん。窯の火加減を見て居て頂いていいですか? かまどは大丈夫だと思うので」
「分かった」
私はそれから残っている食材を全て鍋に入れて、鍋をしっかりと煮込む。
それから色々と必要な物を入れ、味を整えて完成する。実験的に作ったにしてはいいんじゃないかな。
「こんなものかな」
そこにキリルさんが話しかけてくる。
「クロエ、残った水はどうする?」
「あ、いけない。そうでしたそうでした」
私は鞄から野菜を取り出し、それらを丁度いい大きさに切っていく。そして、切り終わった側からキリルさんのウォーターボールの中に放り込む。
「ああ、そんな。野菜を中に放り込んでどうするというのですか……」
ファルさんの言っていることは私の耳には入らなかった。
私は切った野菜をウォーターボールの中に入れ終えると、キリルさんに頼む。
「キリルさん。洗ってもらってもいいですか?」
「ああ」
彼はそう言ってウォーターボールを回す。回すといっても場所自体は変わらずに、自転していると言った方が正しいか。
そうすると、当然のように中の野菜も洗われる。
「これくらいでいいか?」
「はい! ありがとうございます!」
私は調理器具の中からザルを取り出し、キリルさんにそこの上に野菜を出してもらう。
「これをしっかりと振って……」
私は周囲に水が飛ばない様に離れる。
「これは俺に任せてパンの方を頼む」
ザルを振りかぶろうとしたら、フリッツさんが来ていて、そう言ってくれた。
「いいんですか?」
「ああ、その代わり美味いパンにしてくれ」
「はい!」
私はザルをフリッツさんに預けて、窯の方へ向かう。そして、匂い等を確認してタイミングを計る
私は気を付けながら窯を開け、火傷しない様にパンを取り出した。
「よし、いい感じ」
窯を開きパンを見る。焼け方なども丁度良く、素晴らしい出来だと思う。
私はそれを台に持って行くと、キリルさんが台の上を拭いてくれていた。
「キリルさんありがとうございます」
「気にするな。それより食事にしよう」
「はい! 後は盛りつけて……。先に呼んできますね」
「ああ」
そう言って私は蒼穹の人達を呼びに行こうとしたら、既にそこにいた。結構長いこと作っていたからどこかに行っていると思ったんだけど……。
「あれ? どうなさったんですか?」
「いや……何と言うか……」
「なんか野営じゃないみたいなことやってるから……」
「信じられません。ここは高級レストランですか?」
「夕食の為だけにあれほどの魔法を……」
そう言って所在なさげというか、何と言うか。何とも言えない空気を出していた。
よくわからなかったけれど、焼きたてが振舞えるのなら丁度いい。
「よくわかりませんけど、早速食べませんか? 焼きたてと出来立てが一番美味しいと思いますので!」
「あ、ああ」
「キリルさん。皆さんの分のイスをお願いします!」
「アースウォール」
そうして7人分のイスが出来上がる。
「「「「……」」」」
私はフリッツさんを呼びに行こうとすると、彼はもう帰って来ている所だった。
「出来たぞ」
「ありがとうございます!」
私は鞄から食器を人数分取り出す。ここに来るまでの1時間で何とか人数分買えてよかった。パンや新しい料理、サラダを盛りつけていく。
「さ、出来ました! どうぞ食べてください。サラダのドレッシングはお好みの量をかけてください」
「い、頂きます」
皆がそれぞれに食事の言葉を述べて、食べたいものを食べていく。
「す、すごい。このスープ? 街の高級な所で食ったことあるぞ!」
「このパンも焼きたてだけじゃない……何か入ってる。これ何? でもすっごく美味しい」
「サラダもすごいです。このドレッシングは信じられません」
「全ての料理がレベル高すぎでしょう……。街で食べようとしたら一体幾らかかるというのでしょうか」
良かった。新しいのもいい感じに出来ていたようで満足満足。
「うん。やっぱりクロエの料理は美味いな」
「ああ、専属の料理人として城に欲しい」
「あはは、城って、一体どこのですか」
「それは……まぁ、そのうち教えよう」
フリッツさんとキリルさんも満足して食べてくれたので良かった。
「よし、これからのことを話すが、まぁ、そこまでないからな。フリッツ。お前達が先に見張りをしてくれ。いいか?」
「構わない」
「よし、じゃあ後は食事の準備だな。昼は俺達が作ったし、夜は任せてもいいか?」
「任せてください!」
私は任せてくれとドンと胸を張る。気合を入れて色々と食材を選んだので任せて欲しい。
「じゃあ他には……。何かあるか?」
誰も声をあげないので、問題はないのだろう。カルロさんも皆を一瞥した後に一つ頷いた。
「よし、では各々やりたいことを任せた」
そうして、私たちは夕飯を作ることになった。
まずはフリッツさんが言う。
「クロエ、かまどはどれくらいの大きさがいい?」
「いつもよりは大きめにしてください」
「分かった」
今度はキリルさんが。
「水はどのくらいいる?」
「いつもの4倍くらいで。結構使う予定ですので、もし足りなかったら追加をお願いしてもいいですか?」
「ああ。ウォーターボール」
キリルさんが水をうか出てくれている間に、私は鞄の中から食材を選別する。
今日は7人もいるからいいお肉を使おう。この時の為にさっき買ったから当然と言えば当然なんだけど。それからこれとこれとこれと……。うーん。蒼穹の人達もいるから、あんまり実験的な料理は作りたくない。でも、これはきっと美味しい気がするんだよね……。よし、やろう。失敗してもきっと許してくれると思う。
私は食材を選び終わると出す場所を探す。あ、キリルさんにお願いしないと。
「キリルさん。いつもの高い台を作ってもらってもいいですか?」
「任せろ。アースウォール」
キリルさんがそう呪文を唱えると、下から高さ1ⅿと少し、縦横2ⅿくらいの台が出来上がる。最初は調理台として、調理が終わったら食卓として使えるのだ。
「ありがとうございます」
私は食材を台の上に並べていく。
この時、私は料理に集中していて気付くことはできなかったけど、ファルさんが。
「今のは魔掌握で台を作った? それもウォーターボールを維持したまま? 台の高さもクロエさんの高さを考えて使いやすい高さにしっかりと作ってあるとは……一体どれだけの技術が……」
と言っていたらしいが私は気付かずに料理を続ける。
食材を並べ終えたらそれらを切る必要があるけど、その前に私はグリー魔道具店の鍋を取り出し、いつもより大きめに展開する。
「クロエ、かまどは出来たぞ」
「ありがとうございます」
流石フリッツさん。彼に礼をいいつつそれをかまどに置く。
「火起こしもお願いしていいですか?」
「任せろ」
「キリルさん。鍋の半分に水を入れて頂いても?」
「ああ」
私はそう言って食材を切り始める。
あ、肝心なことを聞くのを忘れていた。
「あの、ミーナさん」
「……え? な、何かしら?」
蒼穹のメンバー全員が私たちの料理を作るのを見ている。遠くに行っていなくて丁度良かった。
「蒼穹の息吹の皆さんって食べれないものってありますか?」
「あ、大丈夫。気にしないで」
「分かりました」
私は食材を丁度いい大きさに切っていき、鍋に放り込んでいく。
「あ、そうだ。もうやってもいいかな。キリルさん。窯を作ってもらってもいいですか?」
「ああ、クリエイトストーン」
「そんな、そんなすごい技術をたかが窯を作るために使うなんて」
ファルさんの呟きは私の耳には入らなかった。
私は鞄からパンの元を取り出し、それを窯の中に入れる。何時でも食べられるよう準備しておいてよかった。
「これを焼けば出来立てのパンが食べられます」
私は窯の中に火をおこす。火が起きたのを確認して、フリッツさんにお願いをする。
「フリッツさん。窯の火加減を見て居て頂いていいですか? かまどは大丈夫だと思うので」
「分かった」
私はそれから残っている食材を全て鍋に入れて、鍋をしっかりと煮込む。
それから色々と必要な物を入れ、味を整えて完成する。実験的に作ったにしてはいいんじゃないかな。
「こんなものかな」
そこにキリルさんが話しかけてくる。
「クロエ、残った水はどうする?」
「あ、いけない。そうでしたそうでした」
私は鞄から野菜を取り出し、それらを丁度いい大きさに切っていく。そして、切り終わった側からキリルさんのウォーターボールの中に放り込む。
「ああ、そんな。野菜を中に放り込んでどうするというのですか……」
ファルさんの言っていることは私の耳には入らなかった。
私は切った野菜をウォーターボールの中に入れ終えると、キリルさんに頼む。
「キリルさん。洗ってもらってもいいですか?」
「ああ」
彼はそう言ってウォーターボールを回す。回すといっても場所自体は変わらずに、自転していると言った方が正しいか。
そうすると、当然のように中の野菜も洗われる。
「これくらいでいいか?」
「はい! ありがとうございます!」
私は調理器具の中からザルを取り出し、キリルさんにそこの上に野菜を出してもらう。
「これをしっかりと振って……」
私は周囲に水が飛ばない様に離れる。
「これは俺に任せてパンの方を頼む」
ザルを振りかぶろうとしたら、フリッツさんが来ていて、そう言ってくれた。
「いいんですか?」
「ああ、その代わり美味いパンにしてくれ」
「はい!」
私はザルをフリッツさんに預けて、窯の方へ向かう。そして、匂い等を確認してタイミングを計る
私は気を付けながら窯を開け、火傷しない様にパンを取り出した。
「よし、いい感じ」
窯を開きパンを見る。焼け方なども丁度良く、素晴らしい出来だと思う。
私はそれを台に持って行くと、キリルさんが台の上を拭いてくれていた。
「キリルさんありがとうございます」
「気にするな。それより食事にしよう」
「はい! 後は盛りつけて……。先に呼んできますね」
「ああ」
そう言って私は蒼穹の人達を呼びに行こうとしたら、既にそこにいた。結構長いこと作っていたからどこかに行っていると思ったんだけど……。
「あれ? どうなさったんですか?」
「いや……何と言うか……」
「なんか野営じゃないみたいなことやってるから……」
「信じられません。ここは高級レストランですか?」
「夕食の為だけにあれほどの魔法を……」
そう言って所在なさげというか、何と言うか。何とも言えない空気を出していた。
よくわからなかったけれど、焼きたてが振舞えるのなら丁度いい。
「よくわかりませんけど、早速食べませんか? 焼きたてと出来立てが一番美味しいと思いますので!」
「あ、ああ」
「キリルさん。皆さんの分のイスをお願いします!」
「アースウォール」
そうして7人分のイスが出来上がる。
「「「「……」」」」
私はフリッツさんを呼びに行こうとすると、彼はもう帰って来ている所だった。
「出来たぞ」
「ありがとうございます!」
私は鞄から食器を人数分取り出す。ここに来るまでの1時間で何とか人数分買えてよかった。パンや新しい料理、サラダを盛りつけていく。
「さ、出来ました! どうぞ食べてください。サラダのドレッシングはお好みの量をかけてください」
「い、頂きます」
皆がそれぞれに食事の言葉を述べて、食べたいものを食べていく。
「す、すごい。このスープ? 街の高級な所で食ったことあるぞ!」
「このパンも焼きたてだけじゃない……何か入ってる。これ何? でもすっごく美味しい」
「サラダもすごいです。このドレッシングは信じられません」
「全ての料理がレベル高すぎでしょう……。街で食べようとしたら一体幾らかかるというのでしょうか」
良かった。新しいのもいい感じに出来ていたようで満足満足。
「うん。やっぱりクロエの料理は美味いな」
「ああ、専属の料理人として城に欲しい」
「あはは、城って、一体どこのですか」
「それは……まぁ、そのうち教えよう」
フリッツさんとキリルさんも満足して食べてくれたので良かった。
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