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第3章 聖女は依頼をこなす
176話 レイス退治
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大変申し訳ないです。昨日投稿するのを忘れていました。
なので、本日は2話投稿いたします。申し訳ありません。
****************
私が席に着くと、正面に座っている中年の女性が話始める。
「ではもう一度話すわね。ここから数日行った街道近くの森に、レイスが現れるようになった。貴方達にはその討伐をして欲しい。以上よ」
なんと簡潔な。簡潔過ぎて足りないところしか見当たらない。
「えっと……それをなぜ我々に?」
「この街で対処出来る人達が貴方達しかいないからよ」
「いない?」
「ええ、最近は魔族の攻撃も激しい。それに、魔物の数が増えているようでAランクもそっちの対応に忙しい。だからBランク以上は忙しいのよ。理解なさい」
「はぁ」
「それで、今回のレイス。魔法攻撃でないと倒すことのできないBランクの魔物。貴方達のパーティーにはかなり優秀な魔法使いがいると聞いてね。本当は蒼穹の息吹だけに頼むつもりだったんだけど……」
彼女はそう言ってカルロさん達の方を向く。
代表して口を開くのはファルさんだ。
「私がもう1パーティー欲しいと話したのですよ。私は魔法使いですが、魔法使いとしては並み程度です。なので、もう少し攻撃出来る人が欲しいと。それで、少し探す予定になったんですが、こんなに直ぐに見つかるとは思いませんでした」
「それで私たちに?」
「キリルさんの魔法の実力は私よりも上です。なので、今回の依頼を手伝って頂けないかと思いまして」
「なるほど」
そこに、中年の女性が話始める。
「本当に厄介なことばかりだよ。ダラスと繋がったと思えばこんな厄介ごとが起きるとはね」
「しかしギルドマスター。彼らが居ればすぐにでも終わります。ですから、どうか認めてください」
この女性はギルドマスターだったのか。
「別にいいわよ。レイスを狩ってくれれば。それで、アンタたちは受けてくれるの?」
「それは……」
「どうしようか」
私たちがキリルさんの方を向くとキリルさんが考えを言ってくれる。
「時間が許すのなら行くべきだ。丁度いい」
「丁度いいですか?」
「多少の依頼なら大丈夫だと思うが……」
「なら行くぞ」
キリルさんはそう言って直ぐに決めてしまう。でも、フリッツさんがいいといったのならいいと思う。それに、困っている人達がいるのなら何とかしなければ。
「そう、感謝するわ。詳しい話はこの子に聞いて」
そう言ってギルドマスターは席を立ち、部屋を出ていく。
「あ、あの」
ギルドマスターを見送ると、さっきの受付嬢が話始める。
私たちは彼女の方を向いた。
「それではご説明させて頂きます」
彼女の話によると、ここから東に2日ほど行った所にある森に複数のレイスを確認したという。なので、その森に出るレイスを狩りまくって欲しい。それも大至急。そこがただの森であれば急ぐ必要はないが、東の町との道は、その森を突き抜けるような形で街道が通っている。そこを通る人達の安全の為にも……という話だった。
「分かりました」
「それで、出発は何時にするんだ?」
フリッツさんが聞き、それに答えるのはカルロさんだ。
「そちらが良けれ今日中にでも行こうと思う。レイスはかなり危険だ。魔法使いのいないパーティーだと簡単に全滅する」
「そんな魔物がなぜ現れたんだ?」
「分からん。教会は魔王が誕生したからだと言っているが、真相は誰にも分からん。取りあえずは対処しなければ」
「それもそうか」
「それで、今からでも問題はないか?」
フリッツさんが私とキリルさんの方を向く。
「あの、食料がまだ買えてないです」
「そうか、1時間あれば足りるか?」
「大丈夫です」
「なら1時間後に東の門の内側に集合だ。いいか?」
「はい」
「分かった」
そうして、私たちはレイス退治をすることになった。
食事の買出しは蒼穹の息吹の人達にも食べてもらえるように大量に買い込んでしまった。
なので、本日は2話投稿いたします。申し訳ありません。
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私が席に着くと、正面に座っている中年の女性が話始める。
「ではもう一度話すわね。ここから数日行った街道近くの森に、レイスが現れるようになった。貴方達にはその討伐をして欲しい。以上よ」
なんと簡潔な。簡潔過ぎて足りないところしか見当たらない。
「えっと……それをなぜ我々に?」
「この街で対処出来る人達が貴方達しかいないからよ」
「いない?」
「ええ、最近は魔族の攻撃も激しい。それに、魔物の数が増えているようでAランクもそっちの対応に忙しい。だからBランク以上は忙しいのよ。理解なさい」
「はぁ」
「それで、今回のレイス。魔法攻撃でないと倒すことのできないBランクの魔物。貴方達のパーティーにはかなり優秀な魔法使いがいると聞いてね。本当は蒼穹の息吹だけに頼むつもりだったんだけど……」
彼女はそう言ってカルロさん達の方を向く。
代表して口を開くのはファルさんだ。
「私がもう1パーティー欲しいと話したのですよ。私は魔法使いですが、魔法使いとしては並み程度です。なので、もう少し攻撃出来る人が欲しいと。それで、少し探す予定になったんですが、こんなに直ぐに見つかるとは思いませんでした」
「それで私たちに?」
「キリルさんの魔法の実力は私よりも上です。なので、今回の依頼を手伝って頂けないかと思いまして」
「なるほど」
そこに、中年の女性が話始める。
「本当に厄介なことばかりだよ。ダラスと繋がったと思えばこんな厄介ごとが起きるとはね」
「しかしギルドマスター。彼らが居ればすぐにでも終わります。ですから、どうか認めてください」
この女性はギルドマスターだったのか。
「別にいいわよ。レイスを狩ってくれれば。それで、アンタたちは受けてくれるの?」
「それは……」
「どうしようか」
私たちがキリルさんの方を向くとキリルさんが考えを言ってくれる。
「時間が許すのなら行くべきだ。丁度いい」
「丁度いいですか?」
「多少の依頼なら大丈夫だと思うが……」
「なら行くぞ」
キリルさんはそう言って直ぐに決めてしまう。でも、フリッツさんがいいといったのならいいと思う。それに、困っている人達がいるのなら何とかしなければ。
「そう、感謝するわ。詳しい話はこの子に聞いて」
そう言ってギルドマスターは席を立ち、部屋を出ていく。
「あ、あの」
ギルドマスターを見送ると、さっきの受付嬢が話始める。
私たちは彼女の方を向いた。
「それではご説明させて頂きます」
彼女の話によると、ここから東に2日ほど行った所にある森に複数のレイスを確認したという。なので、その森に出るレイスを狩りまくって欲しい。それも大至急。そこがただの森であれば急ぐ必要はないが、東の町との道は、その森を突き抜けるような形で街道が通っている。そこを通る人達の安全の為にも……という話だった。
「分かりました」
「それで、出発は何時にするんだ?」
フリッツさんが聞き、それに答えるのはカルロさんだ。
「そちらが良けれ今日中にでも行こうと思う。レイスはかなり危険だ。魔法使いのいないパーティーだと簡単に全滅する」
「そんな魔物がなぜ現れたんだ?」
「分からん。教会は魔王が誕生したからだと言っているが、真相は誰にも分からん。取りあえずは対処しなければ」
「それもそうか」
「それで、今からでも問題はないか?」
フリッツさんが私とキリルさんの方を向く。
「あの、食料がまだ買えてないです」
「そうか、1時間あれば足りるか?」
「大丈夫です」
「なら1時間後に東の門の内側に集合だ。いいか?」
「はい」
「分かった」
そうして、私たちはレイス退治をすることになった。
食事の買出しは蒼穹の息吹の人達にも食べてもらえるように大量に買い込んでしまった。
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