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第3章 聖女は依頼をこなす
166話 犬たちのたまり場
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「ぐるるるるるるるるるうううううう」
「がるるるっるるるるるうううううう」
「これは……一杯いますね……」
私たちが言われた場所に来ると、確かに想定以上の犬がそこかしこにいた。
ここはジャンに言われた通りの場所。ゴミなども結構落ちているし、掃除もほとんどされていないのか汚い。そんな通りの奥に、多くの犬たちがこちらを向いて威嚇していた。
「何匹いるんだ?」
「見えるだけでも10はいるか」
「ということは奥にもっといるんでしょうか?」
「行ってみないと分からないな」
「では魔法で氷漬けにしよう。それでゆっくり探せる」
「キリルさん?」
「それはダメだろう」
キリルさんが当然といった顔で言っているのが少し怖い。
「そうか? しかし殺す訳にいかないだろう? 解凍すれば元通りだ」
「それは可哀そうだと思います」
「連れて帰るのに警戒されていたら何があったのかと言われてしまうだろうが」
「ならどうする? 襲い掛かって来る可能性もある」
「こういう時こそ私の出番ですね!」
ここでこんな使い方をするとは思っていなかったけど、きっと役に立つはずだ。
フリッツさんもそれに賛同してくれる。
「クロエの防御魔法なら大丈夫だろう」
「そうか……そうだったな。悪い」
「いえいえ、ではプロテクト×3」
私は3人に防御魔法をかける。
「それじゃあ行くぞ」
「はい」
「ああ」
フリッツさんを先頭にして先に進む。
「ぐるるるるるるるうううううう」
「がるるるるるるるうううううう」
「ちょっと迫力がありますね……」
ランドの攻撃すら防ぎ切ったのだから、犬の攻撃くらいは問題ないと思う。けれども、犬の鋭い牙が来るのを考えると怖い。
「まぁな。魔石を持っていないだけで凶暴な犬もいるからな。気をつけろよ?」
「はい」
そうして探していると、少し入りこんだ所に丸くなる小型の薄茶色の犬がいた。
私はその犬を見た瞬間。もしかして、と思って名前を呼んだ。
「パイン?」
「くぅ~ん」
その犬からは弱々しいながらも返事が返ってくる。
「あれがパインか」
「まさか本当にこんなところにいるとはな」
「でも良かったです。元気はなさそうですけど、ちゃんと無事でいてくれて」
私は最悪の事態になっていなくてほっと胸を撫でおろす。
「では迎えに行きましょうか」
「ばう! ばう! ばう!」
「わっ!」
近くにいた犬に吠えられて私は尻もちをつく。その犬は中型の大きさで黒色の毛並み。額にある白い模様が♡型になっているのが可愛らしい。
その犬が私目掛けて思いっきり吠えていた。
「どうして?」
「パインを守っているんじゃないのか?」
「あ……」
フリッツさんに言われて見ると確かにその犬は私とパインの間に来るように立っている。
「ばう! ばう! ぐるるるるるるるううううう」
どうやらフリッツさんの言う通りのようで、私たちに帰れと行っているように聞える。
「どうしたら通してくださいますか?」
「ばう! ばう!」
「ダメなんでしょうか……」
立ちはだかる犬は敵意を向けてくるだけで、通してくれるような気配は一切ない。
「どうしましょうか……」
「押し通るのではダメなのか?」
「流石に守っているということは何か理由があると思うんですが……」
「ふむ……」
この2匹は恋仲なのかもしれない。ルノーさんの言っていた彼女さんの犬とは別れたのかどうかは知らないけど、今は少なくともいい感情を向けられているとは思えなのだ。
「ならルノーを連れてくるか? 飼い主を連れてくればパインは自分から来るのではないか?」
「なるほど」
「それがいいか」
その考えはなかった。無理やり引き離してもいいことにはならないだろうし、ルノーさんを連れて来ようということになった。
その為、私たちは一度彼の所に戻る。
「がるるるっるるるるるうううううう」
「これは……一杯いますね……」
私たちが言われた場所に来ると、確かに想定以上の犬がそこかしこにいた。
ここはジャンに言われた通りの場所。ゴミなども結構落ちているし、掃除もほとんどされていないのか汚い。そんな通りの奥に、多くの犬たちがこちらを向いて威嚇していた。
「何匹いるんだ?」
「見えるだけでも10はいるか」
「ということは奥にもっといるんでしょうか?」
「行ってみないと分からないな」
「では魔法で氷漬けにしよう。それでゆっくり探せる」
「キリルさん?」
「それはダメだろう」
キリルさんが当然といった顔で言っているのが少し怖い。
「そうか? しかし殺す訳にいかないだろう? 解凍すれば元通りだ」
「それは可哀そうだと思います」
「連れて帰るのに警戒されていたら何があったのかと言われてしまうだろうが」
「ならどうする? 襲い掛かって来る可能性もある」
「こういう時こそ私の出番ですね!」
ここでこんな使い方をするとは思っていなかったけど、きっと役に立つはずだ。
フリッツさんもそれに賛同してくれる。
「クロエの防御魔法なら大丈夫だろう」
「そうか……そうだったな。悪い」
「いえいえ、ではプロテクト×3」
私は3人に防御魔法をかける。
「それじゃあ行くぞ」
「はい」
「ああ」
フリッツさんを先頭にして先に進む。
「ぐるるるるるるるうううううう」
「がるるるるるるるうううううう」
「ちょっと迫力がありますね……」
ランドの攻撃すら防ぎ切ったのだから、犬の攻撃くらいは問題ないと思う。けれども、犬の鋭い牙が来るのを考えると怖い。
「まぁな。魔石を持っていないだけで凶暴な犬もいるからな。気をつけろよ?」
「はい」
そうして探していると、少し入りこんだ所に丸くなる小型の薄茶色の犬がいた。
私はその犬を見た瞬間。もしかして、と思って名前を呼んだ。
「パイン?」
「くぅ~ん」
その犬からは弱々しいながらも返事が返ってくる。
「あれがパインか」
「まさか本当にこんなところにいるとはな」
「でも良かったです。元気はなさそうですけど、ちゃんと無事でいてくれて」
私は最悪の事態になっていなくてほっと胸を撫でおろす。
「では迎えに行きましょうか」
「ばう! ばう! ばう!」
「わっ!」
近くにいた犬に吠えられて私は尻もちをつく。その犬は中型の大きさで黒色の毛並み。額にある白い模様が♡型になっているのが可愛らしい。
その犬が私目掛けて思いっきり吠えていた。
「どうして?」
「パインを守っているんじゃないのか?」
「あ……」
フリッツさんに言われて見ると確かにその犬は私とパインの間に来るように立っている。
「ばう! ばう! ぐるるるるるるるううううう」
どうやらフリッツさんの言う通りのようで、私たちに帰れと行っているように聞える。
「どうしたら通してくださいますか?」
「ばう! ばう!」
「ダメなんでしょうか……」
立ちはだかる犬は敵意を向けてくるだけで、通してくれるような気配は一切ない。
「どうしましょうか……」
「押し通るのではダメなのか?」
「流石に守っているということは何か理由があると思うんですが……」
「ふむ……」
この2匹は恋仲なのかもしれない。ルノーさんの言っていた彼女さんの犬とは別れたのかどうかは知らないけど、今は少なくともいい感情を向けられているとは思えなのだ。
「ならルノーを連れてくるか? 飼い主を連れてくればパインは自分から来るのではないか?」
「なるほど」
「それがいいか」
その考えはなかった。無理やり引き離してもいいことにはならないだろうし、ルノーさんを連れて来ようということになった。
その為、私たちは一度彼の所に戻る。
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