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第1章 聖女は出会う
24話 配達依頼
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「と、ダメだった」
「何がですか?」
これからさあ出発だ。という所でフリッツさんから待ったが入った。
「このままいっても検問の所で荷物検査をされてしまうからな。それを回避しないと」
「荷物検査をされるんですか?」
「? 普通されるだろ? 今までどんなパーティを組んできたんだ?」
「……そ、そうですね。そうだったかもしれません。仲間の誰かがやってくれていたような……」
彼女は今まで院にいたことと、勇者パーティにいることしかなかった。それによって意外と常識というものが無かったりする。今回の検問もそれにあたる。本来は検問されるべきところだが、彼らは勇者パーティ。そう言った雑事には煩わされないようになっていたのだ。
「そういうこともあるか。それで、それを回避するのが冒険者ギルドで依頼を受けるんだ」
「依頼を受けるんですか?」
「ああ。それで門番にそれを見せれば大した検問もなく入れてくれる」
「それを認めちゃうと商人の人とかちょっと可哀そうじゃないですか?」
「流石にそんなに沢山の量は見過ごして貰えないよ。それに金貨とか魔法の加工が施された物には反応するようになっている」
「じゃあケルベロスのなら大丈夫なんですか?」
「ああ、恐らくいけるだろう。冒険者ならこれくらいの荷物を持っているやつはいくらでもいるしな」
「なるほど。それならギルさんの所へ行くんですか?」
「そのつもりだ」
「分かりました」
そして私たちは一度ギルさんの所へ向かう。ギルド会館(小屋)にはギルさんがいて中で書類仕事をしていた。
「ギルさんちょっといいか」
「失礼します」
「おや、お2人さんどうしたね?」
ギルさんは書類から顔を上げる。
「ああ、ダラスの街へ行くことになったんだが、検問で見られるのもあれかと思ってな。何かダラスまで行く依頼はないか?」
「そう言うことですか。あんまりそういうのに使ってほしくはないんですが……まぁいいでしょう。あれだけの代物ですからね。それとこれなんてどうですか? ファティマ商会への荷を届けて欲しいという物ですね。ファティマ商会はダラス1といってもいいほど大きく老舗です。変に揉めることもないと思いますし。荷物の量も少量ですのでいいかと思うますが」
「分かった受けよう」
「フリッツさん? そんなに直ぐに決めてもいいんですか?」
「ああ、迷う程の物じゃない。ギルさんが言ったのなら他にいいのはないんだろ?」
「そうですね……。それ以外だともっと大荷物になったりしますね」
「ならそれでいい。いいだろ?」
「そう言うことでしたら」
「よし、それじゃあ早速受理してっと」
「それではよろしくお願いしますね」
「ああ、分かった」
こうして私たちは向かうことになった。
「何がですか?」
これからさあ出発だ。という所でフリッツさんから待ったが入った。
「このままいっても検問の所で荷物検査をされてしまうからな。それを回避しないと」
「荷物検査をされるんですか?」
「? 普通されるだろ? 今までどんなパーティを組んできたんだ?」
「……そ、そうですね。そうだったかもしれません。仲間の誰かがやってくれていたような……」
彼女は今まで院にいたことと、勇者パーティにいることしかなかった。それによって意外と常識というものが無かったりする。今回の検問もそれにあたる。本来は検問されるべきところだが、彼らは勇者パーティ。そう言った雑事には煩わされないようになっていたのだ。
「そういうこともあるか。それで、それを回避するのが冒険者ギルドで依頼を受けるんだ」
「依頼を受けるんですか?」
「ああ。それで門番にそれを見せれば大した検問もなく入れてくれる」
「それを認めちゃうと商人の人とかちょっと可哀そうじゃないですか?」
「流石にそんなに沢山の量は見過ごして貰えないよ。それに金貨とか魔法の加工が施された物には反応するようになっている」
「じゃあケルベロスのなら大丈夫なんですか?」
「ああ、恐らくいけるだろう。冒険者ならこれくらいの荷物を持っているやつはいくらでもいるしな」
「なるほど。それならギルさんの所へ行くんですか?」
「そのつもりだ」
「分かりました」
そして私たちは一度ギルさんの所へ向かう。ギルド会館(小屋)にはギルさんがいて中で書類仕事をしていた。
「ギルさんちょっといいか」
「失礼します」
「おや、お2人さんどうしたね?」
ギルさんは書類から顔を上げる。
「ああ、ダラスの街へ行くことになったんだが、検問で見られるのもあれかと思ってな。何かダラスまで行く依頼はないか?」
「そう言うことですか。あんまりそういうのに使ってほしくはないんですが……まぁいいでしょう。あれだけの代物ですからね。それとこれなんてどうですか? ファティマ商会への荷を届けて欲しいという物ですね。ファティマ商会はダラス1といってもいいほど大きく老舗です。変に揉めることもないと思いますし。荷物の量も少量ですのでいいかと思うますが」
「分かった受けよう」
「フリッツさん? そんなに直ぐに決めてもいいんですか?」
「ああ、迷う程の物じゃない。ギルさんが言ったのなら他にいいのはないんだろ?」
「そうですね……。それ以外だともっと大荷物になったりしますね」
「ならそれでいい。いいだろ?」
「そう言うことでしたら」
「よし、それじゃあ早速受理してっと」
「それではよろしくお願いしますね」
「ああ、分かった」
こうして私たちは向かうことになった。
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