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第1章 聖女は出会う
13話 寝起き
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次の日。彼は明け方になると自然と目を覚ました。
「ううん」
彼は目を眠たそうに目をこすって起きる。
「おはようございます」
「おはよう……誰?」
「流石に目ぼけていますね」
「?」
私は苦笑して彼を見る。昨日はあれだけかっこよかったのに、時々とぼけて見えるから驚きだ。
「昨日助けて下さったでしょう? クロエです」
「クロエ……あ? ああ! 昨日の肉の!」
「私のイメージはそっちなんですね……」
「あーいや、その。すまん」
覚醒した彼はそうやって謝ってくる。といっても寝ぼけているのはそんなに変わらないのか寝ぐせなどもついたままだ。
「ふふ、大丈夫ですよ。それじゃあご飯にしましょうか」
「ご飯?」
「はい、フリッツさんが寝ている間に作っておいたので」
「あぅ……わかった」
「一度顔を洗ってきますか? 近くまででしたらお供しますよ?」
「そうする……」
「はい」
そうして私と彼は立ち上がって木を降りる。周囲は明るく日は高い。朝の空気を肺一杯に吸い込み新鮮な空気を取り込む。そしてフリッツさんと一緒に泉へと向かう。
彼はまだ寝ぼけているので私がちゃんと案内をしないといけないだろう。だから警戒しながら先頭を歩いた。
幸いにして周囲に魔物の気配はなく、私たちは無事に泉に到着する。
「さ、どうぞ」
「ああ……」
彼はそう言って自らの服に手をかけた。そして上着を脱いで泉に近寄っていく。か、顔を洗う時にはそう言う風になる人なのかな……。
彼はそれだけでは飽きたらずに腰ひもに手をかける。シュル、彼が皮の鎧と一緒にズボンも脱いだ。
「え!? ちょっとなんで!?」
私は顔を覆って後ろを向く。頭の中は大混乱だ。
(何で? 何で朝からあんなに脱いでいるの? おかしくない? それとも私がおかしいだけ?)
私の混乱を余所に彼はそのまま泉の中に入っていく。ちゃぷちゃぷ。そして体を水で洗っている音がここまで聞こえてくる。
(えええええ、どうしよう。護衛をしておかなくちゃいけないんだけどでも見ちゃまずい……よね?)
昨日の時はグリズリーベアに追いかけられていたし、そこまで彼の体は見ていなかった。だけど今の状況は違う。魔物に追われている訳ではないから周囲に警戒をしなければいけないのに。
そんなことを思っていると10分後。
ザバァ、一人頭を抱えていると彼が泉から上がってきた。
「ふぃー気持ちよかった。ん? お前は……」
私は後ろを向いたままだったけど彼の足が止まるのが分かった。
「……」
私は何かいうべきか分からずに後ろを向いたまま顔を逸らしていた。
「あーどうしたんだ? 何かあったのか?」
彼はそう言って近づいてくる。その足に躊躇いはない。
「あの! 服! 服を着てください!」
「服? ああ! 悪い悪いそう言うのはあんまり気にしてねえからな」
そう言って彼は服を着始める。その音が終わるまで私としてはとても何とも言えない時間が過ぎていった。
「待たせたな」
「服はちゃんと着ましたか?」
「ああ、問題ない」
私は振り向くとそこには起きた時と同じ格好の彼がいた。
「もう、いきなり服を脱ぎだすんですもん。驚きましたよ……」
「ずっと一人で冒険者をやってきたからそういう感覚があんまり無くてな」
「すごい、一人なのにあれだけ強かったんですか?」
「そんなことない。俺はまだまだ未熟だよ。俺はもっと強くなりたいんだ。だからこうやって一人で修行に出ているんだ」
「凄い向上心ですね。だけどその為には力をつけないと、ご飯を作ったので食べませんか?」
「おお、本当か? それはありがたい」
やっぱり寝ぼけていたみたいだ。私たちは樹上に戻り朝食を食べる。
「やっぱりお前が作る料理は旨いな。朝からこんな食事が出来るなんて最高だ」
「そんな。他の人でもこれくら作れますよ」
「そんなことない。これだけの味の店だったら毎日でも通うぞ?」
「それだったらケルベロスを毎日狩りに行かないといけませんね」
「そうだな。一緒に来てくれれば10匹でも100匹でも狩ってみせるぞ」
「それは流石に解体が大変すぎます」
「むぅ。それは確かにな……」
そう言って彼は考え込んでいる。まさか本気でそんなことを考えているのだろうか。
「でも村に着いたらどうしましょうか。正直何をやっていいのか迷ってるんです」
「それなら料理屋を始めればいい。そこに俺が毎日通うから」
「フリッツさんは強くなるために修行をしなきゃいけないんでしょう? 毎日来ていたらそんな暇はありませんよ」
「むむむ……。分かったその時は一緒に専属でついてきてくれ。冒険者をやっていたんだ。それくらいの蓄えならある」
「あはは。それはそれで面白そうですね。と、冷めてしまいますよ? まずは食べましょうか」
「おお、そうだったな」
こうして二人で朝食を食べて、洗い物などをして出発する。
「ううん」
彼は目を眠たそうに目をこすって起きる。
「おはようございます」
「おはよう……誰?」
「流石に目ぼけていますね」
「?」
私は苦笑して彼を見る。昨日はあれだけかっこよかったのに、時々とぼけて見えるから驚きだ。
「昨日助けて下さったでしょう? クロエです」
「クロエ……あ? ああ! 昨日の肉の!」
「私のイメージはそっちなんですね……」
「あーいや、その。すまん」
覚醒した彼はそうやって謝ってくる。といっても寝ぼけているのはそんなに変わらないのか寝ぐせなどもついたままだ。
「ふふ、大丈夫ですよ。それじゃあご飯にしましょうか」
「ご飯?」
「はい、フリッツさんが寝ている間に作っておいたので」
「あぅ……わかった」
「一度顔を洗ってきますか? 近くまででしたらお供しますよ?」
「そうする……」
「はい」
そうして私と彼は立ち上がって木を降りる。周囲は明るく日は高い。朝の空気を肺一杯に吸い込み新鮮な空気を取り込む。そしてフリッツさんと一緒に泉へと向かう。
彼はまだ寝ぼけているので私がちゃんと案内をしないといけないだろう。だから警戒しながら先頭を歩いた。
幸いにして周囲に魔物の気配はなく、私たちは無事に泉に到着する。
「さ、どうぞ」
「ああ……」
彼はそう言って自らの服に手をかけた。そして上着を脱いで泉に近寄っていく。か、顔を洗う時にはそう言う風になる人なのかな……。
彼はそれだけでは飽きたらずに腰ひもに手をかける。シュル、彼が皮の鎧と一緒にズボンも脱いだ。
「え!? ちょっとなんで!?」
私は顔を覆って後ろを向く。頭の中は大混乱だ。
(何で? 何で朝からあんなに脱いでいるの? おかしくない? それとも私がおかしいだけ?)
私の混乱を余所に彼はそのまま泉の中に入っていく。ちゃぷちゃぷ。そして体を水で洗っている音がここまで聞こえてくる。
(えええええ、どうしよう。護衛をしておかなくちゃいけないんだけどでも見ちゃまずい……よね?)
昨日の時はグリズリーベアに追いかけられていたし、そこまで彼の体は見ていなかった。だけど今の状況は違う。魔物に追われている訳ではないから周囲に警戒をしなければいけないのに。
そんなことを思っていると10分後。
ザバァ、一人頭を抱えていると彼が泉から上がってきた。
「ふぃー気持ちよかった。ん? お前は……」
私は後ろを向いたままだったけど彼の足が止まるのが分かった。
「……」
私は何かいうべきか分からずに後ろを向いたまま顔を逸らしていた。
「あーどうしたんだ? 何かあったのか?」
彼はそう言って近づいてくる。その足に躊躇いはない。
「あの! 服! 服を着てください!」
「服? ああ! 悪い悪いそう言うのはあんまり気にしてねえからな」
そう言って彼は服を着始める。その音が終わるまで私としてはとても何とも言えない時間が過ぎていった。
「待たせたな」
「服はちゃんと着ましたか?」
「ああ、問題ない」
私は振り向くとそこには起きた時と同じ格好の彼がいた。
「もう、いきなり服を脱ぎだすんですもん。驚きましたよ……」
「ずっと一人で冒険者をやってきたからそういう感覚があんまり無くてな」
「すごい、一人なのにあれだけ強かったんですか?」
「そんなことない。俺はまだまだ未熟だよ。俺はもっと強くなりたいんだ。だからこうやって一人で修行に出ているんだ」
「凄い向上心ですね。だけどその為には力をつけないと、ご飯を作ったので食べませんか?」
「おお、本当か? それはありがたい」
やっぱり寝ぼけていたみたいだ。私たちは樹上に戻り朝食を食べる。
「やっぱりお前が作る料理は旨いな。朝からこんな食事が出来るなんて最高だ」
「そんな。他の人でもこれくら作れますよ」
「そんなことない。これだけの味の店だったら毎日でも通うぞ?」
「それだったらケルベロスを毎日狩りに行かないといけませんね」
「そうだな。一緒に来てくれれば10匹でも100匹でも狩ってみせるぞ」
「それは流石に解体が大変すぎます」
「むぅ。それは確かにな……」
そう言って彼は考え込んでいる。まさか本気でそんなことを考えているのだろうか。
「でも村に着いたらどうしましょうか。正直何をやっていいのか迷ってるんです」
「それなら料理屋を始めればいい。そこに俺が毎日通うから」
「フリッツさんは強くなるために修行をしなきゃいけないんでしょう? 毎日来ていたらそんな暇はありませんよ」
「むむむ……。分かったその時は一緒に専属でついてきてくれ。冒険者をやっていたんだ。それくらいの蓄えならある」
「あはは。それはそれで面白そうですね。と、冷めてしまいますよ? まずは食べましょうか」
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こうして二人で朝食を食べて、洗い物などをして出発する。
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