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第1章 聖女は出会う
3話 追放
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「おら起きろ、つうかさっさと俺達の荷物を纏めておけよ!」
「う。うぅ……ん」
私は騒々しいランドの声と一緒に叩き起こされた。私は眠い目を擦りながら硬い地面で強張った体を少しだけほぐす。そして冒険者の常か直ぐに意識を覚醒させた。
「な、なんですか?」
「何ですかじゃねーよ。何で荷物を分けてねーんだ?」
「わ、分ける?」
ちゃんと私の荷物とパーティの荷物は分けていたはずなんだけど。
「これだよこれ。これはパーティとして得たものだろ? 何でお前にやらなくちゃならねえんだよ」
「え? そんな! これはパーティで貰ったお金で買った物なんですよ!?」
ランドが指を指していたのは、私の荷物が見た目より少しだけ入る様になるマジックバックだ。魔法の加工が施されているだけあって安いものではない。ランドはそれについて言っているらしい。
「そのパーティでの活躍もしてないてめえに、くれてやるものはないって話しになってな。それは俺達がありがたく使ってやるよ」
「そんな……。それじゃあ私は鞄なしなんですか?」
「それくらいいいだろ。俺達も鬼じゃねえんだ。紐で括って持ってけばいい。それに今着ているその服くらいは許してやるよ」
「これは私が教会から支給されている物だから当然です!」
「はっ、どうりでそんな薄汚ねえのを着てんのか。いいから荷物を出してさっさと分けろ。じゃないとハブルールに勝手にやらせるぞ」
「それだけはやめてください!」
「じゃあサッサとやれ」
「はい……」
私はマジックバッグから荷物を取り出して自分の着替えや道具などを取り出していく。このパーティに入ってから手に入れた物はちゃんと残しておいた。
「これで全部です」
私はランドに荷物を差し出した。
「よし、それじゃあさっさと出ろ」
「え? は、はい」
私は言われるがままに外に出て靴を履く。するとランドは私がいたテントをマジックバッグに入れて一つ頷いた。
「よし、それじゃあ後は好きにしていいぞ」
「え? ここって魔族との国境の危険地帯じゃ」
「そうだな? それがどうかしたか?」
「え? ここで一人になったら帰れないです……」
「クロエ、お前自慢の防御魔法ならいけるんだろ? いつもルーカスや俺は傷だらけだけどな?」
「それは防御力が下がる技を使ったりするから!」
「クロエ。お前は既に俺達の仲間じゃない。ここで揉めるって事はどうなるか分かってるのか?」
「!?」
ランドはそう言って腰につけた剣に手を伸ばした。更に彼の雰囲気が一変する。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。
「なーんてな。お互い円満に別れようぜ? それでいいだろう?」
「はい……」
「あ、最後にこれは選別だ。ダブっちまった奴だからくれてやるよ」
彼がそう言って渡してきたのは小さな小石のような物だった。色は真っ黒でどう見てもいいものには見えない。
「え……何ですか? これ?」
「お守りだよ」
「本当に?」
「ああ、そんなことで嘘をつくわけがないだろ」
「そ、それじゃあ」
私はその小石を貰ってポケットの中に入れる。
ランドはその様子を確認するといい笑顔でどこかに去っていく。その行く先には他の4人がランドの事を待っているようだ。
ランドが合流するとそのままどこかへ行ってしまう。魔族の状況を確認するクエストへと向かうのだろう。その間、誰も私に視線をくれる者はいなかった。
「う。うぅ……ん」
私は騒々しいランドの声と一緒に叩き起こされた。私は眠い目を擦りながら硬い地面で強張った体を少しだけほぐす。そして冒険者の常か直ぐに意識を覚醒させた。
「な、なんですか?」
「何ですかじゃねーよ。何で荷物を分けてねーんだ?」
「わ、分ける?」
ちゃんと私の荷物とパーティの荷物は分けていたはずなんだけど。
「これだよこれ。これはパーティとして得たものだろ? 何でお前にやらなくちゃならねえんだよ」
「え? そんな! これはパーティで貰ったお金で買った物なんですよ!?」
ランドが指を指していたのは、私の荷物が見た目より少しだけ入る様になるマジックバックだ。魔法の加工が施されているだけあって安いものではない。ランドはそれについて言っているらしい。
「そのパーティでの活躍もしてないてめえに、くれてやるものはないって話しになってな。それは俺達がありがたく使ってやるよ」
「そんな……。それじゃあ私は鞄なしなんですか?」
「それくらいいいだろ。俺達も鬼じゃねえんだ。紐で括って持ってけばいい。それに今着ているその服くらいは許してやるよ」
「これは私が教会から支給されている物だから当然です!」
「はっ、どうりでそんな薄汚ねえのを着てんのか。いいから荷物を出してさっさと分けろ。じゃないとハブルールに勝手にやらせるぞ」
「それだけはやめてください!」
「じゃあサッサとやれ」
「はい……」
私はマジックバッグから荷物を取り出して自分の着替えや道具などを取り出していく。このパーティに入ってから手に入れた物はちゃんと残しておいた。
「これで全部です」
私はランドに荷物を差し出した。
「よし、それじゃあさっさと出ろ」
「え? は、はい」
私は言われるがままに外に出て靴を履く。するとランドは私がいたテントをマジックバッグに入れて一つ頷いた。
「よし、それじゃあ後は好きにしていいぞ」
「え? ここって魔族との国境の危険地帯じゃ」
「そうだな? それがどうかしたか?」
「え? ここで一人になったら帰れないです……」
「クロエ、お前自慢の防御魔法ならいけるんだろ? いつもルーカスや俺は傷だらけだけどな?」
「それは防御力が下がる技を使ったりするから!」
「クロエ。お前は既に俺達の仲間じゃない。ここで揉めるって事はどうなるか分かってるのか?」
「!?」
ランドはそう言って腰につけた剣に手を伸ばした。更に彼の雰囲気が一変する。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。
「なーんてな。お互い円満に別れようぜ? それでいいだろう?」
「はい……」
「あ、最後にこれは選別だ。ダブっちまった奴だからくれてやるよ」
彼がそう言って渡してきたのは小さな小石のような物だった。色は真っ黒でどう見てもいいものには見えない。
「え……何ですか? これ?」
「お守りだよ」
「本当に?」
「ああ、そんなことで嘘をつくわけがないだろ」
「そ、それじゃあ」
私はその小石を貰ってポケットの中に入れる。
ランドはその様子を確認するといい笑顔でどこかに去っていく。その行く先には他の4人がランドの事を待っているようだ。
ランドが合流するとそのままどこかへ行ってしまう。魔族の状況を確認するクエストへと向かうのだろう。その間、誰も私に視線をくれる者はいなかった。
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