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46話 破竜の護石
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「おお! もう帰ってきたんかいな!」
「帰ってきたよー!」
「これを使えば問題はないのかしら?」
「使えなかったら承知しないよー?」
「取ってきた土を全部被せますよ?」
「フユカ? アキを真似ちゃダメだよ?」
悪い子になっちゃうかも?
『粘着質な粘土をキングモグーラに渡しますか?』
《はい》っと。
『物凄く大きなつるはしをキングモグーラに渡しますか?』
お、ほんとにこっちもなのか。《はい》っと。
「何やて! こんな量があったら直ぐに出来るやないか! しかも、大分昔に無くしてたと思ったワイの武器まで! ホンマかいな……。これで助かったで! ほなまたな! この礼はいずれするわ!」
「あ」
キングモグーラはそう言って砂の中に潜っていってしまった。
「どうしよう」
「何もくれなかったわね……」
「まぁ、砂の王国でも出来た時に何かしてくれるんじゃないかしら?」
「そうかもしれませんね。っと、もうこんな時間ですか」
「明日、行っちゃう?」
私はタピオカを飲みに行く? くらいの感覚で聞く。
「当然でしょう? これまで一週間も我慢したのよ?」
「だねー。ぶっ飛ばす様に色々準備してきたんだから、やりたいよねー!」
「あ、その前に護石の準備もしておきたいです。少しだけ街に寄ってからでもいいですか?」
「「「あ」」」
私たちは、装備を整えるために、街へと向かう。
私たちはここから一番近くの街に入り、護石屋に行く。
「おやおや。これは珍しい素材を持っているねぇ。何が欲しいんだい?」
この街も木のおばあちゃんがいて、私たちが作って欲しい物を作ってくれる。
「この破竜の護石ってのを作って欲しいの!」
「これかい? おお、ちゃんと素材もあるんだね。分かったよ。ちょっと待っといてくれ」
「うん!」
私はおばあちゃんが作ってくれている間に、暫し待つ。おばあちゃんは手の中に、茶色い光や、赤色の光を集めながら護石を作っている。
そんな時間も数秒で終わる。
「はい。これでいいかい?」
『ハルは破竜の護石を入手しました』
「やったー! ありがとうおばあちゃん!」
「良いのよ。それにしても気を付けなさいね?」
「うん! ありがとう!」
私はそう言って破竜の護石のステータスを見る。
・破竜の護石(竜属性モンスターへのかなりのダメージ上昇。攻撃力上昇。竜属性モンスターとの戦闘時、速力上昇。速力上昇)
すごい。他の護石の性能を2,3個集めたような性能をしている。最初にこの強さを見た時はバグかと思ったほどだ。
「すごいね……。これ」
「ええ、私の場合は少し違うけど、それでも十分に強いわ」
「あれ? 違うんだっけ?」
皆で同じのを作ったと思っていたけど。
「当然でしょう? 私は攻撃出来ないもの。だから、こっちを作ったわ」
・地竜の護石(竜属性モンスターからのかなりの攻撃耐性。防御力上昇。竜属性のモンスターからのかなりのスキル耐性強化。スキル強化)
「この竜属性のモンスターからのかなりのスキル耐性強化って何?」
「ああ、それは私の『胞子シールド』を強化する為の効果よ。ちょっと分かりにくい書き方してあるけど」
「ああ、なるほど。この効果があると、ナツキのシールドに耐竜属性がつくっていう感じ?」
「その通りよ。守り切ってあげるから覚悟しなさい?」
「守りきられる覚悟って何だろう」
「私も出来たー!」
アキが声を上げた。
「何を作ったの?」
「あたしはこれー!」
・天竜の護石(竜属性モンスターへのかなりのダメージ上昇。魔力上昇(INT)。竜属性モンスターへのかなりの魔法ダメージ上昇。魔力上昇(MP))
「すごい! めちゃくちゃ魔法向けっぽいステータスだね!」
「当然だよー! 私は動かないからねー! もう魔法全つっぱだよ!」
「これでトカゲサルへの準備も結構いい感じね!」
「…………」
私は静かなフユカの方を見ると、彼女は未だに悩んでいるようだった。護石好きとしてはたまらなく悩みたいらしい。
「フユカ? どう? 決まりそう?」
「あ、す、すいません! 今悩んでいまして……」
「どれで悩んでるの?」
「この2つ何ですけど……」
・見竜の護石(竜属性モンスターとの戦闘時、器用さ上昇。器用さ上昇。竜属性モンスターの行動を予知することがある。魔力(INT)上昇)
・技竜の護石(竜属性モンスターとの戦闘時、器用さ上昇。器用さ上昇。竜属性モンスターとの戦闘時、スキル範囲拡大。スキル強化)
「悩ましいね」
「ですよね……」
見竜の方は未来予知ということだろう。にしても未来予知……。
「色んな奴があるんだね」
「そうなんです。安定性を取るんなら技竜の方なんですけど、でもこの未来予知も気になってしまって……」
「うん。フユカはそっちを取ってみたいんだよね?」
「……はい」
「ならそっちを取ればいいと思うよ!」
「いいんですか?」
「どうして悩むの?」
「これからトカゲサルを倒しに行くのに、冒険みたいな選択をしてしまっていいのかどうか……」
「良いに決まってるよ! 私たちだって皆好きに取ってる。それで、そうやって好きな道で楽しむって決めたんだから、それでいいんだよ!」
「ハルさん……。分かりました! 僕、見竜の方にします!」
「うん! それで一緒に倒そう!」
「はい!」
フユカは装備する護石を決めたようだった。
「これで準備は万端かな?」
「そうね……と言いたいところだけど、一つ思ったことがあるわ」
「何?」
「その前に、アキ、フユカ。『ゴリラゴリラゴリラの天敵』って称号貰ってる?」
「貰ってないねー」
「僕も持ってないです……」
「なら、それを取りに行くわよ!」
「ああ! そっか!」
「? どういうこと?」
「その称号にはゴリラに対する特攻がつくのよ! だから、明日やるにしても、今のうちに出来ることはやっておきましょう。そんなに時間もかからないから」
「それって最初のボス?」
「今までゴリラが出てきたのって最初のボスだけだった気がしますけど……」
「そうよ。ハル。早速行きましょう」
「分かった! 久しぶりだからね! 飛ばすよ!」
私達はそれから最初の森に向かい、ゴリラの腹にワンパンする。
「よし! いい感じだね!」
「ええ、やっぱり『突進』もⅩまで伸ばすとえげつないわね」
「それは私たちにも言えることだからー」
「そうですよ! Ⅹまであればもう見えないものはありません!」
それから私たちは最初の街に戻る。
「それじゃあ明日は」
「また夜9時……ね」
「明日は遅れないようにねー」
「絶対に予定入れません!」
「それじゃあ、またね」
「ええ」
「うん-」
「はい」
私はログアウトした。
「帰ってきたよー!」
「これを使えば問題はないのかしら?」
「使えなかったら承知しないよー?」
「取ってきた土を全部被せますよ?」
「フユカ? アキを真似ちゃダメだよ?」
悪い子になっちゃうかも?
『粘着質な粘土をキングモグーラに渡しますか?』
《はい》っと。
『物凄く大きなつるはしをキングモグーラに渡しますか?』
お、ほんとにこっちもなのか。《はい》っと。
「何やて! こんな量があったら直ぐに出来るやないか! しかも、大分昔に無くしてたと思ったワイの武器まで! ホンマかいな……。これで助かったで! ほなまたな! この礼はいずれするわ!」
「あ」
キングモグーラはそう言って砂の中に潜っていってしまった。
「どうしよう」
「何もくれなかったわね……」
「まぁ、砂の王国でも出来た時に何かしてくれるんじゃないかしら?」
「そうかもしれませんね。っと、もうこんな時間ですか」
「明日、行っちゃう?」
私はタピオカを飲みに行く? くらいの感覚で聞く。
「当然でしょう? これまで一週間も我慢したのよ?」
「だねー。ぶっ飛ばす様に色々準備してきたんだから、やりたいよねー!」
「あ、その前に護石の準備もしておきたいです。少しだけ街に寄ってからでもいいですか?」
「「「あ」」」
私たちは、装備を整えるために、街へと向かう。
私たちはここから一番近くの街に入り、護石屋に行く。
「おやおや。これは珍しい素材を持っているねぇ。何が欲しいんだい?」
この街も木のおばあちゃんがいて、私たちが作って欲しい物を作ってくれる。
「この破竜の護石ってのを作って欲しいの!」
「これかい? おお、ちゃんと素材もあるんだね。分かったよ。ちょっと待っといてくれ」
「うん!」
私はおばあちゃんが作ってくれている間に、暫し待つ。おばあちゃんは手の中に、茶色い光や、赤色の光を集めながら護石を作っている。
そんな時間も数秒で終わる。
「はい。これでいいかい?」
『ハルは破竜の護石を入手しました』
「やったー! ありがとうおばあちゃん!」
「良いのよ。それにしても気を付けなさいね?」
「うん! ありがとう!」
私はそう言って破竜の護石のステータスを見る。
・破竜の護石(竜属性モンスターへのかなりのダメージ上昇。攻撃力上昇。竜属性モンスターとの戦闘時、速力上昇。速力上昇)
すごい。他の護石の性能を2,3個集めたような性能をしている。最初にこの強さを見た時はバグかと思ったほどだ。
「すごいね……。これ」
「ええ、私の場合は少し違うけど、それでも十分に強いわ」
「あれ? 違うんだっけ?」
皆で同じのを作ったと思っていたけど。
「当然でしょう? 私は攻撃出来ないもの。だから、こっちを作ったわ」
・地竜の護石(竜属性モンスターからのかなりの攻撃耐性。防御力上昇。竜属性のモンスターからのかなりのスキル耐性強化。スキル強化)
「この竜属性のモンスターからのかなりのスキル耐性強化って何?」
「ああ、それは私の『胞子シールド』を強化する為の効果よ。ちょっと分かりにくい書き方してあるけど」
「ああ、なるほど。この効果があると、ナツキのシールドに耐竜属性がつくっていう感じ?」
「その通りよ。守り切ってあげるから覚悟しなさい?」
「守りきられる覚悟って何だろう」
「私も出来たー!」
アキが声を上げた。
「何を作ったの?」
「あたしはこれー!」
・天竜の護石(竜属性モンスターへのかなりのダメージ上昇。魔力上昇(INT)。竜属性モンスターへのかなりの魔法ダメージ上昇。魔力上昇(MP))
「すごい! めちゃくちゃ魔法向けっぽいステータスだね!」
「当然だよー! 私は動かないからねー! もう魔法全つっぱだよ!」
「これでトカゲサルへの準備も結構いい感じね!」
「…………」
私は静かなフユカの方を見ると、彼女は未だに悩んでいるようだった。護石好きとしてはたまらなく悩みたいらしい。
「フユカ? どう? 決まりそう?」
「あ、す、すいません! 今悩んでいまして……」
「どれで悩んでるの?」
「この2つ何ですけど……」
・見竜の護石(竜属性モンスターとの戦闘時、器用さ上昇。器用さ上昇。竜属性モンスターの行動を予知することがある。魔力(INT)上昇)
・技竜の護石(竜属性モンスターとの戦闘時、器用さ上昇。器用さ上昇。竜属性モンスターとの戦闘時、スキル範囲拡大。スキル強化)
「悩ましいね」
「ですよね……」
見竜の方は未来予知ということだろう。にしても未来予知……。
「色んな奴があるんだね」
「そうなんです。安定性を取るんなら技竜の方なんですけど、でもこの未来予知も気になってしまって……」
「うん。フユカはそっちを取ってみたいんだよね?」
「……はい」
「ならそっちを取ればいいと思うよ!」
「いいんですか?」
「どうして悩むの?」
「これからトカゲサルを倒しに行くのに、冒険みたいな選択をしてしまっていいのかどうか……」
「良いに決まってるよ! 私たちだって皆好きに取ってる。それで、そうやって好きな道で楽しむって決めたんだから、それでいいんだよ!」
「ハルさん……。分かりました! 僕、見竜の方にします!」
「うん! それで一緒に倒そう!」
「はい!」
フユカは装備する護石を決めたようだった。
「これで準備は万端かな?」
「そうね……と言いたいところだけど、一つ思ったことがあるわ」
「何?」
「その前に、アキ、フユカ。『ゴリラゴリラゴリラの天敵』って称号貰ってる?」
「貰ってないねー」
「僕も持ってないです……」
「なら、それを取りに行くわよ!」
「ああ! そっか!」
「? どういうこと?」
「その称号にはゴリラに対する特攻がつくのよ! だから、明日やるにしても、今のうちに出来ることはやっておきましょう。そんなに時間もかからないから」
「それって最初のボス?」
「今までゴリラが出てきたのって最初のボスだけだった気がしますけど……」
「そうよ。ハル。早速行きましょう」
「分かった! 久しぶりだからね! 飛ばすよ!」
私達はそれから最初の森に向かい、ゴリラの腹にワンパンする。
「よし! いい感じだね!」
「ええ、やっぱり『突進』もⅩまで伸ばすとえげつないわね」
「それは私たちにも言えることだからー」
「そうですよ! Ⅹまであればもう見えないものはありません!」
それから私たちは最初の街に戻る。
「それじゃあ明日は」
「また夜9時……ね」
「明日は遅れないようにねー」
「絶対に予定入れません!」
「それじゃあ、またね」
「ええ」
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「はい」
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