World Creature Online~私はイノシシになって全てのモンスターをぶっ飛ばす~

土偶の友

文字の大きさ
30 / 54

30話 宝箱

しおりを挟む
「ナツキ? どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないわよ! 私はシールド強化が欲しいのに、全然それ用の護石がないのよ!」
「へーそうなの?」

 私はアキに視線を向ける。

「あー。最初の内はそうかもねー。ストーリーもまだ序盤だろうし、レアリティの高い奴とかはそうなっちゃうのかもねー」
「何でよ何でよ! 私はシールドを強化したいのに!」
「どうどう、ナツキ、落ち着いて」
「いーやーだー! 私は皆を守りたいんだから! だから強化したいのー!」

 そんな風に言われたら、私も探さないとっていう気分になるじゃない。

「ナツキ……ねぇおばあさん。シールドを強化するような護石って売ってたりしてないのー?」
「そうだねぇ。ここでは売ってないねぇ」
「それじゃあ、何処に行ったらあるとかも分からない?」
「シールド系かい? ここから一番近いと次の街の海の方にあったはずだよ」
「ほんと!? ナツキ! 海行こう海!」
「海……? 私水着ない……」
「リアルじゃなくって! シールドの護石ごせきは海にあるんだって!」
「本当に!?」
「と言っても結構レアだけどねぇ。それでも、宝箱に稀に入ってることがあるよ」

 やった。これでナツキが探してる護石が見つかるかもしれない。ん? 宝箱?

「おばあさん。宝箱ってなあに?」
「おや? 知らないのかい? 宝箱は宝箱だよ。フィールドの道中やダンジョンに時々落ちていることがある物でね。中には護石だったり、レアアイテムだったりが入ってるんだよ。それを見つける為の探知スキルとか魔法もあるんだ。あ、でもお前さんの嗅覚でも見つける事が出来るかもねぇ」
「え? 私の嗅覚で?」
「結構古びた匂いがするからねぇ。気を付けて探してみな」
「分かった! 2人とも。直ぐに探しに行く?」
「行く!」
「待って待って、ハルの護石はいいのー?」

 そうだった。私も自分の分の護石を考えないと。

「んー。どんなのがいいかはこの一覧って見ながら走れないかな?」

 木のおばあさんが答えてくれる。

「メニューから護石一覧で見れるからね。といっても、新しく入手した素材で作れる護石の情報は、一度護石屋に持ってこないと分からないからね。新しい素材が手に入ったら来るといいよ」
「分かった!」
「それと、これから海に行くんだろう?」
「うん。その予定だけど……」
「ならこれを買っておくといいよ」

 そう言って彼女が出したのが、『海中の護石』というものだった。

「これは……?」
「これが無いと海の中で呼吸が出来ないだろう?」
「そうなの!?」
「そうだよ。陸上の生き物が海とかに行く場合はこういう護石をつけて行かないといけないからね」
「分かった! 2人とも、買った?」
「買った」
「買ったよー」

 流石2人だ。早い。

 私も自分の分を購入して、装備する。

「それじゃあ行っていい?」
「急ぐわよ!」
「大丈夫ー!」
「おばあちゃん! ありがとー!」
「どういたしまして、気を付けてね」
「うーん!」

 私は護石屋を飛び出し、次の街へ急ぐ。



 道中は色々なドウブツやサカナなんかも見つけた。あれもプレイヤーなのかな。

 岩山は気が付いたら荒野になっていた。

「この道であってるの?」
「ぎゃばばぶべ!?」

 ぱん!

「あ」

 いつものごとく私の速度でモンスターを弾き飛ばす。今のは結構大きかったからトロールとかかな? あんまりゲームをやらないからわかんないけど。

「他のプレイヤーに当たらないように気をつけなさいよー」
「大丈夫だって」
「護石のボードを見てるじゃない。そっちに集中してると……」

 私は護石の説明文を読んでいると、ふと前方に違和感を感じる。

「うわ!」
「おわあ!」

 私は危うくチーターに体当たりをするところだった。

「ごめんなさい!」
「気をつけろよー!」
「はーい!」

 私はそれだけ残すとチーターを置いて駆け抜ける。

「だから言ったじゃない」
「うーん。でも私だって護石の奴は見たいよ」

 走りながら前方に注意をしながらッて言うのは中々難しい。

 問題に答えを出してくれたのはアキだった。

「なら私が右とか言うからそれで走ればいいよー」
「いいの?」
「うん。あたしはほとんど見終わったからねー」
「ありがとー! じゃあよろしくー」

 私は護石の種類とか、こんなのが欲しいなって思う物に目をつけていく。

「右ー」
「ん」
「左ー」
「ん」
「左ー」
「ん」
「……三回回ってギョギョギョって言って」
「ん……ん? アキ?」

 今変なこと言わなかった?

「何でもないよー」
「もしかして暇?」
「そりゃあね。敵がポップしてもハルが倒してくれるしー」

 そう言ってるアキは退屈そうだ。話し相手になってあげたいけど……。そう思っていたら、丁度いいタイミングでナツキが声を上げる。

「終わったわ! 私の完璧な護石計画が完成したわ」
「お、ナツキ、丁度いい所に」
「ん? どうしたの?」
「なんかアキが暇そうだから話して上げててー。私も護石は見ておきたいから」
「そういうこと。いいわよ。私がドンと聞いて上げるわ」
「よろしくー」

 私はナツキに任せて見る。

「あたしはそんなつもりじゃ無かったんだけど……」
「それで、アキ! 何について話す!? エリンギの素晴らしさかしら? それともエリンギの生態? エリンギの美味しい食べ方まであるわよ!」
「エリンギしか話題はないのかなー!?」
「当然でしょう! 私の目的はキノコ、その前段階としてエリンギの素晴らしさを世界中に広めることよ!」
「そ、そうなんだー。頑張ってねー」
「任せなさい! 私なら……」

(うん。大丈夫そうだな)

 そう思った私は走りながら護石に集中する。場所によっては教科書を読みながら走るし、これで全然いい。


 5分後。

「それでねー。家で育ててるキノコが……」
「ナツキって家でキノコ栽培してるのー? すごいねー」
「でしょう? わた」

 ドン!

「ふごっ!!!???」

 私は護石ボードを見ていた為、何かにぶつかってしまった。

「きゃ! ハル! 大丈夫!?」
「あ、ごめんなさいハル! 私、全然前を見ていなくって……」
「だ、大丈夫だよ……。慣れてるから」

 1週間に1回は電柱にぶつかるし。というかアキのしゃべり方が委員長みたいでびっくりした。

「『癒せヒール』」
「ハルごめんね。私のせいよね。ごめんなさい」
「もう、アキらしくないよ? 痛くないから気にしないで。それよりも何にぶつかったのかな?」
「ハル……」
「アキ、ハルが良いって言ってるの。気を使わなくてもハルは気にしないわよ」
「その……ありがとうー」
「いいんだよ。アキには助けて貰ってるからね。それよりもこれって……」

 元に戻ったアキを見届けて、私は視線を前に戻す。

 私がぶつかった物を見ると、それは古びた宝箱の様な……。宝箱!?

「これって宝箱なんじゃない!?」
「え? そんな偶然ってあるのー!?」
「あるんじゃない!? っていうかここ何処?」

 私は周囲を見回すと、そこは荒野の中にポツンと存在する洞穴で、私は何も気が付かずにその中に走りこんできてしまっていた。

「どこって荒野の中の宝箱よ! 早速開けましょう!」
「そうだね! 場所なんてどこでもいいや! いい護石が入っているといいな!」
「楽しみー!」
「何が入ってるのかな!?」

 私がその宝箱を開けると中には……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!

SE転職。~妹よ。兄さん、しばらく、出張先(異世界)から帰れそうにない~

しばたろう
ファンタジー
ブラック企業で倒れたSEが、 目を覚ますと――そこは異世界だった。 賑やかなギルド、個性豊かな仲間たち、 そして「魔法」という名のシステム。 元エンジニアの知識と根性で、男は再び“仕事”を始める。 一方、現実世界では、 兄の意識が戻らぬまま、妹が孤独と絶望の中で抗っていた。 それでも彼女は、心ある人々に支えられながら、 科学と祈りを武器に、兄を救う道を探し続ける。 二つの世界を隔てる“システム”の謎が、やがて兄妹を結びつける。 異世界と現実が交錯するとき、物語は再起動する――。 《「小説家になろう」にも投稿しています》

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

処理中です...