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20話 魔法の仕組み

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『ハル はレベルアップしました。Lv25→Lv26になりました。ステータスが上昇しました。スキルポイントを10取得しました』

「おお、レベル上がった」
「にしても何があったの? 気が付いたら食べられるかと思ったし。それが終わったらなんか強化されたような羊がいたし」
「あたしはあの最高級のベッドに帰りたいなー。どうすればいいんだっけ?」
「えーっとね」

 私は、私が考えた限りの事を2人に話す。

「ボスの綿に近接攻撃をすると、睡眠状態になってここに戻される?」
「しかも、起きるとそこには羊がポップするから、起きるのが遅くなるとそのまま攻撃をすごく食らっちゃうとー」
「多分だけどね」
「じゃあ何でハルは私たちよりも先に起きられたのかしら?」
「ステータスとかー? それともランダムだったりするのかなー?」
「一回だけじゃ何とも言えないよね」

 他にも色々可能性はあるのかもしれない。イノシシとか、トリとかキノコとか。

「そうね。また同じような状態になるのは良くないし、ボスに突っ込むのはやめておきましょう」

 ナツキがこともなげに言ってくる。

「そんな! 突撃出来ないんじゃ私の存在価値がないじゃん!」
「そうだよー。ハルが突撃してちゃんとルールを知ろうよー」

 突撃出来ないイノシシなんて肉のないステーキの様なもの。ただの温野菜のになれと言うのだろうか。

「ハル、突撃するなって言ってるわけじゃないわ。最初のあの綿への。というか、綿があるうちの突撃はやめてって言ってるの」
「そうなんだ。なら途中からはいいの?」
「ええ、きっとどこかで貴方の『突進』が活きる場面が出てくると思う」

 何だ。それなら良かった。

「それとアキ、貴方はあのベットで寝たいだけでしょ?」
「ソ、ソンナコトナイヨー」
「あからさまな片言は分かりやす過ぎるのよ!」
「それじゃあ作戦はあるの?」

 話が逸れそうだったので戻さないと。

「取りあえずあのボスには接近戦はしない。取りあえずアキの魔法であの綿とかを削って、チャンスが出来たら行くのよ」
「なるほど」
「分かったー。でも私って結構大変じゃないー?」
「ハルみたいにずっと走り続けたい?」
「魔法撃ってまーす」

 アキの魔法っていう言葉で思い出した。

「アキ」
「何ー?」
「先の『風の弾よウインドブロー』? って何?」
「ああ、あれは風魔法の2レベルの技だよー」
「2レベル?」
「そうー。魔法って強化していくと、その魔法を同時に使える数と種類が増えて行くのー」
「そうなんだ!」
「それで、今の私の火魔法レベルⅣだと最初の魔法の『火球よファイアーボール』は最高4個まで同時に打てて、さっきの風魔法の2番目のは同時に3個まで撃てるっていう感じー。効率的には最初の魔法を何個も撃ってる方が効率はいいかなー」
「魔法ってそういう強化の仕方なのね」
「そうだよースキルと違って最初の魔法が強化されたりしないのがちょっと違う点かもー」
「じゃあ私の回復魔法もレベルあげたら違う魔法を覚えるの?」
「多分そうだと思うー。スキルはその能力を強化していって、魔法は増えて行くっていう感じで別れてたはずー」
「詳しいんだね! 知らなかった!」
「初めて貴方を見直したわ」
「かなり初歩の事を言っただけなんだけどねー……」

 アキはそう言ってどこか遠い目をしていた。

「それじゃあさっき言ってたような作戦で行く?」
「ええ、でもちょっと待って 『癒せヒール』」
「あ、ありがとう」
「いいのよ。アキも瞑想しておく?」
「そうだねー。あたしが起きたら行くって感じでいいかなー?」
「よし。あの羊を狩ってやろう!」
「おー!」
「おー」

 私たちは、あのモコモコに再戦を挑む。
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