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5章
126話 決着
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奴は10体に分裂し、俺をとり囲むようにして向かってくる。
「なるほどな。1人では勝てない。なら、数を増やせばいい……か。舐められた物だな」
俺は奴をにらみつけて、魔法を発動する。
「『筋力強化』『刃創生』『刃雷鳴』」
俺は自身の体を強化し、周囲に魔法の刃を作り出す。
そして、その刃に雷属性を付与して、俺に突っ込んで来るライデンを全員同時に切りつける。
「効かねぇよ!」
奴はそう叫びながら俺の剣を躱そうともしない。
スカッ
「何!?」
俺の攻撃は全て奴のは当たらず、その後ろの地面に突き刺さる。
「もらった!」
奴は俺に向かって10体同時に剣を振るってきた。
俺は、その剣を手に持っている1本で切り払った。
「何だと!?」
「言っただろう? たかが10体で……俺に勝てると思ったのか? お前に攻撃が効かないことは既に分かっている」
「じゃ、じゃぁ……さっきの刃は……ぐああああ!!!???」
奴は驚いた表情をした後に、10体全員が同時に痛みに悶える。
そして、少し離れたところで、本物のライデンがこちらを見ていた。
「どう……やって……」
「お前がさっきから姿を消すことをやっていたのは知っている。そして、さっき、10体の分身を出したのだと思った。なら、お前は11体いなければおかしかろう? だが、10体しかいない。であれば、貴様はどこかに隠れていると思っただけだ。そして、雷を付与した刃を周囲に放ち、この世界全てを雷で満たせば貴様は無防備になるに決まっているからな」
「や……やるじゃないか……。だが、それなら最初から全体攻撃をした方が良かったんじゃないのか?」
「そうしていたらお前は俺に攻撃することに意識を向けず、守りに入っただろう? 攻撃する瞬間だからこそ、こちらの攻撃が届くのだ。理解したか?」
「ち……確かにな……でもまだまだ、俺は……戦えるぜ!」
奴はそう言って俺に切りかかってくる。
奴の分身はいつの間にか全て消え、奴1人だ。
ダメージは入っているはずなのに、その動きは中々鋭い。
「やるじゃないか」
「ああ! 追い詰められれば追い詰められる程燃え上がる! 逆境を越えてこその最高だ!」
「ああ、いいな……。そういうのも……いいものだ」
「何をもう終わったような雰囲気を出している!」
「終わっている。お前は……確かに最高かもしれない。戦うことで、逆転することを楽しみに、最高だと思っているのかもしれない」
「そうだ! だからこそ俺が勝つ!」
「できないんだよ。お前は」
「なぜだ!」
「決まっている。俺が最強だからだ。貴様は戦い、ベストを尽くす事をこそが最高に至ると思ってしまっている。その段階で、貴様の負けが決定している」
「……」
「わかったか? 俺は最強。いかなる相手も、いかなり場合でも負ける事は許されない。だが、貴様の様な最高では、負けて、そしていつか勝てればいいと。そうやって次がある。そう思っているんだよ。今この時、このたった一回の切り結びですらそれはわかる」
「……」
「貴様は、自身の気持ちが最高になればいい。その思いだけでいるのだ。だから、負けてもいい。その様な最高に最強が負ける訳あるまい?」
「ふざけ……ふざけるなぁあああああああああ!!!」
奴の剣が大振りになり、そして威力が上がる。
ただ、その分振りが単純になっていた。
「そういう所だが……。まぁいい。しっかりと……力の差を見せてやろう。これが……【最強】ということだ。『世界の崩落』」
俺は魔法を使って、周囲に起きている効果を全て打ち消す。
当然、俺が作った世界も同様に消されている。
それには奴も驚いたのか、目をむいていた。
「自ら作った世界を壊すのか!?」
「これは下準備だからな。『世界創生』」
俺は今度は新たな世界を作り出す。
場所はこの舞台の上限定だけれど、そこでは、俺が作ったルールが適応される。
「なんだ……この世界は……違いは……あるのか?」
「ほとんどない。だが、俺と……お前の決定的な差を見せつける為だけに作った」
「決定……的な……差?」
「そうだ。それは……スキル等無くても、魔法等無くても、俺の方が強い。最強だ……ということだ」
俺が作ったこの世界……この範囲限定で、スキルも魔法を消された世界を作った。
「そ、そんな……こと……出来るわけ……」
「出来るさ。俺は……最強だからな。行くぞ。瞬殺だ」
「はっ!? ぐはっ!?」
俺はただ身体能力のみで奴に攻撃を加えて行く。
剣など使わない。
拳だけで十分だからだ。
「ぐは!? かっは!? なんでだ!? なんでそんな動きが早い!?」
「俺は鍛えている。最強というスキルなど無くても俺は最強だ。今まで、このスキルをコピーもされた。だが、それでも俺は勝って来た。だから、無くても強い。いつも強くあり続けることが、俺だ」
「ぐはっ!!!???」
俺は奴の腹に止めの拳を入れて、奴を場外に吹き飛ばした。
「お前……やっぱり……最高……だぜ……」
奴は意識を失う最後に、そう言い残して気を失った。
「なるほどな。1人では勝てない。なら、数を増やせばいい……か。舐められた物だな」
俺は奴をにらみつけて、魔法を発動する。
「『筋力強化』『刃創生』『刃雷鳴』」
俺は自身の体を強化し、周囲に魔法の刃を作り出す。
そして、その刃に雷属性を付与して、俺に突っ込んで来るライデンを全員同時に切りつける。
「効かねぇよ!」
奴はそう叫びながら俺の剣を躱そうともしない。
スカッ
「何!?」
俺の攻撃は全て奴のは当たらず、その後ろの地面に突き刺さる。
「もらった!」
奴は俺に向かって10体同時に剣を振るってきた。
俺は、その剣を手に持っている1本で切り払った。
「何だと!?」
「言っただろう? たかが10体で……俺に勝てると思ったのか? お前に攻撃が効かないことは既に分かっている」
「じゃ、じゃぁ……さっきの刃は……ぐああああ!!!???」
奴は驚いた表情をした後に、10体全員が同時に痛みに悶える。
そして、少し離れたところで、本物のライデンがこちらを見ていた。
「どう……やって……」
「お前がさっきから姿を消すことをやっていたのは知っている。そして、さっき、10体の分身を出したのだと思った。なら、お前は11体いなければおかしかろう? だが、10体しかいない。であれば、貴様はどこかに隠れていると思っただけだ。そして、雷を付与した刃を周囲に放ち、この世界全てを雷で満たせば貴様は無防備になるに決まっているからな」
「や……やるじゃないか……。だが、それなら最初から全体攻撃をした方が良かったんじゃないのか?」
「そうしていたらお前は俺に攻撃することに意識を向けず、守りに入っただろう? 攻撃する瞬間だからこそ、こちらの攻撃が届くのだ。理解したか?」
「ち……確かにな……でもまだまだ、俺は……戦えるぜ!」
奴はそう言って俺に切りかかってくる。
奴の分身はいつの間にか全て消え、奴1人だ。
ダメージは入っているはずなのに、その動きは中々鋭い。
「やるじゃないか」
「ああ! 追い詰められれば追い詰められる程燃え上がる! 逆境を越えてこその最高だ!」
「ああ、いいな……。そういうのも……いいものだ」
「何をもう終わったような雰囲気を出している!」
「終わっている。お前は……確かに最高かもしれない。戦うことで、逆転することを楽しみに、最高だと思っているのかもしれない」
「そうだ! だからこそ俺が勝つ!」
「できないんだよ。お前は」
「なぜだ!」
「決まっている。俺が最強だからだ。貴様は戦い、ベストを尽くす事をこそが最高に至ると思ってしまっている。その段階で、貴様の負けが決定している」
「……」
「わかったか? 俺は最強。いかなる相手も、いかなり場合でも負ける事は許されない。だが、貴様の様な最高では、負けて、そしていつか勝てればいいと。そうやって次がある。そう思っているんだよ。今この時、このたった一回の切り結びですらそれはわかる」
「……」
「貴様は、自身の気持ちが最高になればいい。その思いだけでいるのだ。だから、負けてもいい。その様な最高に最強が負ける訳あるまい?」
「ふざけ……ふざけるなぁあああああああああ!!!」
奴の剣が大振りになり、そして威力が上がる。
ただ、その分振りが単純になっていた。
「そういう所だが……。まぁいい。しっかりと……力の差を見せてやろう。これが……【最強】ということだ。『世界の崩落』」
俺は魔法を使って、周囲に起きている効果を全て打ち消す。
当然、俺が作った世界も同様に消されている。
それには奴も驚いたのか、目をむいていた。
「自ら作った世界を壊すのか!?」
「これは下準備だからな。『世界創生』」
俺は今度は新たな世界を作り出す。
場所はこの舞台の上限定だけれど、そこでは、俺が作ったルールが適応される。
「なんだ……この世界は……違いは……あるのか?」
「ほとんどない。だが、俺と……お前の決定的な差を見せつける為だけに作った」
「決定……的な……差?」
「そうだ。それは……スキル等無くても、魔法等無くても、俺の方が強い。最強だ……ということだ」
俺が作ったこの世界……この範囲限定で、スキルも魔法を消された世界を作った。
「そ、そんな……こと……出来るわけ……」
「出来るさ。俺は……最強だからな。行くぞ。瞬殺だ」
「はっ!? ぐはっ!?」
俺はただ身体能力のみで奴に攻撃を加えて行く。
剣など使わない。
拳だけで十分だからだ。
「ぐは!? かっは!? なんでだ!? なんでそんな動きが早い!?」
「俺は鍛えている。最強というスキルなど無くても俺は最強だ。今まで、このスキルをコピーもされた。だが、それでも俺は勝って来た。だから、無くても強い。いつも強くあり続けることが、俺だ」
「ぐはっ!!!???」
俺は奴の腹に止めの拳を入れて、奴を場外に吹き飛ばした。
「お前……やっぱり……最高……だぜ……」
奴は意識を失う最後に、そう言い残して気を失った。
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