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第3章 動乱
62話 異常事態
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とある場所に1人の男がいた。彼は誰からも認識させず、その場で時が来るのを待つ。
暫くして、待ちわびた者達が来た。男は後ろから来た者達を振り返ることなく声をかける。
「遅いぞ。ターゲットの様子はどうだった」
「……」
「おい。どうした?」
男が振り向こうとした時、異変は起きる。
ドスリ
後ろから彼の胸が何かに突き刺される。彼は何が起きたのか理解出来なかった。これまで帝国の暗部として国中を駆け回り、凄腕の彼は多くの敵をこの手にかけてきた。その彼が貫かれる。
そんなことは彼には認められなかった。
ドサリ
彼の想像は虚しく散り、死体だけがその場に残された。
「暗部といっても気配を消すのが上手いだけの雑魚でしたね」
「この程度で帝国を裏から操るとは片腹痛いな。まだあの龍騎士の方がマシだ」
「でもあの人と正面からはやりたくないですよ。その時は先輩がお願いしますね?」
「ふざけるな。そんな面倒な事をするわけがないだろう」
「ええ、じゃあどうするんですか?」
「奴に弱点が幾らでもあるだろう? それを使えばいい」
「流石先輩」
「行くぞ」
彼らはその後、重要な場所を守っている兵士達を次々と闇討ちしていく。そして、彼らによってルートが開かれた。
(こくん)
彼らは口でしゃべることなど一切しない。手のジェスチャーだけで互いの情報を交換し合い、意思疎通を行なう。
そして、そのうちの一人が外に向かって合図を送った。
城の直ぐ側からどこにいたんだというほど、多くの人が集まっていた。
彼らは静かに、しかし迅速に城の中に入っていく。彼らが目指す場所。それは、この帝国を支える30にも昇る龍脈だった。
彼らは担当の龍脈の門番を始末し、必要であれば先ほどの男によって処分されたりして行く。そして、中に入ると彼らは装置を準備し、すぐさま帰っていった。
それから数十分後、轟音が帝城を包み込んだ。
******
少し前、セレットとパルマは大過の龍脈で訓練に励んでいた。
「遅い! 鎧をつけてても機動力を無くすな!」
「分かってるよ!」
「分かっててその遅さだと死ぬぞ!」
「くっそが!」
俺はパルマを追い回し、模擬戦に使う木刀でパルマの鎧をつつく。
パルマは何とか逃げ出そうとするが、俺の速度から逃げ切ることは出来ないようで、口を悪くするだけだった。
「そらそら! 疲れたのか!?」
「そんなことねぇ! オレはまだやれる!」
「ならもっと根性で躱せ! 限界でこそ真価が発揮される!」
「分かってらぁ!」
パルマは口は元気な様だが、体力はかなり限界に見える。昼間は龍退治の仕事や訓練でかなり追い込んでいるのだろう。
「よし、一度休憩にしよう」
「はぁはぁ。オレは……まだ……いけるぞ……」
「休め。これで帰れなくなったら大変だろ?」
「それも……そうか……」
パルマはそう言って床に大の字に倒れる。
「お前、どうやってそんな速さを得てるんだよ」
「どうやってって、こう、気が付いたら出来てたな」
「羨ましいぜ」
「どうだかな」
俺はパルマに渡すための水筒を取りに行った時に、ふと違和感を感じた。扉の向こうに2人居る様な気がするのだ。
誰かが会いに来たのか? と思った瞬間に2人の内1人の気配が唐突に消える。
「どういうことだ?」
俺は不思議に思って外に出る。そこには血だらけで倒れる龍脈衆の門番と、真っ黒い服装に身を包んだものだった。
「!」
相手は驚いた顔をするが、動き自体は悪くないけど俺の相手ではない。一息で近づき顎に一撃を入れる。やつはそのまま目を回して崩れ落ちた。
「パルマ! 急いで来てくれ! 大至急だ!」
「なん……だよ……。休ませろ……よ……。おい。こりゃどういうことだ」
パルマは文句を言いつつも来てくれたが、門番の死体を見た瞬間にぞっとするほど声音が冷たくなった。
「分からん。今外に気配がしたと思って来たら既に死んでいた。こいつは何でこんなことを……」
「見せろ」
パルマはそう言って暗殺者の死体を調べている。そして、何かの装置を見つけたのか眉をひそめている。
「それは……?」
「専門じゃねぇから詳しくは分かんねぇ。だが、龍力を使って爆破する何かに見えるが……」
「爆破する!? 爆破って何を爆破するんだ!?」
「分からねぇ。だが、少なくともいいことではないだろう。緊急事態だ。こんな奴が忍び込んでるってことは他の龍脈もあぶねぇ。オレはここを守る。他の場所を頼んでもいいか」
「任せろ」
俺はそう言って駆け出そうとした瞬間。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
激しい轟音が響き、俺やパルマの体を揺さぶった。
体勢を下げ、転ばないように気を付ける。そして、揺れが収まると同時に他の龍脈に向かって駆け出した。
それから他の龍脈を見に行くと、頑丈に閉められているはずの門は爆破され、龍脈の中には既に龍が溢れ出していた。
「早過ぎるだろ……! 一体どれだけの龍力を吸ったんだ!」
そんなことを言っても解決しないことは分かっている。俺はひとまず目の前の龍脈を沈める為に中に入った。
「ぎゃああああああああおおおおお!!!」
「ぐるうううううううああああああ!!!」
「ばおおおおおおおおおううううう!!!」
中にはベノムドラゴンとアクアドラゴン、サンドドラゴンがいる。ランクはBといった程度で、俺であれば大した脅威にはならない。
ただし、他の龍脈衆や、ましてや一般人が相手では10秒も持たない相手だろう。
「まぁ、俺が相手をするんだ。お前らが10秒も持つと思うなよ」
しゅぱぱ!!!
俺は奴らが瞬きする間に近づき首を切り落とす。滅龍器アスカロードの切れ味は最高だ。
俺は魔力で感覚と肉体を強化し、小道の奥から敵が湧いてこないかを確認する。
「来ないだな。龍は他の龍脈の方に行っているのか? 考えてても分からん。行くしかないか」
俺はその場を後にする。来るかどうかも分からない龍を待つよりも、今すぐに現れている龍が先だ。
「これだけか?」
「がらああああああああ!!!」
「じゃぎゃああああああ!!!」
「じゃがあああああああ!!!」
次の龍脈にはAランクのライトニングドラゴン。BランクのサンダードラゴンとCランクのエレクトリックドラゴン。ここは雷が強い龍脈みたいだな。
奴らは速い。龍種の中で1,2位を争う速さを誇る。因みに競っている相手は光だ。
「でも、俺の速度に勝てる龍はまだ見たことがないんだ」
ザシュ!!!
俺はまたすぐに首を切り落とし、小道の奥から出てこないかを注意する。しかし、全くといいほど出てくる様子がない。
やはり、他の所でも同時に龍力を吸い過ぎてそこまで多くは出てこないのだろう。
「この調子で行けば何とか押さえられるかな」
そう思っていたところに、外の方で多くの人々が叫ぶ声が聞こえる。
「わああああああああああ!!!」というようなまるで戦場か? と思わせるような声。一体何が起きているのだろうか。
しかし、龍脈は基本地下にあるため窓がない。それなのにここまで声が聞えてくると言うことは下手をしたら城の中で何かが起こっているのかもしれなかった。
(どうする? 一度上に戻るか? 最悪龍脈は後から取り返す事もできる。しかし、もしも上での戦闘に手こずってしまえば下から龍が溢れだしてきて挟まれるかもしれない)
そうなってしまえば正直どうしようもない可能性が出てくる。龍脈を取られてしまえば周辺の土地は枯れる。ジャグレッドと戦った辺りの農地も全て終わってしまうかもしれない。
「龍を先に狩るか……」
俺は目の前にいる龍の首を刈り取りながら思考を続ける。
CやBランク程度であればこれくらいの余裕がもてるのだ。問題ない。
「農地を守れば最悪持久戦もこなせるかもしれない。よし! 龍を狩る!」
俺は自身がしなければいけないことを確信する。そして、まずは目の前の龍脈を制圧する事から始めた。
しかし、俺の狩りはそこで終了してしまった。
とある3人が来たからだ。
「これはこれは龍騎士殿。少し動きをやめて頂けるかな」
「お前は……」
俺は、黒髪の魔法使いの男の言葉に従わざるを得なくなる。
「皇帝陛下のパーティー以来ですね。息災でしたか?」
「ライアット、エトア……」
「質問に答えて頂けますかな? それとも……。この方の体にお聞きした方がいいですか?」
ライアットは嫌らしく笑みを浮かべ、エトアは彼の持つ剣を、アイシャの喉元に突きつけていた。
暫くして、待ちわびた者達が来た。男は後ろから来た者達を振り返ることなく声をかける。
「遅いぞ。ターゲットの様子はどうだった」
「……」
「おい。どうした?」
男が振り向こうとした時、異変は起きる。
ドスリ
後ろから彼の胸が何かに突き刺される。彼は何が起きたのか理解出来なかった。これまで帝国の暗部として国中を駆け回り、凄腕の彼は多くの敵をこの手にかけてきた。その彼が貫かれる。
そんなことは彼には認められなかった。
ドサリ
彼の想像は虚しく散り、死体だけがその場に残された。
「暗部といっても気配を消すのが上手いだけの雑魚でしたね」
「この程度で帝国を裏から操るとは片腹痛いな。まだあの龍騎士の方がマシだ」
「でもあの人と正面からはやりたくないですよ。その時は先輩がお願いしますね?」
「ふざけるな。そんな面倒な事をするわけがないだろう」
「ええ、じゃあどうするんですか?」
「奴に弱点が幾らでもあるだろう? それを使えばいい」
「流石先輩」
「行くぞ」
彼らはその後、重要な場所を守っている兵士達を次々と闇討ちしていく。そして、彼らによってルートが開かれた。
(こくん)
彼らは口でしゃべることなど一切しない。手のジェスチャーだけで互いの情報を交換し合い、意思疎通を行なう。
そして、そのうちの一人が外に向かって合図を送った。
城の直ぐ側からどこにいたんだというほど、多くの人が集まっていた。
彼らは静かに、しかし迅速に城の中に入っていく。彼らが目指す場所。それは、この帝国を支える30にも昇る龍脈だった。
彼らは担当の龍脈の門番を始末し、必要であれば先ほどの男によって処分されたりして行く。そして、中に入ると彼らは装置を準備し、すぐさま帰っていった。
それから数十分後、轟音が帝城を包み込んだ。
******
少し前、セレットとパルマは大過の龍脈で訓練に励んでいた。
「遅い! 鎧をつけてても機動力を無くすな!」
「分かってるよ!」
「分かっててその遅さだと死ぬぞ!」
「くっそが!」
俺はパルマを追い回し、模擬戦に使う木刀でパルマの鎧をつつく。
パルマは何とか逃げ出そうとするが、俺の速度から逃げ切ることは出来ないようで、口を悪くするだけだった。
「そらそら! 疲れたのか!?」
「そんなことねぇ! オレはまだやれる!」
「ならもっと根性で躱せ! 限界でこそ真価が発揮される!」
「分かってらぁ!」
パルマは口は元気な様だが、体力はかなり限界に見える。昼間は龍退治の仕事や訓練でかなり追い込んでいるのだろう。
「よし、一度休憩にしよう」
「はぁはぁ。オレは……まだ……いけるぞ……」
「休め。これで帰れなくなったら大変だろ?」
「それも……そうか……」
パルマはそう言って床に大の字に倒れる。
「お前、どうやってそんな速さを得てるんだよ」
「どうやってって、こう、気が付いたら出来てたな」
「羨ましいぜ」
「どうだかな」
俺はパルマに渡すための水筒を取りに行った時に、ふと違和感を感じた。扉の向こうに2人居る様な気がするのだ。
誰かが会いに来たのか? と思った瞬間に2人の内1人の気配が唐突に消える。
「どういうことだ?」
俺は不思議に思って外に出る。そこには血だらけで倒れる龍脈衆の門番と、真っ黒い服装に身を包んだものだった。
「!」
相手は驚いた顔をするが、動き自体は悪くないけど俺の相手ではない。一息で近づき顎に一撃を入れる。やつはそのまま目を回して崩れ落ちた。
「パルマ! 急いで来てくれ! 大至急だ!」
「なん……だよ……。休ませろ……よ……。おい。こりゃどういうことだ」
パルマは文句を言いつつも来てくれたが、門番の死体を見た瞬間にぞっとするほど声音が冷たくなった。
「分からん。今外に気配がしたと思って来たら既に死んでいた。こいつは何でこんなことを……」
「見せろ」
パルマはそう言って暗殺者の死体を調べている。そして、何かの装置を見つけたのか眉をひそめている。
「それは……?」
「専門じゃねぇから詳しくは分かんねぇ。だが、龍力を使って爆破する何かに見えるが……」
「爆破する!? 爆破って何を爆破するんだ!?」
「分からねぇ。だが、少なくともいいことではないだろう。緊急事態だ。こんな奴が忍び込んでるってことは他の龍脈もあぶねぇ。オレはここを守る。他の場所を頼んでもいいか」
「任せろ」
俺はそう言って駆け出そうとした瞬間。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
激しい轟音が響き、俺やパルマの体を揺さぶった。
体勢を下げ、転ばないように気を付ける。そして、揺れが収まると同時に他の龍脈に向かって駆け出した。
それから他の龍脈を見に行くと、頑丈に閉められているはずの門は爆破され、龍脈の中には既に龍が溢れ出していた。
「早過ぎるだろ……! 一体どれだけの龍力を吸ったんだ!」
そんなことを言っても解決しないことは分かっている。俺はひとまず目の前の龍脈を沈める為に中に入った。
「ぎゃああああああああおおおおお!!!」
「ぐるうううううううああああああ!!!」
「ばおおおおおおおおおううううう!!!」
中にはベノムドラゴンとアクアドラゴン、サンドドラゴンがいる。ランクはBといった程度で、俺であれば大した脅威にはならない。
ただし、他の龍脈衆や、ましてや一般人が相手では10秒も持たない相手だろう。
「まぁ、俺が相手をするんだ。お前らが10秒も持つと思うなよ」
しゅぱぱ!!!
俺は奴らが瞬きする間に近づき首を切り落とす。滅龍器アスカロードの切れ味は最高だ。
俺は魔力で感覚と肉体を強化し、小道の奥から敵が湧いてこないかを確認する。
「来ないだな。龍は他の龍脈の方に行っているのか? 考えてても分からん。行くしかないか」
俺はその場を後にする。来るかどうかも分からない龍を待つよりも、今すぐに現れている龍が先だ。
「これだけか?」
「がらああああああああ!!!」
「じゃぎゃああああああ!!!」
「じゃがあああああああ!!!」
次の龍脈にはAランクのライトニングドラゴン。BランクのサンダードラゴンとCランクのエレクトリックドラゴン。ここは雷が強い龍脈みたいだな。
奴らは速い。龍種の中で1,2位を争う速さを誇る。因みに競っている相手は光だ。
「でも、俺の速度に勝てる龍はまだ見たことがないんだ」
ザシュ!!!
俺はまたすぐに首を切り落とし、小道の奥から出てこないかを注意する。しかし、全くといいほど出てくる様子がない。
やはり、他の所でも同時に龍力を吸い過ぎてそこまで多くは出てこないのだろう。
「この調子で行けば何とか押さえられるかな」
そう思っていたところに、外の方で多くの人々が叫ぶ声が聞こえる。
「わああああああああああ!!!」というようなまるで戦場か? と思わせるような声。一体何が起きているのだろうか。
しかし、龍脈は基本地下にあるため窓がない。それなのにここまで声が聞えてくると言うことは下手をしたら城の中で何かが起こっているのかもしれなかった。
(どうする? 一度上に戻るか? 最悪龍脈は後から取り返す事もできる。しかし、もしも上での戦闘に手こずってしまえば下から龍が溢れだしてきて挟まれるかもしれない)
そうなってしまえば正直どうしようもない可能性が出てくる。龍脈を取られてしまえば周辺の土地は枯れる。ジャグレッドと戦った辺りの農地も全て終わってしまうかもしれない。
「龍を先に狩るか……」
俺は目の前にいる龍の首を刈り取りながら思考を続ける。
CやBランク程度であればこれくらいの余裕がもてるのだ。問題ない。
「農地を守れば最悪持久戦もこなせるかもしれない。よし! 龍を狩る!」
俺は自身がしなければいけないことを確信する。そして、まずは目の前の龍脈を制圧する事から始めた。
しかし、俺の狩りはそこで終了してしまった。
とある3人が来たからだ。
「これはこれは龍騎士殿。少し動きをやめて頂けるかな」
「お前は……」
俺は、黒髪の魔法使いの男の言葉に従わざるを得なくなる。
「皇帝陛下のパーティー以来ですね。息災でしたか?」
「ライアット、エトア……」
「質問に答えて頂けますかな? それとも……。この方の体にお聞きした方がいいですか?」
ライアットは嫌らしく笑みを浮かべ、エトアは彼の持つ剣を、アイシャの喉元に突きつけていた。
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