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第2章 姫
25話 アイシャと依頼②
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外は人でごった返していて、かなり活気を帯びてきていた。
「かなり多くなってきたな」
「本当ね。さ、用事も終わったし、次の魔道具店に行きましょう?」
彼女はそう言って歩き出すのを、俺は彼女の手を掴んで引き留める。
「どうしたの?」
「なぁ、黙ってたけど、1つ行ってみたい場所があったんだ。いいか?」
「そうなの? 何処?」
「闘技場」
「闘技場……。あの、帝国で目玉の観光地だっけ?」
「ああ、そこでは人対人とか、人対魔物とか魔物対魔物が見れる様になっているらしい」
「そう言えば折角帝国に来たのに見てなかったわね」
「だろ? だから行かないか?」
「分かったわ」
こうして俺達は帝国の目玉である闘技場に行くことになった。そして、目的地に到着する。
「でけぇ」
「ここまで大きいのは中々見ないわね……」
「もしかして王城よりも大きいんじゃないのか?」
「ワルマー王国の? 確かに……そんな気がするわ」
目の前には大きな建物、石作りの闘技場があった。
その中からは魔物の咆哮と思われるような叫び声や観客の歓声等が聞えてくる。
「早速行こう」
「ええ」
受付に行くと、いつもは人気で入ることが出来ないらしいが、が今日は偶々入ることが出来た。運がいい。
ドゴオおおお!
「ぐわっはっはっはっは!!!」
「ぴぎぃいいいいいいい!!!」
俺達は空いていた席に座り中央を見る。
今は魔物同士の戦いが繰り広げられている。
「すご、何あれ?」
「あれは……ゴブリンキングとトロールジェネラルだな。強さはどっちもBランクって所か」
「あの迫力でBランクなの? 龍脈衆の方が強いんじゃない?」
「そりゃ龍力を使えればそんなに問題にはならないけど、外だと使えないからな。難しい所だろう」
「そっか。龍力が当たり前で話していたけど、外では違うんだもんね」
「そういうことだ」
話をしながら見ていると、中央ではゴブリンキングがトロールジェネラルを押し始めていた。
しかし、トロールジェネラルもしぶとく、あと一歩で止めを刺されないように耐えている。
そんな攻防が意外と続くのだ。
「すごいな。あれ全部どうやっているんだろう」
「それは魔石で操ってるに決まってるでしょ?」
「魔石?」
「そう、魔石って言って、色々条件はあるんだけど、魔物とかを操れる様になるのよ」
「それならもっと一杯操って魔物退治とか龍退治に使えないのか?」
「それが結構難しいらしくてね。なかなか多くは出来ないらしいわ。すっごく頑張れば竜ですら言うことを聞かせられるらしいけどね」
「竜ってあの野生の?」
「そうよ。龍脈にいる龍と普通に野生にいる竜の方の竜」
「すごいな……」
「ま、かなり大変だから、相当な根気と労力を入れてないと出来ないらしいけど」
「なるほどな」
そんな技術があるとは。
「それよりもセレット、貴方誰に仕えるか決めたの?」
「誰に仕えるかって?」
「そりゃ騎士なんだから誰か忠誠を尽くす相手が必要じゃない」
「皇帝じゃダメなのか?」
「ダメじゃないけど……。いい歳だからね。自分の子供達の誰かに尽くすように勧めるじゃないのかな」
「いい人だといいな」
「そうねぇ」
話していると、周囲の歓声が大きくなったので闘技場の中央に目を向ける。
「ぐわっはっはっはっは!!!」
「ぴぎぃぃぃぃ!!!!!!!」
暫くは会話もなく、ゴブリンキングとトロールジェネラルの戦いを見た。
俺はアイシャが楽しんでいるのかと思ってチラリと横を見る。
「いけー! やっちゃえー!」
アイシャは周囲の人達と同じように楽しんでくれているようだった。
良かった。いつも部屋で根を詰めすぎているように感じたから、こうやってした方がたまにはいいだろう。
中央ではまさかのトロールジェネラルの勝利で終わっていた。ずっと防戦一方だったのはゴブリンキングを油断させる為の罠だったらしい。
ゴブリンキングが攻め続けて隙を見せたところを思い切り切り裂いていた。
俺達はそれから何試合か楽しみ、闘技場を出るころには外は真っ赤になっていた。
「あー楽しかった」
「かなり叫んでいたもんな」
「ほんとよ……もうのどがカラカラ……」
「たまには楽しかっただろ?」
「そうね……。こういうのもたまにはいいわ。ありがとう」
「ん? 何がだ?」
「心配してここに誘ってくれたんでしょう? いい気分転換になったわ」
「偶々だよ。さ、帰ろうぜ」
「うん」
俺達は城に帰る。
デモ、本当に何でこんなことになったんだろう。しかもこれは依頼。城からの命令ということになる。楽しかったからいいものの。これの何が目的だったんだろうか……。
「かなり多くなってきたな」
「本当ね。さ、用事も終わったし、次の魔道具店に行きましょう?」
彼女はそう言って歩き出すのを、俺は彼女の手を掴んで引き留める。
「どうしたの?」
「なぁ、黙ってたけど、1つ行ってみたい場所があったんだ。いいか?」
「そうなの? 何処?」
「闘技場」
「闘技場……。あの、帝国で目玉の観光地だっけ?」
「ああ、そこでは人対人とか、人対魔物とか魔物対魔物が見れる様になっているらしい」
「そう言えば折角帝国に来たのに見てなかったわね」
「だろ? だから行かないか?」
「分かったわ」
こうして俺達は帝国の目玉である闘技場に行くことになった。そして、目的地に到着する。
「でけぇ」
「ここまで大きいのは中々見ないわね……」
「もしかして王城よりも大きいんじゃないのか?」
「ワルマー王国の? 確かに……そんな気がするわ」
目の前には大きな建物、石作りの闘技場があった。
その中からは魔物の咆哮と思われるような叫び声や観客の歓声等が聞えてくる。
「早速行こう」
「ええ」
受付に行くと、いつもは人気で入ることが出来ないらしいが、が今日は偶々入ることが出来た。運がいい。
ドゴオおおお!
「ぐわっはっはっはっは!!!」
「ぴぎぃいいいいいいい!!!」
俺達は空いていた席に座り中央を見る。
今は魔物同士の戦いが繰り広げられている。
「すご、何あれ?」
「あれは……ゴブリンキングとトロールジェネラルだな。強さはどっちもBランクって所か」
「あの迫力でBランクなの? 龍脈衆の方が強いんじゃない?」
「そりゃ龍力を使えればそんなに問題にはならないけど、外だと使えないからな。難しい所だろう」
「そっか。龍力が当たり前で話していたけど、外では違うんだもんね」
「そういうことだ」
話をしながら見ていると、中央ではゴブリンキングがトロールジェネラルを押し始めていた。
しかし、トロールジェネラルもしぶとく、あと一歩で止めを刺されないように耐えている。
そんな攻防が意外と続くのだ。
「すごいな。あれ全部どうやっているんだろう」
「それは魔石で操ってるに決まってるでしょ?」
「魔石?」
「そう、魔石って言って、色々条件はあるんだけど、魔物とかを操れる様になるのよ」
「それならもっと一杯操って魔物退治とか龍退治に使えないのか?」
「それが結構難しいらしくてね。なかなか多くは出来ないらしいわ。すっごく頑張れば竜ですら言うことを聞かせられるらしいけどね」
「竜ってあの野生の?」
「そうよ。龍脈にいる龍と普通に野生にいる竜の方の竜」
「すごいな……」
「ま、かなり大変だから、相当な根気と労力を入れてないと出来ないらしいけど」
「なるほどな」
そんな技術があるとは。
「それよりもセレット、貴方誰に仕えるか決めたの?」
「誰に仕えるかって?」
「そりゃ騎士なんだから誰か忠誠を尽くす相手が必要じゃない」
「皇帝じゃダメなのか?」
「ダメじゃないけど……。いい歳だからね。自分の子供達の誰かに尽くすように勧めるじゃないのかな」
「いい人だといいな」
「そうねぇ」
話していると、周囲の歓声が大きくなったので闘技場の中央に目を向ける。
「ぐわっはっはっはっは!!!」
「ぴぎぃぃぃぃ!!!!!!!」
暫くは会話もなく、ゴブリンキングとトロールジェネラルの戦いを見た。
俺はアイシャが楽しんでいるのかと思ってチラリと横を見る。
「いけー! やっちゃえー!」
アイシャは周囲の人達と同じように楽しんでくれているようだった。
良かった。いつも部屋で根を詰めすぎているように感じたから、こうやってした方がたまにはいいだろう。
中央ではまさかのトロールジェネラルの勝利で終わっていた。ずっと防戦一方だったのはゴブリンキングを油断させる為の罠だったらしい。
ゴブリンキングが攻め続けて隙を見せたところを思い切り切り裂いていた。
俺達はそれから何試合か楽しみ、闘技場を出るころには外は真っ赤になっていた。
「あー楽しかった」
「かなり叫んでいたもんな」
「ほんとよ……もうのどがカラカラ……」
「たまには楽しかっただろ?」
「そうね……。こういうのもたまにはいいわ。ありがとう」
「ん? 何がだ?」
「心配してここに誘ってくれたんでしょう? いい気分転換になったわ」
「偶々だよ。さ、帰ろうぜ」
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俺達は城に帰る。
デモ、本当に何でこんなことになったんだろう。しかもこれは依頼。城からの命令ということになる。楽しかったからいいものの。これの何が目的だったんだろうか……。
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