最強最悪の能力を持った悪の神~心は果たして善か悪か~

影樹 ねこ丸

文字の大きさ
上 下
19 / 23
第4章_モンバルト大戦争

第19話_無心ロイゼ

しおりを挟む
 零の前に現れた思わぬ強敵、ロイゼ。心を読めないどころか、ロイゼに心がない。これはロガンも知らなかったようだ。オーディンの右腕なんてそうそうなれない。それこそ無心なんて能力を持ってなければ。「それじゃあ厄神零。お前の目的は、オーディン様の本体の居場所を知ることだな?」相変わらず無表情である。「あぁそうだ。それでぶっ飛ばす!それだけだ。」零は、ぶっ飛ばす!を特に強調した。しかしロイゼは無表情。まぁロイゼに表情を求めているわけではない。「つまり俺のことを倒せねぇわけか?」無心のわりには言葉は達者だ。零は何も言えない。でもなんか悔しい!ぶっ飛ばしたい!《ダメよ!しっかりして!本当の目的を思い出して。オーディンの居場所を突き止めることよ。》でもどうやって?心理魔法が効かない!《ここは私に任せて。》どうやって?《話術で巧に炙り出すわよ。》なんか張り切っていた。《私の言った通りにあなたも言って。ようは真似して。》分かった。《お前本当は知らねぇんじゃねぇか?心がないからそれを良いことに、嘘ついて右腕まで登り詰めたんじゃねぇか?》なるほど、炙り出すのね。「お前本当は知らねぇんじゃねぇか?心がないからそれを良いことに、嘘ついて右腕まで登り詰めたんじゃねぇか?」すると、無表情なまま「オーディン様に聞いてみるといい。」《どこにいる?》「どこにいる?」するとピクリと顔が動いた。恐らく少し驚いている。「幽体ならこの城に居る。」《本体なら?(次からコアの声は非表示)》「本体なら?」するとまたピクリと顔が動いた。「教えねぇよ。」「やっぱ知らないんじゃん!」今度はもう少し大きなピクリだった。「知ってるっつてんだろ。」コアの意図が少し分かった。こういうすました奴こそ、むきになるとウッカリミスをしかねない。「いやぁ、証拠がないからなぁ。」すると少しずつロイゼが怒りを見せた。「知ってるんだよ!証拠なんて無くていい!とにかく知ってる。」まだまだ巧みな話術は繋がる。もう今のロイゼは、オーディンの本体の場所なんてどうでも良くて、自分がオーディンの場所を知っているということを訴えたくて必死だ。この状況はこちらにとって有利と言える。「知ってるって初対面のお前に言われても。」これは行ける!ロイゼはいよいよ憤慨し、「知ってるんだよーっ!」意外と頑固だな。「だから証拠がない限り知ってるって証明できない。実際に俺が見るまでは。」そしてロイゼが口を開いた。「いいよ。言ってやるよ!オーディン様は、...」なんだ!?「落ち着け俺!ここでむきになってはいけない。危ねぇ、言うところだった。」何だと!もう少しだったのに!《まだ策はあるわ》「しょうがねぇ認めてやる。」ロイゼは一瞬ホッとした。だが零はすぐに口を開く。「でも教えてくれてもいいと思うんだ。だって、お前がオーディンを最強って思っているなら、俺らが行ったところで勝てない、そうだろ?ならなぜ教えない。オーディンは強くないとでも思ってるのか?」確かに尊敬している人を否定されると、部下にとってはこの上なく不愉快だ。しかも自分に疑いをかけられる。不安も高まるだろう。さすがコア。頭いい!「いや、オーディン様はお前らより強い。」また無表情のままだ。だが一瞬ホッとした後に、またこういう作戦を繰り出すことで油断させるのだ。「なら俺らみたいな雑魚が立ち向かったところで、返り討ちにされるどころか、殺されるだけ。そうだろ?」誘うように言う。「あぁそうだ。オーディン様のところにたどり着くかも分からない。警備ガッチリだからな。俺らナメるなよ。」よしこれで、警備されてるってことが分かった。恐らく見れば分かる。「ならなぜ教えてくれない?俺らが勝てるかも、て思ってるのか?オーディンは悲しむだろうな。部下から信用されてないなんて。悲しむどころか殺されるだろうな。」今度は怒りではなく、恐怖で炙り出すのだ。「いや、俺はオーディン様を尊敬してる!信用してる!」「いや、お前は俺にオーディンの居場所を教えない。つまり心の底では信用してないんだ。だろ?」怒りと恐怖が混じったような感じだった。ロイゼはついに決心した。「お前なんか、オーディン様の足元にも及ばない!言わば雑魚だ!ここまで上手く事が進んだようだが、オーディン様の前では、そんなの塵となって消えるだろう。オーディン様の場所は、...」今度こそ!教えろ!「いや。どうしよう。教えたらそれはそれで、後で怒られる!」そうなのか。「いや大丈夫。俺たちが倒すから。」これ言って大丈夫?《見てなさい》「あっそうか!ならいいや。場所は、この城の反対側の平野のど真ん中に、洞窟見たいな所があるから。それで中に入っていって、しばらく行くと居るよ!警備気を付けてね!」なんてすんなりな男だ。まだ自分が言ってしまったことに気づいていない。しかも最後は忠告までしている。こいつ天然?《作戦成功!やったわね!後は城を破壊して、オーディンの幽体を倒して!それから本体ね。》おぉさすがコア、俺が惚れただけあるな。それじゃあ、薙とロガンへの合図の意味も込めて、城を爆破しますか。「とりあえずロイゼ。ありがとう。そして死んでくれ。」一気に爆破魔法を発動する。この城はなかなか基礎がしっかりしている。それだけに壊すのは少し難しい。だが俺の魔法をナメるなよ!超爆破魔法!多量爆弾魔法!ニトロ撒き爆破魔法!結構崩れてきた。だがまだ原型を留めている。「なかなか強いな。」面倒くさいから、あれやろう。最終奥義 神爆大多量火薬ニトロ爆破魔法!俺とアテナは分厚い結界を張っていたが、それでも結界を押さえるのが大変なほどだった。しばらく砂埃で見えなかったが、晴れてきてようやく見えた。そこには何かたっていた形跡が少し残っているだけで、他は兵士の血がそこらじゅうに、散っている(残酷な描写)。一方薙とロガン。ボガーーーンッ!「おぉなんだ!?」「零の爆破だ!ってことは上手くいったのか?」それにしても大きな爆発だ。さっきから小さな爆発音が聞こえてきていたが、今のは格が違かった。「なんか飛んできてるぞ?えっ?岩石だ!城の破片がここまで飛んできてる!」薙とロガンは貧弱な結界で免れたが、そこらにいた兵士たちは粗方死んだ。そろそろ雑魚の相手は飽きてきた。もう少しの辛抱だ。一方零とアテナ。「オーディンの幽体はどこだ?」そこには何もなくなっていて、オーディンの幽体は無かった。出かけているのだろうか?じゃあ孟本体行きますか?どう思うコア?《良いんじゃ.......》そこで声が聞こえなくなった。どうした!?コア!コア!駄目だ。反応がない!「アテナ緊急事態だ、コアが危ない!俺は瞬間移動して様子を見てくる!アテナは薙とロガンに事情を伝えてくれ!」アテナは、分かったわ、と言い走っていった。船内をよく思い出して、瞬間移動!船内に到着した。周りを探すが、見当たらない。すると後頭部に刺激が走った。そして吹っ飛んだ。まてよ、何で俺が吹っ飛ぶ?なにも喰らわないはずなのに!後ろを見ると、コアを抱えた黒い生物がいた。いや生物なのかも怪しい。「お前は?」と聞くと、「オーディン・ヴォルティス。」こいつがオーディン!意外と小さかった。でも何故俺に攻撃が効く!?その後、一発一発が重くて強い攻撃を執拗に喰らい、零はついに気を失ってしまった。コアも気を失っているようだった。零は船内に一人で倒れてしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。 この他、 「新訳 零戦戦記」 「総統戦記」もよろしくお願いします。

ミッシング・ムーン・キング

和本明子
SF
月が消失してから百年後の地球で出逢った、青年“ライト”と月の化身“ルナ”の物語。

我ら新興文明保護艦隊

ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら? もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら? これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。 ※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!

体内内蔵スマホ

廣瀬純一
SF
体に内蔵されたスマホのチップのバグで男女の体が入れ替わる話

ケントローフの戦い

〽︎巳鷹田・葛峯
現代文学
始まりはあの日であった。 ハブロン曹長率いる国軍と、クロマニエ氏の戦いの記録。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

Panssarivaunu Saga

高鉢 健太
SF
ふと気が付くとどうやら転生したらしい。 片田舎の村でのんびりスローライフが送れていたんだけど、遺跡から多脚戦車を見つけた事で状況が変わってしまった。 やれやれ、せっかくのスローライフを返してほしい。 ビルマの鉄脚の主人公「戦闘騎」を魔法世界へ放り込んでみた作品。

処理中です...