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零編

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「今日は楽しかったよ、ありがとう」

「あぁ、楽しかった」

「僕も」

と如月さん達が言ってくれた。

「いえ、こちらこそありがとうございました。
楽しかったです。」

「僕も楽しかったです☆」

「おれもぉ~」

まだ一緒にいたいなぁっと思ってると

「よかったら送っていくよ」

「え、そんなわるいですよ」

「私がまだ一緒にいたいからって言ったらだめ?」

と言われ、ドキドキしてしまう。

「うっ....わかりました。
よろしくお願いします」

「ありがとう」

と嬉しそうに言われ、顔が更に赤くなっているのを感じる。
多分、今俺の顔は真っ赤だろう。

あ、ここに類と翠がいることを忘れてた。
二人を見ると類は西園寺さんに翠は神宮寺さんに何かを囁かれて頬をほんのり赤くしている。

「あ、もちろん二人も一緒に送るからね」

「ありがとうございます♪」

「ありがとうございます~」

俺たちがエントランスにいるとホテルスタッフの人がきて

「お待たせ致しました。如月様、西園寺様、神宮寺様、車ご用意できました。」

と言われて、外に出ると3台の高級車があった。
如月さんが一番前の車まで行き

「これだよ、乗って」

と言われる。
西園寺さんと神宮寺さんに挨拶して
車に乗る。

「家の住所わかる?」

「はい。ここです。」

とスマホを取り出して住所を見せる。

「わかったよ」

と言って車が発進した。
安心感のある穏やかな帰路だった。

「うん、着いたよ」

と言われて窓を見るとマンション前だった。

「ありがとうございました。」

お礼を言い、外に出ようとすると

「零、ちょっと待って!」

と類に止められた。

「え?なに?」

「ほら、あそこ」

類が指差した方を見てみると...
俺たちのストーカーがいた。
明らかに俺たちの顔色が悪くなり、青ざめた様子に

「あの女性知り合い?」

と優しく聞いてくれた。
俺たちは首を横に振る。

「何があったのか聞いてもいいかな?」

「......あの女の人、俺たちのストーカーなんです。いつも、マネージャーの氷室さんが注意してくれてるんやけど、待ち伏せとかやめてくれへんくて、最近はどんどんエスカレートしてきて.......」

「そっか。」

と言うと如月さんは携帯を取り出し誰かに電話した。
俺たちの状況を説明している。

「ーーーーうん、ーーそうだね。ーーじゃあーーうん、エントランスでねーーーじゃあね。」

と電話を切るとすぐまた違う相手に電話し、同じように説明してまた電話を切った。

「え?あの....」

「あぁ、これから月宮くんたちは俺が住んでるマンションに行こうか。」

『え?』

「早乙女くんは潤の部屋、皇くんは侑の部屋、月宮くんは俺の部屋。」

『え?』

「このままだと、ストーカーが危険だからね。
俺たちの家は同じ高級タワマンだからメンバーとはいつでも会えるし、セキュリティー面も安心だよ。」

「え、でもご迷惑じゃ」

「大丈夫だよ。
潤と侑も来ていいって言ってるよ。
ストーカーを対処するまででも、ね?」

申し訳ないなぁ、でもこのままだと危険なのも事実やしな、どうしようかなと考えておると

「わかりました。
よろしくお願いします。」

と類が頭を下げている。

「え?!類?」

俺が驚いておると

「おれもよろしくお願いします」

と翠も頭を下げた。

「翠まで?!」

「零、確かになにかあったら大変だよ、
何かあってからじゃ遅いよ。」

と真剣な顔で類が言っているそれに翠も真剣に頷いている。
そうだな、類と翠も心配だし、如月さん達のところの方が安心かもな

「そうだな。
如月さん、よろしくお願いします。」

と俺も頭を下げた。

「うん、大丈夫だよ。
ちゃんと私たちが守るからね。」

と言われ、ドキッとした。

車が発進してから40分ぐらいたった。
そしたら窓から億マンションで有名な高級タワマンが見えてきた。

車はそのままマンションに入って行き、地下の駐車場で車が停まった。

「着いたよ」

と言われ、車を降りる
そのままエレベーターまで行き、一階のエントランスで降りた。

エントランスでは西園寺さんと神宮寺さんが待っていた。
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