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零編

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今日も高級そうな黒のスーツを着ている。

「あれ、君はこの前タクシーのときの」

「はい!この前はタクシー譲ってくれてありがとうございました。」

とお礼を言うと微笑みながら

「いいんだよ、もう一台タクシーいたしね」

と言ってくれた。
なんだろう、むっちゃ大人の男性って感じでかっこいい。

「この前は先にタクシー譲って下さったので今日はローストビーフお先にどうぞ!」

「ふふっ。ありがとう」

と言って微笑んでくれた。
男性がローストビーフを受け取ると、俺もローストビーフをシェフに注文した。
受け取ろうとするとすぐ隣から手が伸びてきて代わりにお皿を受け取った。
なんだろうと思って横を見ると

「あれ?どうしたんですか?」

「あぁ、君の席はどこかと思ってね
送っていくよ」

まだ男性が待っていた。

「え、すぐそこの席やから大丈夫ですよ」

と席を指差すと一瞬驚いた顔をして微笑みながら

「そうか、でも送るよ」

と言いながら歩き出してしまった。
テーブルに着くとお皿を置き椅子を引いてくれた。一連の動作が自然過ぎてドキっとした。

「あ、ありがとうございます」

とお礼を言いながら椅子に座ると男性を微笑みながら俺の正面の席に座った。

「え、あの?」

「俺の席もここみたいだ」

と言いながら名前が書いてあるネームプレートを指して食事会の招待状を取り出した。
招待状にはネームプレートと同じ名前が書かれている。

「きさらぎきょうや、さん?」

「うん、改めて如月響也です。
よろしくね」

「あ、はい。
俺は月宮零です
よろしくお願いします。」

「あぁ知っているよ
最近人気のあるアイドル
BLACKPRINCEのメンバーだよね?」

「え、あ、はい。
ご存知なんですか?」

アイドルとか知らなそうな感じだったから驚いた。

「タクシーの時は気づいていなかったんだけどね、今日また会ったら思い出したよ
妹がファンなんだ」

妹さんがファンなんや、嬉しいなぁ
如月さんと話していると類が一人の男性と戻ってきた。短髪でワイルドな感じの美形で白のシンプルなTシャツのうえに高級そうな黒のレザージャケットを着てデニムパンツを履いている。

「類、おかえり
そちらの方はどちらさま?」

「ただいま♡
西園寺さんの息子さんで西園寺グループの御曹司さんなんだよ☆」

「は?西園寺グループ....じゃあさっきお会いした方は....」

「あれ、言ってなかったっけ?☆
西園寺グループの会長さんだよ♪」

「はぁぁぁ!!」

驚いてると翠が料理を持ってやってきた

「れい~大きな声出してぇ~どうしたのぉ~?」

「翠、お前も今回の主催者が西園寺グループだって知ってたんか?」

「知らなかったけどぉ~挨拶された時~気づいたよぉ~」

「気づいてへんかったの俺やけか?
ってか類そういうことはなぁはよ言えや」

「えへへ♡忘れてた☆」

「お前なぁ、はぁ。
明日の朝ごはん絶対ピーマン入れてやるわ」

「えぇー、やめてよぉ☆」

類と話していると翠の咳払いが聞こえてきた。
あ、如月さんと西園寺さんがいるの忘れてた。二人を見ると微笑ましそうな表情をしていた。

「すみません、俺たちだけで喋っちゃってて」

「いや、いいんだよ
仲が良さそうで何よりだよ
な、潤?」

「そうだな、
改めて西園寺潤だ。
よろしく」

「あ、はい
月宮零です。
こちらこそよろしくお願いします。」

「皇翠です。
よろしくお願いします。」

ん?潤?呼び捨て?
と不思議に思ってると如月さんが

「あぁ、俺と潤、あとまだ来ていないがもう一人と幼馴染なんだよ」

へぇ幼馴染なんだぁ。

「そうだな、響也も如月グループの御曹司でもう一人もグループの御曹司だったから
親が仕事してる時によく一緒に遊んでいた」

え、如月さんそんなすごい人だったのか
如月グループといえば西園寺グループ、神宮寺グループと並んで日本の三大グループじゃないか?!
ってことはこれから来るって人は....


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