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第2章 魂の器 ウィリアム・セシス編 side Maria
20 悪漢 【R15】
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(そろそろ路地裏を抜けないか?)
(そうだね)
なんて話をしていたら、いきなり背後から肩を捕まれ、振り向かされていた。欲に濁った目と目が合った。瞬間がスローモーションで流れる。こんな目を、どこかでーー。
「きゃ?!」
ワタシは突き飛ばされて、尻餅をついてしまった。気づいたら、むさ苦しい男5人組がワタシを見下ろしていた。
「お嬢サン、こんな所に一人でいたら、イケないぜ?」
「ヘッヘッヘ、怖くて口も聞けねえ様だナァ」
「体は残念だが顔は良い。目の色が左右で違う……忌み子か。モノ好きには高く売れるかもしんねえな」
「ま、その前に俺が楽しいコトをたっぷり教えこんでやるよ、その体にな!」
「ぎゃはは、違いねえ!」
「は、離して!」
必死に抵抗したのに、慣れた様子でうつ伏せに転がされて後ろ手に押さえ付けられてしまった。ワタシを押さえる手は、いつの間にかいやらしい手つきでワタシの肩を撫で始めていた。
「あ……」
ここに至ってようやく気づいた。さっきまで喋っていたビル君とマシューはワタシの体の中から出られない。ここには女一人と男達だけなんだって事に。それに気づいて、ワタシは絶望した。
「ひゃん?!」
(マリアちゃん?!)(マリア!)
さっきまで肩を撫でていた奴の腕はワタシの後ろから抱きしめて来た。ガザガザの指がワタシの髪を梳いて、部細工な鼻がワタシのうなじの匂いを嗅ぎ、便乗して来たもう一人がワタシの足を舐め始めた。
「あ、ひぃ……!」
おいズルいぞお前俺にも嗅がせろよばっかお前だってパンティ脱がしかけてるじゃねえかぎゃははははハハハハ
「た、たすけて……!」
「誰も助けになんか来ねーよ」
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
男たちの下品な声がぐるぐる回って、思い出したのは前世の、あの下衆な男に組み敷かれて、枷をはめられて、息を奪われて、素肌を這う男の手が、ワタシの肩を、胸を、お腹を、腰を、それから
(不味い、マリアちゃんのトラウマが!)
(おいビル! どうにかならないのか?!)
(マシュー君、その体はマリアちゃんとマシュー君の二人の物だ。マリアちゃんを下げて、マシュー君が体を操作することもできる)
(! なるほど、マリア!)
(お願い……)
(ああ、ゆっくり休んでおけよ)
冷え切った体を、マシューが包み込んでくれるような安心感を感じながら、ワタシは意識を手放した。
「ごめんね、マリアちゃん」
(そうだね)
なんて話をしていたら、いきなり背後から肩を捕まれ、振り向かされていた。欲に濁った目と目が合った。瞬間がスローモーションで流れる。こんな目を、どこかでーー。
「きゃ?!」
ワタシは突き飛ばされて、尻餅をついてしまった。気づいたら、むさ苦しい男5人組がワタシを見下ろしていた。
「お嬢サン、こんな所に一人でいたら、イケないぜ?」
「ヘッヘッヘ、怖くて口も聞けねえ様だナァ」
「体は残念だが顔は良い。目の色が左右で違う……忌み子か。モノ好きには高く売れるかもしんねえな」
「ま、その前に俺が楽しいコトをたっぷり教えこんでやるよ、その体にな!」
「ぎゃはは、違いねえ!」
「は、離して!」
必死に抵抗したのに、慣れた様子でうつ伏せに転がされて後ろ手に押さえ付けられてしまった。ワタシを押さえる手は、いつの間にかいやらしい手つきでワタシの肩を撫で始めていた。
「あ……」
ここに至ってようやく気づいた。さっきまで喋っていたビル君とマシューはワタシの体の中から出られない。ここには女一人と男達だけなんだって事に。それに気づいて、ワタシは絶望した。
「ひゃん?!」
(マリアちゃん?!)(マリア!)
さっきまで肩を撫でていた奴の腕はワタシの後ろから抱きしめて来た。ガザガザの指がワタシの髪を梳いて、部細工な鼻がワタシのうなじの匂いを嗅ぎ、便乗して来たもう一人がワタシの足を舐め始めた。
「あ、ひぃ……!」
おいズルいぞお前俺にも嗅がせろよばっかお前だってパンティ脱がしかけてるじゃねえかぎゃははははハハハハ
「た、たすけて……!」
「誰も助けになんか来ねーよ」
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
男たちの下品な声がぐるぐる回って、思い出したのは前世の、あの下衆な男に組み敷かれて、枷をはめられて、息を奪われて、素肌を這う男の手が、ワタシの肩を、胸を、お腹を、腰を、それから
(不味い、マリアちゃんのトラウマが!)
(おいビル! どうにかならないのか?!)
(マシュー君、その体はマリアちゃんとマシュー君の二人の物だ。マリアちゃんを下げて、マシュー君が体を操作することもできる)
(! なるほど、マリア!)
(お願い……)
(ああ、ゆっくり休んでおけよ)
冷え切った体を、マシューが包み込んでくれるような安心感を感じながら、ワタシは意識を手放した。
「ごめんね、マリアちゃん」
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