邪神の恩返し

白南井 誰方

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第3章 マリア・ダ・ネーク編 side Matthew

34 詑言

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 俺はボースを背負って出口を抜けた。出口は洞窟のようになっていて、出たところはやや開けた道となっており、やせ細った赤ん坊から青年まで十数人居た。不衛生な身なりから、スラムの住人なのだと想像がつく。

「ボース?! テメェボースを放せ!」

 年長と思しき青年が奇声を上げながら襲いかかってきたから、風の魔法で切り捨てたら、誰も襲ってこなくなった。

 スラム民ごときが邪魔をしないでほしい。ただでさえ6人もチビ共が増えたのに、これ以上キャラクターが増えたら役回りが難しくなるからな。否、違うか。今は安定しているが、いつ容態が急変するか分からないのだから。俺たちの宿までもう少しだ。

 そんな時、タイミングよくビルドから念話が届いた。

(マシュー君! 今マリアちゃんに、ボース君の調子がおかしいって聞いたんだけど!)

 ビルドのやつ、やけに慌てているな。何か不測の事態が起きたのか?

(正直に答えろ、どうすれば俺はボースを助けられるんだ?)
(ボース君の不調は、超簡単に言うと真人族だけに効く毒を摂取した所為だよ。このままだと死んじゃうかもしれない。でも大丈夫! マリアちゃんに三錠渡した豊胸薬あったでしょ? あれが解毒薬になる。今丁度、マリアちゃんが持ってるみたい!)

(はぁ?! 豊胸薬なんか飲ませてどうするつもりだ)

(豊胸薬は、獣人が普人族に化ける為に使う魂装こんそうを元に作ったんだ。つまりこの薬の本当の効果は「体型を真人族の平均と同じにすること」と「体構造を普人族の成人女性と同じにすること」なんだよ。
 今ボース君は毒の効果で、体のホルモンバランスが崩れているんだ。このままだと成長痛の何百倍もの痛みが全身を蝕んで死ぬ。豊胸薬で成長の方向性を決めてやれば体の負担が軽くなる、ボース君は助けられるかもしれない!)

 了解した! だいぶ宿まで戻ってきてしまったから、《ゲート》を経由した方が早く着くだろうか? しまった、《ゲート》の再起動は向こう側からじゃないと不可能だ! 仕方ないのでボースを前に抱え直して、その時に、ボースが声を押し殺して泣いているのを見た。一体いつから泣いていたんだ? 背負ったままだったからボースが泣いているのに気づかなかったのだ。


「どうしたんだ! どこか痛いのか?」
「……………………何でもない、です」
「悪いが戻るぞ。急ぐから舌を噛むなよ」

 絶対なんでもなくは無いが、とりあえず一刻も早く薬を飲ませよう。穴を引き返して、マリアの存在の方向に急ぐ。ボースは、俺の腕の中で震えている。《ウインドコントロール》で空気の抵抗を消して定温に保っているから、寒いなんてことはありえない。それよりは、俺に■えている、ように見えた。

「なん、で、ド、リューが」
「すまない、マリアとまた合流するぞ。俺の知り合いが、ボースを治す方法を教えてくれたんだ。マリアの持っている薬を飲めば、すぐ良くなるぞ! だからそれまでの辛抱だ!」
「その、知り合い、って、ハヌマ、ヒル、でしょ?」
「なんで知ってるんだ……?!」

 ボースの口から出た邪神の名。普通に考えれば、マリアから教えてもらった可能性が高いんだろうが、そのはずなのに、ボースから返事は帰ってこなかった。嫌な予感がする。俺は、それを振り切るように速度を上げる。
 そしてたどり着いたのは、洞窟の行き止まりだった。くそ、いったいどこで間違えたんだ! しかしさほど遠くないところにマリアの存在を感じる。


 こうなったら仕方ない!! 先ほどスラム民に向かって放った風の魔法【鎌鼬】を、マリアとセルシウスにぶつからない角度で全力で放った。

「な……!」

 セルシウスは驚いている。それもそうか、先ほど二手に分かれて先行したはずの俺がなぜか戻ってきたわけだからな。

「セルシウス、悪いが説明は後だ! マリア、薬は?!」
「これだよ!!」

 マリアは豊胸薬Mと豊胸薬Lを取り出した。即効性だった豊胸薬Sはマリアが飲んでしまったら、当たり前だよな。

(おい、どっちを飲ませれば良いんだ?)
(Sサイズの豊胸薬はどこにあるの?)
(はぁ?! Sはマリアが飲んでたじゃねぇか)
(……ぇ? し、知らない、聞いてないよ、だって、即効性のは取っといてって言ったじゃん!)
(え?! じゃあ豊胸薬は使えないってこと? ……ボース君は、助かるんだよね?)
(……ごめんねマリアちゃん。豊胸薬Mじゃあボース君は、治せないんだ)

 何なんだ、これは。これでは殺した奴らが報われない。一体何が起こっているんだ。分からない。分かるのは、俺たちが何者かに嵌められたという事だけだ。俺の体はぶるぶると震えだす。これが恐れなのか、怒りなのか、無力感なのか、全能感なのか。

(ボースが死んだら、生き返らせなくちゃいけない……。でもこれ以上生き返らせたらボクは……。そうだマシュー君がボース君を殺せば良いんだよ! どうせボース君はあと数時間で死ぬ。なら今のうちにマシュー君の所為にしてしまえば、ボクはまだ殺されずに済む! さぁマシュー君! 今だ! 殺せ、ボース君を殺すんだ! なんで動かないんだよ、これは命令だよ、ほら殺せよ早く! 早くしろよ!!)

 ビルドが訳の分からない戯言を垂れ流すが、全て聞き流して今までのヒントを整理する。あれは毒ガスでは無かった。そもそも敵は本当に獣人だったのか?

「許、……さない」
「あ」

 ビルドの声よりも小さかったのに、その声は俺の耳をよほど強く叩いた。気づいたら、俺の腹には小ぶりな割には長い、奇妙なナイフが突き立っていた。痛みは無い。痛みがないことが良いことなのか悪いことなのかは、何となく分かっていたし、そのおかげで俺の体の震えは驚くほどぴったりと止まった。それを成し遂げたボースに対しても、全く恨むどころかどこか感謝のような感情さえ抱いている気がする。

「俺はこんなチャチな刃物と毒だけでは殺せないぞ、ボース。俺は生きて、お前は死ぬんだ。分かるか? お前の復讐は、失敗なんだよ。それが嫌なら、この薬を飲め。そして、一か月間、体の痛みに耐え続けろ。俺のことを殺したくて殺したくて、堪らないだろう?」
「ころして、やる」

 俺は静かに、ボースに声をかけ続けた。

「それは結構だが、この薬を飲めと言っているのが聞こえないのか? 聞こえないなら勝手に飲ますぞ。小さく砕いてやるから、唾液で溶かして飲み込め。なに、これは毒じゃないぞ。お前を殺すつもりなら毒なんてわざわざ使わないさ」
「ぜっ、たい、ゆる、」

「おいおい、それは俺の指だぞ。ボース、お前、本当に死にかけなのかよ? 指が千切れそうだぜ。ああ、もっと俺を恨めよ。お前にはその権利があるんだから。だからその恨みを生命力に変えろ。生きてみせろ。そうしたら、後でいくらでも報いを受けてやるからさ。だから、だから今は、早くこの薬を飲んでくれ……」
「さ、ナ、ぃ……」

 いつの間にかチビ達は、全員どこかへ行っていた。マリアは少し離れた場所で涙を流しながら、さっき【鎌鼬】で飛び散ってしまった破片を片付けていた。ボースは目を俺への憎悪に染めたまま動かなくなっていた。

 俺は、セルシウスに問いかけた。

「なぁ、セルシウス、……ハヌマヒルという名に聞き覚えはあるか?」

 セルシウスは目を見開き、俺はそれを見て、ビルドーー否、邪神ヒルと呼ぶべきかーーの真実の一端を確信した。




























































そして俺ははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははほははははははははははははははははははほははははははははははははははははははははほははほはははははははほほはははははははははほははははほはははははははははははははははははほははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははほはははははははほははははほほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほははははははほははははははははははははほははははははははははははははははははははははははほはははははほほははははははははははははほははははははははほはははははははははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははほははははははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははほはははははははははははほはははははははははははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははほははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははほははははははははほはははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほほはははははははははははははははほははははははははははははははほはははははははははははほははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははははははほははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほはははははははははははははははははははほはははははははほははははほほはははははほはははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははははははははほははははははははほはははははほははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははほははははははははははははははははははほははははははははははははははははははははほははほはははははははほほはははははははははほははははほはははははははははははははははははほははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははほはははははははほははははほほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほははははははほははははははははははははほははははははははははははははははははははははははほはははははほほははははははははははははほははははははははほはははははははははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははほははははははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははほはははははははははははほはははははははははははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははほははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははほははははははははほはははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほほはははははははははははははははほははははははははははははははほはははははははははははほははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははははははほははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほはははははははははははははははははははほはははははははほははははほほはははははほはははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははははははははほははははははははほはははははほははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははほははははははははははははははははははほははははははははははははははははははははほははほはははははははほほはははははははははほははははほはははははははははははははははははほははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははほはははははははほははははほほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほははははははほははははははははははははほははははははははははははははははははははははははほはははははほほははははははははははははほははははははははほはははははははははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははほははははははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははほはははははははははははほはははははははははははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははほははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははほははははははははほはははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほほはははははははははははははははほははははははははははははははほはははははははははははほははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははははははほははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほはははははははははははははははははははほはははははははほははははほほはははははほはははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははははははははほははははははははほはははははほははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははほははははははははははははははははははほははははははははははははははははははははほははほはははははははほほはははははははははほははははほはははははははははははははははははほははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははほはははははははほははははほほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほははははははほははははははははははははほははははははははははははははははははははははははほはははははほほははははははははははははほははははははははほはははははははははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははほははははははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははほはははははははははははほはははははははははははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははほははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははほははははははははほはははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほほはははははははははははははははほははははははははははははははほはははははははははははほははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははははははほははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほはははははははははははははははははははほはははははははほははははほほはははははほはははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははははははははほははははははははほはははははほははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははほははははははははははははははははははほははははははははははははははははははははほははほはははははははほほはははははははははほははははほはははははははははははははははははほははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははほはははははははほははははほほはははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははははほははははははほははははははははははははほははははははははははははははははははははははははほはははははほほははははははははははははほははははははははほはははははははははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははほははははははははははははははははははははははほははははははははほはははははははははははほはははははははははははほはははははははははははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははははははほはははははほははははははははははははははほはははははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははほははははほははははほはははははははははははははははははははははほははははほはははははははははははははほははははははははほはははははほははははははははははははははははははははははははほははははははははははははははほははははははははははははははははははははほほはははははははははははははははほははははははははははははははほはははははははははははほははははははははははははははほははははははほははははははははほはははははははははははははははははははははははははほははははほはははははほははははははははははははははほはははははは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あれ、俺達何してたんだっけ?」

 俺がそう問いかけると、首を傾げたマリアと目があった。

「何言ってるの、ビル君?」
「……何度も言ってるけどな、俺のことは父さんと呼べと」

というか俺はビル君じゃなくてマシューだろうが。












 あれ、マシューって誰だっけ? まぁ良いか。
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