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第3章 マリア・ダ・ネーク編 side Matthew
26 絶壁 (新章)
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俺マシュー。朝起きたら、隣にオレンジ長髪の少女が寝ていたんだ……。
「おいビルド、説明しろ!」
(あっはっは)
やっぱお前の仕業か! ってか待てよ? そういえばこの少女誰かに似ている気が……マリアか?!
よく見れば髪の色とかもそのままだし、目元もよく似ている気がする。朝になったにも関わらず俺がこの身体の主導権を持ってるのも、マリアがウィリアムからこのちびマリアに移ったからだとすれば説明がつくな。
(ご名答! 学校に行くにも聖女になるにも、その身体じゃあ不便だからね!)
「むにゃ、おはよう……あれ、ワタシ? なんで……」
マリアは寝ぼけていたが、体の様子が違うことに気がついたようで一瞬にして覚醒し股間に手を当ててアレが無いことを確かめ感涙していた。
(それだけじゃないよ。その体は紛れもなく『聖女の器』。傷を癒やしたり、邪を祓ったりできるよ。創世神の加護もついてるから、ちょっとした創造くらいだったらお手の物さ!)
どういう仕組みか、この声は俺とマリアの両方に届いているようだ。
そういえば、新しい体も発育が悪い。まだ育ち盛りとはいえ、今の段階で『全くない』のは将来が絶望的……いや、絶壁的じゃないだろうか。
「ん~? マシュー、どうかした?」にっこり
「イエ、ナンデモナイデス」
(あ、その体、絶壁確定だから。それも男と見間違えるレベルで)
マリアはニッコリ顔のままフリーズした。ビルドはマリアの肩をポンポンと慰めるように叩いていた。いつ体の主導権を奪われたか全くわからなかった。ビルドは上着のポケットから3つの錠剤を取り出した。
「さて、このままじゃ絶壁確定のマリアちゃんに質問です! あなたが落としたのはこのSサイズの豊胸薬? それともMサイズの豊胸薬? はたまたLサイズの豊胸薬?」
(いつの間に作ったんだよ……)
唐突すぎる質問。そしてよく見るとそれぞれの錠剤は大きさが違い、一番小さいものには「S」、中くらいのものには「M」、一番大きいものは硬貨ほどの大きさで「L」と書いてあった。ビルドのことだから、本当にこの質問でマリアが貧乳か巨乳か決定するんだろう。
しかも三択だと……そもそも、胸って、サイズじゃなくてカップで数えるよな?
もしSMLがカップ数だとしたら、『マリア ≪ A ≪ I ≪ L < M < S』。だから、スモール・ミディアム・ラージの大きさの順が逆転するわけだが……どれを選んでも日常生活に支障をきたすレベルの超巨乳だということは変わりなしか。
どの仮説も正解ではないだろう。ビルドがそんなつまらないことをするわけが無い。むしろどれを選んでも貧乳でした、とか、そんな気がする。
そもそもどんなに考えていたとしても、それをマリアに伝える手段が無いけどな。マリアもこの質問が自分の乳を決めるものだと気づいているから真剣そのものだ。
「よし、決めた! ワタシが落とした薬はその3つの内のどれでもありません」
「なんと正直な人でしょう! そんなあなたにはSサイズな胸になる薬とMサイズな胸になる薬とLサイズな胸になる薬の3つをあげましょう」
マリアは崩れ落ちた。模範解答は「どれを選んでも貧乳」ということに気づいてそれを指摘するのが正解だったんだろう。マリア、そういうの苦手だからな……。
「まあ、どれかは飲んどいたほうが良いよ? それらの薬の効果は胸を問答無用でAAサイズにすること。マリアちゃんは将来AAA以下だから豊胸効果ということになるね。マリアちゃん以外が飲んだらまず間違いなく胸が萎むことになるから気をつけてね!」
マリアのこめかみに筋が浮いてるんだが……。
(ところでその体の名前、何にする? その体の名前、まだ決まってないけど)
いつの間にか主導権俺に戻ってるし。じゃあ言っておかなくちゃいけないことがあるな。
「マリア、乳のことだがーー」
ーーキッ!
「睨むなって! 飲むなら多分Sのやつが良いぞ!」
(チッ)
図星か。解説頼む。
(効き始めるまでにかかる時間は、S薬のは即効性。Mは1ヶ月後、Lはそれ以上後。効果時間はどれも死ぬまで。因みに同時服用とか、錠剤を割って服用したときは効果が現れないから、注意してね。じゃ、ボクはこれにてグッパイまた明日☆)
……。ビルドはマリアに怒られるのを恐れて、音信不通になってしまった。残されたのは、怒りの矛先を失ったマリアと、マリアに怯える俺。
「結局名前どうすんだ?」
「……じゃあまたマリアで」
まぁ呼びやすいから良いか……。
「おいビルド、説明しろ!」
(あっはっは)
やっぱお前の仕業か! ってか待てよ? そういえばこの少女誰かに似ている気が……マリアか?!
よく見れば髪の色とかもそのままだし、目元もよく似ている気がする。朝になったにも関わらず俺がこの身体の主導権を持ってるのも、マリアがウィリアムからこのちびマリアに移ったからだとすれば説明がつくな。
(ご名答! 学校に行くにも聖女になるにも、その身体じゃあ不便だからね!)
「むにゃ、おはよう……あれ、ワタシ? なんで……」
マリアは寝ぼけていたが、体の様子が違うことに気がついたようで一瞬にして覚醒し股間に手を当ててアレが無いことを確かめ感涙していた。
(それだけじゃないよ。その体は紛れもなく『聖女の器』。傷を癒やしたり、邪を祓ったりできるよ。創世神の加護もついてるから、ちょっとした創造くらいだったらお手の物さ!)
どういう仕組みか、この声は俺とマリアの両方に届いているようだ。
そういえば、新しい体も発育が悪い。まだ育ち盛りとはいえ、今の段階で『全くない』のは将来が絶望的……いや、絶壁的じゃないだろうか。
「ん~? マシュー、どうかした?」にっこり
「イエ、ナンデモナイデス」
(あ、その体、絶壁確定だから。それも男と見間違えるレベルで)
マリアはニッコリ顔のままフリーズした。ビルドはマリアの肩をポンポンと慰めるように叩いていた。いつ体の主導権を奪われたか全くわからなかった。ビルドは上着のポケットから3つの錠剤を取り出した。
「さて、このままじゃ絶壁確定のマリアちゃんに質問です! あなたが落としたのはこのSサイズの豊胸薬? それともMサイズの豊胸薬? はたまたLサイズの豊胸薬?」
(いつの間に作ったんだよ……)
唐突すぎる質問。そしてよく見るとそれぞれの錠剤は大きさが違い、一番小さいものには「S」、中くらいのものには「M」、一番大きいものは硬貨ほどの大きさで「L」と書いてあった。ビルドのことだから、本当にこの質問でマリアが貧乳か巨乳か決定するんだろう。
しかも三択だと……そもそも、胸って、サイズじゃなくてカップで数えるよな?
もしSMLがカップ数だとしたら、『マリア ≪ A ≪ I ≪ L < M < S』。だから、スモール・ミディアム・ラージの大きさの順が逆転するわけだが……どれを選んでも日常生活に支障をきたすレベルの超巨乳だということは変わりなしか。
どの仮説も正解ではないだろう。ビルドがそんなつまらないことをするわけが無い。むしろどれを選んでも貧乳でした、とか、そんな気がする。
そもそもどんなに考えていたとしても、それをマリアに伝える手段が無いけどな。マリアもこの質問が自分の乳を決めるものだと気づいているから真剣そのものだ。
「よし、決めた! ワタシが落とした薬はその3つの内のどれでもありません」
「なんと正直な人でしょう! そんなあなたにはSサイズな胸になる薬とMサイズな胸になる薬とLサイズな胸になる薬の3つをあげましょう」
マリアは崩れ落ちた。模範解答は「どれを選んでも貧乳」ということに気づいてそれを指摘するのが正解だったんだろう。マリア、そういうの苦手だからな……。
「まあ、どれかは飲んどいたほうが良いよ? それらの薬の効果は胸を問答無用でAAサイズにすること。マリアちゃんは将来AAA以下だから豊胸効果ということになるね。マリアちゃん以外が飲んだらまず間違いなく胸が萎むことになるから気をつけてね!」
マリアのこめかみに筋が浮いてるんだが……。
(ところでその体の名前、何にする? その体の名前、まだ決まってないけど)
いつの間にか主導権俺に戻ってるし。じゃあ言っておかなくちゃいけないことがあるな。
「マリア、乳のことだがーー」
ーーキッ!
「睨むなって! 飲むなら多分Sのやつが良いぞ!」
(チッ)
図星か。解説頼む。
(効き始めるまでにかかる時間は、S薬のは即効性。Mは1ヶ月後、Lはそれ以上後。効果時間はどれも死ぬまで。因みに同時服用とか、錠剤を割って服用したときは効果が現れないから、注意してね。じゃ、ボクはこれにてグッパイまた明日☆)
……。ビルドはマリアに怒られるのを恐れて、音信不通になってしまった。残されたのは、怒りの矛先を失ったマリアと、マリアに怯える俺。
「結局名前どうすんだ?」
「……じゃあまたマリアで」
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