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意思なき呪い
第1話 不思議な怪我
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月曜日に出社するとソイツが机の上にいた。
もう終わりだと思った。
その瞬間に何か鼻から違和感を感じて手で抑える・・・その手には血がべったりと付いていた。
血を認識した瞬間に目の前が真っ暗になって、気がつくと見慣れない天井があった。
どうやら誰かが会社の仮眠室に運んでくれたらしい。
(嫌な匂いがする…)
横を見るとアイツの顔が目の前にあって、叫びながら僕はベットから落ちた。
痛みはまったく感じてなかったが、もう生きてる心地はしなかった。
唖然としてベッドの方を眺めていたが、スッと仮眠室のドアが空いて、同じ部署の先輩が驚いて駆け寄って来てくれた。
「どうした?!大丈夫か?」
「…はい、大丈夫です。急に目眩がしてしまって…。」
「いや、その手…怪我してるだろ」
「えっ?」
頭を触るとぬるっとした感触がして、腕から血が流れていることを知った。
「ちょっと総務に救急箱借りてくるから待ってろ」
そう言って先輩は行ってしまった。
ソイツはベッドの横で首を左右にゆっくり振っている。
(何なんだ、くそっ)
ソイツと目を合わせてはいけない気がして、天井をぼうっと眺める。
(俺はおかしくなってしまったんだろうか)
30分くらい経っただろうか、いやもっと短い時間だったのかもしれない。
不意にノックの音が響いた。
「失礼するね」
入って来たのは情報企画部で部長をしている間宮さんという女性だった。
ソイツには気がついてないのか真っ直ぐに僕の方へくる。
(やっぱり僕にしか見えないんだ)
「総務部から救急箱かりてきたよ、手当が終わったら家まで送るね」
「…えっ、はい、いいんですか?」
何で他部署の人がわざわざ?と思ってよくわからない言葉が出てしまった。
「君の上司から許可は取ってるよ、私は平日って意外と暇なんだよね」
「はぁ…」
「とりあえず消毒したし血も止まったから、荷物とって駐車場にきて」
「いや、やっぱり電車で帰ります…体調良くなって来たし…」
「その血だらけの服で?」
下を見ると白いシャツに鼻血の跡がついていた。
でもさっきよりずっと気分が良かった。
ふとベッドに目をやるとソイツが居なくなっていて、不思議と花のような良い香りがした。
もう終わりだと思った。
その瞬間に何か鼻から違和感を感じて手で抑える・・・その手には血がべったりと付いていた。
血を認識した瞬間に目の前が真っ暗になって、気がつくと見慣れない天井があった。
どうやら誰かが会社の仮眠室に運んでくれたらしい。
(嫌な匂いがする…)
横を見るとアイツの顔が目の前にあって、叫びながら僕はベットから落ちた。
痛みはまったく感じてなかったが、もう生きてる心地はしなかった。
唖然としてベッドの方を眺めていたが、スッと仮眠室のドアが空いて、同じ部署の先輩が驚いて駆け寄って来てくれた。
「どうした?!大丈夫か?」
「…はい、大丈夫です。急に目眩がしてしまって…。」
「いや、その手…怪我してるだろ」
「えっ?」
頭を触るとぬるっとした感触がして、腕から血が流れていることを知った。
「ちょっと総務に救急箱借りてくるから待ってろ」
そう言って先輩は行ってしまった。
ソイツはベッドの横で首を左右にゆっくり振っている。
(何なんだ、くそっ)
ソイツと目を合わせてはいけない気がして、天井をぼうっと眺める。
(俺はおかしくなってしまったんだろうか)
30分くらい経っただろうか、いやもっと短い時間だったのかもしれない。
不意にノックの音が響いた。
「失礼するね」
入って来たのは情報企画部で部長をしている間宮さんという女性だった。
ソイツには気がついてないのか真っ直ぐに僕の方へくる。
(やっぱり僕にしか見えないんだ)
「総務部から救急箱かりてきたよ、手当が終わったら家まで送るね」
「…えっ、はい、いいんですか?」
何で他部署の人がわざわざ?と思ってよくわからない言葉が出てしまった。
「君の上司から許可は取ってるよ、私は平日って意外と暇なんだよね」
「はぁ…」
「とりあえず消毒したし血も止まったから、荷物とって駐車場にきて」
「いや、やっぱり電車で帰ります…体調良くなって来たし…」
「その血だらけの服で?」
下を見ると白いシャツに鼻血の跡がついていた。
でもさっきよりずっと気分が良かった。
ふとベッドに目をやるとソイツが居なくなっていて、不思議と花のような良い香りがした。
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