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第一章 幸せの青い鳥?
1-52 串刺し公討伐(は無理)
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我々が目的地に着くころ、またもや激しい戦いの擦過音が耳に届く。
なんというか、ここまで来る間に私も聞き慣れたような通常の剣戟の音ではなく、すべてが往なされていくかのような、なんというか空を切るような。
いや空を切るのではなく、超絶な剣技により、すべての剣戟が滑らされていき無効化されてしまうかのような嫌な音だ。
角を曲がった先頭のハッサン小隊長が叫んだ。
「あれは何だ⁉」
その歴戦の騎士にさえ、いやそうだからこそ異様と思えるだろう、その光景を私達も見る事となった。
「何、あれ」
そう、そいつは今までの怪物とは違い、図体こそはさほど大きくない。
だが相当手強そう。
なんだろうな、あれは。
まるで何かのSF映画に出てくるような、機械とモンスター、いやクリーチャーとの合成体みたいな何か。
身長はニメートルを大きく超し、そしてずんぐりというか、まるで人間様の何かを何体もグルリとくっつけた上にデコレーションして、輪ないし真ん中がへこんだ形のケーキにしたかのような外観。
そしてどこから生えているのか判別しにくいような感じの、強靭で鞭のように撓る腕? 触手?
その先端には手なのか何なのかよくわからないが、剣のような物が握られている。
剣というか、刃はついていない先は尖った剣状の武器?
あれなら無数の剣戟をいくらでも往なし、その武器はさほど傷めずに相手の刃だけを潰せる。
あの嫌な音はそのための擦過音だ。
そして引き戻しては長く繰り出してくる鋭い突きは非常にパワフルそうで、まともに食らえば人間を鎧ごと簡単に櫛刺しに出来そう。
あれの間合いに入るのはちょっとキツイ。
さっきも一人の騎士が焦って迂闊に踏み込んだら、まとめて十本の槍撃がショットガンというかガトリング砲のように集中した。
それがまた無茶苦茶に速い!
彼は凄まじいステップで、ジグザグに動いて下がり難を逃れた。
あんなものをよく避けられるもんだなあ。
私なら、即座に穴だらけだ。
あの怪物はまるで千寿観音のようだが、あんなに神々しいものではなく、外観はいわゆるクトゥルー的な雰囲気なのだが、妙にメカメカしいイメージだ。
もしかしたら、魔法金属なんかを取り込んで体を強化したりできるのかもしれない。
硬いなんてもんじゃなさそう。
あの団長の渾身の一撃を本体に当てても弾かれてしまいそうな感じだ。
なんという門番が頑張っているんだ。
でも、奴ときたらまるで時間稼ぎをしているかのような地味な戦い方なのだが、それでなんとかなるのかな。
確か、こいつもブレスを使うんじゃなかったのか。
何故そいつを吐かないのか。
もしかすると、消耗を避けて長時間そこで守りを固める腹なのか。
あの強さなら、充分それも有り得る。
「ねえ、ハッサンさん。
時間稼ぎをしたら第二王子って逃げられるのですか?」
「わかりませんな。
悪あがきだとは思うのですが、あるいは第二王子が何か我々の思いもよらぬ手を隠し持っているのか」
うん、目の前にいる奴がまさにそうなんだけど。
じゃあ、とりあえずゴリ押しにしてみるか。
「じゃあ、皆さん。
よろしくお願いいたしますね」
「は?」
「何を?」
またまたあ。もうみんな、惚けちゃってえ。
ほら、アレのお時間ですよ。
「今戦っている人は御疲れだと思いますので、ここから『得意の奴』でいきますかあ」
「あ、ちょっとま」
その台詞を最後まで言わせたら私の負けですね。
さあ、リジェネート・エクスペリエンス・ガトリング!
あっという間に大量の光の戦士がその場に現れた。
これ、さっきの修羅場の間に習得していた超速回復術なんだよね~。
魔力たっぷりの稀人聖女ならではの必殺技だ。
「戦士達に聖女サヤからの祝福を。
さあ、行ってくるのです。
我が光の戦士達!」
そして私は彼らを無理やりに押し出した。
「うわあああ」
「い、いきなりかあ」
「こ、心の準備くらいさせろお」
「この鬼畜聖女!」
「くそう、こうなりゃヤケだ。何回でもやってやらあ」
まあ騎士団長はとっくに駈け出していっていたんで、一足先に光の戦士になっていただきましたがね。
そして重い足取りで一旦戻ってくるリュール達。
「来てくれたか、サヤ。
いや団長がいてくれて助かる」
「彼はさっきもう、手強い魔物を一匹やっつけていましたよ。
でもこいつは更に手強そう」
先行チームはもうボロボロだったので、とりあえず聖女サヤから各種回復魔法の祝福を。
それから用意しておいた暖かい飲み物と、サンドイッチにホットドッグ、そしてシュークリームなんかのすぐ食べられる補給糧食を支給した。
本当は戦闘前に胃に食べ物を入れたらいけないのだろうけど、まあうちの回復魔法があるなら死なないだろうし。
それから回復隊皆で聖水や強力な武器なんかを大量に配り、その合間に、聖女自ら生き地獄へ送り込んだ連中のサポートの回復魔法を放った。
しかし!
あれだけの、まだフレッシュな人員を投入してなお、あの怪物はさして変わらず剣戟を捌き続け、擦過音が激しくなり耳障りが増した。
十二人の騎士と十人の近衛兵、それに増援の騎士三十名が戦って、なおも一撃すら奴の懐に食らわせる事ができない。
間合いが遠すぎるのだ。
一気に片を付けるのはもう諦めて、また交代方式に切り替えた。
そうしないと、騎士達の心が持たない。
リュールさんも思いっきり顔を顰めた。
「く、化け物め。
マースデン王国はなんという怪物を擁しているのか」
「うわあ、本当に千手観音みたいな奴だなあ。
そのくせ、まったく攻撃に転じてこないなんて。
来られても逃げ出すしか出来ないんで困るけど。
これじゃ千日手じゃないですか。
どうします?」
「ふむ。
チュール、一瞬でいいから奴の攻撃をすべて防いでくれないか」
『サヤ、なんか無茶な事をやろうとしている人がいる。
一旦止めた隙に自分が飛び込む気だよ、うちのボーヤ』
こんな時だけど、私は思わずクスっとしてしまった。
チュールは御当主様の子供も同然、だからあの家の子であるリュールさんは『弟』みたいなものなんだろう。
もしかすると、チュールはリュールさんが生まれる前からあの家にいるのかもしれない。
「じゃあさあ、みんな。
どうせならアメフトしようよ。
せっかくアメフトの紅白試合が2チームやれるくらいの人数がいるんだからさ」
「アメフト?」
「うん。
一気に勝負をつけないで、少しずつ『押し込んでいく』のよ。
あいつと一緒で別に勝たなくてもいいの。
あいつにドアの前からどいてもらって、その隙に数人が強引に突破すればいいわ。
魔物使いを倒せば、あるいは降参させれば、あの魔物を大人しくさせられるでしょ?」
皆が顔を見合わせた。
「だが、どうやって。
それが出来れば苦労はせんが」
「ご安心を。
だって盾魔物のチュールと、この聖女サヤがいるんだから。
『聖女サヤが』ね」
人員交代のために戻ってきていた騎士達の顔が、みるみるうちに蒼ざめていった。
「ま、まさかと思うが、サヤ殿!」
そして私は何も言わず、ただにっこりと聖女の微笑みを返した。
少なくとも、それは天使の笑みでだけは絶対になかった。
彼らにも段々とわかってきたようだ。
この聖女サヤの思考形態というものが。
「鬼畜」
「鬼」
「これこそ魔物」
「我らには死さえも許されぬという訳なのだな?」
「鬼畜聖女、ここに極まれり」
これはまた素晴らしい反響が帰ってきたものだ。
てめえら、ゴチャゴチャうるさいぞ。
文句があるんなら、この事態を自力でなんとかしてみせろ!
「じゃあ、どうしますか。
ほっとくと、時間稼ぎをしているかもしれない第二王子が逃げてしまうかも」
これには騎士達も難しい顔をした。
そうなれば、また面倒な事になる。
というか、本日の任務が見事に失敗扱いだ。
ここまでの苦労が水の泡だし、王宮がこの惨状だというのに肝心の第二王子を逃がしたとあらば、もう目も当てられない。
だからイケメンは、あっさりと決断した。
「よし、ではやるか」
「あ、リュールさんの班は突入班ですからね。
そっちは最初にいた騎士団2チーム分の十二名にしましょう。
精鋭を選抜してくださいな。
すみませんが、超『凶行』手段にてあれの相手をしますので、さすがに突入後の応援は一切出せませんから、そっちはそっちでなんとかお願いします」
「わかった」
「あ、騎士団長は、ただ串刺しになる役ではなく、先頭であれを思いっきり押す役ですから。
まあ結果的に他の連中同様に串刺しになるのかもしれませんが、その上で頑張ってください」
なんていったかな。
アメフトで押し合いのラインを組んで、その中心にいる押し鞍饅頭のリーダーみたいな奴。
何しろ、あの不死身そうな怪物の真ん前に立つ役ですからね~。
だが彼は男前に叫んだ。
「任せておけ。
サヤ、回復役は任せたぞ。
では一度交代で出たら、あの連中にも作戦を伝えて、そこで全回復してからゆくか。
いや腕がなるのう」
団長の宣言を聞いていた騎士達は、その団長のある意味ではイケメンな台詞に更に絶望を深めた。
なんというか、ここまで来る間に私も聞き慣れたような通常の剣戟の音ではなく、すべてが往なされていくかのような、なんというか空を切るような。
いや空を切るのではなく、超絶な剣技により、すべての剣戟が滑らされていき無効化されてしまうかのような嫌な音だ。
角を曲がった先頭のハッサン小隊長が叫んだ。
「あれは何だ⁉」
その歴戦の騎士にさえ、いやそうだからこそ異様と思えるだろう、その光景を私達も見る事となった。
「何、あれ」
そう、そいつは今までの怪物とは違い、図体こそはさほど大きくない。
だが相当手強そう。
なんだろうな、あれは。
まるで何かのSF映画に出てくるような、機械とモンスター、いやクリーチャーとの合成体みたいな何か。
身長はニメートルを大きく超し、そしてずんぐりというか、まるで人間様の何かを何体もグルリとくっつけた上にデコレーションして、輪ないし真ん中がへこんだ形のケーキにしたかのような外観。
そしてどこから生えているのか判別しにくいような感じの、強靭で鞭のように撓る腕? 触手?
その先端には手なのか何なのかよくわからないが、剣のような物が握られている。
剣というか、刃はついていない先は尖った剣状の武器?
あれなら無数の剣戟をいくらでも往なし、その武器はさほど傷めずに相手の刃だけを潰せる。
あの嫌な音はそのための擦過音だ。
そして引き戻しては長く繰り出してくる鋭い突きは非常にパワフルそうで、まともに食らえば人間を鎧ごと簡単に櫛刺しに出来そう。
あれの間合いに入るのはちょっとキツイ。
さっきも一人の騎士が焦って迂闊に踏み込んだら、まとめて十本の槍撃がショットガンというかガトリング砲のように集中した。
それがまた無茶苦茶に速い!
彼は凄まじいステップで、ジグザグに動いて下がり難を逃れた。
あんなものをよく避けられるもんだなあ。
私なら、即座に穴だらけだ。
あの怪物はまるで千寿観音のようだが、あんなに神々しいものではなく、外観はいわゆるクトゥルー的な雰囲気なのだが、妙にメカメカしいイメージだ。
もしかしたら、魔法金属なんかを取り込んで体を強化したりできるのかもしれない。
硬いなんてもんじゃなさそう。
あの団長の渾身の一撃を本体に当てても弾かれてしまいそうな感じだ。
なんという門番が頑張っているんだ。
でも、奴ときたらまるで時間稼ぎをしているかのような地味な戦い方なのだが、それでなんとかなるのかな。
確か、こいつもブレスを使うんじゃなかったのか。
何故そいつを吐かないのか。
もしかすると、消耗を避けて長時間そこで守りを固める腹なのか。
あの強さなら、充分それも有り得る。
「ねえ、ハッサンさん。
時間稼ぎをしたら第二王子って逃げられるのですか?」
「わかりませんな。
悪あがきだとは思うのですが、あるいは第二王子が何か我々の思いもよらぬ手を隠し持っているのか」
うん、目の前にいる奴がまさにそうなんだけど。
じゃあ、とりあえずゴリ押しにしてみるか。
「じゃあ、皆さん。
よろしくお願いいたしますね」
「は?」
「何を?」
またまたあ。もうみんな、惚けちゃってえ。
ほら、アレのお時間ですよ。
「今戦っている人は御疲れだと思いますので、ここから『得意の奴』でいきますかあ」
「あ、ちょっとま」
その台詞を最後まで言わせたら私の負けですね。
さあ、リジェネート・エクスペリエンス・ガトリング!
あっという間に大量の光の戦士がその場に現れた。
これ、さっきの修羅場の間に習得していた超速回復術なんだよね~。
魔力たっぷりの稀人聖女ならではの必殺技だ。
「戦士達に聖女サヤからの祝福を。
さあ、行ってくるのです。
我が光の戦士達!」
そして私は彼らを無理やりに押し出した。
「うわあああ」
「い、いきなりかあ」
「こ、心の準備くらいさせろお」
「この鬼畜聖女!」
「くそう、こうなりゃヤケだ。何回でもやってやらあ」
まあ騎士団長はとっくに駈け出していっていたんで、一足先に光の戦士になっていただきましたがね。
そして重い足取りで一旦戻ってくるリュール達。
「来てくれたか、サヤ。
いや団長がいてくれて助かる」
「彼はさっきもう、手強い魔物を一匹やっつけていましたよ。
でもこいつは更に手強そう」
先行チームはもうボロボロだったので、とりあえず聖女サヤから各種回復魔法の祝福を。
それから用意しておいた暖かい飲み物と、サンドイッチにホットドッグ、そしてシュークリームなんかのすぐ食べられる補給糧食を支給した。
本当は戦闘前に胃に食べ物を入れたらいけないのだろうけど、まあうちの回復魔法があるなら死なないだろうし。
それから回復隊皆で聖水や強力な武器なんかを大量に配り、その合間に、聖女自ら生き地獄へ送り込んだ連中のサポートの回復魔法を放った。
しかし!
あれだけの、まだフレッシュな人員を投入してなお、あの怪物はさして変わらず剣戟を捌き続け、擦過音が激しくなり耳障りが増した。
十二人の騎士と十人の近衛兵、それに増援の騎士三十名が戦って、なおも一撃すら奴の懐に食らわせる事ができない。
間合いが遠すぎるのだ。
一気に片を付けるのはもう諦めて、また交代方式に切り替えた。
そうしないと、騎士達の心が持たない。
リュールさんも思いっきり顔を顰めた。
「く、化け物め。
マースデン王国はなんという怪物を擁しているのか」
「うわあ、本当に千手観音みたいな奴だなあ。
そのくせ、まったく攻撃に転じてこないなんて。
来られても逃げ出すしか出来ないんで困るけど。
これじゃ千日手じゃないですか。
どうします?」
「ふむ。
チュール、一瞬でいいから奴の攻撃をすべて防いでくれないか」
『サヤ、なんか無茶な事をやろうとしている人がいる。
一旦止めた隙に自分が飛び込む気だよ、うちのボーヤ』
こんな時だけど、私は思わずクスっとしてしまった。
チュールは御当主様の子供も同然、だからあの家の子であるリュールさんは『弟』みたいなものなんだろう。
もしかすると、チュールはリュールさんが生まれる前からあの家にいるのかもしれない。
「じゃあさあ、みんな。
どうせならアメフトしようよ。
せっかくアメフトの紅白試合が2チームやれるくらいの人数がいるんだからさ」
「アメフト?」
「うん。
一気に勝負をつけないで、少しずつ『押し込んでいく』のよ。
あいつと一緒で別に勝たなくてもいいの。
あいつにドアの前からどいてもらって、その隙に数人が強引に突破すればいいわ。
魔物使いを倒せば、あるいは降参させれば、あの魔物を大人しくさせられるでしょ?」
皆が顔を見合わせた。
「だが、どうやって。
それが出来れば苦労はせんが」
「ご安心を。
だって盾魔物のチュールと、この聖女サヤがいるんだから。
『聖女サヤが』ね」
人員交代のために戻ってきていた騎士達の顔が、みるみるうちに蒼ざめていった。
「ま、まさかと思うが、サヤ殿!」
そして私は何も言わず、ただにっこりと聖女の微笑みを返した。
少なくとも、それは天使の笑みでだけは絶対になかった。
彼らにも段々とわかってきたようだ。
この聖女サヤの思考形態というものが。
「鬼畜」
「鬼」
「これこそ魔物」
「我らには死さえも許されぬという訳なのだな?」
「鬼畜聖女、ここに極まれり」
これはまた素晴らしい反響が帰ってきたものだ。
てめえら、ゴチャゴチャうるさいぞ。
文句があるんなら、この事態を自力でなんとかしてみせろ!
「じゃあ、どうしますか。
ほっとくと、時間稼ぎをしているかもしれない第二王子が逃げてしまうかも」
これには騎士達も難しい顔をした。
そうなれば、また面倒な事になる。
というか、本日の任務が見事に失敗扱いだ。
ここまでの苦労が水の泡だし、王宮がこの惨状だというのに肝心の第二王子を逃がしたとあらば、もう目も当てられない。
だからイケメンは、あっさりと決断した。
「よし、ではやるか」
「あ、リュールさんの班は突入班ですからね。
そっちは最初にいた騎士団2チーム分の十二名にしましょう。
精鋭を選抜してくださいな。
すみませんが、超『凶行』手段にてあれの相手をしますので、さすがに突入後の応援は一切出せませんから、そっちはそっちでなんとかお願いします」
「わかった」
「あ、騎士団長は、ただ串刺しになる役ではなく、先頭であれを思いっきり押す役ですから。
まあ結果的に他の連中同様に串刺しになるのかもしれませんが、その上で頑張ってください」
なんていったかな。
アメフトで押し合いのラインを組んで、その中心にいる押し鞍饅頭のリーダーみたいな奴。
何しろ、あの不死身そうな怪物の真ん前に立つ役ですからね~。
だが彼は男前に叫んだ。
「任せておけ。
サヤ、回復役は任せたぞ。
では一度交代で出たら、あの連中にも作戦を伝えて、そこで全回復してからゆくか。
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