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第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-47 サービス特典
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「お、マジなのかい」
「アレヲミヨ」
そして、何故か今回は演出までグレードアップしていて、どこからかドラムの音がステレオで流れてきて、そこに白い布をかけられていた物にスポットライトが当てられている。
そして勿体をつけながら賞品から布が取り払われた。
それは見事な鎧であった。
フルプレートのようなゴツイ物ではなく、見かけはそうたいした物には見えないのだが、おそらく俺の動きをあまり疎外しないような、自動で体にフィットする感じの逸品なのだ。
今のターワンが使っているのと同じような物だろう。
人間が着込む物だから、さらに手がかかっているはずだ。
それでいて見事な防御力を発揮する、『コンロンの盟主』謹製の品なのだろう。
やはりここに現れる盟主が用意してくれていたものなのらしい。
前回はドラゴナイトも初めて呼ばれたらしく、なんか不慣れな様子だったが、今回はまるで芝居小屋の司会者みたいに手慣れているみたいな感じだ。
しかし、この鎧は是非とも手に入れたいものだな。
更にここからグレードアップするというのか。
ただし、ここの番人のやる事だから、すんなりいくとはとても思えない。
「ショウヒンハ、【シレンノナイヨウニヨッテ】グレードアップスル」
それを聞いて俺は大爆笑した。
やっぱり、そうきましたか。
あんたのやる事なんか最初からわかっていたぜ。
「そいつは確かにな。
実に理に叶っている。
いいぜ、望むところだ」
「サスガハ、ワレガミコンダオトコダケアル。
マスマスキニイッタ。
デハモウヒトツオマケデ、グレードアップノチャンスヲ、プラスデツケテヤロウ。
タダシ、キビシイゾ。
ギブアップスレバ、スベテガキエル」
「構わないよ、ありがたい話だね。
話を聞こうじゃないか」
ノーリスクのギブアップ制度は顕在か。
相変わらずの大サービスぶりだな、コンロンのドラゴ導師よ。
「ダイイチノショウヒンハ、フツウノコース。
タダノマホウノヨロイダ。
テキノマホウヲ10パーセントハネカエス。
ブツリコウゲキニハ、マホウデカナリタイセイヲアゲテイル。
ソウチャクシャノウゴキモ、キョクリョクソガイシナイ」
「ふむ、それでも結構いい鎧じゃないか」
「ダガ、コレハショセン、リピーターヘノサービスコースニスギナイ。
キサマノヨウナ、ツワモノニトッテハ、ハジイガイノナニモノデモナイコースダ」
「へえ、それはまた嬉しい評価だな。
それでそいつからのからのグレードアップの条件と、その賞品は?」
またしてもドラムの音が鳴り響き、今度は銀の布がかけられていた。
さらにスポットライトの灯りが眩しく映えていた。
「コレガ、ダイニノコース、ミスリルノマホウヨロイ。
マホウコウゲキヲ50パーセント、ハネカエス。
ブツリコウゲキモ、オリハルコンニヨル、コウゲキニサエタエル、キョウカバンナノダ。
タダシ、コノシレンニオイテ、ブキノシヨウハ、イッサイゲンキンダ。
ココマデガ、イノチアッテノモノダネコースヨ」
こいつも対応が手慣れてきたものか、口上にも趣味が入ってきている気がするな。
素手でゴロマキか、コース的には先輩好みだね。
あるいはマロウスかリナあたり?
「ソシテ、サイゴノシレンノショウヒンハ、コレダ!」
今度はドラムが増量の四個での登場で、金色に輝く布が、これでもかというくらいに照らされていた。
俺の仲間達が、全員お座りで楽しそうにそれを見ている。
もう彼らの中では、俺がどのコースに行くかなんて、最初から決まっているのだ。
そして俺自身もその期待を裏切るつもりなど毛頭ない。
「コレコソハ、ゲンザイノテモチノナカデ、サイコウノボウグ。
オリハルコンノ、マホウヨロイ」
へえ、『防具の中で』か。
それならあと最低でも、もう一回くらいはここへ来なくちゃなあ。
「ソシテ、コレコソハ、マホウボウギョ100パーセントニシテ、ソノマリョクヲキュウシュウシ、ボウギョリョクヲ、ゾウキョウスル。
サラニ、ブツリボウギョハサイコウニシテ、ショウゲキモキュウシュウシテ、ボウギョヲアゲテクレル」
おう、こいつはまたサービス満点だな。
「ソノウエ、ジドウシュウフクシ、カラダノカイフクキノウモアリ。
シュウノウキノウデコンパクトニシテ、ピンチノサイニハ、ジドウテンカイマデスル、キノウツキダ。
オマケニ、ホカノヨロイモゼンブツケテ、イマナラマトメテイタダケル、ダイチャンス。
サア、オクサンヤスイヨ」
なんだか、露天市場の叩き売りの口上みたいになってきたな。
でも確かに凄いサービスだな。
これは明らかに盟主様が、勇者とは名ばかりのこの俺に邪神と対決させようとしているとしか思えん。
聖女から見て勇者とは何か。
それは【絶対に倒せない邪神を封印する時間を稼ぐための肉壁】に他ならない。
この盟主、なんという鬼畜だ。
だんだん、こいつの正体がわかってきたような気がするのは俺だけだろうか。
「そんな物は貰いに行くのに決まっておろうがあ」
ここでこの鎧を貰っておかないと、今の装備のまま邪神と対決とか十分にありえるのだ。
いくらなんでも、そんなの嫌すぎるだろうが~。
「ヨクゾイッタ。
ウワノセノジョウケンハコウダ。
ブキハモタズ、スデデワレサンニンマエヲ、ミゴトニタオシテミセヨ」
「アレヲミヨ」
そして、何故か今回は演出までグレードアップしていて、どこからかドラムの音がステレオで流れてきて、そこに白い布をかけられていた物にスポットライトが当てられている。
そして勿体をつけながら賞品から布が取り払われた。
それは見事な鎧であった。
フルプレートのようなゴツイ物ではなく、見かけはそうたいした物には見えないのだが、おそらく俺の動きをあまり疎外しないような、自動で体にフィットする感じの逸品なのだ。
今のターワンが使っているのと同じような物だろう。
人間が着込む物だから、さらに手がかかっているはずだ。
それでいて見事な防御力を発揮する、『コンロンの盟主』謹製の品なのだろう。
やはりここに現れる盟主が用意してくれていたものなのらしい。
前回はドラゴナイトも初めて呼ばれたらしく、なんか不慣れな様子だったが、今回はまるで芝居小屋の司会者みたいに手慣れているみたいな感じだ。
しかし、この鎧は是非とも手に入れたいものだな。
更にここからグレードアップするというのか。
ただし、ここの番人のやる事だから、すんなりいくとはとても思えない。
「ショウヒンハ、【シレンノナイヨウニヨッテ】グレードアップスル」
それを聞いて俺は大爆笑した。
やっぱり、そうきましたか。
あんたのやる事なんか最初からわかっていたぜ。
「そいつは確かにな。
実に理に叶っている。
いいぜ、望むところだ」
「サスガハ、ワレガミコンダオトコダケアル。
マスマスキニイッタ。
デハモウヒトツオマケデ、グレードアップノチャンスヲ、プラスデツケテヤロウ。
タダシ、キビシイゾ。
ギブアップスレバ、スベテガキエル」
「構わないよ、ありがたい話だね。
話を聞こうじゃないか」
ノーリスクのギブアップ制度は顕在か。
相変わらずの大サービスぶりだな、コンロンのドラゴ導師よ。
「ダイイチノショウヒンハ、フツウノコース。
タダノマホウノヨロイダ。
テキノマホウヲ10パーセントハネカエス。
ブツリコウゲキニハ、マホウデカナリタイセイヲアゲテイル。
ソウチャクシャノウゴキモ、キョクリョクソガイシナイ」
「ふむ、それでも結構いい鎧じゃないか」
「ダガ、コレハショセン、リピーターヘノサービスコースニスギナイ。
キサマノヨウナ、ツワモノニトッテハ、ハジイガイノナニモノデモナイコースダ」
「へえ、それはまた嬉しい評価だな。
それでそいつからのからのグレードアップの条件と、その賞品は?」
またしてもドラムの音が鳴り響き、今度は銀の布がかけられていた。
さらにスポットライトの灯りが眩しく映えていた。
「コレガ、ダイニノコース、ミスリルノマホウヨロイ。
マホウコウゲキヲ50パーセント、ハネカエス。
ブツリコウゲキモ、オリハルコンニヨル、コウゲキニサエタエル、キョウカバンナノダ。
タダシ、コノシレンニオイテ、ブキノシヨウハ、イッサイゲンキンダ。
ココマデガ、イノチアッテノモノダネコースヨ」
こいつも対応が手慣れてきたものか、口上にも趣味が入ってきている気がするな。
素手でゴロマキか、コース的には先輩好みだね。
あるいはマロウスかリナあたり?
「ソシテ、サイゴノシレンノショウヒンハ、コレダ!」
今度はドラムが増量の四個での登場で、金色に輝く布が、これでもかというくらいに照らされていた。
俺の仲間達が、全員お座りで楽しそうにそれを見ている。
もう彼らの中では、俺がどのコースに行くかなんて、最初から決まっているのだ。
そして俺自身もその期待を裏切るつもりなど毛頭ない。
「コレコソハ、ゲンザイノテモチノナカデ、サイコウノボウグ。
オリハルコンノ、マホウヨロイ」
へえ、『防具の中で』か。
それならあと最低でも、もう一回くらいはここへ来なくちゃなあ。
「ソシテ、コレコソハ、マホウボウギョ100パーセントニシテ、ソノマリョクヲキュウシュウシ、ボウギョリョクヲ、ゾウキョウスル。
サラニ、ブツリボウギョハサイコウニシテ、ショウゲキモキュウシュウシテ、ボウギョヲアゲテクレル」
おう、こいつはまたサービス満点だな。
「ソノウエ、ジドウシュウフクシ、カラダノカイフクキノウモアリ。
シュウノウキノウデコンパクトニシテ、ピンチノサイニハ、ジドウテンカイマデスル、キノウツキダ。
オマケニ、ホカノヨロイモゼンブツケテ、イマナラマトメテイタダケル、ダイチャンス。
サア、オクサンヤスイヨ」
なんだか、露天市場の叩き売りの口上みたいになってきたな。
でも確かに凄いサービスだな。
これは明らかに盟主様が、勇者とは名ばかりのこの俺に邪神と対決させようとしているとしか思えん。
聖女から見て勇者とは何か。
それは【絶対に倒せない邪神を封印する時間を稼ぐための肉壁】に他ならない。
この盟主、なんという鬼畜だ。
だんだん、こいつの正体がわかってきたような気がするのは俺だけだろうか。
「そんな物は貰いに行くのに決まっておろうがあ」
ここでこの鎧を貰っておかないと、今の装備のまま邪神と対決とか十分にありえるのだ。
いくらなんでも、そんなの嫌すぎるだろうが~。
「ヨクゾイッタ。
ウワノセノジョウケンハコウダ。
ブキハモタズ、スデデワレサンニンマエヲ、ミゴトニタオシテミセヨ」
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