112 / 169
第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-25 バトル系コンビ
しおりを挟む
「おい、新人の見習い下積み期間はどうしたんだよ」
「そんな物はパスした。
運否天賦でスキルを刻んだら凄いのが出ちゃった。
全格闘奥義免許皆伝よ。
しかもダメージが蓄積するとウルトラブーストがかかって限界突破するわ。
大概の魔物なんかフルボッコに出来るもの。
速攻即戦力扱いで中級パーティからスカウト来たわ」
ついにこの人生において、下積み修行を抜きで冒険者になった奴と遭遇したな。
しかも凄まじい大当たりを引き当てた奴と。
あの、お姉ちゃんも止めなかったのかね。
こいつの場合は止めても無駄だったのかもしれないが。
「嘘っ‼
そもそも、君ってお姉さんと同じで魔法使いだろうに。
本当に滅茶苦茶だな。
なんか、すげえ反則な奴がおる」
だがリナは腕組みし、そっくり返って胸を張った。
「へへん、元々そっちの方も才能あったのよ。
体を動かすのは好きだしさ。
魔法は別にアイテムで強化できるしね」
まあ魂が欲するもの、渇望する物がスキルに現れるのだから、それも決して間違ってはいない訳なのだが。
「よくそんな事を冒険者協会が許してくれたな。
人生一発勝負なんてありえないぜ。
俺なんか下積み生活で一年間殴られまくった上に、そこから更に何度死んだと思った事か」
しかも、そこまで慎重に頑張ったのに、究極の外れ野郎とまで言われちまったのだから。
世の中は本当に不公平だぜ。
リナの奴なんか魔法使いとしてはスキルを完全に外している上に、近接最強ってなんだよ。
さすがにその二枚看板は反則じゃないか。
「あははは、人生なんて楽観的にいった方がいい感じよ」
「お前って、いつか人生ルーレットで身を持ち崩す気がする~」
「望むところよー」
そして、なんとそこでメイドさんが突然にこう言ったのだ。
「お嬢様、敵が現れました。
オークナイトです。殺りますか」
こいつ、声が重厚というか重低音が利いているというか、えらくドスが利いていやがる。
これのどこがメイドさんだよ。
まあ人間じゃあないんだしな。
しかも、機械のくせに殺る気満々じゃねえかよ。
「おい、ここっていきなり上層の上っ面でオークナイトが出るのか⁉」
「最近は、そういう事も含めておかしいみたいよ。
初級立ち入り禁止になるわけだわ」
「ああ、確かこいつって、普通のオークの五倍くらい手強い奴だろう」
「うん、それに武具がね、また強力なのよ」
ここのオークナイトの野郎どもは豚頭の癖に、なんてスタイルしていやがるのか。
フルプレートを着込んで、手には馬上騎士用の槍を持っていて、まるで魔物騎士であるかのようだ。
まあ確かに自力で馬並みの突進力はありそうだけどなあ。
そいつがまとめて五体か。
上等だ、やってやらあ。
だが最初に突っ込んでいった奴はメタルゴーレム、いやリナの自称オートマタだった。
なんていうか、重量級同士の戦いだったのだが、そいつの抜き手は見事に相手の金属鎧を裏側まで見事に貫通した。
こ、これだから、からくりの機械って言う奴は。
「おい、こいつって全身がヤバイ金属でできてないか?
特殊鋼製らしきフルプレートが、まるで薄紙同然にぶち抜かれているし。
それに、なんてパワーだよ」
「みたいね。
ねえナタリー、そいつらの首だけ落としてちょうだい。
穴を空けると鎧の価値が下がるわ」
「かしこまりました、お嬢様」
殊勝な事を言っているが、メイドにしては異様に声が野太いな、ナタリー。
大体、名前が全然似合っていないし。
まあ本人達がよければいいんだけどさ。
そして次に風のようにお嬢様が舞った。
「へえ、こいつは」
彼女は、瞬く間に二匹のオークナイトの脳天を両の足を使って片方ずつ使って砕き、すかさず飛び込んできた三頭目の大剣を腕でブロックした。
これがコーティングの威力って奴なのか。
やたらと堅い音を弾かせて、しかもオークは仰け反った。
コーティングの力だけじゃなくて、リナも力が強いんだ。
いや、上手くタイミングに乗せて弾いたのもあるのか。
それに格闘技関連スキルのお蔭で力も上がっているのだろう。
先輩じゃないけど、今の俺はどれくらい固いのかな。
さすがの俺も、かなりパワーのありそうなオークナイトの、渾身の力を込めた大剣に切りつけさせて耐久性を試す気にはならない。
リタは、もう最後の一体になったそいつが仰け反った姿勢のままナタリーの方へ向かうようにと空中で蹴り出し、ナタリーは間髪を入れずにチョップですっぱりとオークの首を切り落とした。
おい!
手刀が、まるで包丁並みに切れ味がいいな。
結構ヤバイよ、ナタリーの奴は。
さすがは六×六の最強出目に、主の運否天賦も合わせて出現した特大宝箱の恩恵を受けているだけの事はある。
主とのコンビネーションもバッチリだし。
「そんな物はパスした。
運否天賦でスキルを刻んだら凄いのが出ちゃった。
全格闘奥義免許皆伝よ。
しかもダメージが蓄積するとウルトラブーストがかかって限界突破するわ。
大概の魔物なんかフルボッコに出来るもの。
速攻即戦力扱いで中級パーティからスカウト来たわ」
ついにこの人生において、下積み修行を抜きで冒険者になった奴と遭遇したな。
しかも凄まじい大当たりを引き当てた奴と。
あの、お姉ちゃんも止めなかったのかね。
こいつの場合は止めても無駄だったのかもしれないが。
「嘘っ‼
そもそも、君ってお姉さんと同じで魔法使いだろうに。
本当に滅茶苦茶だな。
なんか、すげえ反則な奴がおる」
だがリナは腕組みし、そっくり返って胸を張った。
「へへん、元々そっちの方も才能あったのよ。
体を動かすのは好きだしさ。
魔法は別にアイテムで強化できるしね」
まあ魂が欲するもの、渇望する物がスキルに現れるのだから、それも決して間違ってはいない訳なのだが。
「よくそんな事を冒険者協会が許してくれたな。
人生一発勝負なんてありえないぜ。
俺なんか下積み生活で一年間殴られまくった上に、そこから更に何度死んだと思った事か」
しかも、そこまで慎重に頑張ったのに、究極の外れ野郎とまで言われちまったのだから。
世の中は本当に不公平だぜ。
リナの奴なんか魔法使いとしてはスキルを完全に外している上に、近接最強ってなんだよ。
さすがにその二枚看板は反則じゃないか。
「あははは、人生なんて楽観的にいった方がいい感じよ」
「お前って、いつか人生ルーレットで身を持ち崩す気がする~」
「望むところよー」
そして、なんとそこでメイドさんが突然にこう言ったのだ。
「お嬢様、敵が現れました。
オークナイトです。殺りますか」
こいつ、声が重厚というか重低音が利いているというか、えらくドスが利いていやがる。
これのどこがメイドさんだよ。
まあ人間じゃあないんだしな。
しかも、機械のくせに殺る気満々じゃねえかよ。
「おい、ここっていきなり上層の上っ面でオークナイトが出るのか⁉」
「最近は、そういう事も含めておかしいみたいよ。
初級立ち入り禁止になるわけだわ」
「ああ、確かこいつって、普通のオークの五倍くらい手強い奴だろう」
「うん、それに武具がね、また強力なのよ」
ここのオークナイトの野郎どもは豚頭の癖に、なんてスタイルしていやがるのか。
フルプレートを着込んで、手には馬上騎士用の槍を持っていて、まるで魔物騎士であるかのようだ。
まあ確かに自力で馬並みの突進力はありそうだけどなあ。
そいつがまとめて五体か。
上等だ、やってやらあ。
だが最初に突っ込んでいった奴はメタルゴーレム、いやリナの自称オートマタだった。
なんていうか、重量級同士の戦いだったのだが、そいつの抜き手は見事に相手の金属鎧を裏側まで見事に貫通した。
こ、これだから、からくりの機械って言う奴は。
「おい、こいつって全身がヤバイ金属でできてないか?
特殊鋼製らしきフルプレートが、まるで薄紙同然にぶち抜かれているし。
それに、なんてパワーだよ」
「みたいね。
ねえナタリー、そいつらの首だけ落としてちょうだい。
穴を空けると鎧の価値が下がるわ」
「かしこまりました、お嬢様」
殊勝な事を言っているが、メイドにしては異様に声が野太いな、ナタリー。
大体、名前が全然似合っていないし。
まあ本人達がよければいいんだけどさ。
そして次に風のようにお嬢様が舞った。
「へえ、こいつは」
彼女は、瞬く間に二匹のオークナイトの脳天を両の足を使って片方ずつ使って砕き、すかさず飛び込んできた三頭目の大剣を腕でブロックした。
これがコーティングの威力って奴なのか。
やたらと堅い音を弾かせて、しかもオークは仰け反った。
コーティングの力だけじゃなくて、リナも力が強いんだ。
いや、上手くタイミングに乗せて弾いたのもあるのか。
それに格闘技関連スキルのお蔭で力も上がっているのだろう。
先輩じゃないけど、今の俺はどれくらい固いのかな。
さすがの俺も、かなりパワーのありそうなオークナイトの、渾身の力を込めた大剣に切りつけさせて耐久性を試す気にはならない。
リタは、もう最後の一体になったそいつが仰け反った姿勢のままナタリーの方へ向かうようにと空中で蹴り出し、ナタリーは間髪を入れずにチョップですっぱりとオークの首を切り落とした。
おい!
手刀が、まるで包丁並みに切れ味がいいな。
結構ヤバイよ、ナタリーの奴は。
さすがは六×六の最強出目に、主の運否天賦も合わせて出現した特大宝箱の恩恵を受けているだけの事はある。
主とのコンビネーションもバッチリだし。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた
アタラクシア
ファンタジー
人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。
はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。
目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。
クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。
――根源に至る『四騎士』
――世界征服を企む『ナイトメア』
――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』
異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。
はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。
長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる