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第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-23 地獄の使者?
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「でも錬金ボックスも欲しかったなあ。
導師への御土産にしたかったのに」
だが、それを聞いたリナが悪戯っぽく笑った。
「じゃあ、もう一回宝箱を探さない?
あなたのスキルで。
私の錬金ボックスは譲ってあげるから、次に出た宝箱は全部あたしにちょうだい。
それが全部外れでも文句は言わないから」
「出たな、リナ得意の運否天賦勝負」
「上手く嵌まる事も少なくないけど、大概はスカなのよね」
「ええい、夢は大きくなの!」
そうかあ、それでリナはいい物を二つも持っているんだ。
「ようし、その賭けに俺も乗った」
そして今度は俺も気合を入れて、サイコロまで使用した。
リナの運否天賦な前しか向いていないような強運ハートに賭けるぜ。
そして出た。
久し振りのサイコロ&ルーレット、運否天賦の六×六の奇跡。
いや、あのオークの時はヤバかったなあ。
思えば、あの時から姐御達との縁が始まったのだ。
あいつら、レント達は元気にしているかな。
今のスキルのバージョンならば、俺は素手でさえ、あのオークを湧かなくなるまで倒し尽くせる事だろう。
「おい、リナ。
凄くいい目が出たぜ!
こいつは行けそう!」
「本当~」
「えー、わかるの。
そんな事が前もって」
「それは大事な事だよ。
悪い出目だったら、今すぐ逃げ出さないと」
「あのなあ。
リクル、お前も殆どリナのお仲間だな!」
そして、なんとすぐに目の前に宝箱が大きくせり出してきた。
しかも、それはぐいぐいと大きさを増していき、また見事なまでに素晴らしい特大サイズだった。
それを見て顔色が青くなった皆が、さーっと俺を前線に残したまま、まるで潮が引くように後ろへと下がっていく。
「こ、こんな巨大な宝箱は見た事がねえ。
物凄くヤバイ匂いがぷんぷんするぞ」
「おいおい、それ本当に大丈夫なのか、リクル」
そう言ってマイケルは、すでにミスリル製らしい大剣を構えていた。
「なあリナ、どうする?
本当に開けるのか」
「こいつは地獄の使者みたいな超特大のミミックかもよ~」
リナのお姉ちゃん、楽しそうだね。
彼女は魔法使いのようで、もうすでに後方待機のポジションから手に魔法を纏わせている。
くそ、誰も俺を信用していない。
いや、かくいう俺だって、もう戦闘準備をしているのだがな。
この出目から見たらそう心配はないはずなのだが、まああの大きさを見れば万一に備えるのは冒険者としては当然の事だ。
「運否天賦でゴー!」
リナが叫び、そして俺は宝箱の蓋を開けた。
リナ本人も魔法を手に纏わせ、俺はオリハルコンの槍を刺突スタイルで槍投げのように右手に構えながら、腕に力を集めていた。
そして開封された宝箱の土饅頭カプセルの中にあった、というか『寝ていた』物とは。
「なんだこりゃあ、等身大の人形⁉
それとも何かの機械?」
だがそれを見たリナは特徴的なイエローピンクの目を見開き、次の瞬間にそれを輝かせた。
「きゃあああ、これこそはー!
伝説の中にしかいないというスーパーレアな格闘メイド、幻のオートマタじゃないの~」
「なんじゃ、それは~」
だが、そいつは突然パチっと目を開けて起き上がった。
俺は思わず槍を構えたままビクっとして固まってしまったのだが、気が付くとその態勢のまま、不気味な目がこっちを見ていた。
うお、顔が怖すぎ。
近くでもろにそれを見てしまった俺は思わず飛び退ってしまった。
くそ、呪われた発掘ミイラかよ~。
しかも、メイドとか銘打っているくせに体がごつくて、やけにでかい。
それが機械丸出しのスタイルで体中に鋲が撃たれており、ボディも糞頑丈そうだ。
まるで、あのドラゴナイトの機械版兵士だ。
そして、一応メイド服っぽい物を着ているのだが、それがむしろ鋼鉄(おそらく魔法金属)で出来た、強堅にして強剛たる体の線をくっきりと浮き上がらせていて余計に怖い。
そして、そいつは体内で何かこう歯車が回るような耳障りな音を立てて、ガギギギっという感じにその場で体を起こした。
「ご主人様、ご命令をどうぞ」
そいつは俺に向かって、そんなとんでもない事を言いやがったので、俺は慌ててリナの頭を持って、くりっとそいつに向けた。
「お、お前の主人はこっちの女の子のリナだ」
「認識しました。
リナ様、どうかよろしくお願いいたします」
「ありがとう、リクル~。
こんなオートマタのメイドがずっと欲しかったのよ~」
「ほ、本当かよ。
ありえねえ……」
だって、そいつ金属製の顔が凄く怖いのよ。
夜中に、いきなりそいつが枕元に立っていたらチビりそうだぜ。
こいつのどこがオートマタなんだよ。
アイアンゴーレムとかメタルゴーレムとかって呼んだ方がイメージぴったりじゃないのか。
こんな怪物を連れて歩くなんて、何の罰ゲームだよ。
どうやら俺と同じ意見だったらしいリナのお姉ちゃんは苦笑いしていたのだが、ご本人様は軽やかに飛び跳ねて、そいつとダンスをしまくっていた。
あいつの感性がよくわからない。
導師への御土産にしたかったのに」
だが、それを聞いたリナが悪戯っぽく笑った。
「じゃあ、もう一回宝箱を探さない?
あなたのスキルで。
私の錬金ボックスは譲ってあげるから、次に出た宝箱は全部あたしにちょうだい。
それが全部外れでも文句は言わないから」
「出たな、リナ得意の運否天賦勝負」
「上手く嵌まる事も少なくないけど、大概はスカなのよね」
「ええい、夢は大きくなの!」
そうかあ、それでリナはいい物を二つも持っているんだ。
「ようし、その賭けに俺も乗った」
そして今度は俺も気合を入れて、サイコロまで使用した。
リナの運否天賦な前しか向いていないような強運ハートに賭けるぜ。
そして出た。
久し振りのサイコロ&ルーレット、運否天賦の六×六の奇跡。
いや、あのオークの時はヤバかったなあ。
思えば、あの時から姐御達との縁が始まったのだ。
あいつら、レント達は元気にしているかな。
今のスキルのバージョンならば、俺は素手でさえ、あのオークを湧かなくなるまで倒し尽くせる事だろう。
「おい、リナ。
凄くいい目が出たぜ!
こいつは行けそう!」
「本当~」
「えー、わかるの。
そんな事が前もって」
「それは大事な事だよ。
悪い出目だったら、今すぐ逃げ出さないと」
「あのなあ。
リクル、お前も殆どリナのお仲間だな!」
そして、なんとすぐに目の前に宝箱が大きくせり出してきた。
しかも、それはぐいぐいと大きさを増していき、また見事なまでに素晴らしい特大サイズだった。
それを見て顔色が青くなった皆が、さーっと俺を前線に残したまま、まるで潮が引くように後ろへと下がっていく。
「こ、こんな巨大な宝箱は見た事がねえ。
物凄くヤバイ匂いがぷんぷんするぞ」
「おいおい、それ本当に大丈夫なのか、リクル」
そう言ってマイケルは、すでにミスリル製らしい大剣を構えていた。
「なあリナ、どうする?
本当に開けるのか」
「こいつは地獄の使者みたいな超特大のミミックかもよ~」
リナのお姉ちゃん、楽しそうだね。
彼女は魔法使いのようで、もうすでに後方待機のポジションから手に魔法を纏わせている。
くそ、誰も俺を信用していない。
いや、かくいう俺だって、もう戦闘準備をしているのだがな。
この出目から見たらそう心配はないはずなのだが、まああの大きさを見れば万一に備えるのは冒険者としては当然の事だ。
「運否天賦でゴー!」
リナが叫び、そして俺は宝箱の蓋を開けた。
リナ本人も魔法を手に纏わせ、俺はオリハルコンの槍を刺突スタイルで槍投げのように右手に構えながら、腕に力を集めていた。
そして開封された宝箱の土饅頭カプセルの中にあった、というか『寝ていた』物とは。
「なんだこりゃあ、等身大の人形⁉
それとも何かの機械?」
だがそれを見たリナは特徴的なイエローピンクの目を見開き、次の瞬間にそれを輝かせた。
「きゃあああ、これこそはー!
伝説の中にしかいないというスーパーレアな格闘メイド、幻のオートマタじゃないの~」
「なんじゃ、それは~」
だが、そいつは突然パチっと目を開けて起き上がった。
俺は思わず槍を構えたままビクっとして固まってしまったのだが、気が付くとその態勢のまま、不気味な目がこっちを見ていた。
うお、顔が怖すぎ。
近くでもろにそれを見てしまった俺は思わず飛び退ってしまった。
くそ、呪われた発掘ミイラかよ~。
しかも、メイドとか銘打っているくせに体がごつくて、やけにでかい。
それが機械丸出しのスタイルで体中に鋲が撃たれており、ボディも糞頑丈そうだ。
まるで、あのドラゴナイトの機械版兵士だ。
そして、一応メイド服っぽい物を着ているのだが、それがむしろ鋼鉄(おそらく魔法金属)で出来た、強堅にして強剛たる体の線をくっきりと浮き上がらせていて余計に怖い。
そして、そいつは体内で何かこう歯車が回るような耳障りな音を立てて、ガギギギっという感じにその場で体を起こした。
「ご主人様、ご命令をどうぞ」
そいつは俺に向かって、そんなとんでもない事を言いやがったので、俺は慌ててリナの頭を持って、くりっとそいつに向けた。
「お、お前の主人はこっちの女の子のリナだ」
「認識しました。
リナ様、どうかよろしくお願いいたします」
「ありがとう、リクル~。
こんなオートマタのメイドがずっと欲しかったのよ~」
「ほ、本当かよ。
ありえねえ……」
だって、そいつ金属製の顔が凄く怖いのよ。
夜中に、いきなりそいつが枕元に立っていたらチビりそうだぜ。
こいつのどこがオートマタなんだよ。
アイアンゴーレムとかメタルゴーレムとかって呼んだ方がイメージぴったりじゃないのか。
こんな怪物を連れて歩くなんて、何の罰ゲームだよ。
どうやら俺と同じ意見だったらしいリナのお姉ちゃんは苦笑いしていたのだが、ご本人様は軽やかに飛び跳ねて、そいつとダンスをしまくっていた。
あいつの感性がよくわからない。
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