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第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-22 宝箱
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「そうね、でも収納アイテムを複数持っているラッキーなパーティなら他の有用なアイテムと交換してくれるかもよ。
たとえば、リナのコーティングとかなら」
「うーん、宝箱自体が運だからなあ。
はっ」
「どうしたの?」
「そういえば、俺ってそういう事に有用なスキルを持っているんだった。
日頃あまり使わないから忘れていた~」
「何それ、面白いから使ってみなさいよ」
「それでは、お言葉に甘えさせていただきまして」
正直に言って、ここでは【トイボックス】しか使えない。
【我が道を行く】はちょっと違うしなあ。
そしてマグナム・ルーレットで三の目を出し、トイボックスを唱えてみたのだが何も起こらない。
「どうしたの、使わないの」
「あ、今使ったけど、効果の発動に少し時間がかかるかも。
なお、このスキルの場合はスカの可能性もあり」
「あっはっは、なにそれ。
あんたって面白いわね」
十分待ってから潔く諦めて、しばし道を行ってから角を曲がって驚いた。
「た、宝箱が六個⁉」
「では一人一つずつの配分という事で、恨みっこ無しで分けよう」
「ねえ、みんな用心して。
これだけ宝箱があると、一つくらいは絶対にミミックが混じっているわよ」
「その考えは甘いな。
俺のスキルの効果だと、全部ミミックの可能性もありだ」
「マジか!」
「おい、一つずつ開けようぜ」
「もたもたしていると宝箱が消えるぞ」
「じゃ、俺が一個ずつ開けますので、みんなでバックアップして。
その代わりにブツを選ぶ権利を俺に頂戴な」
「いいわよ」
おや、リナのお姉ちゃんの方がリーダーだったのか。
へえ、即決だね。
リスクとリターンを瞬時に計算できている、いいパーティリーダーだ。
「どうか収納が出ますように!
そりゃあ~」
俺はその宝箱というよりも、岩で出来た何かの繭のような物にトライした。
本物の眉のように真ん中がくびれておらず、むしろ少し細長い卵を薄い岩で模したかのような綺麗な形状をしている。
中央に突起があって、それを押すとカプセルのように開くのだ。
ペロンと皮が捲れるといった方が正しいのかもしれないが。
そしてじゃーん、いきなりミミック登場で大当たりだった。
「みんな、気を付けて。
こいつ、魔道ボックスのミミックだから結構手強いのよ。
リクル、時間がないけど次の箱はまだ開けちゃ駄目だからね」
「え、何か言った?」
俺はオリハルコンの槍の力で、その野郎の脳天を綺麗に吹き飛ばしてやったところだった。
いや、これは凄い性能だ。
内蔵魔力を先端に集中させてこうなったのか。
さすがはバニッシュ言う所の生きている槍だ。
俺の意思を読み取って、まるで前の槍のように瞬時に力を放ってくれたようだ。
こういう物は、魔導エネルギー槍とでもいうのかな。
「あ、あら~?」
「ようし、見事に錬金ボックスを一つゲット。
さあ次だー!」
そして連続で五個の錬金ボックスが入手できてしまい、俺は見事に膝をついてしまった。
「リクル、錬金ボックスは要らなかったの?
これも結構高価に取引されるレア物なのよ」
「いや、これも一個なら欲しかったんだけど、出来たら収納アイテムが欲しかったの!」
だが、パーティの男性陣達は呻いていた。
「ありえねえ。
宝箱が六個同時出現というのが、そもそも有り得ないのだが」
「錬金ボックスの魔道ミミック五連荘はキツイな。
こいつって凄い魔法を放つから、時間制限を気にして全部まとめて開けていたら、うちみたいな中級パーティすら全滅しかねんぞ」
そしてリナが俺の肩をポンポンして、少し甘えるような声で慰めてくれた。
「リクル、早くしないと宝箱が消えちゃうよ。
さあ、どうせなら錬金ボックス六個、コンプリートを目指そうよ」
「あのなあ、マジかよ。
仕方がないなあ。
じゃあ気を取り直していくかあ」
そして俺はなんと念願の収納バッグ、しかもなんと超々ウルトラレアな無限収納を入手した。
これもリナのと同じ小型のピンク色のポーチ型の奴だ。
この色だと俺が使うには些か抵抗があるのだが、まあそればかりは仕方がない。
「すげえ、羨ましいな。
だがなあ、それは値段のつけようもないほどの超レア物だから、絶対に人に見せびらかすなよ。
うちのパーティじゃ絶対に持てないな」
「そうそう、うっかり見せたりしたら、その場で殺されても知らないぞ」
「う、蘇るあの悪夢」
もちろん、クレジネス先輩と出会った、あの運命の日の話だ。
ミスリルの槍であの騒ぎだったからな。
今持っているオリハルコン槍も、結構ヤバイのかもしれないな。
この人達は分を弁えているけれど、こうやって超レアなアイテムを持っている事を知られているのも、本当はあまりよくないのだろう。
今は冒険者も少なめだから揉めていないだけだ。
それに俺は今、聖女様パーティや、皮肉な事にあのイカれている事で有名な先輩と一緒にいるのだから襲われたりはしないだろうな。
たとえば、リナのコーティングとかなら」
「うーん、宝箱自体が運だからなあ。
はっ」
「どうしたの?」
「そういえば、俺ってそういう事に有用なスキルを持っているんだった。
日頃あまり使わないから忘れていた~」
「何それ、面白いから使ってみなさいよ」
「それでは、お言葉に甘えさせていただきまして」
正直に言って、ここでは【トイボックス】しか使えない。
【我が道を行く】はちょっと違うしなあ。
そしてマグナム・ルーレットで三の目を出し、トイボックスを唱えてみたのだが何も起こらない。
「どうしたの、使わないの」
「あ、今使ったけど、効果の発動に少し時間がかかるかも。
なお、このスキルの場合はスカの可能性もあり」
「あっはっは、なにそれ。
あんたって面白いわね」
十分待ってから潔く諦めて、しばし道を行ってから角を曲がって驚いた。
「た、宝箱が六個⁉」
「では一人一つずつの配分という事で、恨みっこ無しで分けよう」
「ねえ、みんな用心して。
これだけ宝箱があると、一つくらいは絶対にミミックが混じっているわよ」
「その考えは甘いな。
俺のスキルの効果だと、全部ミミックの可能性もありだ」
「マジか!」
「おい、一つずつ開けようぜ」
「もたもたしていると宝箱が消えるぞ」
「じゃ、俺が一個ずつ開けますので、みんなでバックアップして。
その代わりにブツを選ぶ権利を俺に頂戴な」
「いいわよ」
おや、リナのお姉ちゃんの方がリーダーだったのか。
へえ、即決だね。
リスクとリターンを瞬時に計算できている、いいパーティリーダーだ。
「どうか収納が出ますように!
そりゃあ~」
俺はその宝箱というよりも、岩で出来た何かの繭のような物にトライした。
本物の眉のように真ん中がくびれておらず、むしろ少し細長い卵を薄い岩で模したかのような綺麗な形状をしている。
中央に突起があって、それを押すとカプセルのように開くのだ。
ペロンと皮が捲れるといった方が正しいのかもしれないが。
そしてじゃーん、いきなりミミック登場で大当たりだった。
「みんな、気を付けて。
こいつ、魔道ボックスのミミックだから結構手強いのよ。
リクル、時間がないけど次の箱はまだ開けちゃ駄目だからね」
「え、何か言った?」
俺はオリハルコンの槍の力で、その野郎の脳天を綺麗に吹き飛ばしてやったところだった。
いや、これは凄い性能だ。
内蔵魔力を先端に集中させてこうなったのか。
さすがはバニッシュ言う所の生きている槍だ。
俺の意思を読み取って、まるで前の槍のように瞬時に力を放ってくれたようだ。
こういう物は、魔導エネルギー槍とでもいうのかな。
「あ、あら~?」
「ようし、見事に錬金ボックスを一つゲット。
さあ次だー!」
そして連続で五個の錬金ボックスが入手できてしまい、俺は見事に膝をついてしまった。
「リクル、錬金ボックスは要らなかったの?
これも結構高価に取引されるレア物なのよ」
「いや、これも一個なら欲しかったんだけど、出来たら収納アイテムが欲しかったの!」
だが、パーティの男性陣達は呻いていた。
「ありえねえ。
宝箱が六個同時出現というのが、そもそも有り得ないのだが」
「錬金ボックスの魔道ミミック五連荘はキツイな。
こいつって凄い魔法を放つから、時間制限を気にして全部まとめて開けていたら、うちみたいな中級パーティすら全滅しかねんぞ」
そしてリナが俺の肩をポンポンして、少し甘えるような声で慰めてくれた。
「リクル、早くしないと宝箱が消えちゃうよ。
さあ、どうせなら錬金ボックス六個、コンプリートを目指そうよ」
「あのなあ、マジかよ。
仕方がないなあ。
じゃあ気を取り直していくかあ」
そして俺はなんと念願の収納バッグ、しかもなんと超々ウルトラレアな無限収納を入手した。
これもリナのと同じ小型のピンク色のポーチ型の奴だ。
この色だと俺が使うには些か抵抗があるのだが、まあそればかりは仕方がない。
「すげえ、羨ましいな。
だがなあ、それは値段のつけようもないほどの超レア物だから、絶対に人に見せびらかすなよ。
うちのパーティじゃ絶対に持てないな」
「そうそう、うっかり見せたりしたら、その場で殺されても知らないぞ」
「う、蘇るあの悪夢」
もちろん、クレジネス先輩と出会った、あの運命の日の話だ。
ミスリルの槍であの騒ぎだったからな。
今持っているオリハルコン槍も、結構ヤバイのかもしれないな。
この人達は分を弁えているけれど、こうやって超レアなアイテムを持っている事を知られているのも、本当はあまりよくないのだろう。
今は冒険者も少なめだから揉めていないだけだ。
それに俺は今、聖女様パーティや、皮肉な事にあのイカれている事で有名な先輩と一緒にいるのだから襲われたりはしないだろうな。
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