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第473話 禁書庫の古い本

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第473話 禁書庫の古い本

イアン王子が部屋に入ってきたので、古い文献があるか、聞いてみた。

「イアン、ちょっと聞きたいけど、古い文献はある?」と聞いてみた。

「えっ、古い文献ですか?」

「そう、できるだけ古い方がいいと思うけど」

「あっ、それなら禁書庫にあると思いますけど、今からでも案内しましょうか?」

「うん、頼める」と言ったが全員を引き連れて行けないから、エイミーとアイリスは、もう少しここで頑張ってもらわなければ‥‥‥」

「エイミーとアイリスと、ここでお仕事ね」というと3人ともが剥むくれて頬を膨らませた。

「書庫のことはアリシアとかジャネットから聞いて」と言って、王子と共に書庫に向かった。

この城では、書庫は、また下にあるみたいで階段を降りていく。

本当に書庫くらい、いつもみられるように近くに置いてほしいけどな。

俺たちは階段を降りたり、通路を歩いたりしながら書庫へ進んでいく。

やっと書庫に辿り着いた。

もちろんこんな状況なので書庫には誰もいない。

「こちらが古い文献の書庫になります」とイアン

「この中で一番、古いのは?」

「古い文献は、一番、奥ですね」とイアンが言うので、さらに奥へ行ってみた。

奥に入ると、鉄格子の扉に鍵穴がある扉があった。

イアンが鍵で扉を開けてくれる

「どうぞ」

俺を先頭に扉の中に入り、また、イアンが先に進んで「えっと、こちらが一番、古い文献ですね」と指し示した本には鎖がついている。

俺は、その本をとり近くに置いてある机に置いて座った。

その周りを全員が囲むようにしてみているけど、結構、近くにいるので、いい匂いがするけど、そんなことに構わずに本を開いてみる。

古い本だから気をつけながら1ページからみていく。

1ページ目は何も書いてない。

次のページをめくろうとしたら手に触った紙に違和感を覚える。

「クリス、早く、次をめくって‥‥‥」とアリシア

「ちょっと待って‥‥‥」

この本を鑑定してみると、魔力がこもっている。

しかも、、今、持っているページだけに‥‥‥なんだ、これ‥‥

俺がページを捲らないので皆んな、何か起きていると思って言葉を出す人はいなくて固唾を飲んでいるような感じ。

俺は鑑定魔法で、このページだけに魔力が込めれていることを考えている。

どうしてなのか?

「クリス様、どうかしましたか?」とイアン

アリシアが口に指を当てて「しーっ」とした。

どうみても1ページしかない‥‥‥俺は基礎魔法を、この1ページだけに込めてみた。

途端に一枚だったページが数枚になった。

数枚になった紙を開いてみると、そこには俺が思った通り、俺の下手くそな字で書かれてあった。

そこには『俺はイーノック王国の事件を解決するために、尽力したあと、この本を読んで未来と過去に行ける能力を手に入れた。
しかし、読んだだけでは何も起きることはないだろう。
今までのことを考えてみろ。
俺は今まで能力を取得するために何をやってきたのかということを。
能力は自分の中にある‥‥‥」と言ってきた。

「皆んな聞こえた‥‥‥」と聞くと「なにか?」と逆に聞き返された。

「えっ、今の聞こえなかったの?」

「えっ、何も聞こえないけど‥‥‥クリスが本のページを一枚、持っているだけで、何も起きていないわよ」とアリシア

「逆に聞くけど、今、何かあったわね、言いなさいよ」とイザベラ

「今、本のこのページに違和感があって基礎魔法を展開したら、数枚に分かれて喋りだしたんだ」

「それで、なんてしゃべったの?」

「うん、それが俺には、もう未来にも過去にも行ける能力があるはずだ、って」

「あるの?」とイザベラ

「そんなことわからないよ、やったことがないし第一に一度も行ったことがないところだよ」

「あっ、そうか、行ったことがなければいけないか」とイザベラ

「瞬間転移だって、行ったことがないから行くことができないから飛んできたわけだし」

「時間の跳躍なんて、どうやればできるかもわからないよ、それにイメージがないよ、あっ、でもちょっと待ってよ」

と言いながら本を丁寧にめくっていく。

そうすると綺麗なイラストが書いてあった「うわっなに、このイラストの綺麗さ」

俺は考えたけど、これは、たぶん、俺がコリンを過去に連れて行ったという証拠だろう。

俺がコリンをみると、まじまじイラストを見ている。

「私の絵のタッチよりも上手いけど、私のイラストに似ている」

こんなイラストはコリンにしか描けない。

他のページをパラパラとめくっても、あとは歴史が書いてあるだけで意味はないような感じだ。

と言うことは、先ほど聞いた言葉と、このイラストが頼りということになる。

今から1000年前に、このイラストの場所があるということだろう。

イラストの下方にサインがあるけど、そこにはコリンと書いてある。

そしてたぶん、場所は、1000年前の、ここだろう。

なんとなく掴めてきた。

作者のサインと、数字が並んでいる。

北緯と西経だな、それはやはり、この国だ。

場所とイメージは掴むことができた、あとは1000年と言う時を渡る方法だ。

「よし、少しずつ、練習をしようか?」

「練習?」

「そう、時間を跳躍する練習」

「どうやって?」

「それを今、考えるんだよ。いくら俺だって1000年を一気に何も練習もしないで跳躍するのは無理だよ」

「だから少しずつ、するってことね」とアリシア

「うん、それを、どうやるか?だよ」

「未来にいくと私たちが、どうなっているのか、わかるのよね?」

「いや、そうとも言えないよ。未来はまだ、訪れていないんだから」

「クリス、もうちょっと分かりやすく言ってよ」とイザベラ

「未来と言うのは今まだ来ていないことなんだよ、つまり未来は変化しているんだ」

「変化?」

「そう変化だよ、今、俺が、ここでイーノック王国から、離れる未来もあれば、イアンに協力してイーノック王国を変える未来もある。
それを、どこから変えるのかということは、誰にもわからないからだよ。
俺たちがイーノック王国に来ていないければ、偽勇者の情報をつかんでいなければ、イーノック王国にはきていない。
来るべきして来たということもあるけどね
決まっている未来があるなら、不変だから必ず来ていることなんだ。
決まっている未来もあれば、決まっていない未来もあるということだね」

「決まっていない未来‥‥‥」

「 そう、未来というとわかりにくいから俺が自分の出身の村で死んでいる世界もあれば、今のように生きている世界もあるということだよ。

死ぬ世界と死なない世界、そこから分岐が始まるんだ。それがパラレルワールドだよ。わかりやすくいうと多重世界

でも分岐したりする場合、特異点が必要なんだよ。」

「特異点?」

「そう、分岐点が起きるのは、誰が中心で起きているか?ということになる。もしかしたら全員が特異点だったら、その人数だけでも分岐点が生まれるから、無数のパラレルワールドが存在してしまう」

「つまり誰かが中心で分岐するということね」とアリシア

「そうだよ」

「少なくとも私たちじゃないわね」とイザベラ

「そうだね、もし本当に分岐点があるとしたら、クリスかウルフだね、または両方か?」

「でも、もし本当に分岐点に関わるような人がいるとしたら、恐ろしいことだね。
まぁ、これは本当にあるかというと話だけだから、あまり関係ないよ。それよりも未来、過去にいくことだけど、どうやって実行したらいいのか、難しいね」

「そうだね」

「たぶん、瞬間転移に似ていると思っているけど」

「瞬間転移?」

「うん、瞬間転移は場所の移動だろ、それに時間を組み合わせる?」

「あ~、もう私、無理ついて行けない」とイザベラは放棄した。

「でも、放棄できないんだよ」と強い口調。

「‥‥‥」

イザベラが「ご、ごめん」

「いや、俺も実は放棄したいけど、できないんだよ。
だって俺しかできないことなんだ、俺だったらできるんだ、実際に俺が関わっているから、俺しか‥‥‥」と言いながら落ち込んできた。

俺だって不安でたまらない、放棄したいよ、本当なら‥‥‥子供の頃のように大声をあげて泣き喚きたかった。

そう思っているとアリシアが抱きしめてくれた。暖かさに癒やされると皆んなが俺に抱きついてきた。



皆んなわかっていないよ、だって瞬間転移する時には、その場所をイメージするだけじゃダメなんだ、だってそこに人がいるかもしれないんだよ。もし人がいたら、衝突する程度だったらいいくらいだけど、融合することもあるんだよ。瞬間転移は簡単じゃないよ。

わかっている人は、いいけど、大変なことが起きるのが瞬間転移なんだ。

透明の魔法だって同じだよ、もし仮に透明になったまま解けなくなれば、どうなるか?

そこに人がいることもわからないから、馬で轢かれることもあれば、馬車で潰されることもある、でも衝撃は両方にあるけど、見ても何もないからね、ひいたとも思われないし、手当もしてもらえない。
魔力が暴走して透明の魔法が解けないなんてことも考えられるんだ‥‥‥

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