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第433話 ウルフと最後の戦闘2

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第433話 ウルフと最後の戦闘2

俺はウルフの腕をウィンドカッターで切り落とした。しかしドス黒い魔力が腕を作ってしまった。

本物の腕かはわからないけど。

ウルフのドス黒い魔力を防ぐことは、できないかもわからないが、俺が聖属性魔法を使っている間は、奴は近づくこともできない。

ウルフのドス黒い魔力をどうやって、減らすことができるのか? そこに問題が集中してしまうが、俺は奴が使っている箱を思い出した。

箱も誰かが魔力を入れない限りは、あんな瘴気が発生することもない。

箱を作っても、それは、ただの箱にしか過ぎないからだ。

箱に入れるときも、いつかはドス黒い魔力だって尽きてしまうと思う。

と言うことは、それを入れるだけの箱を作ればいいんじゃないかな?

成功するか、しないかは、実行してみないとわからない。

俺は錬金術で、土の中の瘴気が入っていた箱を作る、ウルフに気がつかれないように。

土の中に瘴気が入っていた箱を10個、作ってみた。

ぶっつけ本番だけどイメージ的にはできると思っている。

そして、ただ、箱を作るだけじゃ、ダメだから、箱の中に宇宙空間を作ってみた。

つまり、箱を開けると、宇宙空間になるように設定して、奴のドス黒い魔力が吸い込まれればいいし、奴が引き込まれても良いと言うことだ。

ウルフだって空気を吸っていることだろうし、空気がない空間には、いられないと思う。

いや、待てよ、もう一人の奴が応援に来ていたら、どうだろうな?

奴には、宇宙であろうが、関係ないように思える。

しかし、ウルフだけでも、殺すことができれば良いかな!

目をウルフに固定して、検索魔法で、レイチェルと話している女性を確認してみたけど、そんなに悪い感じはしないから、偽装魔法でも隠蔽魔法でもないみたいだ。

もう一人の奴は、2度と同じ手を使うとは思えないけど、疑う必要は感じる。

もう2度と、騙されない‥‥‥。

二人同時には無理があると思うから、まずはウルフだけにターゲットを絞るけど、もし、奴が現れれば、メンバーも知らせてくれるし、俺も探知魔法を展開して異常を察知することにしている。

まずは、ウルフと俺が作った空間の箱をつなげることだな。

もちろんウルフを、その箱に放り込むことができれば、問題はない。

放り込めない場合は、奴のドス黒い魔力だけでも、その箱に吸収することができればと考えている。

ウルフの奴が右手に剣を持ち、突進してきた。

「ガキンッ」と金属音が響く。

俺は剣を合わせて、鍔迫り合いをする、俺も力ずくで剣を押していくけど、奴も俺の剣を力で押し続ける。

このままでは勝負はつかないけど、俺がそばにいるだけで、ウルフのドス黒い魔力は、消滅していく。

「チッ」とウルフは舌打ちをした。

俺が以前、練習した、ファイヤーボールを大きくするのではなく、できるだけ小さくしてファイヤーボールを6個、作ってウルフに向けて放つ。

ウルフは、咄嗟に真っ直ぐ飛んできたファイヤーボールの4つを横に飛んで回避する。

しかし回避した場所には、両側から、ファイヤーボールが迫ってきている。

両側から迫ってくるファイヤーボールには、回避することができない‥‥‥と思ったけど、奴は瞬間転移で回避した。

回避して現れた場所は、俺の目の前だ。

俺は 一瞬だけひやっとしたけど、奴が目の前に現れる事は想定していたので、しかもウルフは手にファイヤーボールを持っていた。

俺の体に瞬間転移してきてファイヤーボールを打ち込むつもりだったみたいだ。

俺は、奴が持っているファイヤーボールを防御魔法のファランクスで回避して避けた。

防御魔法のファランクスバリアを使うのは初めてだったけど、うまく使うことができた。

何事もやってみるもんだなと思う。

俺はあまりにも考えすぎるからできないと思うのかもわからないけど、俺が殺されてからの自分の体が違うように感じている。

しかしそれを確かめる術がない。

以前のように指輪が使えればステータスとして表示されることもあるだろうけど、指輪は壊れたままだし、指輪がなくてもステータスは表示されるのは表示されるんだけど言葉として理解することはできない。

でたらめな数字が並んでいるから。

俺は本当にクリスの時に前世の記憶を受け持った時も死んだのか私にとりなったのかわからないくらいの状態を起こしたが、ウルフと戦って、もう一人の奴が現れレイチェルの姿で騙された奴に殺されて、今回も、俺は復活することができたけど、それも俺が封印していた能力によるところが多い。

必ず、この戦いに奴が来ると、思う、

どのタイミングで奴が現れるのか?

気になるところでもある。

それよりも今は目の前の敵の方が重要だ。

どうやって、奴と土に埋まったままの箱をつなげるか?

あっ、そうだ、繋げようとするからいけないんだ、空間の入り口をウルフにくっっければ良いんだ。

そうするとウルフは、空間の出口を開けておけば、引きずり込まれる。

実施にできるか、試していない方法なので、ここで試すしかない。

しかし理論上だけで、考えても、実際に使ってみると、できないと言うこともあるからな。

そのためには、ウルフに剣で鍔迫り合いをするしかない。

俺は剣を構えると、奴も剣を構えて、先に俺が突進する。

奴も俺と正面で、対する。

「ガキンッ」と大きな音が響いて、剣を押し合うけど、目的が、それじゃないから、俺は、イメージでゴム状の入り口をウルフにつけた。

まだ、入り口をつけただけで発動してない。

一度、つけたら、外れることはないから、どこに逃げても無駄。

俺が空間のスイッチを入れるだけで、奴は、引きずり込まれる。

「ウルフ、ちょっと聞きたいんだが」

「なんだ」

「お前、どうして、あんな黒いオーラを出せるようになったんだ」

「お前が知って、どうするんだよ、言うわけねえだろ」

まぁ、それは、そうだろ。

「それよりも、今度はお前のメンバーの女の子を狙うことにするよ」

「なに?」 俺は体が熱くなる、ウルフのあまりに身勝手な発言に俺の頭は、沸点に達した。

「確か、アリシアとか言ったよな、良い女じゃないか、あの子を拉致して‥‥‥」と最後まで言わせることはなかった。

急激に俺の力が上がったからだ、しかし、上がったのは魔力じゃなかった。

体が熱くなって、怒りを心に燃やすことができて、俺はある瞬間から、変な感じを覚えた。

体が熱くなり、心に怒りがメラメラを燃やされても、いつの間にか頭は、クールダウンして明白になってきた、自分でも驚きなことで、戸惑ってしまう。

なんだか、その瞬間に、俺は今までの人の体ではなく、何か異質な体の状態になってしまった。

俺は、気がついた‥‥‥これが神の体だ。

今まで、俺が一番、、なりたくない状態の体になってしまった。

俺が右手を上げると、指先をウルフに向けると、ビームが発射された。ウルフの心臓に穴が開くほどの。

ウルフの胸に穴が開いて、血が水を流すように出てくる。

俺は冷静にウルフを見ている。

「バリバリバリバリ~」

そこに俺の結界魔法を破ろうとする音が響いてくる。

でも、俺は、音がする方を見ることはない。

理由は音ばかりで、破れないからだ。

今度の結界魔法は、最大防御魔法であるファランクスも幾重にも多重がけしているものだから。

俺の頭は冷静で、多くのものを見ることができた。

後ろにいるレイチェルと、もう一人の女性のことも注意しながら、ウルフのことも見ながら、結界魔法を破ろうとする奴も監視しながら、頭は、すごく澄んでいる。

でも心にはやはり捨てきれない熱さが湧いている。

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