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第407話 ボールドウィン王国の亡霊3

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第407話 ボールドウィン王国の亡霊3

メンバーを集めて、俺の手で、みんなの手を挟んだ格好にした。

俺は右手が下で、左手が上にあるわけだけど、

「これからやることは俺が魔力を流すから、それを覚えてくれる、作戦に必要なのは、その反対をやることだよ」と説明した。

「今から、俺の魔力をみんなに流すから感じてごらん」

全員が集中しているので、話すことはしない。

「いくよ」

俺が手を通して全員に魔力を流していく。

全員の、手を通して体の中を駆け巡るように流す、どこか流れにくいところがあれば、流れにくいところほど、綿密にコントロールしながら流すことをしていくと、流れにくいところほど力任せにするといいことはない。

全員の体内をスムーズに魔力というよりも魔法が流れるようにしていく。

綿密に、精密に流すことをしている。

なんだか周りが騒がしい。

もう、静かにしててほしい。

そして、俺は魔力を切ったけど、俺が手を離していいものか迷うくらい、みんな手をどけない。

アリシア「クリス、すごいの一言」
ジャネット「本当に、ご主人さま、すごいです」
イザベラ「本当に」
ソフィア「さすが勇者」などの声がしているけど、周りが、うるさい。

俺は周りに目を向けると、多くの人だかりができている。

その中でも王とエレノア姫の目がキラキラしている。

エレノア「クリス様、すごいです」
王「うむ、輝いているな」

アリシアに目を向けると、アリシアが光で包まれているみたいに見える。

他のメンバーも見てみると、同じように黄金の光に包まれている。

でも、俺たちは道化をしているわけではないし、急ぐ必要があるので、答えることはせずに、瞬間転移した。

瞬間転移してきた場所は、王都全体が見渡せる場所だ。

全員で空中で浮かびながら、俺が、どれくらいいるか、わからない人に聖属性の魔法をかけていく。

もちろん麻薬成分が抜けるように。

その時に、メンバー全員の魔力で補助してもらうことにしている。

俺の魔力が減った時に、一時的に補充することをするわけだけど、あくまでも一時的なものだと思う。

もちろん、俺の魔力が足りれば、借りる必要はないから。

全員と先ほどと同じように手のサンドイッチして聖属性魔法を最大で行使する。

そうすると俺たちは、先ほどよりも、輝きが増して太陽のような輝きになっている。

熱いというよりも暖かい聖属性魔法。

聖属性魔法を建物の中や影の部分にも、誰が、どこにいようとも麻薬成分を減らすことができるように麻薬成分だけを探して減らしていく。

どれくらいの時間が経ったかわからないくらい集中している。

まだだ、まだまだ、聖属性魔法を使い続けていく。

今のところ、俺の消耗はない。

このまま、もっと聖属性魔法を優しく波のように送ることを続ける。

ボールドウィン王国の王都には、かなりの人数が住んでいるから時間がかかる。

連続行使の聖属性魔法が変化し始めた。

俺は、なんだか、す~と、抜けたような感覚に襲われる。

ん、なんだ、この感覚?

でも、さっきよりは、使いやすく余力が出たような気がするから悪いことではないんだろう。

俺は、もっと魔力を上げていくことができた。

聖属性の魔力を上げながら、メンバーの様子も見ることも忘れない。

メンバーが苦しそうにしていないか、見ているけど、大丈夫そうだ。

俺は聖属性魔法を王都の門まで広げていく、もう少しで人口の87%の人の体から麻薬成分が除去できる。

もう少しだ。

まだやれるぞ、頑張っていると、また、俺の何かが、体から取り除かれたような感覚に襲われる、障壁に 当たって進むことができなかったものが、障壁を突破して進むことができるようになった感覚に襲われる。

これで2回目だ。

さらに家畜や馬にも影響が出ているし犬や猫にも影響はあるから、それらの麻薬を減らしていく。

そして 食物連鎖と言う言葉があるように、何かを食べようとするもの全てが水分を吸ってしまっているので、それらを除く必要がある。

そこまで聖属性魔法を使っても、どうしてかわからないけど、息切れひとつ起こすことなく続けて使うことができている。

どうしてかわからないけど、聖属性魔法と言うのは大量に魔力が必要な魔法で特殊中の特殊な分野に入る。

特殊すぎるば方だから仕える人はほとんどいないと言われる魔法なんだ。

簡単に使える魔法だったら多くの人が使えるから。

俺が、これほどの聖属性魔法を行使することができるのは、先ほど2回ほど限界突破のような現象が起きたことが原因だと思う。

俺は、聖属性魔法を使い始めた時よりも、余力を感じてしまうくらい余裕がある。

今は王都全体で98%位の人が、麻薬の成分を解除することができたので、俺は井戸の中の麻薬を除去する行為を始める。

もちろん、井戸だけじゃなく、100%にしていくことも続ける。

本当に、なんだか先程の限界突破みたいな現象が俺の能力を、さらに拡大させたみたいだ。

王都全体の井戸が何本あるのかわからないけど、数えている暇は無い。

検索魔法で見つけて井戸の中の水の麻薬成分を除去していく。

大きな家の庭にある井戸や、家の中にもある井戸、そして 水脈にも麻薬が多くは無いけど混じっているみたいだから、それも減らすことをする。

なんだか先ほどベランダに出て考えていたんだけど、そこからの俺は違うみたいだ。

どこから、どうやって麻薬を入れたかわからないけど、実際に検知される麻薬はいろいろなところに付着したりしているので、それも除去する対象にしている。

そして最後に王都全体の検索魔法を展開してみて麻薬成分が反応するか、しないかということを判断して、しないと言う答えを得て終了とした。

「よし、これで大丈夫だ、みんな、お城に帰ろうか」と言って、すぐに瞬間転移で戻ってきた。

お城のベランダに上空から降りていくと、ベランダには、多くの人だかりが起きて拍手された。

全員がベランダに着地すると、なお、大きな拍手が起きていた。

「え~と、これは何?」と俺が言うと前からエレノアが走ってきて

「クリス様、素敵でした」

王も近寄ってきて、「うむ、すごかったな」と言われた。

俺たち自身は、何かわからないけど、褒ほめられて悪い気はしないけど。

あとでエレノアに聞いたら、俺たち全員が天使のように煌きらめいていたそうだ。

すごく神々しくて、エレノアから、すごい、すごい、と連発されて言われてしまった。

「うむ、さすが勇者殿じゃな、これもエレノアが苦労して見つけてきてくれたおかげじゃ
勇者殿と合わせることができない王子と姫には、本当に、申し訳ないことをした。」

魔物討伐で赴いて死んだ、第一王子と第二姫のことを言っているみたいだな。

と言うことは、ボールドウィン王国は、エレノア王女が国王になるしかないのか。

あとは、説明をする必要があるので、さっさとして帰ろうと思う。

「王様、この王都全体の麻薬は先ほどの聖属性魔法で除去することができました。もう新しい井戸も掘ることもありません。
新しく掘った井戸は、まだ水が滲み出てこないでしょうから、後は、ご自由に使ってください」

「うむ、わかった」

「これで今回の依頼は終わりですね」

「そうだが、この国にとどまることはしないかね」

「はい、俺たちは、オーリス王国に屋敷がありますから、そこに帰ります」

「おお、そうであったな、ところで勇者どの、小説には、多くの国の貴族になって、国が管理するからと屋敷をもらっているのは、本当だろうか?」

「まぁ、そうですね」 国王に嘘はつけない

「じゃ、我が国も、そうしたいんだが、いいだろうか?」

「いえ、領地経営だなんてできませんから」

「いや、そうではない、我が国も屋敷を与えて、この国、ボールドウィン王国にも関係を持ってもらうと思うんだが」

「いや~、もう入りませんよ、貴族も、俺たち貴族らしい振る舞いもできませんから」

「そこをなんとか、国の英雄を、このまま帰したんでは先祖の顔に泥を塗るようなものだ」

「な、クリス殿、頼む、この通りじゃ」と言って頭を下げた。

「それともエレノアを嫁にやろうか?」

「!、あっ、いえ、屋敷で結構です」とあっさり、言ってしまった・

「あん、もうお父様ったら、どうして、もう少し強く言ってくださらないんですか?」とエレノア

「俺たちは屋敷をもらいます」
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