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第308話 神獣と勇者3

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第308話 神獣と勇者3

注:
ジャネット(22歳くらい)フェニックスの神獣
ロゼッタ(20歳くらい) ドラゴンの神獣
パトリシア(20歳くらい)クマの神獣
アレク(15歳くらい)トラの神獣
アデル(10歳くらい)キツネの神獣
アイリス(8歳くらい)グリフォンの神獣
エイミー(8歳くらい)ケロベロスの神獣
      年齢は見た目です、でも、あまり神獣化しません。
レイチェル  この星の神
人間:アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロット

~~~~~~~~~~~~~~~~

ウルフの奴は、俺が睨にらんだ通り、オーリス王国の俺の屋敷を狙ってきた。

用心のため、張り巡らせていて、良かった。

結界魔法を幾重にも張っておいたから、大丈夫だと思ったけど、自信はなかったから、急いで来たんだけど、本当によかった。

エイミーも、アイリスも、やはり怯えていた。

神獣と言っても、一番、小さいから、しょうがない。

だから残したんだけど。

本当の姿は恐ろしい、ケロベロスとグリフォンでも、子供は子供だよね。

でも、子供でも、数百年は生きているけど、人の時間と見た目とは違うから。

神獣たちには、神獣の時間の流れがある。数百年、生きていたって、人とは違う。

だから人型になると子供の見た目になるわけだから。

でも、エイミーとアイリスの二人と戦うと強いかもな。


俺は、ウルフを空間に入れて、出れないようにして、誰もいない草原にきた。

奴と対する前に、ソロモン王国とマクシミリアン国の方を確認してみたけど、うまくやっているみたいだ。

さぁ、ウルフをどうするか??

このまま、空間に、入れっぱなしと言うのもいいと思う、そのうちに干からびているかも。

ウルフを空間に入れっぱなしにしておいて、どこかの次元に、ほっぽり出すと言うのもいいかもわからない。

次元をさまようウルフ、略して、次元ウルフ、というのも格好いいような気がしたけど冗談はさて置いて‥‥‥。

奴を、どうにかしなければ、このままでは先に行くことも、未来もない。

ウルフを説得してみたいけど、無理なような気がする。

ウルフは、俺の周りにいる女の子と女性の仲間でもあるから、なんとかしたいと思っている。

でも、そのためにも、ウルフと対しないと、何もできない。

まぁ、 わかっちゃいるんだけど、俺が中に入るしかないよね。

奴を現世に出すわけにはいかないから、このまま空間の中で戦おうと思う。

俺が中に入ってしまうと、俺の許可がなく空間に入ることができないので、奴をやっつけない限りは永遠と2人だ。

つまり、どちらか1人しか生き残れないし、俺が死んじゃうと奴も永遠と空間の中に入ることになるんだろう。

空間のエネルギー切れになるまで。

今思いついたけど、 勇者スキルを使って、この空間の強化をしてみることにした。

手にウルフが入っている空間と別の空間を作ってみる。

やり方は同じで俺が空間を作ると言うイメージを持ちながら勇者のスキルを使う。

やはり今度も白のような赤い色のような2色が変わりながら変化して輝いていく。

空間が白と言うイメージが強いためだと思うけど、赤は危険だと言うことかな。

そして光がおさまった、今でも俺の右手に別の空間を作ってみる。

どこが変わったのかと言うことを認識しなければいけないから。

別に表面から見ても変わったと言う意識は無い。

これは、どこが変わったか分からないよ。

「う~ん」考えてみても、触ってみてもわからない。

明らかに以前とは違うような感じがするんだけど、強固になったのかなぁ

前の空間は木でできた空間だとしたら、今度の空間は岩でできたような空間のような気がする。例えだけど。

目で見ると小さい四角形の箱のような感じなんだけど、それがなんだか頑丈になったような感じがする。

「う~ん、なるほど」

「まぁ、中に入ってみよか」

「あ~ドキドキする」

「あの時は、格好つけたからな~」

「じゃ、行ってみようか」誰もいないけど、なんとなく言葉に出してみたけど‥‥‥

俺は自分で作った空間をこじ開けるよりも、以前、屋敷であった魔法陣を俺専用に思い描いて空間に瞬間転移する。

自分が作った空間だから口を開けることもなく、中に入ることができるんだ。

口を開けたらウルフが出てくるかもわからないから、開けられない。

もちろん奴としては、空間の入り口が開くのを待っているだろ。

俺が瞬間的に空間の中に入ると、奴は30メーター先に座っていた。

もちろん中に入るときには、どこにいるか確認をして入ったから。

俺が現れたら、奴が、こちらをにらんでいる。

「そんなに睨にらむなよ、怖い顔しているぞ~」

「 どこまでいっても、ヘラヘラしている奴だなぁ、 お前、俺が怖いんだろう」

「えっ、どうして?」

「 怖い奴の前では、ヘラヘラする奴が多いからな」

「俺は、お前が可哀想だと思ってな」クリス

「俺が可愛そう?」

「そうだよ」

「何が、可哀想なんだよ」

「だって、そうじゃないか」

「‥‥‥」

「人を恨んでばかりで淋しい奴」

「俺のなんがわかるって言うんだよ、お前に」徐々にウルフがイラついてきた。

「だって、奥さんと子供を殺されたんだろ?」

すごい勢いで俺の顔を見る

「キサマ、何が言いたい?」

「俺だって、殺されたさ」

「? 何言ってんだ、お前」

「でも、俺は殺されても、人を恨むことなんか、しなかったぞ」

「‥‥‥」

「逆に、今度こそ、頑張ろうとしたけどな。だから余計に、色々なことに手が出せなくなったじゃないか」

「お前、なんの話しているんだよ」

「俺って、勇者らしいんだ」

「あぁ、感じからして、わかるぜ、それだけの闘気を持った人間なんか、いるもんかよ」

「あっそう?」
そんなに戦う気が出ていたのか、、いかんいかん。

「なぁ、ウルフよ、もういいじゃん、人を恨んでも、家族は戻らない」

「ああ、わかっているさ、お前を殺せば、多くの人が悲しむらしいな」

「お前を殺すことに変更してやろう」

「いや、 ちょっと待ってよウルフ」

しまった~、やり方間違えた。

ウルフの恨うらみの矛先ほこさきが俺に向いてしまった。

どうしようか? なんて焦ったり‥‥‥

俺には自信がみなぎっている。

それも勇者としての自信が。

俺が勇者としての自信を持つと、体のオーラの色が変化する。

これは、最近、わかったことなんだけど、今までも近い色ではあったけど、今は、より強く色が濃くなったような気がしている。

その色が、金色。

しかし金色の色を表に出すのではなく、体の中に留めることに成功している。

だから、表面上の俺の体を目だけで捉えてもわからないと思うけど、気が見える人は少ないから、神獣たちや俺のメンバーが少しわかるくらいだと思う。



最近は勇者のスキルを使うことが多いせいか、今までとは違う。

なんだこれ? と初めは、わからなかったけど、これが勇者のスキルなのかと考えた。

勇者ってこんなに自信に満ち溢れていて、勇気があるんだ。

なんだか勇気と簡単に形をつけてしまうのは惜しいくらいだ。

そして俺は奴に向かって歩き始めた。

それを見たウルフは、奴も前に進み始めた。

そして、俺は、異空間収納から迷宮で獲得した聖剣を出した。

聖剣を右手で持って、魔力をこめていくと、一気に聖剣が青く光り始めた。

その聖剣の青さが徐々に静まってくると剣に青みを帯びた剣に戻る。

この聖剣は俺の力を数倍にもしてくれる、俺専用の剣でもある。

今の聖剣は、仄ほのかに光が発するくらいになっている。

ウルフの奴も徐々に足を早めながら剣を抜いている。

俺が剣を高く掲げながら、走り始める。

ウルフの奴も走り始めた。

俺とウルフが、交差するときに、火花が輝いて剣と剣が当たる。

空間中に響き渡るくらい大きな音がして剣と剣が当たった。

「ガキンッ~」

俺とウルフは、剣と剣を合わせたまま、力押しをしている。

俺が剣を力をこめて、押し返すと、奴も俺の剣を押し返すとする。

力と力が打ち消されるように、剣が、その位置で止まる。

数秒は、同じ位置で剣と剣が止まっていたが、俺が奴の剣を右に押し込めた。

ウルフの奴は、それを嫌がって、一旦、離れた。

俺には、奴の動きや剣が、まるでスローモーションのように見えている。

戦いに集中すればするほど、俺の感覚が研ぎ澄まされていくのがわかる。

自分でも驚くような感覚に襲われる、こんな感覚は初めだ。

これが未来予知なのか? 

なんだか、わからないけど、ウルフの動きの一つ、一つが、ゆっくりに動いていく。

ウルフと剣を合わせた瞬間から、俺に変化が起きている。

これが勇者の力の一部なのか?

俺は、この現象に戸惑いながら、ウルフの動きをじっくり見ることができた。

奴はステップを踏んで、左に動こうとしている。

俺も奴と同じ方向に動いて、奴の動きを止める。


今度は右に動こうとして、足を踏ん張ったけど、どうもフェイントみたいに思えて、俺は動かなかった。

やはりウルフは左に動いていく。

今度は俺は同じ方向に動かないで、カーブを描きながら、奴に急速に迫っていった。

そうするとウルフは、動きを止めて、俺の剣を受けた。

「ガキンーン」

俺とウルフは、また、力任せに剣を押し返している。

「獣臭い顔を近づけるなよ、 汚れちゃうだろ」

「貴様こそ、なんだ、俺と打ち合えるなんて、今まで、俺の剣を受けて、ただで済んだ奴はいない、貴様、なんなんだ?」

「なんだって、俺は勇者だけど」

「嘘言え」

「いや、嘘じゃないよ」

「人間の勇者に、これほどの力があるものか」

「いや、嘘じゃないよ、俺は人間の勇者だ」

「嘘言え、おまえ、俺を謀たばかるっているのか」

「いや、嘘は言ってないよ」

俺とウルフは剣を押して離れた。

俺の5メートル先に、ウルフがいる。

あれっ? 奴の力は、こんなものか?

「どうしたウルフ」

「キサマ、殺す」

ウルフがうなるようにしながら左に回し始めた。

俺も、 ウルフが回り始めたので、円を描くようにジリジリと足を運ぶ。

お互いに間合いを図りながら、様子を見る。

ジリジリと音がするような感じで、お互いの動きを見る。

たぶん、一瞬が決する時だ。

それに負ければ、俺も危ない。

一度でも、奴の力任せの剣に当たってしまうと、深手を追うことは間違いない。

俺が深手を追うと、動きが悪くなるから、次の剣に対応が遅れてしまう。

回復魔法でも間に合うか? 次の攻撃までに。

そんなことを考えながら、奴との間合いを気にしながら、タイミングを待っていると、奴が急に動いた。

「ガキンッ」

「キンッ」

何度も剣を打ち合っても、ウルフの力は弱い。力を隠しているのか??

じゃ、今度は剣を収納して

「なんの、つもりだ」

「ウルフには剣では敵わないから、魔法で行くぞ」と嘘をいった。

「まずは、火の魔法だ」 と言いながら俺は右手にファイヤーボールを作った。

ウルフの奴も剣を異空間に収納して右手と左手の両方にファイヤーランスを作った。

俺は作ったファイヤーボールを投げないでウルフがファイヤーランスを放つのを待つ。

ウルフがファイヤーランスを両手から放った。

炎を帯びた矢が俺のほうに飛んできた。

俺はウルフのファイヤーランスを、俺のファイヤーボールで吸収した。

「なんだ、そりゃ」

「えっ、炎が足りなくて貰ったんだよ、今度はお返しするね」

そう言ってファイヤーボールをウルフに向かって投げた。

ウルフは、ファイヤーボールを、手で受け止めた。

「おーすごい、やるじゃん」

「 お前、俺をなめてんのか」

「 お前を舐めるほど奇麗じゃないだろ、 そんなばっちい体、舐められるかよ。


「‥‥‥」

ウルフは家族のバカにされることを嫌っている、それは誰だって同じだから、もう2度と使わない。

でも、 奴のことをけなすのは別
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