上 下
183 / 691

第172話 基礎訓練

しおりを挟む

俺たちは魔法の訓練をするために誰もいない野原に全員で来ている。

俺の感知魔法で確認しても街道からも離れているので見られる範囲には誰の気配もない。

今日は何の訓練するのかと言うと、今回は冒険に出るための基礎訓練をしてもらおうと思っている。

基礎訓練は、ほんとうに基礎中の基礎だけど、本当は奥が深い。

しかし、あまりにも、シンプルだから、多くの人は途中で断念してしまう。

面白味がないのが原因なんだけど。

冒険者として、やっていく為にも必要なこと、別に魔法使いにならなくても剣で相手する時にも、最低限の基礎ができていないと、剣のスピードの変わってくる。

筋肉の力で剣を振るっているのが普通だけど、筋肉だけじゃないスピードがある。

そして重たさ、剣を振るうときには、重たい剣だと、はじかれないでズシッとした剣になるから。

多くの人は筋肉だと思って筋肉をつけようとする。

だから女性の筋肉でも、大柄の体格の男でも剣で勝つことができる。

また、いるかいないか知らないけど、勇者にも勝てる可能性もある。

剣に魔法を乗せる形をするわけだけど。

そうすると、魔法力の多さにおいては、剣が光をおびる。

光の色は、魔法の質で違う。

その魔法の力を帯びさせるかで、剣の光の色が変わってくる。

例えば火の魔法だったら、赤色になる。

土の魔法をおびると、剣は茶色になる。

風の魔法を帯びさせると、青色になる。

また魔法を複数活動させることができると、金色に光ってくる。

その色を濃くしていく事ができるんだが、ほとんどの人はできない。

その理由は、色が変わったことに喜んでしまい、それ以上、基礎魔法を練習しないから。

でも色を剣に帯びさせるのは、難しいから多少、魔法を使える程度の人ばかりだから色つきの剣はできないと思う。

色つきの剣にして、色を濃くすることができれば、上達している証拠だと思う。

薄い赤から、濃いい赤になればなるほど、その分野の魔法が上達している証拠になるから。

今から、練習魔法は、基礎訓練だけど、基礎訓練をするときでも、何の基礎訓練をするのか、考えなければならない。

何をするのも意味があるから、また、意味が必要になるから。

意味、または、理由がないのに、しても伸びない。

まずはソフィアに火の魔法を展開してもらい、剣を赤くしてもらう。

しかし、剣は赤くなることはない。

イザベラも火の魔法を発動してもらい、剣を構えて、剣を赤くしてもらうが、赤くなることはない。

コリンにも同じことをしてもらうが、赤くならない。

アリシアに同じことをしてもらうと、アリシアが手に持っている剣が、うすく赤くなった。

最近は、どうしてかわからないけどアリシアの伸びが大きいような気がする。

アレクに実践をしてもらうと、瞬時に剣が真っ赤になって、剣がボロボロになってしまった。

「あれっ」

俺は頭を抱えた。

「アレク、魔力のコントロールをして」
「うん、わかっているんだけど、久しぶりに復活したから、まだ、コントロールできなくて……」

「じゃ、俺が魔法を剣にこめて、いくから見ていてくれる?」

そうすると全員が、俺と距離をとってみている。
俺が剣を持って、ゆっくり魔力をこめていく、そうすると一瞬で、剣が赤くなっていく、さらに、さらに赤さが濃くなっていくのを見せる。

ゆっくりしたのは、メンバーに見せるためだ、俺は、もう少し早く展開できるけど。

俺も、もう少し練習しなければいけないな、少しでも早く展開できるようにしないと、と俺は考える。

「じゃ全員で練習してみて」

しばらくは剣の色を変えることをしていた。
でも、同じことばかりでは集中力も途切れてしまうので、そろそろ、体を動かしてもいいと思ったので、

「そうそろ、実践を始めるよ」
「でも、剣に魔法は込めないでね、危険だから」

おれは剣に、魔力をまとわせる。
そして、その剣を誰もいない方向に向かって、振るった。

そうすると、「ズバッ」とすごい音がして、あたり一面、焼けこけた。

「あっ、やべっ、やりすぎた」

アレク以外の、みんながびっくりしている。
「軽くしたんだけど……」

おれは、ごまかす意図もあって、剣に魔力をまとわせるのを繰り返している。

俺も威力の調節を練習しないと!!

おかしいな、依然したときは、ここまで強くなかったのに、成長しているからかな?

焼け焦げた地面は水魔法で消化した。

すごい範囲の地面が焼けてしまった。

そしてマグマが落ちたように灼熱化している部分もあった。

これも依然、発火の練習をしたからかな?。
アレクだけは、それを見ていた。

今日のアレクの洋服は、以前、着ていたワンピースじゃなくはブカブカだったので、メンバーが新たに買ってきてくれたワンピースを着ている。

これから実践してもらうことになる。

初めから剣で攻撃してもらうと危ないので、拳で戦ってもらう。

もちろんアザができたら大変だけど、痛い思いをすることも大切なんだけど、恐怖が出てしまうと大変だからプロテクターをしている。

もちろんアザや怪我は治せるけど。

アザやケガを治しても心の傷や恐怖心は消えない。

攻撃するときにはプロテクターの部分を攻撃してもらうようにする。

最近は一番、伸びてきているのはアリシアだ

2番目はソフィア、3番目がイザベラ、コリンが4番目くらいかなって感じ。

まずは、ソフィアが守りで、アリシアが攻撃をする

ソフィアに基礎魔法を展開してもらう、魔法を纏うようにして濃密にしていく。

準備ができたら手を挙げてもらう

「アリシア、プロテクターのあるところを思いっきり拳で殴って」

アリシアは、構えてソフィアのプロテクターのある位置、めがけて拳を振りかざす。

「ガンッ」と大きな音がしたが、プロテクターまで届いていない。

アリシアが拳を痛そうにしているので、俺の所まで来てもらって治療をする。

本当は俺のところまで来てもらわなくてもできるんだから。

「全員、見ていてわかったね、ソフィアがしているプロテクターまで拳が到達していないんだよ」

「と言う事は、ソフィアの基礎練習はしっかりできていて、拳を防ぐだけの濃密さがあると言うことだよ」

「じゃあ、今度は交代ね」

今度はソフィアが拳で攻撃して、アリシアがそれを防ぐ。

アリシアが基礎魔法を展開する。魔法をまとって濃密にしていく。

準備が終わって手を挙げたので、ソフィアが思いっきり拳でプロテクターを殴る。

「ガ~ンッ」と大きな音がしたがプロテクターまでは到達しなかった。

ここまでは成功なので、

「じゃぁ試しに、俺が攻撃してみていい?」と言うとアリシアは手を挙げなかったけど、ソフィアが手を挙げた。

ソフィアが基礎魔法を展開して脳密にしていく

ソフィアが基礎魔法を展開して脳密にしてい、準備ができて手を挙げたので、俺がソフィアのプロテクターめがけて攻撃をする。

攻撃する前に、「あっそうだ、忘れるとこだった」

「ちょっとソフィア、そのプロジェクターの上に、全員のプロテクターもつけてくれる」と俺が言ったので、ソフィアは4枚重ねてプロテクターをつけたわけだ。

「じゃぁ基礎魔法を展開して濃密にしてくれる」

準備ができたのでソフィアは「いいわよ」と言った。

俺は軽い力でソフィアのプロテクターに拳を叩きつけた。

「ドガッ」凄い音がしてソフィアが吹き飛んで気絶した。

あれっ、そこまで力入れてないんだけど!
急いでソフィアのところに全員が駆け寄って、俺が治癒魔法を使う。

しばらくしてソフィアは目が覚めたので
「ごめん、ごめん、軽くしたんだけど」と言って謝りながら治療をしていく。

本当に軽くしたので、こんなはずじゃなかった。
自分の方がびっくりだ。

ソフィアは目が覚めたけど、まだぼーっとしている感じがあったので、さらに治療を続けるとしっかりしてきた。

「もう、クリスったら」と言って立ち上がった。

そして全員でプロテクターを見たら凹んで傷が入っていた。

「まさかと思って4重にプロテクターをしてもらったんだけど」

「ここまで威力があるとは思わなかったよ、自分でもびっくり」

「本当にソフィア、ごめんね」

「もう、いいわよ、そんなに謝らなくたって、クリスのような人が来たら、私が展開していた魔法じゃダメだってことね」

「まぁ、そうだね」

俺は顔をポリポリ書きながら冷や汗を垂らしながら言った。

自分の実力に自分自身が驚きながら、こんなんじゃぁ相手がいないことになる。

あっ、相手がいた! と思った。

錬金術で壊れたプロテクターを直して、「じゃあ今度は、同じような感じでイザベラとコリンが戦ってみて」と言って、俺はアレクの方を見た。

アレクは、今は人型をしているので、目がクリクリっとした髪の長い可愛い女の子だ。

本当に見た目で、こんなに可愛いのに、強いんだろうか?

「アレク、ちょっと勝負してみない」

「うん、いいよ」

と言うので、俺たちは離れた位置に移動した。

「じゃぁ、何でも使っていいからね」と俺が言って戦闘開始

俺が、瞬間的に動いてアレクの死角に入って拳で殴ろうとする。

しかしアレクは、瞬間的に、俺の方を向いて手で止めた。

右足で蹴りを入れようとしたが、それも手で止められた。

一度、離れる

俺はアレクから離れたつもりだったけど、アレクの方がすごい勢いで近づいてきた。
そして拳で殴ってくる。

その拳を、俺も手で受け止める。

アレクは、右足で蹴りを入れてくる。

アレクは戦闘するつもりで来ていないので、ワンピースを着ていたが、パンツが見えた。

なんてことを考えながら、戦闘を続ける。

「じゃあ、ここからは魔法もありでと言うことで」と俺が言うと、アレクは巨大なファイアボールを作って投げた。

俺は、瞬間的にファイヤーボールを体の表面に、手だけに魔力を集めて濃密にして受け止めた。

1点集中の魔法だ。

ある程度実力がわかったので、アレクに、もう終わりと言って終了を告げた。

「アレク、すごいな」と言うと、ご主人様こそ実力の半分も出していないでしょうと言われた。

「じゃあ、みんなのところに戻ろうか」と言って4人のところに戻ってくると、あきれられていた。

「どうしたのみんな」と俺が聞くと、クリスとアレクの戦いが凄すぎて、と言われた。

「もう、現実じゃない戦いだよ」とアリシアが言った

イザベラが、「異能同士の戦いだね」

イザベラがそう言うと、全員がうなずいていた。

「まぁうん、実際にはレベルが高ければ高いほど、すごい戦いになるわけだけど、それに、できるだけ対応できるようにしておいて欲しいんだ。

そして、ここにいるアレクは、いざ危ない時が起きた場合に守ってもらうために来てもらったんだ。

今から本当に何が起きるか分からないし、自分の命が危なくなる場合もあるかもわからないから、できるだけ自分でも高めなければいけないし、他人に守ってもらうだけでは、その人がいないときには、どうするのかということを考えて欲しい」

「その間、ここにいる俺やアレクが手助けしてくれるから。

今の俺との戦闘を見てもわかるけど、妹みたいな存在だけど、実際には伝説級の女の子だよ。

俺も人だから、うっかりする時もあるけど、アレクと協力して鍛えたり、仲良く生活して成長していこうと思うんだ」

「だから、みんな新しくできた仲間のアレクと仲良くしてね」と俺は言ったが、実際に、自分を守ると言う事は本当に大変なことなんだ。

前世でも魔法使いだった俺は、戦争に巻き込まれて、長期間に及んだ戦争で疲弊してしまい魔法が使えないほどのことが起きて殺されてしまった。

誰かを守りたいと言う意思があったって、守れないこともある…

なんで戦争なんか起きるんだろう
どうして人と人が殺し合いをしなければいけないんだよ

戦争をしたくない人が強引に参加しなければいけない状況になる、それが戦争なんだ。

戦争をしたい奴だけ人が住んでいない、どこかの島で戦争すればいいのに。

本当に、ごく一部の奴の考えだけが戦争を引き起こしていく

なんだか最近、以前の自分が殺された記憶が蘇ることが多い。

冷や汗をかいて目覚めることもある。

なんだか悪い予感がするんだ

予感が当たらなければいいけど
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

処理中です...