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第14話 冒険者になる

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第12話 冒険者になる



俺を何が待っているのか?

村を出るように駆り立てる心の意味を知りたいと思う。

無茶をするために村を出るつもりはないけど、俺が村を出ることで、何かが、何処かが変わる感じがするんだよね。

いくら前世で、すごい魔法使いだって、現生は違うかも知れないし、村から出たことがないから、世界が、どれくらい広いかわからない。
前世の知識は今でもあるけど、現生とは違うと思うから。

前世では、戦争が多くあり、攻めたり、攻められたり、侵略戦争ばかりしていた記憶がある。

平和なんて、どこにあるのか。

前世の俺なんて、自国の駆り出された知り合いに殺されたんだよ。

強い武将とか、将軍じゃないんだよ。

俺を殺さなければ、自分の命も家族の命もないから、相手は必死だけど、顔をみたら、人殺しなんて初めてのような恐々の顔をしていた。

前世の俺も戦争だからと言って多くの人を殺した。
そんな俺が、どうしてなにかに駆り出される心があるのか、それはわからない。

村から出てみて、初めてわかることだってあるから。
だから自分は冒険者になろうとおもう。

家族に冒険者になるって話をした夜は早めに寝ることにした。

しかし寝床に入っても、なかなか、寝付けなかった。

アリシアも早めに寝たみたいだから、シーツのカーテンの向こうで寝息がしている。

今日の夜中に俺は家を出るつもりだから興奮して眠れない。

随分経ったと思う時間、俺は麻の袋に洋服と下着を音を立てずに詰め込んで、パジャマを脱いで服を着て、靴を履いて、音を立てずに歩きながら扉をゆっくり開ける。

扉を開けたら、寝ているはずのアリシア、そして両親が座っていた。

俺は、ドキッとしたけど、両親の顔を見ることができない。

何だか後ろめたい。

3人が、こちらを真っすぐに見ている。

「やっぱり」とアリシア

「クリスどこ行くの?… こんな早くから」と母親

返答に困った、何て答えたらいいのか?

アリシアが「やっぱり行くんだね」と言った。

「ごめんね」と答えはしたがアリシアの顔を見ることができなかった。

親もアリシアも諦めたような顔をして母親が、「わかったわ」といった。

「実はね、近くの山や川の景色が、いつの間にか形が変わっていたのよね」

「不思議に思って何回か見に行ったことがあったんだけど、その時に見たのよ‥‥‥」

「あなたが魔法を使っているところ。
あなたが、あんな強い魔法を使えるだなんて、知らなかったわ」

「そうだね、俺も母さんから初めて聞いて、驚いたよ、それで、すぐに現場を見に行ったら、本当に地形が変わっているからな」と父さん

「いつ、クリスが話してくれるか、と思っていたんだけど、黙って出ていくなんて‥‥‥」

「‥‥‥ごめん」としか言えなかった。

いつの間にか母親に魔法の練習しているところを見られているとは思わなかった。

俺が悪くて責められているのは、わかっているけど‥‥‥俺は‥‥

何と答えたらいいかわからなかったので黙っていた。



父親が、ぽそりと「俺のオヤジとそっくりだな」と言った。

そういえば昔、聞いたことがある。

俺のおじいちゃんは、若い頃は、かなり有名な冒険者と言うことを聞いたことを思い出した。

父親が、「おじいちゃんと同じ冒険者になりたいのか」と聞いてきたので、「うん」と答えた。

本当は今までおじいちゃんの事は忘れていたんだが、この際、どう答えたらいいか、わからないので曖昧な答えをした。

おじいちゃん、ごめんなさいと心で思った。

「クリス、私も連れて行ってくれない?」

「えっ、アリシアも」

「うん、私もクリスと一緒に旅に出てみたい、そして冒険者になる」

「うん、でも、それは待ってほしい、というのは、俺も冒険者になるのは初めてだし、どうなるか、わからないから‥‥‥
それに冒険者になることができても、依頼があるか、わからないし、お金の問題もあるからね。
そして冒険者って旅をするから寝るのも外だし、魔物が襲ってくるかもしれないし、盗賊もいるだろうし、トイレの問題もあるんだよ」

「あっ、そうだね」

「でも1年後に、俺が冒険者になれたら迎えにくるから、その時は、アリシア、一緒に冒険者になろう」

「うん、わかった」


何とか親にも承諾をもらえて、黙って家を出ることなく、旅立つことができた。

一応、自分の部屋のテーブルの上に手紙は残してきたんだけどね。

ここからは15歳の旅と冒険が始まる
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