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第5話 彼女の家族

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七海ちゃんの家からの帰り道、本当に俺の人生って今までは何だったんだろうと落ち込む。

好きな女の子ができたくらいで、朝から目覚まし時計を鳴らすこともなく起きれるなんて、今までなかったこと。

いつもは朝は、体がだるく学校行きたくないなぁと思っているのに、七海の家に行くのは、活発に迎えに行っている。

でも、あの幼なじみの七海ちゃんが、またこの町に帰ってきてくれるなんて。

本当に嬉しいと言うよりも、言葉では表すことができない。

しかし以前、俺に暴力を振った奴は、多分、未だに七海を狙っているはずだ。

だから七海から目を離すことができない。
目を離すなと言うなら本当に俺は七海ちゃんから目を離さない。

今までは、思っていなかったけど、七海ちゃんに出会ってから、まだ数日しか経っていないが、幼なじみだったせいもあり、ずっと前からの知り合いのような感じだ。

小さい頃は本当によく遊んでいて、お互いの家を行ったり来たりしたり、お泊まりもよくした。

俺はあまり覚えていないが、一緒にお風呂も入ったことがあると親が言っていたよね。

残念だが、本当に残念だが、記憶にない。
まぁ、記憶に当たって、小さい頃だし。

俺は、姉ちゃんとは、お風呂に入った記憶があるんだが。

妹の陽菜とも、お風呂に一緒に入ったことあるが、小学校2年生から、拒否されてしまった。

しばらくは、どうして陽菜が一緒に入るのを嫌がっているのかわからなかったけど。

もちろん今はわかっているから、お風呂は別々に入るよ。

しかしどうしても、女性陣が多いせいで、風呂上がりの格好が、すごいんだよね。

時々、琴音姉ちゃんなんかは、タオル1枚で冷蔵庫の前まで来てビール飲んでいるし。

風呂上がりに飲むビールはおいしいらしい。

特に風呂上がって、すぐのビールがおいしいと言っている。

しかし迷惑だよね、目のやり場に困る。

見てもいいものかどうかも。

母ちゃんも最近は姉ちゃんに言うのを諦めた。

妹の陽菜は、短いワンピースを着ていたりするし、姉ちゃんもだけど。

なんだか、そんな環境で育ったからか、わからないけど七海の恥じらい方は新鮮だ。

まぁ、もちろん家族じゃないから、他人なんだから。

家族と言うのは、一応、父ちゃんはいるけど仕事が忙しくて、あまり帰ってこないし。

帰ってこない父ちゃんのことを一応って言って悪いけど。

俺は、考えながら歩いて家に帰ってきた。

家のドアを開けると、ちょうど姉ちゃんが玄関に座ってブーツを脱いでいるとこだったので、足の間から下着が丸見えになっている。

俺は、ちらっとは見たけど、全く、もうって感じよ。

なんだか、こんな家族ばかりの中で七海ちゃんは、本当に新鮮で救世主だ。

俺は2階に上がって荷物を置いて食事をするために下に降りてきた。

姉ちゃんも着替えて食事をするためにテーブルに着いた。

「姉ちゃん、俺が扉を開けたから、よかったものの、他の人だったらどうするの?」

と言って注意するつもりだったが、逆に姉ちゃんに

「悠くんだったからよかったじゃない」と言われた。

返す言葉もありません。

本当に、もう少し注意してほしいんだけど。

あ~俺の夢と希望が現実の前に、はかなく消えていく。

もう、さっさと食事して風呂入って寝よ。

あー、でも今日は宿題があるんだった。

本当に自分1人だったら、宿題を忘れましたと言って済ませるんだけど、七海がいるから、ちゃんとやらなきゃいけないなと思う。

だって宿題だって、俺が先将来、社会に行くときに選ぶ幅を増やしてくれているんだから。

今まで、いやいや学校行っていたけど、もしかしたら七海と将来のこともあるかもわからない。

そうなったら今あることをやっとかないと、何ができますかって言われたら、何もできませんて答える情景が浮かぶ。

そんなことにならないようにしなければ、今までの俺とは違うんだというところを見せなきゃ。

七海に恥ずかしいところを見せたくない。

そう思いながら、勉強していると、本当になんだか自分が、変わったような気がする。

七海には、俺が頑張っているところを見て欲しい。
努力をしている人は尊敬もされる。

グータラ人間なんかは文句を言うだけだ。

今まで俺は、グータラ人間だった。

ぐだぐだ文句言っているだけ、自分で恥ずかしい。

今までは、いろいろなものに甘えていた。

それを七海ちゃんが変えてくれた。

七海ちゃんには感謝したい。

七海ちゃんが、俺を好きだと言ってくれるように努力する。

それが今の目標だ。

あと2週間後に定期テストがある。

今までやらなかった分、頑張らなかった分をやらなきゃ。

七海ちゃんに合わせる顔がない。

俺は勉強で集中できなくなってくると、腕立て伏せをしたり腹筋をして頭をクリアにした。

コーヒーを飲むよりも、体動かした方が頭に酸素が行くから。

それでも頭がぼーっとしてきたり、記憶ができなくなったときには寝ると言うメリハリをつけることにした。

ぼーっとした頭のまま勉強をしても集中力もない。

よし、今日はここまで、今頃、七海ちゃんは、どうしているかな?

そういえば七海ちゃんも友達とLINEをしていたような気がするので、俺もスマートフォンを持っているのでアドレス交換をしてみよう。

今までは、そんなことをする友達もいなかったので忘れていた。

スマホを持っていたけど、親からのメールばかりだったから、あまり電源を入れなくなっていた。

よし、明日の朝、七海ちゃんのアドレスを教えてもらおう。

よしじゃあ今日は寝よっか。

トイレに行こうとして部屋を出たら、妹の陽菜と鉢合わせした。

陽菜は、いつも夜遅くお風呂に入るんだけど、今日はたまたまタイミングが合ってしまい、お風呂から上がった陽菜は、バスタオルしか巻いてなかった。

俺を見るなり、「フンッ」と言って急いで部屋の中に入っていった。

もう、どっちが悪いんだよ。

タオル1枚を見た俺が悪いの?

もう、寝る

翌日は、やはり目覚まし時計が鳴る前に目を覚ますことができた。

さっさと布団から出て、制服を着て食事のために下に降りていく。

俺は勉強も昨日は、集中して数学と英語の宿題をこなしながら、試験勉強もしている。

さっさとご飯を食べて、顔と歯を磨いて、七海の家に迎えに行くことにした。

なんだか足取りが軽い。

普通でも20分かかる道のりを、15分位で歩いて七海の家に到着した。

時計を見ると、少し早く到着したので、家の前で待つと迷惑かもわからないので、前に公園があったので公園のブランコに座って待つことにした。

しかし、犬の散歩をしている人や朝と言うのにカップルがいる。

まぁ話をしているだけだけど。

それらを横目で見ながら、俺の腕時計を見て、ちょうどいい時間になったので七海の家のベルを押す。

そうすると、すぐに、はーいと七海ちゃんの声がした。

今日は七海ちゃんが扉を開けてくれた。

「悠くん、ちょっと待ってて」

「まだ時間があるから急がなくていいよ」

「ありがとう」

と言って七七海ちゃんは、また中に入っていった。

そして、しばらくして七海は出てきて、一緒に学校に行く。

学校に行きながら「LINEのアドレスを教えてくれない?」と俺が言うと「あ~私も今日教えてもらおうと思ってたんだけど、先、越されちゃったか」

と言ってスマホを取り出してアドレスを交換した。

そして早速、七海ちゃんにスタンプを送ってみる。

「なに、これ面白い」と俺が送ったスタンプを見て笑っている。

「夜は、LINEで話してもいい?」俺が言うと

「もちろん、今日が楽しみだね」と今日からラインすることを催促された。
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