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僕が誰かを嫌いな理由(わけ)
009. スーパーヒーローって美味しいの?
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小学生の頃、クラスメイトが話をしているのをよく耳にした。
幼稚園の頃から小学生低学年ってヒーロー・ヒロインに憧れるお年頃…なのかな?
月曜日の朝、学校へ行くとクラスメイトが顔を会わせるとすぐに始まる談話だった。
「なぁなぁ、昨日のテレビ見たか?あれ良かったよなぁー。◯面ライダー」
「俺、今回こっちのがいいー。○○ジャー」
「俺もどっちかって言ったら○○ジャー。やっぱレッドだよ」
そんな話をしている。
何ですか?それ…。
なんちゃら戦隊○○ジャーってなんか題名は聞いたことある…気がする…。
それに◯面ライダーってことはバイクなのか?でもバイク乗るときヘルメットしなきゃだよね?それが仮面するの?したら危ないでしょ?!その前に…交通違反じゃないの…?
僕にはよくわからない話だ。僕が知っているヒーローはジ◯ムおじさんが作るパンのヒーローだけだ。
そのパンのヒーローだって僕が病院に入院していた時に、ボランティアのお姉さんや同じく入院していた軽症だったり、退院が決まっていた高校生か大学生くらいのお姉さんが絵本の読み聞かせをしてくれたから。
たくさんの本を読んでくれたけど僕はパンのヒーローと人間の言葉を話す青い機関車の話が好きだった。
長い入院生活が終わり禿河の家に戻った時にはあの人たちがいた。
「ここにはあんたなんかの場所はないのよ」
僕に蔑む目を向けながら清心は言った。
まだ小さかった僕には何故そんな顔をされるのかが解らなかった。
普段の顔は一応美人なようだけれど、僕には優しく見せる笑顔なんて見たことはない。鬼のような怒り狂った顔か能面のような無表情な顔だけだ。そんな存在だから、テレビが見られるリビングには僕は長時間居られない。
食事をする時、父さんがいると絶対にテレビを点けていることはできない。父さんがいない時だって清心が家の中の主導権を握っていて僕にはテレビを見ることさえ許されない。
いつも麗夏には甘やかして好きな番組を見たい放題だ。
そんな環境の中で世の中のニュースを知るにはテレビから走ることができないので、新聞が僕の主な情報源だった。
だから僕には学校の教室でクラスメイトたちがワイワイ騒ぎながら話すヒーローのことは全く分からなかった。
みんなの話す会話を少し聞いていたりもしたけど、一年が過ぎた頃にはもうヒーローの名前が変わっていて更に混乱してしまった。
もう僕の脳では理解不能だ。
家の中だけでも理解不能なのにテレビ番組までもが理解不能になるなんてストレスにしかならない。
テレビ番組を殆ど見たことないのだから中学生くらいでは周りが騒いでいた“アイドル”というのも僕は知らない。
“アイドルって”何ですか?
やっぱり僕には理解不能なことだった。
音楽とかそういうもの?
学校で習ったものならわかるけど…。
僕の一番好きな曲は『タイスの瞑想曲』と『エドガーの愛のあいさつ』、他にもお気に入りの曲はあるけれど、僕がわかるのはクラシックだけだった。
そんな僕はみんなと一緒にいるのは少し避けて学校の図書室で借りた本ばかり読んでいた。
そうしていれば麗夏は何故か絡んでくることが少なかった。クラスメイトたちも何か用がある時だけ話しかけてきた。
特に小学校の高学年になってあの事件の後に僕が休んでいた辺りから周りの人間が僕に対しての見方が多少変わったみたいだった。
現実にはヒーローやヒロインなんていなかった。
誰も僕を助けてくれやしない。
僕も僕で誰かに助けを求めるだけの心の弱い人間だったことに今更気がついた。
もっと強い人間になりたい。
僕がヒーローになるような人間になりたい。
そう…、『紫凰』のような、「瑠維さん」のような。
幼稚園の頃から小学生低学年ってヒーロー・ヒロインに憧れるお年頃…なのかな?
月曜日の朝、学校へ行くとクラスメイトが顔を会わせるとすぐに始まる談話だった。
「なぁなぁ、昨日のテレビ見たか?あれ良かったよなぁー。◯面ライダー」
「俺、今回こっちのがいいー。○○ジャー」
「俺もどっちかって言ったら○○ジャー。やっぱレッドだよ」
そんな話をしている。
何ですか?それ…。
なんちゃら戦隊○○ジャーってなんか題名は聞いたことある…気がする…。
それに◯面ライダーってことはバイクなのか?でもバイク乗るときヘルメットしなきゃだよね?それが仮面するの?したら危ないでしょ?!その前に…交通違反じゃないの…?
僕にはよくわからない話だ。僕が知っているヒーローはジ◯ムおじさんが作るパンのヒーローだけだ。
そのパンのヒーローだって僕が病院に入院していた時に、ボランティアのお姉さんや同じく入院していた軽症だったり、退院が決まっていた高校生か大学生くらいのお姉さんが絵本の読み聞かせをしてくれたから。
たくさんの本を読んでくれたけど僕はパンのヒーローと人間の言葉を話す青い機関車の話が好きだった。
長い入院生活が終わり禿河の家に戻った時にはあの人たちがいた。
「ここにはあんたなんかの場所はないのよ」
僕に蔑む目を向けながら清心は言った。
まだ小さかった僕には何故そんな顔をされるのかが解らなかった。
普段の顔は一応美人なようだけれど、僕には優しく見せる笑顔なんて見たことはない。鬼のような怒り狂った顔か能面のような無表情な顔だけだ。そんな存在だから、テレビが見られるリビングには僕は長時間居られない。
食事をする時、父さんがいると絶対にテレビを点けていることはできない。父さんがいない時だって清心が家の中の主導権を握っていて僕にはテレビを見ることさえ許されない。
いつも麗夏には甘やかして好きな番組を見たい放題だ。
そんな環境の中で世の中のニュースを知るにはテレビから走ることができないので、新聞が僕の主な情報源だった。
だから僕には学校の教室でクラスメイトたちがワイワイ騒ぎながら話すヒーローのことは全く分からなかった。
みんなの話す会話を少し聞いていたりもしたけど、一年が過ぎた頃にはもうヒーローの名前が変わっていて更に混乱してしまった。
もう僕の脳では理解不能だ。
家の中だけでも理解不能なのにテレビ番組までもが理解不能になるなんてストレスにしかならない。
テレビ番組を殆ど見たことないのだから中学生くらいでは周りが騒いでいた“アイドル”というのも僕は知らない。
“アイドルって”何ですか?
やっぱり僕には理解不能なことだった。
音楽とかそういうもの?
学校で習ったものならわかるけど…。
僕の一番好きな曲は『タイスの瞑想曲』と『エドガーの愛のあいさつ』、他にもお気に入りの曲はあるけれど、僕がわかるのはクラシックだけだった。
そんな僕はみんなと一緒にいるのは少し避けて学校の図書室で借りた本ばかり読んでいた。
そうしていれば麗夏は何故か絡んでくることが少なかった。クラスメイトたちも何か用がある時だけ話しかけてきた。
特に小学校の高学年になってあの事件の後に僕が休んでいた辺りから周りの人間が僕に対しての見方が多少変わったみたいだった。
現実にはヒーローやヒロインなんていなかった。
誰も僕を助けてくれやしない。
僕も僕で誰かに助けを求めるだけの心の弱い人間だったことに今更気がついた。
もっと強い人間になりたい。
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そう…、『紫凰』のような、「瑠維さん」のような。
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