9 / 61
9 ダリアナ・ゲラティル
しおりを挟む
私は町にある初等学校へ通ったんだけどそれもあって田舎町娘の言葉も侯爵令嬢の言葉も使えるようになったの。もちろん普段は町娘の言葉よ。だってご令嬢言葉は面倒くさいもの。
普通に触られても何も浮かばないんだけど時々私が虐められることが浮かんできたわ。そんな時はその子からは逃げたり思い浮かんだその場所へ行かないようにしたりしたわ。男の子たちはからっかてくるだけだからいいけどなぜかグループの違う女の子たちからは普段から無視されていていじめからは逃げていたからもっと睨まれるようになったのはムカつくけどしかたない。男女関係なく私に悪いことをしそうな人がわかるのは助かったわ。
こういうことが起きていくと私が他の人よりずっとずぅっと可愛いのだとわかってきたわ。私って女の人はエイダお母さんしか知らなかったから貴族ならみんなきれいなのだと思っていたの。メイドは女の人に数えていなかったし。
でもペイジ伯母様は全く美人じゃないし学校の先生で元ご令嬢という人も美人じゃなかった。
侯爵家では外に出なかかったけどここでは街へ出ることもあるのよ。旅の途中っていう貴族の豪華な馬車を時々見かけるけどキラキラしたドレスを着た女の人はブスばっかりだった。
「私が美人だから男の人から意地悪されることが浮かぶの?」
「そうよ。貴女は私に似て美しいもの。男たちがほしがるのよ。でもね、簡単に与えてはだめよ。金を持っている男を狙いなさい。まずは私に相談してちょうだいね」
私はお母さんとは似てないと思ったけどお母さんも間違いなく美人だからそれについては何も言わなかった。
「もしかして女の子たちから無視されたりいじめられそうになるのもそのせい?」
「女は男を虜にする美しい女に嫉妬するの。ほんとあいつらのやり口は汚くて嫌になるわ」
お母さんは思い当たることがあるらしくてハンカチを噛んでくやしがっている。
「でも貴女にそれから逃げられる力があってうらやましいわ」
お母さんはそう言って私の頭を撫でてくれる。
お父様が亡くなってお母さんは再婚の気持ちもないみたい。たまに外に出かけると次の日に帰ってくることもあった。
街ではすれ違いに触れただけでいやらしいことをされることが浮かんだり女の子たちの妄想なのか大人の男たちに拉致される自分の姿が浮かんだりした。
「学校の男の子たちからは何も浮かばないのにどうして街の大人からはやなことが浮かぶの?」
「ダリアナの学校の子たちはまだ子供だから貴女への純粋な好意で本当に悪いことも考えていないからでしょうね」
私はきれいなことは損なことばかりなのかもしれないと思い始めていたわ。
「馬鹿ねぇ。損なわけないじゃないの。試しに男の子たちに時々にっこりとしてみなさい。でも簡単に触らせたり貴女からも触れたりしちゃだめよ。手に入らなそうなのにもしかしたらって距離が大事なんだから」
お母さんにアドバイスされて初等学校で試してみたら三日後には机の上にプレゼントの山になったわ。こんな簡単なことでこんな風になるなんて驚きと喜びではしゃぎたくったけどそれはお母さんに作戦としてだめだと言われていたからグッと我慢してにっこりと微笑んでやった。そしてそのプレゼントたちからカードだけこれ見よがしに抜くの。
「うれしいわ。お礼のお手紙を書かなくちゃ。でもみんなの迷惑になっちゃうから日常のプレゼントは遠慮してくれると嬉しいわねぇ」
まわりに聞こえるように独り言を言う。
平民が日常からくれるプレゼントなんてたかが知れているのだからイベントまでにしっかりと貯金してバーンと贈ってほしいわよね。
私は翌日一番高価なプレゼントをしてきた男の子へお礼の手紙を渡した。真っ赤な顔でハクハクを口を動かすだけのおとなしめの男の子だった。
一週間後にはその男の子は学校を辞めた。他の男の子からの嫉妬でいじめられたらしいというのは付き合いのあるグループの女の子たちから聞いたけど特に何も感じなかったわ。
グループの女の子たちには男の子たちからのプレゼントをこっそり配っておいたからずっと味方のはずよ。
お母さんに教師たちへの応用編も教わったわ。男の教師に触れば私に変な感情があるかどうかはすぐにわかる。変な感情を持つ教師にちょっと甘えたことを言えばテストの内容は教えてくれるし点数も上乗せしてくれる。大人だからプレゼントもなかなかにいいものをくれたわ。
そういう教師とは二人きりにはならないように気をつけていたのだけどある日グルになった二人の教師に空き教室に連れ込まれて危ないことになった。たまたま女性教師が通りかかって私は怪我もなかったのだけれど、これが大きな問題となって私は学校を辞めなくてはいけなくなってしまったの。
普通に触られても何も浮かばないんだけど時々私が虐められることが浮かんできたわ。そんな時はその子からは逃げたり思い浮かんだその場所へ行かないようにしたりしたわ。男の子たちはからっかてくるだけだからいいけどなぜかグループの違う女の子たちからは普段から無視されていていじめからは逃げていたからもっと睨まれるようになったのはムカつくけどしかたない。男女関係なく私に悪いことをしそうな人がわかるのは助かったわ。
こういうことが起きていくと私が他の人よりずっとずぅっと可愛いのだとわかってきたわ。私って女の人はエイダお母さんしか知らなかったから貴族ならみんなきれいなのだと思っていたの。メイドは女の人に数えていなかったし。
でもペイジ伯母様は全く美人じゃないし学校の先生で元ご令嬢という人も美人じゃなかった。
侯爵家では外に出なかかったけどここでは街へ出ることもあるのよ。旅の途中っていう貴族の豪華な馬車を時々見かけるけどキラキラしたドレスを着た女の人はブスばっかりだった。
「私が美人だから男の人から意地悪されることが浮かぶの?」
「そうよ。貴女は私に似て美しいもの。男たちがほしがるのよ。でもね、簡単に与えてはだめよ。金を持っている男を狙いなさい。まずは私に相談してちょうだいね」
私はお母さんとは似てないと思ったけどお母さんも間違いなく美人だからそれについては何も言わなかった。
「もしかして女の子たちから無視されたりいじめられそうになるのもそのせい?」
「女は男を虜にする美しい女に嫉妬するの。ほんとあいつらのやり口は汚くて嫌になるわ」
お母さんは思い当たることがあるらしくてハンカチを噛んでくやしがっている。
「でも貴女にそれから逃げられる力があってうらやましいわ」
お母さんはそう言って私の頭を撫でてくれる。
お父様が亡くなってお母さんは再婚の気持ちもないみたい。たまに外に出かけると次の日に帰ってくることもあった。
街ではすれ違いに触れただけでいやらしいことをされることが浮かんだり女の子たちの妄想なのか大人の男たちに拉致される自分の姿が浮かんだりした。
「学校の男の子たちからは何も浮かばないのにどうして街の大人からはやなことが浮かぶの?」
「ダリアナの学校の子たちはまだ子供だから貴女への純粋な好意で本当に悪いことも考えていないからでしょうね」
私はきれいなことは損なことばかりなのかもしれないと思い始めていたわ。
「馬鹿ねぇ。損なわけないじゃないの。試しに男の子たちに時々にっこりとしてみなさい。でも簡単に触らせたり貴女からも触れたりしちゃだめよ。手に入らなそうなのにもしかしたらって距離が大事なんだから」
お母さんにアドバイスされて初等学校で試してみたら三日後には机の上にプレゼントの山になったわ。こんな簡単なことでこんな風になるなんて驚きと喜びではしゃぎたくったけどそれはお母さんに作戦としてだめだと言われていたからグッと我慢してにっこりと微笑んでやった。そしてそのプレゼントたちからカードだけこれ見よがしに抜くの。
「うれしいわ。お礼のお手紙を書かなくちゃ。でもみんなの迷惑になっちゃうから日常のプレゼントは遠慮してくれると嬉しいわねぇ」
まわりに聞こえるように独り言を言う。
平民が日常からくれるプレゼントなんてたかが知れているのだからイベントまでにしっかりと貯金してバーンと贈ってほしいわよね。
私は翌日一番高価なプレゼントをしてきた男の子へお礼の手紙を渡した。真っ赤な顔でハクハクを口を動かすだけのおとなしめの男の子だった。
一週間後にはその男の子は学校を辞めた。他の男の子からの嫉妬でいじめられたらしいというのは付き合いのあるグループの女の子たちから聞いたけど特に何も感じなかったわ。
グループの女の子たちには男の子たちからのプレゼントをこっそり配っておいたからずっと味方のはずよ。
お母さんに教師たちへの応用編も教わったわ。男の教師に触れば私に変な感情があるかどうかはすぐにわかる。変な感情を持つ教師にちょっと甘えたことを言えばテストの内容は教えてくれるし点数も上乗せしてくれる。大人だからプレゼントもなかなかにいいものをくれたわ。
そういう教師とは二人きりにはならないように気をつけていたのだけどある日グルになった二人の教師に空き教室に連れ込まれて危ないことになった。たまたま女性教師が通りかかって私は怪我もなかったのだけれど、これが大きな問題となって私は学校を辞めなくてはいけなくなってしまったの。
0
お気に入りに追加
325
あなたにおすすめの小説
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
裏切りの公爵令嬢は処刑台で笑う
千 遊雲
恋愛
公爵家令嬢のセルディナ・マクバーレンは咎人である。
彼女は奴隷の魔物に唆され、国を裏切った。投獄された彼女は牢獄の中でも奴隷の男の名を呼んでいたが、処刑台に立たされた彼女を助けようとする者は居なかった。
哀れな彼女はそれでも笑った。英雄とも裏切り者とも呼ばれる彼女の笑みの理由とは?
【現在更新中の「毒殺未遂三昧だった私が王子様の婚約者? 申し訳ありませんが、その令嬢はもう死にました」の元ネタのようなものです】
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
初めての相手が陛下で良かった
ウサギテイマーTK
恋愛
第二王子から婚約破棄された侯爵令嬢アリミアは、王子の新しい婚約者付の女官として出仕することを命令される。新しい婚約者はアリミアの義妹。それどころか、第二王子と義妹の初夜を見届けるお役をも仰せつかる。それはアリミアをはめる罠でもあった。媚薬を盛られたアリミアは、熱くなった体を持て余す。そんなアリミアを助けたのは、彼女の初恋の相手、現国王であった。アリミアは陛下に懇願する。自分を抱いて欲しいと。
※ダラダラエッチシーンが続きます。苦手な方は無理なさらずに。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる