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第八章 隣国王子の恋愛事情 愛の事情編
5 愛の結 1
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ヨアンが仕事に慣れてきたころ、私は国王陛下に呼ばれてた。
案内を受けたのは、国王陛下の執務室であった。アリスの父親であるレンバーグ財務大臣も居られた。
「そなたたちの結婚式の日取りが決まったぞ。」
「え!???」
思わず、失礼な言葉が出てしまったことは、許していただきたい。
「おいおい、そなたたちの結婚は、我が国とタニャード王国の外交の1つでもあるのだぞ。ワシ抜きで話が進む訳がなかろう。」
そう言われればそうだ。すっかり忘れていたけど。
「同国でない王族の結婚は、簡単ではないのだ。お前たちの子供のこともある。
例えば、今回でいえば、『もし、ゼファーライト王子、または、アリーシャ嬢の生んだ子供が今後国王に、なったとしても、レンバーグ公爵家は、タニャード王国の政務に関知しない』などの小さな取り決めが多いのだ。」
「私が、国王になることなど……。」
「そうだな。そなたが今はそのような野心のないことはことは、充分承知しておる。タニャード王家もな。
しかし、もしも、明日、奇病が流行り、タニャード王家の生き残りが、そなただけになったら、どうするのだ?」
「そ、それは…。
国民のことを考えると私がやるというのが混乱が少ないかと…。」
「まあ、そういうことじゃ。万が一を考え、国民を思うことが、王家の義務だ。
アナファルトを打首や市井落ちにせんだったのも、そのひとつだ。奴には、子ができぬ処置をしたと伝えてあるが、実はまだなのだ。ギルファルトに、子供ができてから、その処置を行うことになっておる。」
「そ、そのような大事なことを私に話してよいのですか?」
「ゼファーライト王子には、高官ゼファーとしての指導はしてやれたと思っておるが、王族としての指導は足りておらぬように思えるところもあるのでな。
まあ、先ほどの話は内密にな。」
と、まるで、冗談だったかのように国王陛下は語った。
確かに思い当たることがたくさんある。私は、タニャード王国の宰相・公爵になる者として、考え行動してきた。王弟としての考えは足りなかったと思わざるをえない。
アリスについても、私は伴侶がアリスであれば何でもいいのだが、王弟としては、アリスであることは、大変ありがたいことだと思うべきなのだろう。と、婚約前にタニャード王国で家族に言われたことを思い出していた。
まだまだ両国の王家に守っていただいていることを実感し、さらに己を高めていこうと決心した。
「では、私から今後の予定を。」
と、レンバーグ公爵が、手帳を開いた。
「まず、春先に我レンバーグ公爵邸で、ガーデンパーティーを行う。これの招待状や会場の準備などは、公爵家として行うので、私に一任してもらう。ゼファ殿の仕事や友人についてはキチンと相談するので、安心してほしい。
それが済んだら、タニャード王国への引っ越しとなる。タニャード王国で、結婚式などをすることになるだろう。その点は、タニャード王国のしきたりに沿って行うので、タニャード王家に一任した。よろしいか?」
「はい。 私がすべきことは?」
「仕事を滞りなく、引き継いでおくように。」
「畏まりました。」
「タニャード王国へ行く際には、私と妻、息子夫妻も同行して、結婚式には参列させていただけるそうだ。」
「それは、アリーシャ嬢も、喜ぶでしょう。」
「うむ、日取りが決まって、よかったの。」
「はい、ありがとうございます。」
「ヨアンのことじゃが、そなたの結婚式の後、タニャード王国の宰相補佐官となることとなった。その際、そなたの公爵邸で世話してくれるそうだから、頼んだぞ。
レンバーグ公爵たちはガーリウムに戻ってくるから安心しろ。はっはっは
婿でもないのに、ヤンアートと一緒では、安らげぬからなぁ。はっはっは。」
ヤンアートは、レンバーグ公爵殿のお名前だ。
「ヨアンは、未来のガーリウム王国宰相の予定だ。ギルファルトの助けになるよう指導してやってほしい。」
「はぃ……??畏まりました??」
なんともなんともな返事になってしまった。
「外交の一環じゃ。
おう、そうじゃ、ヨアン以外の者に仕事の引き継ぎをするのだぞ。」
あー、この提案は兄上に違いない。あの時の不安が的中するとは。
そしてヨアンは、宰相補佐官ではなく、王太子補佐官にならされるのだが、それはまた後で。
「ヨアンシェル殿は新婚なのに、よろしいのでしょうか?」
これは義弟への本心の心配だ。
「レンバーグ公爵家の令息夫妻で世話になると言わなかったか?」
聞いてない!まぁ、今さら一人増えても同じだけど。
「そうでしたか。アリーシャ嬢もイメルダリア嬢が一緒でしたら、不安なく、タニャード王国での生活が始められそうですね。」
「ま、そうだの。
では、そのように、頼んだぞ。」
「畏まりました。御前失礼いたします。」
国王陛下の執務室を後にした。
〰️ 〰️ 〰️
その日、半日休みをもらい、アリスの執務室へ向かった。
婚約の日取りが決まったのだ。嬉しい!!嬉しいはずなのに、なぜか微妙な気持ちが残る。だが、
「まあ、春にはゼファー様と婚姻できますのね。」
と言って、両手で、赤くなる頬を押さえるアリスが可愛いので、なんでもよくなった。そうだ!結婚できるのだ!うれしい!!
ふと、思いつき、アリスをそっと抱き締めた。
「アリス、私を選んでくれて、ありがとう。」
ゼファーとしての私と、いつかゼファーライト王弟となる私と、両方の気持ちを込めて伝えた。
「ふふふ、どういたしましてですわ。」
そして、今後について話し合うが、ガーデンパーティーについては、レンバーグ公爵殿に一任しているので、話し合うことがなかった。
それならばと、アリスとドレスの相談をしようとしたら、
「今回のドレスは、わたくしに決めさせてくださいませ。ゼファー様には、当日まで、秘密です。」
と言われてしまった。
本当にやることがなくなってしまった。
〰️ 〰️ 〰️
なーーんて、思っていた自分を殴りたい。シャーワント宰相がそんな甘い御仁でないことは、知っていたはずなのに。あと半年ほどしかないとなったら、今まで以上に新しい仕事を教わり、さらの今までの仕事を後輩高官に引き継ぎ、日々、倒れるまで働いた。おにーー!!
これが、シャーワント宰相の上司としての愛であったことに気がついたのは、ずっと後、私自身が宰相となり、高官の指導をするようになってからだ。
案内を受けたのは、国王陛下の執務室であった。アリスの父親であるレンバーグ財務大臣も居られた。
「そなたたちの結婚式の日取りが決まったぞ。」
「え!???」
思わず、失礼な言葉が出てしまったことは、許していただきたい。
「おいおい、そなたたちの結婚は、我が国とタニャード王国の外交の1つでもあるのだぞ。ワシ抜きで話が進む訳がなかろう。」
そう言われればそうだ。すっかり忘れていたけど。
「同国でない王族の結婚は、簡単ではないのだ。お前たちの子供のこともある。
例えば、今回でいえば、『もし、ゼファーライト王子、または、アリーシャ嬢の生んだ子供が今後国王に、なったとしても、レンバーグ公爵家は、タニャード王国の政務に関知しない』などの小さな取り決めが多いのだ。」
「私が、国王になることなど……。」
「そうだな。そなたが今はそのような野心のないことはことは、充分承知しておる。タニャード王家もな。
しかし、もしも、明日、奇病が流行り、タニャード王家の生き残りが、そなただけになったら、どうするのだ?」
「そ、それは…。
国民のことを考えると私がやるというのが混乱が少ないかと…。」
「まあ、そういうことじゃ。万が一を考え、国民を思うことが、王家の義務だ。
アナファルトを打首や市井落ちにせんだったのも、そのひとつだ。奴には、子ができぬ処置をしたと伝えてあるが、実はまだなのだ。ギルファルトに、子供ができてから、その処置を行うことになっておる。」
「そ、そのような大事なことを私に話してよいのですか?」
「ゼファーライト王子には、高官ゼファーとしての指導はしてやれたと思っておるが、王族としての指導は足りておらぬように思えるところもあるのでな。
まあ、先ほどの話は内密にな。」
と、まるで、冗談だったかのように国王陛下は語った。
確かに思い当たることがたくさんある。私は、タニャード王国の宰相・公爵になる者として、考え行動してきた。王弟としての考えは足りなかったと思わざるをえない。
アリスについても、私は伴侶がアリスであれば何でもいいのだが、王弟としては、アリスであることは、大変ありがたいことだと思うべきなのだろう。と、婚約前にタニャード王国で家族に言われたことを思い出していた。
まだまだ両国の王家に守っていただいていることを実感し、さらに己を高めていこうと決心した。
「では、私から今後の予定を。」
と、レンバーグ公爵が、手帳を開いた。
「まず、春先に我レンバーグ公爵邸で、ガーデンパーティーを行う。これの招待状や会場の準備などは、公爵家として行うので、私に一任してもらう。ゼファ殿の仕事や友人についてはキチンと相談するので、安心してほしい。
それが済んだら、タニャード王国への引っ越しとなる。タニャード王国で、結婚式などをすることになるだろう。その点は、タニャード王国のしきたりに沿って行うので、タニャード王家に一任した。よろしいか?」
「はい。 私がすべきことは?」
「仕事を滞りなく、引き継いでおくように。」
「畏まりました。」
「タニャード王国へ行く際には、私と妻、息子夫妻も同行して、結婚式には参列させていただけるそうだ。」
「それは、アリーシャ嬢も、喜ぶでしょう。」
「うむ、日取りが決まって、よかったの。」
「はい、ありがとうございます。」
「ヨアンのことじゃが、そなたの結婚式の後、タニャード王国の宰相補佐官となることとなった。その際、そなたの公爵邸で世話してくれるそうだから、頼んだぞ。
レンバーグ公爵たちはガーリウムに戻ってくるから安心しろ。はっはっは
婿でもないのに、ヤンアートと一緒では、安らげぬからなぁ。はっはっは。」
ヤンアートは、レンバーグ公爵殿のお名前だ。
「ヨアンは、未来のガーリウム王国宰相の予定だ。ギルファルトの助けになるよう指導してやってほしい。」
「はぃ……??畏まりました??」
なんともなんともな返事になってしまった。
「外交の一環じゃ。
おう、そうじゃ、ヨアン以外の者に仕事の引き継ぎをするのだぞ。」
あー、この提案は兄上に違いない。あの時の不安が的中するとは。
そしてヨアンは、宰相補佐官ではなく、王太子補佐官にならされるのだが、それはまた後で。
「ヨアンシェル殿は新婚なのに、よろしいのでしょうか?」
これは義弟への本心の心配だ。
「レンバーグ公爵家の令息夫妻で世話になると言わなかったか?」
聞いてない!まぁ、今さら一人増えても同じだけど。
「そうでしたか。アリーシャ嬢もイメルダリア嬢が一緒でしたら、不安なく、タニャード王国での生活が始められそうですね。」
「ま、そうだの。
では、そのように、頼んだぞ。」
「畏まりました。御前失礼いたします。」
国王陛下の執務室を後にした。
〰️ 〰️ 〰️
その日、半日休みをもらい、アリスの執務室へ向かった。
婚約の日取りが決まったのだ。嬉しい!!嬉しいはずなのに、なぜか微妙な気持ちが残る。だが、
「まあ、春にはゼファー様と婚姻できますのね。」
と言って、両手で、赤くなる頬を押さえるアリスが可愛いので、なんでもよくなった。そうだ!結婚できるのだ!うれしい!!
ふと、思いつき、アリスをそっと抱き締めた。
「アリス、私を選んでくれて、ありがとう。」
ゼファーとしての私と、いつかゼファーライト王弟となる私と、両方の気持ちを込めて伝えた。
「ふふふ、どういたしましてですわ。」
そして、今後について話し合うが、ガーデンパーティーについては、レンバーグ公爵殿に一任しているので、話し合うことがなかった。
それならばと、アリスとドレスの相談をしようとしたら、
「今回のドレスは、わたくしに決めさせてくださいませ。ゼファー様には、当日まで、秘密です。」
と言われてしまった。
本当にやることがなくなってしまった。
〰️ 〰️ 〰️
なーーんて、思っていた自分を殴りたい。シャーワント宰相がそんな甘い御仁でないことは、知っていたはずなのに。あと半年ほどしかないとなったら、今まで以上に新しい仕事を教わり、さらの今までの仕事を後輩高官に引き継ぎ、日々、倒れるまで働いた。おにーー!!
これが、シャーワント宰相の上司としての愛であったことに気がついたのは、ずっと後、私自身が宰相となり、高官の指導をするようになってからだ。
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