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第八章 隣国王子の恋愛事情 愛の事情編
2 愛の承
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王太子任命式から2週間がたった。
タニャード王国から兄上が来ているので、婚約については、とんとんと話が進み、めでたく婚約の運びとなった。
同日、レンバーグ公爵家長男ヨアンシェル殿とユラベル侯爵家長女イメルダリア嬢との婚約も成立した。
公爵邸で、3家の家族で小さなお祝いの会をした。公爵家4人、侯爵家5人(イメルダリア嬢の弟2人)、タニャード王家2人。大勢での食事は昼食なのに夕食のような豪華さで、賑やかで楽しいものだった。
食事の後には、ホールでダンスパーティーもあった。公爵家のメイドと執事でピアノとバイオリンとコントラバスの音楽隊ができていた。楽器ができるなんて、かなり高度教育を受けているはずだ。公爵家の力の一部を見た気がする。ちなみに、私はフルート、アリスはピアノとチェロが得意だ。
先日の王太子任命式の夜会でのアリスの足さばきは、見事だったらしく、イメルダリア嬢が少しだけアリスからレッスンを受けていた。イメルダリア嬢は、ドレスもアリスのように大人な感じに変えたいそうで、そのためにも、是非マスターしたいのだとか。
あー、それなら、今日こそあの若草色のお揃いの装いにすればよかったなと、反省した。
家族のダンスパーティーなので、婚約者は2回までなどという不粋なルールはない。アリスと何度も踊ることができて、とても楽しかった。
アリスは、イメルダリア嬢の弟殿たちや私の兄上とも踊った。
イメルダリア嬢の弟シェノーロンド君は、17歳で、ヨアン(義弟となるので、愛称で呼ぶことになった)の同級生だ。彼とは、ヨアンに初めて会った公爵邸での相談の日に会っている。
アリスとのダンスは真っ赤な顔でとても初々しい。確か、卒業パーティーでもアリスと踊ったはずだが、その時も真っ赤だった。そんな様子も笑顔で見ていられるのは、アリスと正式に婚約できたからだ。後で聞いたら、アリスは下級生から高嶺の妖精と呼ばれていたそうだ。彼女の婚約者は私なのだ。幸せだ。
もう一人のイメルダリア嬢の弟ソラン君は12歳。ステップを確認しながらのダンスはまるでレッスンのようで、可愛らしくみえた。12歳ならこんなものだ。10歳で物怖じせずに踊る王太子殿下と婚約者のご令嬢は、やはり、それなりに厳しい教育を受けているのだろう。
兄上とのダンスは……。
きっと、二度と兄上がアリスとダンスをすることはないだろう。させないと誓おう。
ダンスの後の茶会は、自然と3組に分かれた。
サロンで、私は、イメルダリア嬢の弟殿に挟まれて座っていて、ソラン君が暇をしていないか気にしつつ、ロン君(ヨアンの繋がりで愛称呼びになった)から、卒業パーティー予行練習の事件の話を細かく聞いていた。
ロン君は、生徒会役員で、裏方として、ヨアンと会場がパニックにならないように気を配っていた。『あんなに派手にやるとは思っていなかった』と彼女たちの武勇伝を語ってくれた。
次の日の本番でも、頑張ってくれていたに違いない。ロン君ともう一人のヨアンの友達ディーク君には、大変感謝している。
あの事件の後、まだ学園は、春休み中だが、事件の真相を知りたがる友人から手紙が来て困ると言っていた。しかし、その手紙の中に、ずっと気になっていたクラスメートの女子生徒からのものがあったので、それを理由にデートの約束をしたそうだ。ちゃっかりしているが、あの事件の裏方さんなのだ、彼にも幸せを掴んでほしい。
同じテーブルにいた、兄上とヨアンが、とても気が合ったようだ。兄上は、ヨアンにタニャード王国へ来るように進めていた。ヨアンは、イメルダリア嬢を理由に断っていた。だが、あの兄上が諦めるだろうか、不安だ。
また、花の見える中庭の東屋では、女性たちが話に華を咲かせていたようだ。今までは、アリスの王妃教育があったため、アリスとイメルダリア嬢は思っていたよりも話をする機会がなかったらしい。義姉妹になるということで、嬉しそうだった。お互いの母親と和やかにお茶を楽しんでいたようで、笑い声がこちらまで聞こえてきた。
そして、公爵殿と侯爵殿で話をした結果、来年のこの日に、ヨアンとイメルダリア嬢が結婚することが決まった。
もちろん、私もすぐに兄上に結婚時期の決定をお願いしたのだが、
「国王に聞かないとなあ。」
と、一言で締められた。『父上』ではなく『国王』と言われれば、従うしかない。だけど、せめて、ヨアンより先にやりたい!
が、
「王族の婚約は、一年や二年は当たり前だろ。アリーシャ嬢は、先日の件もあってきっと心労もあるだろう。ゆっくりと構えろ。」
と、さらに釘を刺してきた。
いや!早く結婚できるように頑張るぞ!
タニャード王国から兄上が来ているので、婚約については、とんとんと話が進み、めでたく婚約の運びとなった。
同日、レンバーグ公爵家長男ヨアンシェル殿とユラベル侯爵家長女イメルダリア嬢との婚約も成立した。
公爵邸で、3家の家族で小さなお祝いの会をした。公爵家4人、侯爵家5人(イメルダリア嬢の弟2人)、タニャード王家2人。大勢での食事は昼食なのに夕食のような豪華さで、賑やかで楽しいものだった。
食事の後には、ホールでダンスパーティーもあった。公爵家のメイドと執事でピアノとバイオリンとコントラバスの音楽隊ができていた。楽器ができるなんて、かなり高度教育を受けているはずだ。公爵家の力の一部を見た気がする。ちなみに、私はフルート、アリスはピアノとチェロが得意だ。
先日の王太子任命式の夜会でのアリスの足さばきは、見事だったらしく、イメルダリア嬢が少しだけアリスからレッスンを受けていた。イメルダリア嬢は、ドレスもアリスのように大人な感じに変えたいそうで、そのためにも、是非マスターしたいのだとか。
あー、それなら、今日こそあの若草色のお揃いの装いにすればよかったなと、反省した。
家族のダンスパーティーなので、婚約者は2回までなどという不粋なルールはない。アリスと何度も踊ることができて、とても楽しかった。
アリスは、イメルダリア嬢の弟殿たちや私の兄上とも踊った。
イメルダリア嬢の弟シェノーロンド君は、17歳で、ヨアン(義弟となるので、愛称で呼ぶことになった)の同級生だ。彼とは、ヨアンに初めて会った公爵邸での相談の日に会っている。
アリスとのダンスは真っ赤な顔でとても初々しい。確か、卒業パーティーでもアリスと踊ったはずだが、その時も真っ赤だった。そんな様子も笑顔で見ていられるのは、アリスと正式に婚約できたからだ。後で聞いたら、アリスは下級生から高嶺の妖精と呼ばれていたそうだ。彼女の婚約者は私なのだ。幸せだ。
もう一人のイメルダリア嬢の弟ソラン君は12歳。ステップを確認しながらのダンスはまるでレッスンのようで、可愛らしくみえた。12歳ならこんなものだ。10歳で物怖じせずに踊る王太子殿下と婚約者のご令嬢は、やはり、それなりに厳しい教育を受けているのだろう。
兄上とのダンスは……。
きっと、二度と兄上がアリスとダンスをすることはないだろう。させないと誓おう。
ダンスの後の茶会は、自然と3組に分かれた。
サロンで、私は、イメルダリア嬢の弟殿に挟まれて座っていて、ソラン君が暇をしていないか気にしつつ、ロン君(ヨアンの繋がりで愛称呼びになった)から、卒業パーティー予行練習の事件の話を細かく聞いていた。
ロン君は、生徒会役員で、裏方として、ヨアンと会場がパニックにならないように気を配っていた。『あんなに派手にやるとは思っていなかった』と彼女たちの武勇伝を語ってくれた。
次の日の本番でも、頑張ってくれていたに違いない。ロン君ともう一人のヨアンの友達ディーク君には、大変感謝している。
あの事件の後、まだ学園は、春休み中だが、事件の真相を知りたがる友人から手紙が来て困ると言っていた。しかし、その手紙の中に、ずっと気になっていたクラスメートの女子生徒からのものがあったので、それを理由にデートの約束をしたそうだ。ちゃっかりしているが、あの事件の裏方さんなのだ、彼にも幸せを掴んでほしい。
同じテーブルにいた、兄上とヨアンが、とても気が合ったようだ。兄上は、ヨアンにタニャード王国へ来るように進めていた。ヨアンは、イメルダリア嬢を理由に断っていた。だが、あの兄上が諦めるだろうか、不安だ。
また、花の見える中庭の東屋では、女性たちが話に華を咲かせていたようだ。今までは、アリスの王妃教育があったため、アリスとイメルダリア嬢は思っていたよりも話をする機会がなかったらしい。義姉妹になるということで、嬉しそうだった。お互いの母親と和やかにお茶を楽しんでいたようで、笑い声がこちらまで聞こえてきた。
そして、公爵殿と侯爵殿で話をした結果、来年のこの日に、ヨアンとイメルダリア嬢が結婚することが決まった。
もちろん、私もすぐに兄上に結婚時期の決定をお願いしたのだが、
「国王に聞かないとなあ。」
と、一言で締められた。『父上』ではなく『国王』と言われれば、従うしかない。だけど、せめて、ヨアンより先にやりたい!
が、
「王族の婚約は、一年や二年は当たり前だろ。アリーシャ嬢は、先日の件もあってきっと心労もあるだろう。ゆっくりと構えろ。」
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いや!早く結婚できるように頑張るぞ!
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