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第四章 公爵令息の作戦 準備編
作戦2 仲間を集める
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姉上とまともに話せないまま数週間が過ぎた頃、最上級学年の生徒会長殿が、うちのクラスに来た。学園の行事式典には必ず壇上で挨拶するから、顔くらい知っている。確か、侯爵家の人だ。
「レンバーグ公爵家のご長男って、君かい?」
「はぁ、はい。そうです。」
「今日の放課後、生徒会室に来てほしい。」
「………わかりました。」
それだけで、帰っていった。
「ヨアン、何したんだよ?」
「生徒会指名かぁ。まあ、ヨアンが選ばれるのは妥当だな。」
ディークは本当になんでも知っている。
ディークによると、この学園の生徒会は、前生徒会役員が上級学年から3人、中級学年から1人を指名して世代交代する。
しかし、例外はある。王子がいる学年は王子の側近と呼ばれる者が、政務の練習として、生徒会を任されるのだ。
ちなみに、王子とその婚約者は、王家での教育が忙しいため、生徒会には参加しない。
というわけで、今回は、イリサスさん、ウズライザーさん、エンゾラールさんは決定しており、指名を受けたのが、中級学年のヨアンだろうというのが、ディークの予想だ。
「ちなみに、君以外のお三方は、あの花畑5人組です。」
ディークが、ニタニタと嬉しくない情報を教えてくれる。
結果としては、ディークの予想は大的中だった。
「では、明日から引き継ぎがあるので、放課後にここに来てください。」
生徒会長殿にそう言われ、お花畑さんたちは早々に帰っていった。
お花畑さんたちがいなくなるのを確認して、生徒会長殿に質問した。
「これは、断ることは可能でしょうか?」
「理由が、はっきりしていないとできないな。」
「あの人たちと仕事ができるとは思いません。」
「………そうか。でも、その理由では、認められないな。
とりあえず、明日から引き継ぎだ。しばらくは我々も手伝うし、頼むよ。」
「はぁ……、わかりました。」
そして、次の日の放課後、お花畑さんたちは、………来なかった。次の日も次の日も来なかった。本来1週間で終わるはずの引き継ぎだったが、相手が僕だけなので、一月かかった。
「どうしてものときは、我々が在学している間は手伝うし、ナディルスは、上級学年だから、いつでも相談に乗ってくれるよ。」
と、固く約束して、引き継ぎを終えた。
次の日から、僕は一人で生徒会運営を始めた。まずは、2ヶ月後の文化講演会だと、気合いを入れた。
が、僕の平穏はその週だけだった。翌週から、お花畑さんたちは、5人揃って現れ、ソファーセットで戯れていた。学園のメイドに茶菓子の用意をさせ、用意されているティーセットでお茶をするのではなく、メイドにお茶を入れさせた。サロンのような状態になった。
〰️ 〰️ 〰️
4日目、もう我慢ができない。仕事にもならないし。前生徒会長殿に談判に行った。
「あぁ、我々がいなくなればやるかと思ったのですがね。」
「僕が辞めるのは、不可能ですよね?」
「彼らは、王子も含めるとかなり上位貴族です。その彼らとある程度同等で、何かあっても後ろ楯のある生徒ですよ。君以上がいますか?
更に君のお姉様は王子の婚約者様だ。
君以外には、ありえないでしょうね。」
頭で納得するが、心は付いてこない。
「これは、学園長に、相談しなくてはならないね。しばらくは、生徒会室へも行かなくていいよ。」
返事もせず、頷き、最上級学年のAクラスを後にした。姉上には会えなかった。僕はクラスに帰らず、寮へ戻ってベッドにふて寝した。
次の休み時間には、ロンとディークが食堂から、山ほど食べ物と飲み物を持って、僕の部屋に来た。
「3人分の休講届けしてきたぞ。」
何も聞いてこない。ただただバカ話をして夜まで笑って過ごした。
〰️ 〰️
翌日の放課後、サロンの授業(座る席やお茶の入れ方、その他マナーに関すること)が行われる部屋の1つに呼ばれた。本来、ソファーセットとカウンターが3組並んでいるところが、ソファーセットとカウンターは1組で、執務机が3つずつ向かい合わせで6つ並んでいた。まるで、生徒会室だ。
そして、そこには、学園長、前生徒会長、ナディルスさんだけでなく、3人のご令嬢がいた。
学園長は、揃ったなとばかりに、いなくなってしまった。
「わたくしたちが、婚約者を説得できないばかりにごめんなさいね。」
何を言われているのかが、よくわからない。
誘われるまま、ソファーに座った。ご令嬢のお一人がお茶を入れてくれる。
ナディルスさんが、説明をはじめた。3人のご令嬢は、ナディルスさんのクラスメイトつまり上級学年のAクラスの方々で、お花畑さんたちの婚約者殿であった。
「わたくしたちの婚約者が正気を取り戻すまで、わたくしたちが生徒会をお手伝いしますわ。」
こうして、無事に生徒会が運営されることとなった。生徒会は、かなり忙しく、放課後はほぼ毎日、新生徒会室で仕事をした。お花畑さんたちに文句を言われたくないので、僕は週に一度、少しの時間だけ、お花畑サロンに行き、仕事をしているふりをした。
文化講演会では、イリサスさんに会長挨拶の文を読んでもらい。あとは無事に終えることができた。
ナディルスさんは、これを機に、「また困ったら声かけてね。」と言って生徒会から離れた。
始めこそお花畑さんたちを気にして運営していたが、しばらくすれば、いないものとして、運営していくことに慣れた。
「レンバーグ公爵家のご長男って、君かい?」
「はぁ、はい。そうです。」
「今日の放課後、生徒会室に来てほしい。」
「………わかりました。」
それだけで、帰っていった。
「ヨアン、何したんだよ?」
「生徒会指名かぁ。まあ、ヨアンが選ばれるのは妥当だな。」
ディークは本当になんでも知っている。
ディークによると、この学園の生徒会は、前生徒会役員が上級学年から3人、中級学年から1人を指名して世代交代する。
しかし、例外はある。王子がいる学年は王子の側近と呼ばれる者が、政務の練習として、生徒会を任されるのだ。
ちなみに、王子とその婚約者は、王家での教育が忙しいため、生徒会には参加しない。
というわけで、今回は、イリサスさん、ウズライザーさん、エンゾラールさんは決定しており、指名を受けたのが、中級学年のヨアンだろうというのが、ディークの予想だ。
「ちなみに、君以外のお三方は、あの花畑5人組です。」
ディークが、ニタニタと嬉しくない情報を教えてくれる。
結果としては、ディークの予想は大的中だった。
「では、明日から引き継ぎがあるので、放課後にここに来てください。」
生徒会長殿にそう言われ、お花畑さんたちは早々に帰っていった。
お花畑さんたちがいなくなるのを確認して、生徒会長殿に質問した。
「これは、断ることは可能でしょうか?」
「理由が、はっきりしていないとできないな。」
「あの人たちと仕事ができるとは思いません。」
「………そうか。でも、その理由では、認められないな。
とりあえず、明日から引き継ぎだ。しばらくは我々も手伝うし、頼むよ。」
「はぁ……、わかりました。」
そして、次の日の放課後、お花畑さんたちは、………来なかった。次の日も次の日も来なかった。本来1週間で終わるはずの引き継ぎだったが、相手が僕だけなので、一月かかった。
「どうしてものときは、我々が在学している間は手伝うし、ナディルスは、上級学年だから、いつでも相談に乗ってくれるよ。」
と、固く約束して、引き継ぎを終えた。
次の日から、僕は一人で生徒会運営を始めた。まずは、2ヶ月後の文化講演会だと、気合いを入れた。
が、僕の平穏はその週だけだった。翌週から、お花畑さんたちは、5人揃って現れ、ソファーセットで戯れていた。学園のメイドに茶菓子の用意をさせ、用意されているティーセットでお茶をするのではなく、メイドにお茶を入れさせた。サロンのような状態になった。
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4日目、もう我慢ができない。仕事にもならないし。前生徒会長殿に談判に行った。
「あぁ、我々がいなくなればやるかと思ったのですがね。」
「僕が辞めるのは、不可能ですよね?」
「彼らは、王子も含めるとかなり上位貴族です。その彼らとある程度同等で、何かあっても後ろ楯のある生徒ですよ。君以上がいますか?
更に君のお姉様は王子の婚約者様だ。
君以外には、ありえないでしょうね。」
頭で納得するが、心は付いてこない。
「これは、学園長に、相談しなくてはならないね。しばらくは、生徒会室へも行かなくていいよ。」
返事もせず、頷き、最上級学年のAクラスを後にした。姉上には会えなかった。僕はクラスに帰らず、寮へ戻ってベッドにふて寝した。
次の休み時間には、ロンとディークが食堂から、山ほど食べ物と飲み物を持って、僕の部屋に来た。
「3人分の休講届けしてきたぞ。」
何も聞いてこない。ただただバカ話をして夜まで笑って過ごした。
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翌日の放課後、サロンの授業(座る席やお茶の入れ方、その他マナーに関すること)が行われる部屋の1つに呼ばれた。本来、ソファーセットとカウンターが3組並んでいるところが、ソファーセットとカウンターは1組で、執務机が3つずつ向かい合わせで6つ並んでいた。まるで、生徒会室だ。
そして、そこには、学園長、前生徒会長、ナディルスさんだけでなく、3人のご令嬢がいた。
学園長は、揃ったなとばかりに、いなくなってしまった。
「わたくしたちが、婚約者を説得できないばかりにごめんなさいね。」
何を言われているのかが、よくわからない。
誘われるまま、ソファーに座った。ご令嬢のお一人がお茶を入れてくれる。
ナディルスさんが、説明をはじめた。3人のご令嬢は、ナディルスさんのクラスメイトつまり上級学年のAクラスの方々で、お花畑さんたちの婚約者殿であった。
「わたくしたちの婚約者が正気を取り戻すまで、わたくしたちが生徒会をお手伝いしますわ。」
こうして、無事に生徒会が運営されることとなった。生徒会は、かなり忙しく、放課後はほぼ毎日、新生徒会室で仕事をした。お花畑さんたちに文句を言われたくないので、僕は週に一度、少しの時間だけ、お花畑サロンに行き、仕事をしているふりをした。
文化講演会では、イリサスさんに会長挨拶の文を読んでもらい。あとは無事に終えることができた。
ナディルスさんは、これを機に、「また困ったら声かけてね。」と言って生徒会から離れた。
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