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第三章 隣国王子の恋愛事情 恋の事情編
2 恋の承
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アナファルト王子とアリーシャ嬢の逢瀬の茶会代理を 私がをするようになってから1年以上になり、お二人は学園では最上級学年(4年生)となっていた。
アリーシャ嬢の政務力がとても上がってきているので、王妃殿下の政務に近いものもアリーシャ嬢に回されるようになった。なので、今まではアリーシャ嬢は一般文官と相談することが多かったが、今では宰相補佐官である私やその他各補佐官との相談が、増えていた。
私としてはアリーシャ嬢に会える事が増えるのは大変嬉しい。
〰️ 〰️ 〰️
そんなある日、レンバーグ公爵子息、ユラベル侯爵令嬢、マーペリア辺境伯令嬢、ナハナージュ侯爵令嬢(私が、成人しておらず社交界にあまり出ていないご令息ご令嬢を知るわけはないが、メイドが教えてくれた)が王城に現れ、名だたる方々が揃っているはずの会議室へ行かれた。
もちろん、私は部外者だ。私はこの令嬢たちの婚約者が、メノール嬢の取り巻きであることは知らなかったので、この時は何も思わなかった。
だが、その後、シャーワント宰相が、レンバーグ財務大臣やユラベル建設大臣やバルトルガー団長やサンドエク団長やナハナージュ所長とすれ違うときにかわすいくつかの言葉を繋げると、どうも婚約をなかったことにするらしいと思われた。
まさか、アリーシャ嬢の婚約のことか?と、私は大変慌てた。結果的には、4組の婚約の話であったのだが、それを知るよしもない。
アリーシャ嬢の婚約がなくなることは正直嬉しい。アリーシャ嬢は傷つくかもしれないが、あの状態のアナファルト王子と結婚して、アリーシャ嬢が幸せになれるわけがない。
だが、今はダメだ。今はまだ私には口説くだけの用意がない。ただ恋人として口説くのならいつでもできる。しかし、私は、王族だ。私の将来の伴侶として口説くためには、準備が必要なのだ。
それなのに、今、婚約をなかったことにされてしまったら、この国中の高位貴族の子息たちが我先にと釣り書を送り、隙を見ては口説くに違いない。それに、王妃殿下の隣で外交にも携わってきたアリーシャ嬢だ。他国にも狙う者がでてきても不思議ではない。
アリーシャ嬢の婚約がなくなることは、野獣の群れの中にウサギを放つようなものだ。
私はしばし熟考し、レンバーグ財務大臣いや、父親としてのレンバーグ公爵殿とお話させていただくことにした。
私は、現在、逢瀬の茶会は私が代理をしていることや、私がどれほどアリーシャ嬢を大切に思っているかということや、将来タニャード王国へ行っても立場を確立させており何も心配いらないということなどを誠心誠意話をした。
レンバーグ公爵殿は、逢瀬の茶会代理については知らなかったようで驚いておられた。しかし、私の視線については、シャーワント宰相から聞いていたらしく、半分呆れ半分諦めのような顔で納得してもらった。シャーワント宰相に私の気持ちを知られていたことは大層恥ずかしかったが、レンバーグ公爵にご理解いただく助けになったと思えば、何の問題もない。
逢瀬の茶会代理が知られていないなんて、王宮のメイドと護衛の口の固さは流石だなと感心した。まあ、それもまだ(?)1年ほどだからだろう。これ以上になれば心配したメイド長あたりが王妃殿下に相談したに違いない。
と、閑話休題
レンバーグ公爵殿は、私を次の休日にご自宅へ招待してくれた。
〰️ 〰️ 〰️
約束の日、学園の夏休みが明けてすぐの週末であった。
レンバーグ公爵邸で待っていたのはアリーシャ嬢の弟ヨアンシェル殿であった。さらに、ヨアンシェル殿に案内されたサロンには、イメルダリア嬢とヴィオリア嬢とエマローズ嬢、ヨアンシェル殿の友人二人がいた。まさに、先日王城で名だたる方々と会議室へ入っていったご令嬢たちではないかっ!
そこでそれまでの王子たちの状況と令嬢たちがどうするつもりなのかを聞いた。
思っていたよりも王子たちの状況はひどいものだった。婚約者への贈り物や婚約者との逢瀬は、他の者から見えないが(令嬢たちはこの辺ももちろん怒っていたが)、学園内で5人の世界を作っているなんて嘘だろう??と言いたい。さらに学園以外の目があるようなパーティーや茶会、鍛練場や市井に行くなんて考えられない。
王子の不貞については何も出てきていないようだが、メイドや護衛の口が固いだけで、きっとやらかしているのだろう。
こんな状況で婚約者のことを気にもしていない彼らに呆れるばかりだった。
さらに驚いたことには、すでに2組の婚約は白紙になっており、もう1組も、ある条件が満たされるのを待っているだけで、婚約白紙になることは、決定しているそうだ。
つまりは、アリーシャ嬢のことだけが決まってないらしい。
アリーシャ嬢も嫌な気持ちになっているのではないだろうかと心配していた6人に、逢瀬の茶会代理のことや贈り物代理のことを話した。
ご令嬢たちからは小さな悲鳴が聞こえた。
そして、私がタニャード王国第2王子であることや私の妃としてアリーシャ嬢を求める気持ちであることなどを誠意をもって話した。6人には概ね好感を持ってもらえたと思う。
その上で、私自身がまだアリーシャ嬢を口説けないことを伝え、アリーシャ嬢の婚約白紙は、私の準備ができるまで待ってもらうことになった。
レンバーグ公爵殿には、ヨアンシェル殿から話をしてくれるそうだ。アナファルト王子とアリーシャ嬢の話がまわりに知らされていないのに、私が財務大臣殿と頻繁に話をしているわけにはいかないという、ヨアンシェル殿の配慮だ。
なかなか気のきくヨアンシェル殿に将来は楽しみだなと思った。
アナファルト王子にもアリーシャ嬢にも秘密で今後この4組の婚約についての話を進めていくので、逢瀬の茶会代理と贈り物代理は続けることになった。
アリーシャ嬢の政務力がとても上がってきているので、王妃殿下の政務に近いものもアリーシャ嬢に回されるようになった。なので、今まではアリーシャ嬢は一般文官と相談することが多かったが、今では宰相補佐官である私やその他各補佐官との相談が、増えていた。
私としてはアリーシャ嬢に会える事が増えるのは大変嬉しい。
〰️ 〰️ 〰️
そんなある日、レンバーグ公爵子息、ユラベル侯爵令嬢、マーペリア辺境伯令嬢、ナハナージュ侯爵令嬢(私が、成人しておらず社交界にあまり出ていないご令息ご令嬢を知るわけはないが、メイドが教えてくれた)が王城に現れ、名だたる方々が揃っているはずの会議室へ行かれた。
もちろん、私は部外者だ。私はこの令嬢たちの婚約者が、メノール嬢の取り巻きであることは知らなかったので、この時は何も思わなかった。
だが、その後、シャーワント宰相が、レンバーグ財務大臣やユラベル建設大臣やバルトルガー団長やサンドエク団長やナハナージュ所長とすれ違うときにかわすいくつかの言葉を繋げると、どうも婚約をなかったことにするらしいと思われた。
まさか、アリーシャ嬢の婚約のことか?と、私は大変慌てた。結果的には、4組の婚約の話であったのだが、それを知るよしもない。
アリーシャ嬢の婚約がなくなることは正直嬉しい。アリーシャ嬢は傷つくかもしれないが、あの状態のアナファルト王子と結婚して、アリーシャ嬢が幸せになれるわけがない。
だが、今はダメだ。今はまだ私には口説くだけの用意がない。ただ恋人として口説くのならいつでもできる。しかし、私は、王族だ。私の将来の伴侶として口説くためには、準備が必要なのだ。
それなのに、今、婚約をなかったことにされてしまったら、この国中の高位貴族の子息たちが我先にと釣り書を送り、隙を見ては口説くに違いない。それに、王妃殿下の隣で外交にも携わってきたアリーシャ嬢だ。他国にも狙う者がでてきても不思議ではない。
アリーシャ嬢の婚約がなくなることは、野獣の群れの中にウサギを放つようなものだ。
私はしばし熟考し、レンバーグ財務大臣いや、父親としてのレンバーグ公爵殿とお話させていただくことにした。
私は、現在、逢瀬の茶会は私が代理をしていることや、私がどれほどアリーシャ嬢を大切に思っているかということや、将来タニャード王国へ行っても立場を確立させており何も心配いらないということなどを誠心誠意話をした。
レンバーグ公爵殿は、逢瀬の茶会代理については知らなかったようで驚いておられた。しかし、私の視線については、シャーワント宰相から聞いていたらしく、半分呆れ半分諦めのような顔で納得してもらった。シャーワント宰相に私の気持ちを知られていたことは大層恥ずかしかったが、レンバーグ公爵にご理解いただく助けになったと思えば、何の問題もない。
逢瀬の茶会代理が知られていないなんて、王宮のメイドと護衛の口の固さは流石だなと感心した。まあ、それもまだ(?)1年ほどだからだろう。これ以上になれば心配したメイド長あたりが王妃殿下に相談したに違いない。
と、閑話休題
レンバーグ公爵殿は、私を次の休日にご自宅へ招待してくれた。
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レンバーグ公爵邸で待っていたのはアリーシャ嬢の弟ヨアンシェル殿であった。さらに、ヨアンシェル殿に案内されたサロンには、イメルダリア嬢とヴィオリア嬢とエマローズ嬢、ヨアンシェル殿の友人二人がいた。まさに、先日王城で名だたる方々と会議室へ入っていったご令嬢たちではないかっ!
そこでそれまでの王子たちの状況と令嬢たちがどうするつもりなのかを聞いた。
思っていたよりも王子たちの状況はひどいものだった。婚約者への贈り物や婚約者との逢瀬は、他の者から見えないが(令嬢たちはこの辺ももちろん怒っていたが)、学園内で5人の世界を作っているなんて嘘だろう??と言いたい。さらに学園以外の目があるようなパーティーや茶会、鍛練場や市井に行くなんて考えられない。
王子の不貞については何も出てきていないようだが、メイドや護衛の口が固いだけで、きっとやらかしているのだろう。
こんな状況で婚約者のことを気にもしていない彼らに呆れるばかりだった。
さらに驚いたことには、すでに2組の婚約は白紙になっており、もう1組も、ある条件が満たされるのを待っているだけで、婚約白紙になることは、決定しているそうだ。
つまりは、アリーシャ嬢のことだけが決まってないらしい。
アリーシャ嬢も嫌な気持ちになっているのではないだろうかと心配していた6人に、逢瀬の茶会代理のことや贈り物代理のことを話した。
ご令嬢たちからは小さな悲鳴が聞こえた。
そして、私がタニャード王国第2王子であることや私の妃としてアリーシャ嬢を求める気持ちであることなどを誠意をもって話した。6人には概ね好感を持ってもらえたと思う。
その上で、私自身がまだアリーシャ嬢を口説けないことを伝え、アリーシャ嬢の婚約白紙は、私の準備ができるまで待ってもらうことになった。
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