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19 宰相「お二人のお仕事書類も見たことがありませんね」
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「確かにお二人は国王陛下から推薦人の一人として認められておりました。推薦人は二人のサインが必要なのですが互いにサインをしあったようですね」
宰相の手元には当時の推薦状がある。
「能力が申し分のないことは互いに確認しましたから自信を持って推薦いたしました」
「そうですか。
王子殿下の側近は王子と話し合った内容を書面にし再検討し自分のサインと王子殿下のサインを入れて総務に提出することになっているのはご存知ですね?」
「もちろんですよ。どの部署も上司の話を部下が書面にするのですからな」
二人の当主は幹部ではないが建設部に所属しており公爵家侯爵家という爵位だけで中間管理職いや無管理職をしている。無謀な計画を立てては部下に書類を作成させ提出するが企画が通ったことはない。
「ああ。お二人のお名前を総務への書類で見たことはありませんが建設部におられたのですね」
「「「プッ!」」」
「「「グフッ」」」
そこここから笑いが漏れた。
「我々の企画が斬新で最先端すぎるために受け入れられないだけだっ!」
「ほぉ! 物は言いようですなぁ。ご自身の領地への道々への企画書以外は見たことがないと評判ですが……。まあ、それはここでは問いません」
「「なっ!!!」」
問わないのに貶されただけであり二人は絶句する。その姿にも苦笑が出る。
「とにかく、企画書や報告書に関してご存知であるようですね。
お二人のご子息ドリテンとソナハスは第一王子殿下の側近になりすでに三年近くになりますが一度も二人のサインがあるものが提出されていないようです」
『ダンっ!』
「嘘だっ!」
「第一王子殿下がそういうことに興味がないのではないですかっ?!」
二人の当主は身を乗り出して抗議する。
「いやいや、第一王子殿下は大変に勤勉でありまして様々な案を出しております。時期尚早で保留になっているものもありますがこれまで五十近くの企画書を提出しております。また通った企画を実行した報告書や他からの案件への報告書も丁寧かつわかりやすくかつ次回の問題点なども書かれた立派なものです」
「ひ、一人の部下の名前しか書けないから息子たちの名前は入れていないのだろう!」
「いえいえ。それらの書類は誰に聞けば話がわかるかの指針ですので、部下のサインが複数であることはよくあることです。
現に第一王子殿下の書類には部下二人の名前があることが多いのですよ。
とはいえ最近は第一王子殿下からの書類の提出が見受けられませんがねぇ」
困り顔の宰相の演技に周りは笑いを堪え当主たちは顔を赤くして怒っている。
「とにかく、どの辺りを判断して優秀だとお考えになったのか現段階では理解しかねますな。
確かに書類のことだけで判断はできかねますので後程本人たちの能力判定はいたしましょう」
「そうですっ! キチンと試験でもしてもらえばわかることですよ!」
宰相は嫌味のつもりだったので唖然とする。
「因みにですが、お二人は文官たちの能力判定テストを受けたことはございますか? またはご子息に受けさせたことは?」
「は? そんなものは程度の低い者がやるものでしょう。我々に必要なわけがないではないですかっ?!」
「我々は高位貴族家ですぞ。本来ならやるものではありませんが能力を疑われているようなので受けさせると言っているだけですよ」
「そうですか」
宰相は呆れて一息吐くと気を取り直して口を開く。
「では、武術能力についてお聞きします。
ご推薦時は二十一歳で現在の第一王子殿下より年上でしたな。当時の武術能力はいかがだったのですか?」
宰相はシレッと質問する。
ドリテンとソナハスは現在二十四歳である。
宰相の手元には当時の推薦状がある。
「能力が申し分のないことは互いに確認しましたから自信を持って推薦いたしました」
「そうですか。
王子殿下の側近は王子と話し合った内容を書面にし再検討し自分のサインと王子殿下のサインを入れて総務に提出することになっているのはご存知ですね?」
「もちろんですよ。どの部署も上司の話を部下が書面にするのですからな」
二人の当主は幹部ではないが建設部に所属しており公爵家侯爵家という爵位だけで中間管理職いや無管理職をしている。無謀な計画を立てては部下に書類を作成させ提出するが企画が通ったことはない。
「ああ。お二人のお名前を総務への書類で見たことはありませんが建設部におられたのですね」
「「「プッ!」」」
「「「グフッ」」」
そこここから笑いが漏れた。
「我々の企画が斬新で最先端すぎるために受け入れられないだけだっ!」
「ほぉ! 物は言いようですなぁ。ご自身の領地への道々への企画書以外は見たことがないと評判ですが……。まあ、それはここでは問いません」
「「なっ!!!」」
問わないのに貶されただけであり二人は絶句する。その姿にも苦笑が出る。
「とにかく、企画書や報告書に関してご存知であるようですね。
お二人のご子息ドリテンとソナハスは第一王子殿下の側近になりすでに三年近くになりますが一度も二人のサインがあるものが提出されていないようです」
『ダンっ!』
「嘘だっ!」
「第一王子殿下がそういうことに興味がないのではないですかっ?!」
二人の当主は身を乗り出して抗議する。
「いやいや、第一王子殿下は大変に勤勉でありまして様々な案を出しております。時期尚早で保留になっているものもありますがこれまで五十近くの企画書を提出しております。また通った企画を実行した報告書や他からの案件への報告書も丁寧かつわかりやすくかつ次回の問題点なども書かれた立派なものです」
「ひ、一人の部下の名前しか書けないから息子たちの名前は入れていないのだろう!」
「いえいえ。それらの書類は誰に聞けば話がわかるかの指針ですので、部下のサインが複数であることはよくあることです。
現に第一王子殿下の書類には部下二人の名前があることが多いのですよ。
とはいえ最近は第一王子殿下からの書類の提出が見受けられませんがねぇ」
困り顔の宰相の演技に周りは笑いを堪え当主たちは顔を赤くして怒っている。
「とにかく、どの辺りを判断して優秀だとお考えになったのか現段階では理解しかねますな。
確かに書類のことだけで判断はできかねますので後程本人たちの能力判定はいたしましょう」
「そうですっ! キチンと試験でもしてもらえばわかることですよ!」
宰相は嫌味のつもりだったので唖然とする。
「因みにですが、お二人は文官たちの能力判定テストを受けたことはございますか? またはご子息に受けさせたことは?」
「は? そんなものは程度の低い者がやるものでしょう。我々に必要なわけがないではないですかっ?!」
「我々は高位貴族家ですぞ。本来ならやるものではありませんが能力を疑われているようなので受けさせると言っているだけですよ」
「そうですか」
宰相は呆れて一息吐くと気を取り直して口を開く。
「では、武術能力についてお聞きします。
ご推薦時は二十一歳で現在の第一王子殿下より年上でしたな。当時の武術能力はいかがだったのですか?」
宰相はシレッと質問する。
ドリテンとソナハスは現在二十四歳である。
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