初めまして。
基本的には虐げられていた主人公が老いた祖父母の元で幼馴染みと幸せになれて良かったなと思いました。父親ざまぁも満足です。
ただ完結して時間がたっているので今更なのですが使用人でオリビアを虐げた者にざまぁの記載がなかったのとオリビア兄に少しの救済が欲しかったですね。
何故ならオリビアと兄の年齢差はわかりませんが兄もオリビアと同様に幼少期に母親を亡くし妻を喪った父は悲しみに捕らわれ真面に兄妹の養育に気を回していなかったとしたら10歳まで娘の忘れ形見として祖父母に愛されつつ躾られて育ったオリビアに比べ愛情を与えられずただ屋敷の使用人に後継者としてのみ育てられた兄が一番不憫だからです。
他家の嫡子それも第一子で男子となれば母方祖父母が女児同様に手元に呼び寄せ同じように母親を失くした幼児を慈しむ事が出来なかった状況はわかりますし娘を亡くし乳児に意識が一杯で兄への配慮が出来なかったのも仕方の無い事でしょう(本来は父親のするべき事ですしね)でも同じように親の愛情が必要だった幼児期に妹は祖父母にそれ(愛情)を与えられ幸せに暮らしているのに比べ誰からも愛情を与えられずしかし貴族としてのマナーや資質を厳しく勉強させられただけの兄が母親を妹が奪ったと恨む気持ちもわかるのです。
諸悪の根元は父親ですが使用人もオリビアを虐待していた事を鑑みるに兄に対しても愛情を持って接して兄の思い違いを正してくれる人が近くにいなかったのだと思います。それならば間違った認識のまま大きくなったのは兄の責任ではなく過ちを正せなかった周囲の責任です。
成人した後は当人の責任かもしれませんが養育過程で疑問に持たなかった母の死去≠妹の誕生の事象を気づかずに育ったのならば自身で過ちに気づくのは難しいと思います。
なので成人した今更方向転換は出来ないにしても作品では恋人？に叩かれ振られていましたが兄を孤独にするのではなく愛し愛される伴侶に巡り合わせ愛情を知る機械を与えてあげて(救済して)欲しかったなと思いました。

「あなたの妻（母）は、自分を殺したのは産んだ子だから敵をとって」

と言うような人だったのですかと、この手の話を読むといつもそう
問いたくなります。
妊娠して出産までの月日があったはずで、その間に何も家族間で交流は
なかったんかとも。

身ごもったことを寿ぎ、無事生まれることを祈り、腹の子に愛を注いで
いたんじゃないですか、あなたの妻(母）はと。

もしそうなら、母の頑張りを認めない以上に、その気持ちを踏みにじり
彼女自身を侮辱している行為だと知れ、と思いました。

なにはともあれ、オリビアが幸せになってよかったです。

とても面白かったです！
私も常々、出産時に母親が亡くなったために、その子供が「お前のせいで母親が亡くなった！」と虐げられるのはおかしいと思っていたので、痛快でした。

ただ、内容に破廉恥な話ではないと書かれてますが、やっぱりタイトルで読み控えてる方もいるのではないかと。
私も宇水さんなので読みましたが、タイトルで少し読むのためらいましたので。

すごくいい話だったので、もっとたくさんの方に読んでいただきたいです。